有価証券報告書-第42期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
32.金融商品の公正価値
(1)公正価値ヒエラルキーのレベル別分類
当初認識後に経常的に公正価値で測定する金融商品は、測定に用いたインプットの観察可能性および重要性に応じて、公正価値ヒエラルキーの3つのレベルに分類しています。
当該分類において、公正価値のヒエラルキーは、以下のように定義しています。
レベル1:同一の資産または負債の活発な市場における(無調整の)相場価格により測定した公正価値
レベル2:レベル1以外の直接または間接的に観察可能なインプットを使用して測定した公正価値
レベル3:観察可能でないインプットを使用して測定した公正価値
公正価値測定に複数のインプットを使用している場合には、その公正価値測定の全体において重要な最も低いレベルのインプットに基づいて公正価値のレベルを決定しています。
振替の原因となった事象または状況の変化が認められた時点で、公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替を行っています。
2022年3月31日に終了した1年間において、レベル1とレベル2の間における振替はありません。なお、2021年3月31日に終了した1年間において、LINE㈱の上場廃止に伴い当該銘柄のレベル1からレベル2への振替を行いましたが、2021年2月28日にLINE㈱を子会社化したことにより、2021年3月31日時点においては連結子会社として会計処理しています。LINE㈱の子会社化については、「注記9.企業結合」をご参照ください。
経常的に公正価値で測定する金融商品の公正価値ヒエラルキーに基づくレベル別分類は、以下の通りです。
2021年3月31日
2022年3月31日
(注)2022年3月31日において、レベル1に区分される株式には、資産運用子会社における担保差入有価証券1,927百万円(2021年3月31日は1,427,286百万円)が含まれています。
経常的に公正価値で測定する金融商品の公正価値の主な測定方法は、以下の通りです。
a.FVTPLで会計処理されているSVF1およびSVF2からの投資、株式、債券および貸付金
活発な市場における同一銘柄の相場価格が入手できる場合の公正価値は、当該相場価格を使用して測定し、レベル1に分類しています。
活発な市場における同一銘柄の相場価格が入手できない場合、直近の独立した第三者間取引やファイナンス価格の情報が利用可能な場合は、公正価値はそのような直近の取引価格に基づき評価され、評価対象銘柄の発行企業が属する市場動向や企業の業績によって調整されます。
これらの直近の取引情報が利用できない場合の企業価値評価には、マーケット・アプローチ、インカム・アプローチ、またはネットアセット・アプローチを用いています。
マーケット・アプローチは、評価対象会社と比較可能な類似会社の情報が利用可能な場合に利用され、評価対象会社の財務諸表数値と比較対象となる他社のEV/収益やEV/EBITDA等の評価倍率を用いた評価手法です。インカム・アプローチは、信頼できるキャッシュ・フロー計画が利用できる場合に利用され、収益成長率等を加味した見積り将来キャッシュ・フローを割引率で割引くことで現在価値を算定します。ネットアセット・アプローチは、評価対象会社の貸借対照表上の純資産をベースに株式価値を算定します。上記で算定された企業価値は、投資先の資本構成に応じて各種類株式の株主価値に配分されます。その配分には、主として株式の権利や優先権を考慮したオプション価格法や、新規株式公開等により優先株式が普通株式に転換される可能性を考慮した方法を用いています。
これらの測定に使用する相場価格や割引率などのインプットのうち、全ての重要なインプットが観察可能である場合はレベル2に分類し、重要な観察可能でないインプットを含む場合はレベル3に分類しています。
b.デリバティブ金融資産およびデリバティブ金融負債
デリバティブ金融商品の公正価値は、活発な市場における同一商品の相場価格が入手できる場合の公正価値は、当該相場価格を使用して測定し、レベル1に分類しています。
活発な市場における同一商品の相場価格が入手できない場合、割引キャッシュ・フロー法またはブラック・ショールズモデルなどの評価技法や活発でない市場における相場価格などを使用して測定しています。測定に使用する外国為替レートや割引率などのインプットのうち、全ての重要なインプットが観察可能である場合はレベル2に分類し、重要な観察可能でないインプットを含む場合はレベル3に分類しています。
