有価証券報告書-第66期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/26 15:05
【資料】
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【項目】
191項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針・経営戦略等
当社は、1954年(昭和29年)の設立以来「技術革新」をコンセプトとし、事業活動を通して社会に貢献したいとする経営理念のもと、つねに患者様のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)や医療現場の課題・ニーズに沿った独創的な製品で応える技術の追求を成長の糧としております。
また、企業にとって最も大切な「安定」と「成長」のバランス保持を考えた経営の仕組みとして「業績スライド制」を確立し、自己責任に基づく活力ある事業展開を進めております。
当社グループは、医療現場におけるニーズ、シーズを積極的に捉えながら、現場の要望に応える商品開発を行いつつ、製造工程の改善によって製品の生産能力を高め、品質の安定とコスト競争力のある製品を提供することによってグローバル市場でシェアを獲得し、販売を拡大することを基本的な方針・経営戦略としております。また、医療機器、医薬品、医薬用包装材料(ファーマパッケージング)の3事業にまたがる当社内の独自技術やその他の経営資源を有効に活用して、ユーザー目線にたったより安全性の高い、価値ある製品の開発に取り組んでまいります。
医療関連事業におきましては、主力のダイアライザ(人工腎臓)を中心とする透析関連製品に加え、糖尿病関連製品、バスキュラー関連製品、SD(サージカルデバイス)関連製品などの領域において品揃えの充実と新規販路開拓を強力に推し進め、シェア拡大を図ります。
後発医薬品については、厚生労働省から2020年度までに後発医薬品の数量シェアを80%以上にするという使用促進のロードマップが示されており、引き続き需要は拡大すると見込まれています。新規品目の継続的開発と、大学・基幹病院や調剤薬局グループなど各種販路の開拓および重点卸・重点販社との関係強化に引き続き注力するとともに、医療機器営業との連携による相乗効果を追求してまいります。
海外販売におきましては、顧客目線、顧客サービス、技術営業・システム化営業の徹底を方針とし、ブランド力を高め、各商品、特にダイアライザ、透析装置等透析関連製品のシェアアップに努めてまいります。また、販売組織網の拡大も継続し、管理の強化も行ってまいります。現在グアテマラ・エクアドルに開設した自社透析センター事業を他国へも展開、また透析トレーニングセンターの設置を世界各国へ進めることで、今後も地域に根ざした最適な治療環境、および医療技術のトレーニングの場を提供すべく、自社透析センターの開設を進めてまいります。世界の透析市場は成長し続けております。今後も一層の市場拡大が見込まれるインド、中国やその他の新興国においては、新拠点設置を積極的に進め、拡大する市場の需要を取り込んでまいります。また、欧米においても、自社販売網による販売拡大はもとより、大手透析センターグループとの連携を強化することで、さらなる販売拡大に努め、シェア拡大を図ってまいります。
再生医療関連では、再生医療等製品「ヒト(自己)骨髄由来間葉系幹細胞(販売名:ステミラック®注)」の販売を拡大するため、投与施設となる医療機関との連携を進めるとともに、製造体制の強化を図ってまいります。
医薬関連事業の製造受託部門におきましては、海外先進国向けにも対応しうる生産・品質保証体制を整備するとともに、既存工場や新規に取得した製造拠点においてさらなる生産能力の拡充を図り、国内トップクラスの医薬品受託製造企業グループとして事業拡大に努めてまいります。さらに海外における生産拠点を最大限活用することで、安定供給能力とコスト競争力を向上させるとともに、世界に向けた医薬品の供給を確実なものとします。当社ならではの医薬品包装容器・医薬品調整・投与デバイスとのコラボレーションによる医療従事者、患者様の目線に立った安全性・利便性が高い医薬品を開発、提供してまいります。
