有価証券報告書-第68期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/24 9:01
【資料】
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【項目】
152項目
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは社是である「信用」「信念」「信実」を基本理念として掲げ、お客様ならびに仕入先に対し幅広いソリューションを提供することでエレクトロニクスの総合商社としての存在価値を発揮し、「選ばれる商社」となることを目指しております。
デバイス事業においては、家電・自動車・産業機器メーカー等のお客様各社のグローバル化を支えるため、海外現地法人を展開し、商品やサービスの提供に努めるとともに、豊富な品揃えと仕入先製品の応用技術力によって、お客様と仕入先のコーディネーターとしての役割を担ってまいりました。また、ソリューション事業においては、情報通信ネットワークを核に、システムインテグレーターとしてお客様の事業発展に寄与してまいりました。今後もお客様ならびに仕入先に対する当社グループの存在価値向上に努めてまいります。
また、事業経営にあたっては、多様な人材の活躍を促進する体制の整備や、環境負荷軽減への継続的取り組みなどを通じて、企業市民としての使命を積極的に果たしてまいります。
(2)目標とする経営指標
自己資本当期純利益率(ROE)と経常利益を重要な経営指標として捉え、その向上に努めてまいります。
(3)利益配分に関する基本方針
当社は、株主の皆様に利益を還元していくことを重要な経営課題の一つとして位置づけております。配当につきましては、連結配当性向50%を目処とし、株主の皆様への利益還元、成長機会獲得のための投資、持続的な成長を可能とする内部留保、資本効率の向上、これらのバランスを考慮して決定することを基本方針としております。
なお、当社グループでは、当社第70期(2021年3月期)を最終年度とするV70中期経営計画を実行しております。そのなかで資本効率の向上に向けた施策も併せて実施することとし、2018年3月期から2020年3月期までの3期間においては、連結配当性向100%を目処とした配当の実施、ならびに当該期間合計で取得価額総額の上限を200億円(取得する株式の総数の上限を1,000万株)とした自己株式の取得を実施することを掲げました。この方針に従い、2018年3月期は連結配当性向98.2%の配当を実施し、2019年3月期は同93.3%の配当を予定しております。また2018年5月15日から同年6月11日にかけ、当社普通株式900万株、買付け総額197億円の自己株式の公開買付けを実施いたしました。
(4)経営環境、中期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題等
当社グループでは、当社第70期(2021年3月期)を最終年度とするV70中期経営計画を実行しており、そのなかで「自己資本当期純利益率(ROE)5%」「経常利益30億円」を目標として掲げております。その達成に向け、以下の課題に鋭意取り組んでまいります。
①デバイス事業の収益力回復
デバイス事業においては、当社グループの技術力を活かせるコアデバイス事業と、ロジスティクスやファイナンス機能に特化したボリュームビジネスが収益の柱となっております。このうち、ボリュームビジネスについては、その多くが海外でのビジネスであり、売上高が大きいものの、為替や金利の影響を大きく受けやすく、売上高総利益率も総じて低いという傾向があります。コアデバイス事業については、高付加価値化が可能な反面、売上高の規模拡大に課題があります。また、車載関連市場の成長やIoTを切り口とした新たなビジネスモデルは、エレクトロニクス業界におけるプレイヤーを多様化させ、当社グループにとって大きなポテンシャルとなっております。このポテンシャルの開拓に注力している戦略デバイス事業の収益拡大もデバイス事業の収益力回復に向けた重要な課題となっております。
このような状況を踏まえ、デバイス事業では以下の施策に取り組むことで、高収益体質への転換に向けた事業ポートフォリオ改革を推し進め、収益力の回復を目指します。
イ.既存ビジネスの収益性改善
コアデバイス事業については成長分野向けの拡販を強化し、売上高の拡大を図るとともに、技術力を活用した高付加価値化による売上高総利益率の向上やオペレーションの効率化により、獲得利益の最大化に向けた取り組みを継続します。ボリュームビジネスについては、リスクと採算性を見極めながら、撤退、縮小を進めることで、既存ビジネス全体の収益性改善を目指してまいります。
ロ.新規ビジネスの拡大
より強固な高収益体質を実現するために必要なビジネスを戦略デバイス事業と位置付け、海外を中心とした新規商材ビジネスやIoT関連の新規ビジネスモデルの拡大に継続して注力してまいります。特にIoTを軸とした新規ビジネスモデルについては、アライアンスの強化も奏功し、商談や実証実験の件数は着実に伸ばすことができました。今後はこれらの案件の具現化に傾注し、収益への貢献度合いを高めてまいります。
②ソリューション事業の収益基盤の強化
ソリューション事業においては、システムを販売した後の保守・サポートビジネスで収益を獲得するビジネスモデルを収益の柱としてきました。しかしながらこのビジネスモデルは、サーバーやデータベースなどの情報システムを自社内の設備で運用する形態から、インターネットを経由したクラウドサービスへの置き換えが進むことで、漸減していくことが予想されます。また、大口顧客依存の収益体質からの脱却も課題として残ります。
このような状況を踏まえ、ソリューション事業では以下の施策に取り組むことで、将来に向けた収益基盤の強化に取り組んでまいります。
イ.クラウド事業の強化
三信データセンターを軸としたプライベートクラウド事業や大手ベンダーのパブリッククラウドと連携したハイブリッド型クラウド事業を中心にオリジナルメニューの拡充に努めてまいります。また、他社クラウドサービスのリセールも展開し、多様な顧客ニーズに対応することでクラウド事業を強化し、収益の柱としてまいります。
ロ.顧客基盤の拡大
ビジネス・ユニット間におけるクロスセルを軸に、既存顧客の深耕は一定の成果を収めることができました。引き続き既存顧客の深耕に努めてまいりますが、今後は顧客数の拡大に傾注してまいります。人員増強による拡販強化や仕入先との連携強化に加え、クラウドサービスを中心とした新たなサービスメニューの投入、展示会やセミナーなどによるプロモーションを通じて新規顧客の発掘に努め、大口顧客依存の収益体質から脱却し、収益基盤のさらなる強化を目指してまいります。
③資本効率の向上
資本効率の向上に向け、配当や自己株式の取得等株主還元の充実に取り組んでまいりました。その具体的な取り組みにつきましては、先述の「利益配分に関する方針」に記載のとおりであり、これらの取り組みにより、資本効率の向上を進めてまいりました。一方でデバイス事業におけるボリュームビジネスの見直しにより運転資金の圧縮に努めるとともに、売掛金の早期資金化を行うことで、一定以上の自己資本比率を維持し、財務の健全性を確保できる見込みです。今後も引き続き事業収益の拡大に注力するとともに、資本効率の更なる向上を目指して、適切な投資やリスクに備えた財務の健全性を維持しつつ、自己株式取得等の資本政策の実施も検討してまいります。
④コーポレート・ガバナンスの強化
V70中期経営計画では、事業力の強化及び資本効率の向上の前提といたしまして、コーポレート・ガバナンスの強化を掲げております。独立社外取締役の複数選任など統治体制の整備の進捗に比べ、取締役会における会社の中長期的事項に関する重点審議や監督機能の強化等、実効性の充実には遅れがあると自己評価しております。取締役会の機能強化に努め、中長期的な業績の向上と企業価値の増大につなげてまいります。

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