(2)レベル3に分類した金融商品の公正価値測定
a.評価技法およびインプット
観察可能でないインプットを使用した公正価値(レベル3)の評価技法およびインプットは、以下の通りです。
(a)「FVTPLで会計処理されているSVF1およびSVF2からの投資」
公正価値(レベル3)の測定は、主に取引事例法、割引キャッシュ・フロー法、類似会社比較法および公表取引事例法を採用しています。投資に係る評価技法毎の公正価値は、以下の通りです。なお、複数の評価技法の組み合わせを採用している場合、その評価技法の組み合わせ毎に公正価値を集計しています。
(注1)公表取引事例法はSPACとの合併を含むIPOシナリオを考慮しています。
評価技法およびインプットは、以下の通りです。
(注2)継続価値算定のために、類似会社の各種倍率を使用しています。
(b)「投資有価証券」等の金融商品
公正価値(レベル3)の測定は主に類似会社比較法、割引キャッシュ・フロー法、取引事例法、モンテカルロ・シミュレーションおよび二項価格評価モデルを採用し、株式の権利や優先権を考慮しています。観察可能でないインプットを使用した主な公正価値の評価技法およびインプットは、以下の通りです。
(注3)継続価値算定のために、類似会社の収益倍率、EBITDA倍率および純利益倍率、直近の業績等を考 慮した収益還元率を使用しています。
b.感応度分析
観察可能でないインプットのうち、EBITDA倍率、収益倍率、総流通総額倍率、売上総利益倍率、株価収益率、EBIT倍率、永久成長率、株価売上高倍率、有形資産倍率および純利益倍率については、上昇した場合にFVTPLで会計処理されているSVF1およびSVF2からの投資、株式およびデリバティブ金融資産の公正価値が増加する関係にあります。また、モンテカルロ・シミュレーションおよび二項価格評価モデルにおけるボラティリティについては、上昇した場合にデリバティブ金融資産およびその他の金融資産の公正価値がそれぞれ増加する関係にあります。
一方、資本コスト、収益還元率および信用スプレッドについては、上昇した場合にFVTPLで会計処理されているSVF1およびSVF2からの投資、株式、デリバティブ金融資産およびその他の金融資産の公正価値が減少する関係にあります。
c.評価プロセス
(a)SVF1およびSVF2における評価プロセス
SBIAの評価チームはIFRS第13号「公正価値測定」に従い、毎四半期末日において、SBIA Global
Valuation Policy およびInternational Private Equity and Venture Capital Valuation Guidelinesに
基づいて、公正価値測定の対象となる金融商品の性質、特徴およびリスクを最も適切に反映できる評価技
法およびインプットを用いて公正価値を測定しています。また、複雑な金融商品の公正価値測定において
は、必要に応じて、高度な知識および経験を有する外部の評価専門家を利用する場合があります。公正価値の測定後、SBIAに設置されたValuation and Financial Risk Committeeは、評価に使用された重要なイ ンプットや仮定、選択された評価技法の適正性、および評価結果の妥当性を審議し、四半期ごとにSBIAの 取締役会へ当該公正価値の審議結果を報告しており、SBIAの取締役会はSBGAへの評価書発行の承認を行います。なお、上記プロセスにより算定されたSVF2の投資先の評価結果については、SVF2における投資先の評価に対して全体的な責任を負うSVF2のマネジャーであるSBGAの取締役会にて、審議および承認が実施されます。
(b)その他の評価プロセス
当社の財務および経理部門の担当者は、毎四半期末日において、社内規定に基づいて、公正価値測定の対象となる金融商品の性質、特徴およびリスクを最も適切に反映できる評価技法およびインプットを用いて公正価値を測定しています。また、測定に高度な知識および経験を必要とし、且つ、金額的に重要性のある金融商品の公正価値測定においては、外部の評価専門家を利用しています。
当社の各部門管理者は、毎四半期末日において、公正価値の増減分析結果などのレビューを経て、当社の担当者が実施した金融商品の公正価値の測定結果及び外部専門家の評価結果を承認します。
d.レベル3に分類した金融商品の調整表
レベル3に分類した金融商品の調整表は、以下の通りです。
