有価証券報告書-第69期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは社是である「信用」「信念」「信実」を基本理念として掲げ、お客様ならびに仕入先に対し幅広いソリューションを提供することでエレクトロニクスの総合商社としての存在価値を発揮し、「選ばれる商社」となることを目指しております。
デバイス事業においては、家電・自動車・産業機器メーカー等のお客様各社のグローバル化を支えるため、海外現地法人を展開し、商品やサービスの提供に努めるとともに、豊富な品揃えと仕入先製品の応用技術力によって、お客様と仕入先のコーディネーターとしての役割を担ってまいりました。また、ソリューション事業においては、情報通信ネットワークを核に、システムインテグレーターとしてお客様の事業発展に寄与してまいりました。今後もお客様ならびに仕入先に対する当社グループの存在価値向上に努めてまいります。
また、事業経営にあたっては、多様な人材の活躍を促進する体制の整備や、環境負荷軽減への継続的取り組みなどを通じて、企業市民としての使命を積極的に果たしてまいります。
(2)目標とする経営指標
自己資本当期純利益率(ROE)と経常利益を重要な経営指標として捉え、その向上に努めてまいります。
(3)利益配分に関する基本方針
当社は、株主の皆様に利益を還元していくことを重要な経営課題の一つとして位置づけております。配当につきましては、連結配当性向50%を目処とし、株主の皆様への利益還元、成長機会獲得のための投資、持続的な成長を可能とする内部留保、資本効率の向上、これらのバランスを考慮して決定することを基本方針としております。
なお、資本効率の向上に向けた施策として、2018年3月期から2020年3月期までの3期間においては、連結配当性向100%を目処とした配当を実施するとしたため、当該期間中はこの方針に沿った配当を実施しております。
(4)経営環境、中期的な会社の経営戦略及び優先的に対処すべき課題等
当社グループでは、当社第70期(2021年3月期)を最終年度とするV70中期経営計画を策定し、「自己資本当期純利益率(ROE)5%」「経常利益30億円」を定量目標として掲げておりました。しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大やデバイス事業における主要仕入先であったルネサスエレクトロニクス株式会社(以下、ルネサス社)との特約店契約の解消による影響により、第70期の業績予想を合理的に算定することが非常に困難なものとなったことから、これらの定量目標を2020年5月27日付で取り下げております。一方で、当社グループの重要な経営指標をROEと経常利益とすることに変更はないことから、この2つの指標の回復を目指すという方向性をもって、必要な事業基盤の強化に注力していくこととし、以下の課題に鋭意取り組んでまいります。
①デバイス事業の収益力回復
デバイス事業においては、当社グループの技術力を活かせるコアデバイス事業と、ロジスティクスやファイナンス機能に特化したボリュームビジネスが収益の柱となっております。このうち、ボリュームビジネスについては、その多くが外貨建てのビジネスであり、売上高が大きいものの、為替や金利の影響を大きく受けやすく、総利益率も総じて低いという傾向がありました。そのためリスクと採算性を見極めながら、継続すべきビジネスへの集中を進めてきた結果、ボリュームビジネスの最適化については2020年3月期までに一旦完了することができました。
一方で、コアデバイス事業については、主要な仕入先であったルネサス社との特約店契約が、2020年6月末をもって解消されることに伴い、抜本的な収益構造の転換が急務となりました。また、このような状況を受け、車載関連やIoTを主な切り口とした新たな商材やビジネスモデルの開拓に注力している戦略デバイス事業の収益拡大が、今まで以上に重要性を増しており、こちらも急ピッチで進める必要があります。
このような状況を踏まえ、デバイス事業では以下の施策に取り組むことで、高収益体質への転換に向けた事業ポートフォリオ改革を推し進め、収益力の回復を目指します。
イ.既存ビジネスの収益性改善
コアデバイス事業については、ルネサス社との特約店契約の解消に伴い、今まで同社製品の拡販に携わってきた要員を他社製品の拡販に充当してまいります。人的リソースの拡充を通じて、きめ細かい顧客サポートが求められる海外半導体メーカーに対する存在価値を向上することで、新規商流の獲得を目指してまいります。また、ボリュームビジネスについては、引き続きリスクと採算性を注視してまいりますが、獲得利益の拡大に貢献できるものについては継続してまいります。
ロ.新規ビジネスの拡大
より強固な高収益体質を実現するために必要なビジネスを戦略デバイス事業と位置付け、海外を中心とした新規商材ビジネスやIoT関連の新規ビジネスモデルの拡大に継続して注力してまいります。特にルネサス社との特約店契約の解消に伴い、コアデバイス事業の縮小が見込まれており、戦略デバイス事業の収益拡大を加速しなければデバイス事業全体の収益回復が進みません。ルネサス社製品の拡販要員を戦略デバイス事業にもシフトするとともに、M&A等を通じた新規ビジネスの創造にも取り組み、よりスピーディに戦略デバイス事業の収益拡大に取り組んでまいります。
