四半期報告書-第84期第2四半期(平成28年7月1日-平成28年9月30日)

【提出】
2016/11/11 9:00
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26項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)業績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、雇用や所得環境が総じて改善傾向にあり、熊本地震の後遺症や、円高と海外景気の減速による輸出の停滞等が依然あるものの、緩やかな回復基調にあります。
紙パルプ業界におきましては、段ボールや白板紙など板紙の国内出荷量が前年同期実績を上回ったものの、印刷用紙をはじめとする洋紙においては、リオ五輪関連やカレンダー関連需要に動きがありましたが、全体を押し上げるまでに至らず、前年同期実績を下回りました。
このような環境の中で、当社グループは第9次3ヶ年計画の2年目を迎え、安定的に収益をあげられる高収益基盤の確保を、最重要課題として取り組んでまいりました。しかしながら、国内外の様々な景気押し下げ要因や需要構造の変化によるマイナス影響等により、当社が主力としている特殊紙3品目のうちファインボードは前年同期実績を上回ったものの、ファンシーペーパー、高級印刷紙を含む5品目については前年同期実績を上回ることができませんでした。
その結果、売上高は94億79百万円(前年同期比5.4%減)となりました。利益面では経常利益は1億29百万円(前年同期比14.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は78百万円(前年同期比11.3%減)となりました。
<当社の商品別の概況>当社グループは、和洋紙の販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントであり、当社の和洋紙卸売業の売上高は連結売上高の90%超を占めるため、当社の商品別の概況を記載しております。
品目別前第2四半期累計期間
(自 平成27年4月1日
至 平成27年9月30日)
当第2四半期累計期間
(自 平成28年4月1日
至 平成28年9月30日)
増減率(%)
金額(百万円)構成比
(%)
金額(百万円)構成比
(%)
ファンシーペーパー2,29324.42,13323.8△7.0
ファインボード1,00410.71,04211.73.8
高級印刷紙2,19023.32,10123.5△4.1
ベーシックペーパー2,53927.12,52828.3△0.4
技術紙1,17612.699211.1△15.7
その他1811.91421.6△21.6
合計9,386100.08,940100.0△4.8

(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。
[ファンシーペーパー]
紙自体に多種の色や柄、風合いを付与して作られ、主に書籍、各種販促物及び慶弔用紙製品カード等に使用されるファンシーペーパーは、各種商品展示会、デザイン関連及び一般企業の企画部門等へのPR活動を継続しているものの、主力用途の書籍向け及び各種販促物用途が低調に推移した上、海外向けが中国景気の減速を受け減少、他の用途や地区で補うことができませんでした。
その結果、売上高は21億33百万円となり、前年同期比7.0%の減少となりました。
[ファインボード]
色柄の付与されたファンシーペーパーの高紙厚品であり、主に高級パッケージ、カレンダー台紙、紙製品、書籍表紙等に使用されるファインボードは、高級パッケージ用途での販売が増加しました。
その結果、売上高は10億42百万円となり、前年同期比3.8%の増加となりました。
[高級印刷紙]
一般的な印刷用紙よりも高価格レンジにあり、高級商品パンフレット、美術館図録、ポスター、名刺カード類に使用される高級印刷紙は、海外への販売が減少し、CD/DVDブックレット、商業印刷物、名刺カード類用途も低調に推移しました。
その結果、売上高は21億1百万円となり、前年同期比4.1%の減少となりました。
[ベーシックペーパー]
上質紙、コート紙、色上質紙、各種板紙等のベーシックペーパーは、商業印刷物用途が減少、パッケージ向け及び紙製品用途が増加いたしましたが、減少部分を補いきれませんでした。
その結果、売上高は25億28百万円となり、前年同期比微減の0.4%の減少となりました。
[技術紙]
印刷及びパッケージ適性以外の特殊な機能を付与されている技術紙は、耐水撥水紙、合成紙等の販売が増加しましたが、証券用紙や、各種製造用工程紙の需要の変動幅が大きく、販売が前年より大きく減少しました。
その結果、売上高は9億92百万円となり、前年同期比15.7%の減少となりました。
[その他]
ペーパータオル等の家庭紙の販売額は前年に比べほぼ横ばいでしたが、製紙関連資材や各種紙加工製品などが減少しました。
その結果、売上高は1億42百万円となり、前年同期比21.6%の減少となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べて4億89百万円増加し、27億57百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において営業活動の結果獲得した資金は1億9百万円(前年同期は2億42百万円の使用)となりました。これは主に、たな卸資産の増加額の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において投資活動の結果獲得した資金は1億49百万円(前年同期は9百万円の使用)となりました。これは主に、投資有価証券の償還による収入の増加によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において財務活動の結果獲得した資金は2億34百万円(前年同期比262.8%の増加)となりました。これは主に、短期借入金の増加によるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
今後の見通しにつきましては、景気の牽引役がいまひとつ見えない状況のなか、経済対策の裏づけとなる第2次補正予算が今国会で成立したのを受け、年度末にかけてはその経済効果が現れてくるものと期待されます。
紙パルプ業界におきましては、印刷物制作コストの節減や、ICT化による需要構造の変化によるマイナス影響が今後も進んでいくものと思われます。
このような環境の中で、当社グループといたしましては、平成27年度より始まった第9次3ヶ年計画の「平和ブランド力を高め、攻めの成長戦略を全員で実現する」との全体方針に沿いながら、引き続きそれぞれの部門において新しい取組みを鋭意実行していく所存です。顧客ニーズに沿った効果的な用紙提案、常備在庫品の安定供給及び物流面での対応はもとより、販売機能の様々な強化策を通じて、お客様へのサービス向上と自社の業績拡大をこれまで以上に図ってまいります。