2021年3月31日に終了した1年間
(注)デリバティブ金融資産の増加は、スプリントとT-Mobile US, Inc.の合併取引により取得した条件付対価です。条件付対価の詳細は「注記10.非継続事業(1)スプリント」をご参照ください。
2022年3月31日に終了した1年間
(注)デリバティブ金融負債の減少は、主に、WeWorkの普通株式および優先株式の公開買付けの完了に伴う取り崩しによるものです。詳細は、「注記31.金融商品(2)財務リスク管理 a.市場リスク(b)価格リスク ⅴ.フォワード契約(注2)」をご参照ください。
純損益に認識した利得または損失は、連結損益計算書上の「持株会社投資事業からの投資損益」、「SVF1およびSVF2等からの投資損益」、「ラテンアメリカ・ファンド事業からの投資損益」、「その他の投資損益」、「デリバティブ関連損益(投資損益を除く)」および「その他の損益」に含めています。その他の包括利益に認識した利得または損失のうち税効果考慮後の金額は、連結包括利益計算書の「FVTOCIの資本性金融資産」、「FVTOCIの負債性金融資産」および「在外営業活動体の為替換算差額」に含めています。
(3)金融商品の帳簿価額と公正価値
金融商品の帳簿価額および公正価値は、以下の通りです。
2021年3月31日
帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている金融商品は、上表には含めていません。また、経常的に公正価値で測定する金融商品についても、公正価値は帳簿価額と一致することから、上表には含めていません。
2022年3月31日
帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている金融商品は、上表には含めていません。また、経常的に公正価値で測定する金融商品についても、公正価値は帳簿価額と一致することから、上表には含めていません。
上記の金融負債の公正価値の主な測定方法は、以下の通りです。
a.償還オプション付非支配持分
償還オプション付非支配持分の公正価値は、活発な市場における相場価格を使用して測定しています。償還オプション付非支配持分の詳細は、「注記8.当社が設立したSpecial Purpose Acquisition Company」をご参照ください。
b.長期借入金
活発な市場における相場価格を利用可能な場合、当該相場価格を使用して測定しており、レベル1に分類しています。活発な市場における相場価格を使用できない場合、市場金利等の観察可能なインプットを用いた割引キャッシュ・フロー法により測定しているものは、レベル2に分類しています。また、同一の残存期間で同条件の借入を行う場合の信用スプレッドを含む金利など観察可能でないインプットを用いた割引キャッシュ・フロー法により測定しているものは、レベル3に分類しています。
c.社債(1年内償還予定除く)
1年内償還予定を除く社債の公正価値は、主にレベル1またはレベル2に分類しています。活発な市場における同一銘柄の相場価格で測定した場合はレベル1に分類し、観察可能な活発でない市場における同一銘柄の相場価格により測定した場合はレベル2に分類しています。
(1)公正価値ヒエラルキーのレベル別分類
当初認識後に経常的に公正価値で測定する金融商品は、測定に用いたインプットの観察可能性および重要性に応じて、公正価値ヒエラルキーの3つのレベルに分類しています。
当該分類において、公正価値のヒエラルキーは、以下のように定義しています。
レベル1:同一の資産または負債の活発な市場における(無調整の)相場価格により測定した公正価値
レベル2:レベル1以外の直接または間接的に観察可能なインプットを使用して測定した公正価値
レベル3:観察可能でないインプットを使用して測定した公正価値
公正価値測定に複数のインプットを使用している場合には、その公正価値測定の全体において重要な最も低いレベルのインプットに基づいて公正価値のレベルを決定しています。
振替の原因となった事象または状況の変化が認められた時点で、公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替を行っています。
2022年3月31日に終了した1年間において、レベル1とレベル2の間における振替はありません。なお、2021年3月31日に終了した1年間において、LINE㈱の上場廃止に伴い当該銘柄のレベル1からレベル2への振替を行いましたが、2021年2月28日にLINE㈱を子会社化したことにより、2021年3月31日時点においては連結子会社として会計処理しています。LINE㈱の子会社化については、「注記9.企業結合」をご参照ください。