②ソリューション事業の収益基盤の強化
ソリューション事業においては、システムを販売した後の保守・サポートビジネスで収益を獲得するビジネスモデルを収益の柱としてきました。しかしながら、このビジネスモデルは、サーバーやデータベースなどの情報システムを自社内の設備で運用する形態から、インターネットを経由したクラウドサービスへの置き換えが進むことで、漸減していくことが予想されます。また、大口顧客依存の収益体質からの脱却も課題として残ります。 このような状況を踏まえ、ソリューション事業では以下の施策に取り組むことで、将来に向けた収益基盤の強化に取り組んでまいります。
イ.クラウド事業の強化
三信データセンターを軸としたプライベートクラウド事業や大手ベンダーのパブリッククラウドと連携したハイブリッド型クラウド事業を中心にオリジナルメニューの拡充に努めてまいります。また、他社クラウドサービスのリセールも展開し、多様な顧客ニーズに対応することでクラウド事業を強化し、収益の柱としてまいります。
ロ.顧客基盤の拡大
顧客基盤の拡大に向けた、人員増強による拡販強化や仕入先との連携強化、クラウドサービスを中心とした新たなサービスメニューの投入、展示会やセミナーなどによるプロモーションなどの取り組みは、引き続き強化してまいります。今後はさらにM&Aにより事業領域を広げていくことも視野に入れ、顧客数の拡大を加速し、強固な収益基盤の構築を目指してまいります。
③資本効率の向上
資本効率の向上に向け、2018年3月期から2020年3月期の3期間には連結配当性向100%を目処とした配当を実施し、また2019年3月期には買付け総額197億円(取得株式数900万株)の自己株式の公開買付けを行うなど、株主還元の充実に取り組んでまいりました。一方でデバイス事業におけるボリュームビジネスを縮小させたことにより、運転資金の圧縮に努めるとともに、売掛金の早期資金化を行うことで、一定以上の自己資本比率も維持出来ております。新型コロナウイルスの影響を含め不確定要素が大きい状況ではありますが、当社グループの収益状況や財務状況、金融情勢を勘案し、今後も適時適切な資本政策の実施を検討してまいります。
④コーポレート・ガバナンスの強化
事業力の強化及び資本効率の向上を、今まで以上に迅速かつ大胆に推し進めていく必要があるなかで、それに付随するリスクは当然高まります。特に当社グループの収益向上に向け、必要性が高まっているM&Aについては、取締役会においてリスクとリターンを適正に評価できることが前提となります。独立社外取締役の比率を高めるなど、必要な体制を整備し、コーポレート・ガバナンスの強化を継続してまいります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは社是である「信用」「信念」「信実」を基本理念として掲げ、お客様ならびに仕入先に対し幅広いソリューションを提供することでエレクトロニクスの総合商社としての存在価値を発揮し、「選ばれる商社」となることを目指しております。
デバイス事業においては、家電・自動車・産業機器メーカー等のお客様各社のグローバル化を支えるため、海外現地法人を展開し、商品やサービスの提供に努めるとともに、豊富な品揃えと仕入先製品の応用技術力によって、お客様と仕入先のコーディネーターとしての役割を担ってまいりました。また、ソリューション事業においては、情報通信ネットワークを核に、システムインテグレーターとしてお客様の事業発展に寄与してまいりました。今後もお客様ならびに仕入先に対する当社グループの存在価値向上に努めてまいります。
また、事業経営にあたっては、多様な人材の活躍を促進する体制の整備や、環境負荷軽減への継続的取り組みなどを通じて、企業市民としての使命を積極的に果たしてまいります。
(2)目標とする経営指標
自己資本当期純利益率(ROE)と経常利益を重要な経営指標として捉え、その向上に努めてまいります。
(3)利益配分に関する基本方針
当社は、株主の皆様に利益を還元していくことを重要な経営課題の一つとして位置づけております。配当につきましては、連結配当性向50%を目処とし、株主の皆様への利益還元、成長機会獲得のための投資、持続的な成長を可能とする内部留保、資本効率の向上、これらのバランスを考慮して決定することを基本方針としております。
なお、資本効率の向上に向けた施策として、2018年3月期から2020年3月期までの3期間においては、連結配当性向100%を目処とした配当を実施するとしたため、当該期間中はこの方針に沿った配当を実施しております。
(4)経営環境、中期的な会社の経営戦略及び優先的に対処すべき課題等
当社グループでは、当社第70期(2021年3月期)を最終年度とするV70中期経営計画を策定し、「自己資本当期純利益率(ROE)5%」「経常利益30億円」を定量目標として掲げておりました。しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大やデバイス事業における主要仕入先であったルネサスエレクトロニクス株式会社(以下、ルネサス社)との特約店契約の解消による影響により、第70期の業績予想を合理的に算定することが非常に困難なものとなったことから、これらの定量目標を2020年5月27日付で取り下げております。一方で、当社グループの重要な経営指標をROEと経常利益とすることに変更はないことから、この2つの指標の回復を目指すという方向性をもって、必要な事業基盤の強化に注力していくこととし、以下の課題に鋭意取り組んでまいります。