ファーマパッケージング事業におきましては、長年の事業運営の中で蓄積してきた技術とノウハウを活かしたガラスバイアル「VIALEX®」、滅菌済みバイアル「D2F™」などの従来のガラス製造技術を基盤とし、各国での地域戦略、各部署の機能戦略においてそれらを全方位で融合・調和させることで、よりきめ細かな顧客対応を行い、シェア拡大を推進してまいります。また当期からデバイス関連製品が事業部に加わり、一次容器から調製、投与デバイスまで、ソリューション販売へと取り組むことで事業の拡大に努めてまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社は、2030年度に売上高1兆円の企業グループとなることを目指しており、まずは2020年度の経営目標を売上高5,000億円、経常利益400億円と設定し、医療関連、医薬関連およびファーマパッケージングの各事業において着実に成長を図ってまいります。
(3) 経営環境及び対処すべき課題
今後の世界経済は、引き続き各国が自国優先に向かう流れは継続すると思われます。このような状況下においても、当社グループは「地産地消」のコンセプトのもとに、さらにグローバル化を進め、ユーザー目線にたった新商品、新技術の開発を進め、技術革新によって社会に貢献するという理念を堅持しながら、2020年度連結売上高5,000億円の目標を達成してまいります。
医療関連事業におきましては、メディカル営業部門では、輸液関連製品、糖尿病関連製品、透析関連製品、バスキュラー関連製品、SD関連製品の各々におきまして、医療の安全、安心に配慮した設計と、環境への負荷を低減する製品開発に努め、医療従事者の方々や患者様、そして地球環境にも優しい製品開発に取り組み、多様化する市場ニーズ・シーズに応えられる製品を積極的に市場展開、販売強化を行い業績の拡大に取り組んでまいります。また、医薬営業部門では、昨年4月の薬価改定でジェネリック医薬品業界はもちろん、製薬業界全体が非常に厳しい経営環境となりましたが、総合メディカル企業として在宅医療、地域医療連携をはじめ医療現場のニーズに応えながら医薬品卸と一層の連携強化を図り、さらなるニプロブランドの向上に努めてまいります。また、グローバル市場においては、経済成長による生活環境の改善や医学・医療の進歩に伴う人口構造の変化等により、旧来の感染症中心の疾病構造から、生活習慣病などの都市型疾患へと変遷しており、特に一部の新興国においてはそうした傾向が顕著です。その結果、特に人口の多い国や地域おいては医療インフラの整備や医療従事者の確保が充分ではないという状況が散見されます。当社グループではグローバルヘルスにおけるCSRの観点からも、そのような地域における医療インフラの充実や医療従事者の育成にも貢献しながら、本業であるメーカーとしての製品供給責任を十分に果たすため、今後も全世界で製品生産能力の増強を継続的かつ積極的に行ってまいります。特にダイアライザに関しましては、こうした背景から今後も旺盛な需要が継続する見通しで、それらを充足する生産能力増強は急務であると認識しております。
再生医療関連では、再生医療等製品「ヒト(自己)骨髄由来間葉系幹細胞(販売名:ステミラック®注)」の量産体制の構築が課題となっております。無菌製造の確実性を高めるとともに生産効率を向上させるべく新規製造システムを早期に立ち上げ、治療ニーズに応える供給体制の整備とともに、コストダウンを図ってまいります。
医薬関連事業におきましては、生産能力の拡充、安定供給体制の整備、品質に対する信頼性の確保と製造コストの抜本的な削減を実現し、競争力をさらに向上させることが課題となっております。また、製品のグローバル市場への供給を見据え、米国や欧州の医薬品品質基準を充足する開発・品質保証体制をソフト面、ハード面において整備することが不可欠であり、引き続き供給候補先である諸外国向けの対応を進めてまいります。さらに、原料資材の調達については、カントリーリスクも考慮した対策に取り組んでまいります。
ファーマパッケージング事業におきましては、商品競争力をさらに向上させるべく投資を行った設備費用の償却費が一時的に負担となっておりますが、品質に対する信頼性の向上と製造コストの低減を実現するため、引き続き全ての製造拠点へカメラ検査機を導入することで自動化・省人化を図ります。また商品規格・品質基準の統一化を実施することで安定供給体制の構築をおこなってまいります。販売面では、当期から医薬事業部内の医療システム開発部および医療システム営業部を統合したことで、真の医薬用包装材料メーカーとしてユーザー目線でトータルに営業を行い、業績の拡大に努めてまいります。
また、各事業において継続的な投資を遅滞なく実現するためにも、財務体質の改善はひとつの大きな課題と認識しております。今後はより多様な資金調達手法や資本政策、あるいは地域統括会社の活用による効率的な資金運用により健全な財務体質への改善を図ってまいります。

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