経常的に公正価値で測定する金融商品の公正価値ヒエラルキーに基づくレベル別分類は、以下の通りです。
2021年3月31日
| (単位:百万円) | |||||||
| レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | ||||
| 金融資産 | |||||||
| FVTPLで会計処理されているSVF1およびSVF2からの投資 | 6,667,004 | - | 6,979,770 | 13,646,774 | |||
| 株式(SVF1およびSVF2からの投資を除く)(注) | 3,973,727 | 2,214 | 1,143,043 | 5,118,984 | |||
| 債券および貸付金(SVF1およびSVF2からの投資を除く) | 10,785 | 246,510 | 135,468 | 392,763 | |||
| デリバティブ金融資産 | |||||||
| 為替契約 | 42 | 63,370 | - | 63,412 | |||
| オプション契約 | 19,507 | 906,390 | 477,479 | 1,403,376 | |||
| 金利契約 | - | 1,814 | - | 1,814 | |||
| スワップ契約 | - | 7,057 | - | 7,057 | |||
| フォワード取引 | - | 4,372 | - | 4,372 | |||
| その他 | 334,286 | 2,969 | 400,993 | 738,248 | |||
| 合計 | 11,005,351 | 1,234,696 | 9,136,753 | 21,376,800 | |||
| 金融負債 | |||||||
| デリバティブ金融負債 | |||||||
| 為替契約 | 266 | 27,491 | - | 27,757 | |||
| オプション契約 | 4,979 | 237,264 | - | 242,243 | |||
| 金利契約 | - | 9,769 | - | 9,769 | |||
| スワップ契約 | - | 5,390 | 7,495 | 12,885 | |||
| フォワード取引 | - | - | 76,823 | 76,823 | |||
| その他 | 101 | - | - | 101 | |||
| 借入有価証券 | 8,714 | - | - | 8,714 | |||
| その他 | 6,041 | - | 37,309 | 43,350 | |||
| 合計 | 20,101 | 279,914 | 121,627 | 421,642 | |||
2022年3月31日
| (単位:百万円) | |||||||
| レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | ||||
| 金融資産 | |||||||
| FVTPLで会計処理されているSVF1およびSVF2からの投資 | 4,811,878 | - | 8,954,513 | 13,766,391 | |||
| 株式(SVF1およびSVF2からの投資を除く)(注) | 2,113,504 | - | 1,456,818 | 3,570,322 | |||
| 債券および貸付金(SVF1およびSVF2からの投資を除く) | 8,330 | 229,112 | 206,323 | 443,765 | |||
| デリバティブ金融資産 | |||||||
| 為替契約 | 855 | 70,516 | - | 71,371 | |||
| オプション契約 | 456 | 1,487,331 | 633,553 | 2,121,340 | |||
| フォワード取引 | - | 190,334 | - | 190,334 | |||
| 株式カラー取引 | - | 44,568 | - | 44,568 | |||
| その他 | 5,086 | - | - | 5,086 | |||
| その他 | 330,725 | 6,565 | 580,092 | 917,382 | |||
| 合計 | 7,270,834 | 2,028,426 | 11,831,299 | 21,130,559 | |||