①デバイス事業の収益力回復
デバイス事業においては、当社グループの技術力を活かせるコアデバイス事業と、ロジスティクスやファイナンス機能に特化したボリュームビジネスが収益の柱となっております。このうち、ボリュームビジネスについては、その多くが外貨建てのビジネスであり、売上高が大きいものの、為替や金利の影響を大きく受けやすく、総利益率も総じて低いという傾向がありました。そのためリスクと採算性を見極めながら、継続すべきビジネスへの集中を進めてきた結果、ボリュームビジネスの最適化については2020年3月期までに一旦完了することができました。
一方で、コアデバイス事業については、主要な仕入先であったルネサス社との特約店契約が、2020年6月末をもって解消されることに伴い、抜本的な収益構造の転換が急務となりました。また、このような状況を受け、車載関連やIoTを主な切り口とした新たな商材やビジネスモデルの開拓に注力している戦略デバイス事業の収益拡大が、今まで以上に重要性を増しており、こちらも急ピッチで進める必要があります。
このような状況を踏まえ、デバイス事業では以下の施策に取り組むことで、高収益体質への転換に向けた事業ポートフォリオ改革を推し進め、収益力の回復を目指します。
イ.既存ビジネスの収益性改善
コアデバイス事業については、ルネサス社との特約店契約の解消に伴い、今まで同社製品の拡販に携わってきた要員を他社製品の拡販に充当してまいります。人的リソースの拡充を通じて、きめ細かい顧客サポートが求められる海外半導体メーカーに対する存在価値を向上することで、新規商流の獲得を目指してまいります。また、ボリュームビジネスについては、引き続きリスクと採算性を注視してまいりますが、獲得利益の拡大に貢献できるものについては継続してまいります。
ロ.新規ビジネスの拡大
より強固な高収益体質を実現するために必要なビジネスを戦略デバイス事業と位置付け、海外を中心とした新規商材ビジネスやIoT関連の新規ビジネスモデルの拡大に継続して注力してまいります。特にルネサス社との特約店契約の解消に伴い、コアデバイス事業の縮小が見込まれており、戦略デバイス事業の収益拡大を加速しなければデバイス事業全体の収益回復が進みません。ルネサス社製品の拡販要員を戦略デバイス事業にもシフトするとともに、M&A等を通じた新規ビジネスの創造にも取り組み、よりスピーディに戦略デバイス事業の収益拡大に取り組んでまいります。
②ソリューション事業の収益基盤の強化
ソリューション事業においては、システムを販売した後の保守・サポートビジネスで収益を獲得するビジネスモデルを収益の柱としてきました。しかしながら、このビジネスモデルは、サーバーやデータベースなどの情報システムを自社内の設備で運用する形態から、インターネットを経由したクラウドサービスへの置き換えが進むことで、漸減していくことが予想されます。また、大口顧客依存の収益体質からの脱却も課題として残ります。 このような状況を踏まえ、ソリューション事業では以下の施策に取り組むことで、将来に向けた収益基盤の強化に取り組んでまいります。
イ.クラウド事業の強化
三信データセンターを軸としたプライベートクラウド事業や大手ベンダーのパブリッククラウドと連携したハイブリッド型クラウド事業を中心にオリジナルメニューの拡充に努めてまいります。また、他社クラウドサービスのリセールも展開し、多様な顧客ニーズに対応することでクラウド事業を強化し、収益の柱としてまいります。
ロ.顧客基盤の拡大
顧客基盤の拡大に向けた、人員増強による拡販強化や仕入先との連携強化、クラウドサービスを中心とした新たなサービスメニューの投入、展示会やセミナーなどによるプロモーションなどの取り組みは、引き続き強化してまいります。今後はさらにM&Aにより事業領域を広げていくことも視野に入れ、顧客数の拡大を加速し、強固な収益基盤の構築を目指してまいります。
③資本効率の向上
資本効率の向上に向け、2018年3月期から2020年3月期の3期間には連結配当性向100%を目処とした配当を実施し、また2019年3月期には買付け総額197億円(取得株式数900万株)の自己株式の公開買付けを行うなど、株主還元の充実に取り組んでまいりました。一方でデバイス事業におけるボリュームビジネスを縮小させたことにより、運転資金の圧縮に努めるとともに、売掛金の早期資金化を行うことで、一定以上の自己資本比率も維持出来ております。新型コロナウイルスの影響を含め不確定要素が大きい状況ではありますが、当社グループの収益状況や財務状況、金融情勢を勘案し、今後も適時適切な資本政策の実施を検討してまいります。
④コーポレート・ガバナンスの強化
事業力の強化及び資本効率の向上を、今まで以上に迅速かつ大胆に推し進めていく必要があるなかで、それに付随するリスクは当然高まります。特に当社グループの収益向上に向け、必要性が高まっているM&Aについては、取締役会においてリスクとリターンを適正に評価できることが前提となります。独立社外取締役の比率を高めるなど、必要な体制を整備し、コーポレート・ガバナンスの強化を継続してまいります。