有価証券報告書-第69期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/26 14:46
【資料】
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【項目】
124項目

対処すべき課題

(1)当社グループの現状の認識について
当社グループは住宅建築資材の流通業を主要事業とし、「快適で豊かな住環境の創造」という企業理念の下、より良い住宅資材を、適正価格で、お客様の要望される場所にお届けすることを目標に、営業活動を展開しております。
また、単にモノを販売するだけでなく、お客様に経営のノウハウを提供することで、お客様との共存共栄を図る仕組みづくりにも取り組んでおります。
このため、合併や子会社化を通じたグループの拡充・強化策を推進し、建築資材の安定供給企業としての信用力向上に努めてまいりました。
この結果、グループ企業数が増加したことから、グループの経営管理体制を強化するため、平成18年10月1日をもって当社は純粋持株会社へ移行いたしました。
純粋持株会社である当社がグループの経営管理機能を一段と強化し、事業展開の判断の迅速化と経営の透明性の向上に努めるとともに、グループ各社が連携して高い総合力を発揮できる企業グループを形成し、株主価値の更なる向上を目指したグループ経営を推進してまいります。
(2)当面の対処すべき課題の内容
平成27年度のわが国経済は、堅調な企業収益と雇用環境の改善を背景に所得が増加、原油安や株高に伴う実質所得のプラス効果などから個人消費の回復が見込まれるほか、設備投資や輸出の増加も期待され、景気は底堅さを増していくものと予想されます。
住宅関連業界におきましては、雇用や所得環境の改善、政府の住宅支援策の拡充、金利の低位安定といった下支え要因はあるものの、人口減少等の構造要因もあることから、本年度の新設住宅着工戸数は前年度を若干下回る850千戸を予想しております。なお、前年度大幅なマイナスとなった持ち家着工戸数は概ね前年度並みの280千戸を予想しております。
(3)対処方針
平成25年度を初年度とする3カ年の今次中期経営計画におきましては、消費税増税の影響等による経営環境の大幅な変化が予想されることから、業績の変動リスクに備えた業務運営を行うとともに、業界再編の機会を逃すことなく、以下の基本方針の下、グループの営業基盤拡充・強化に積極的に取り組むことといたしております。
①連結ベースの収益力の更なる向上:子会社群の収益体質改善を踏まえて、業容の拡大と利鞘の改善を図るとともに、グループ全体での効率化を一層推進し、収益力の更なる向上を目指す。
②業界再編に向けた取り組みの強化:住宅市場の市場規模が縮小する中、業界再編に向けた取り組みを積極的に展開する。事業承継の急速な進展が予想される川下の建材小売業界に対しても、グループ内企業を受皿に商圏の引き継ぎを推進する。
③海外展開の拡充:輸入商材の調達並びに販売市場開拓の両面から海外展開を進めており、新興国を中心に引き続き営業網を拡充する。
(4)具体的な取り組み状況等
業容の維持・拡大と収益力の着実な向上を図るためには、お客様と緊密な関係を築き、お客様の多様なニーズに対応できる体制の構築が不可欠であるとの認識の下、以下の課題に取り組んでおります。
① 営業拠点網の整備・再編
お客様のニーズ(必要な物を、必要な時に、必要な場所に届けて欲しい)にきめ細かく対応できる営業拠点網の整備とともに、営業拠点毎の採算性を確保する観点から、ジャパン建材株式会社を中心に、グループ全体で営業拠点網の見直し等を実施し、適宜必要な対策を講じております。
平成26年度におきましては、ジャパン建材株式会社が四国中央出張所と滋賀出張所を開設したほか、株式会社銘林が盛岡営業所、株式会社マルタマが国分寺営業所、株式会社ハウス・デポ・プラスが中国完成品センターをそれぞれ開設し、営業拠点網の充実・強化を図りました。
今後もジャパン建材株式会社と通商株式会社の其々の営業所の再配置等、グループ間での営業拠点網の見直しを含めた営業拠点整備を検討してまいります。
② グループ企業の再編・子会社化
ここ数年、規模の拡大と効率化により収益力改善を図る観点からグループ各社の再編を進めておりますが、平成26年度におきましては、株式会社ダイテックス三和を株式会社ハウス・デポ関東に(統合に伴い株式会社ダイテックス三和は清算)、株式会社米謙ムサシを株式会社ブルケン東日本に(統合に伴い株式会社米謙ムサシは清算)それぞれ統合・再編いたしました。
合板製造・木材加工事業におきましては、平成26年10月に北海道プレカットセンター株式会社の北見工場を新設し、北海道における合板の製造事業を強化いたしました。
一方で、平成26年5月には株式会社ブルケン九州を設立し南九州における営業基盤の拡充・強化を図るとともに、平成26年12月にはMD建材株式会社を設立し埼玉県における営業力の強化を図りました。
平成27年度におきましても、引き続き子会社群の統合・再編やM&A等による営業基盤強化策を検討してまいります。
③ 木質系非住宅市場への取り組み強化
再生可能で環境にやさしい資源である木材は、耐久性、意匠性などにも優れた自然素材として注目を集めており、平成22年に施行された「公共建築物等木材利用促進法」では、国が率先して低層公共建築物の木造化を打ち出すなど、木造・木質化への機運が高まっております。
当社グループには、合板や構造用LVL(単層積層財)を製造する株式会社キーテック、構造用集成材の製造、加工、建築工事を行う秋田グルーラム株式会社、集成材、天井板を製造する株式会社宮盛、木材等の販売やエクステリア商品の販売、施工、造園工事、建築工事の設計、施工、管理を行う物林株式会社、合板、木材他建材全般の販売と木構造建築、施工請負を行うジャパン建材株式会社があり、これらの企業がJK木構造グループを形成し、集成材・LVLの製造、工場でのプレカット、木構造設計から施工管理までトータルにサポートする体制を構築しております。
今後、構造躯体の木質化とともに、鉄筋コンクリートや鉄骨造建築物の内装の木質化も推進し、非住宅市場における木質系建材の更なる活用促進を検討してまいります。
④ 新興国市場の開拓
輸入商材の調達並びに新たな販売市場開拓の両面から、引き続き海外事業の積極的な拡大を推進してまいります。
日本市場に向けた海外からの建材輸入につきましては、木材、合板、フロア材、断熱材に加えて住設建材の取扱いを開始するなど取扱品目の多様化を進めており、今後一層の拡充を目指してまいります。
一方、新たな販売市場の開拓に関しましては、信頼性の高い日系建材に加えて第三国からの木材、合板、繊維板等の供給を行うなど、海外市場での販売を強化してまいります。
中国では、上海、香港、大連、天津、青島に、台湾には台中と台北に海外拠点を置いております。
また、米国、ロシア、マレーシア、ベトナムにも海外拠点を設置しており、今後、海外での事業活動を更に活発に推進してまいります。