| 金融負債 | |||||||
| デリバティブ金融負債 | |||||||
| 為替契約 | 1,618 | 10,361 | - | 11,979 | |||
| オプション契約 | 2,212 | 178,539 | 49 | 180,800 | |||
| 金利契約 | - | 3,804 | - | 3,804 | |||
| スワップ契約 | - | - | 20,831 | 20,831 | |||
| フォワード取引 | - | 69,096 | 8,936 | 78,032 | |||
| その他 | 29 | - | - | 29 | |||
| 借入有価証券 | 125,004 | - | - | 125,004 | |||
| その他 | - | - | 98,432 | 98,432 | |||
| 合計 | 128,863 | 261,800 | 128,248 | 518,911 | |||
(注)2022年3月31日において、レベル1に区分される株式には、資産運用子会社における担保差入有価証券1,927百万円(2021年3月31日は1,427,286百万円)が含まれています。
経常的に公正価値で測定する金融商品の公正価値の主な測定方法は、以下の通りです。
a.FVTPLで会計処理されているSVF1およびSVF2からの投資、株式、債券および貸付金
活発な市場における同一銘柄の相場価格が入手できる場合の公正価値は、当該相場価格を使用して測定し、レベル1に分類しています。
活発な市場における同一銘柄の相場価格が入手できない場合、直近の独立した第三者間取引やファイナンス価格の情報が利用可能な場合は、公正価値はそのような直近の取引価格に基づき評価され、評価対象銘柄の発行企業が属する市場動向や企業の業績によって調整されます。
これらの直近の取引情報が利用できない場合の企業価値評価には、マーケット・アプローチ、インカム・アプローチ、またはネットアセット・アプローチを用いています。
マーケット・アプローチは、評価対象会社と比較可能な類似会社の情報が利用可能な場合に利用され、評価対象会社の財務諸表数値と比較対象となる他社のEV/収益やEV/EBITDA等の評価倍率を用いた評価手法です。インカム・アプローチは、信頼できるキャッシュ・フロー計画が利用できる場合に利用され、収益成長率等を加味した見積り将来キャッシュ・フローを割引率で割引くことで現在価値を算定します。ネットアセット・アプローチは、評価対象会社の貸借対照表上の純資産をベースに株式価値を算定します。上記で算定された企業価値は、投資先の資本構成に応じて各種類株式の株主価値に配分されます。その配分には、主として株式の権利や優先権を考慮したオプション価格法や、新規株式公開等により優先株式が普通株式に転換される可能性を考慮した方法を用いています。
これらの測定に使用する相場価格や割引率などのインプットのうち、全ての重要なインプットが観察可能である場合はレベル2に分類し、重要な観察可能でないインプットを含む場合はレベル3に分類しています。
b.デリバティブ金融資産およびデリバティブ金融負債
デリバティブ金融商品の公正価値は、活発な市場における同一商品の相場価格が入手できる場合の公正価値は、当該相場価格を使用して測定し、レベル1に分類しています。
活発な市場における同一商品の相場価格が入手できない場合、割引キャッシュ・フロー法またはブラック・ショールズモデルなどの評価技法や活発でない市場における相場価格などを使用して測定しています。測定に使用する外国為替レートや割引率などのインプットのうち、全ての重要なインプットが観察可能である場合はレベル2に分類し、重要な観察可能でないインプットを含む場合はレベル3に分類しています。
(2)レベル3に分類した金融商品の公正価値測定
a.評価技法およびインプット
観察可能でないインプットを使用した公正価値(レベル3)の評価技法およびインプットは、以下の通りです。
(a)「FVTPLで会計処理されているSVF1およびSVF2からの投資」
公正価値(レベル3)の測定は、主に取引事例法、割引キャッシュ・フロー法、類似会社比較法および公表取引事例法を採用しています。投資に係る評価技法毎の公正価値は、以下の通りです。なお、複数の評価技法の組み合わせを採用している場合、その評価技法の組み合わせ毎に公正価値を集計しています。
| (単位:百万円) | ||||
| 評価技法 | 公正価値 | |||
| 2021年3月31日 | 2022年3月31日 | |||
| 取引事例法 | 2,526,447 | 3,777,444 | ||
| 割引キャッシュ・フロー法 / 類似会社比較法 | 6,322 | 2,166,913 | ||
| 割引キャッシュ・フロー法 | 859,439 | 1,418,010 | ||
| 類似会社比較法 | 1,481 | 909,973 | ||
| 取引事例法 / 割引キャッシュ・フロー法 | 1,213,705 | 144,426 | ||
| 取引事例法 / 公表取引事例法(注1) | 624,568 | 111,424 | ||
| 取引事例法 / 類似会社比較法 | 1,004,366 | - | ||
| その他 | 743,442 | 426,323 | ||
| 合計 | 6,979,770 | 8,954,513 | ||
(注1)公表取引事例法はSPACとの合併を含むIPOシナリオを考慮しています。
評価技法およびインプットは、以下の通りです。
| 評価技法 | 観察可能でない インプット | 観察可能でないインプットの範囲 | ||||
| 2021年3月31日 | 2022年3月31日 | |||||
| 割引キャッシュ・フロー法 | 資本コスト | 11.0%~84.0% | 17.0%~161.0% | |||
| EBITDA倍率(注2) | 8.0倍~27.2倍 | 8.0倍~30.0倍 | ||||
| 収益倍率(注2) | 3.0倍~12.6倍 | 1.0倍~16.0倍 | ||||
| 総流通総額倍率(注2) | 1.2倍~1.5倍 | 1.2倍 | ||||
| 売上総利益倍率(注2) | - | 5.0倍~8.0倍 | ||||
| 株価収益率(注2) | - | 11.0倍 | ||||
| EBIT倍率(注2) | 25.0倍 | - | ||||
| 永久成長率 | 0.0%~4.1% | - | ||||
| 類似会社比較法 | 収益倍率 | 0.4倍~8.0倍 | 1.5倍~10.0倍 | |||
| EBITDA倍率 | - | 12.6倍 | ||||
| 株価売上高倍率 | - | 7.6倍~10.3倍 | ||||
(注2)継続価値算定のために、類似会社の各種倍率を使用しています。
(b)「投資有価証券」等の金融商品
公正価値(レベル3)の測定は主に類似会社比較法、割引キャッシュ・フロー法、取引事例法、モンテカルロ・シミュレーションおよび二項価格評価モデルを採用し、株式の権利や優先権を考慮しています。観察可能でないインプットを使用した主な公正価値の評価技法およびインプットは、以下の通りです。
| 評価技法 | 観察可能でない インプット | 観察可能でないインプットの範囲 | ||||
| 2021年3月31日 | 2022年3月31日 | |||||
| 株式 | ||||||
| 類似会社比較法 | 収益倍率 | 1.2倍~13.2倍 | 1.0倍~18.0倍 | |||
| 売上総利益倍率 | 17.0倍~24.0倍 | - | ||||
| EBITDA倍率 | 27.5倍 | - | ||||
| 有形資産倍率 | 2.4倍 | - | ||||
| 割引キャッシュ・フロー法 | 資本コスト | 11.1%~44.4% | 11.4%~55.5% | |||
| 収益還元率(注3) | 5.5%~10.2% | 5.1%~10.2% | ||||
| 収益倍率(注3) | - | 1.3倍~10.0倍 | ||||
| EBITDA倍率(注3) | 8.0倍~20.0倍 | 14.0倍 | ||||
| 純利益倍率(注3) | 6.8倍 | - | ||||
| デリバティブ金融資産 | ||||||
| モンテカルロ・シミュレーション | ボラティリティ | 20.0% | 25.0% | |||
| 割引キャッシュ・フロー法 | 資本コスト | 25.0% | - | |||
| EBITDA倍率(注3) | 8.0倍 | - | ||||
| デリバティブ金融負債 | ||||||
| 割引キャッシュ・フロー法 | 資本コスト | 25.0% | - | |||
| EBITDA倍率(注3) | 8.0倍 | - | ||||
| その他 | ||||||
| 二項価格評価モデル | ボラティリティ | 60.0% | 60.0% | |||
| 信用スプレッド | 10.8% | 15.1%~16.6% | ||||
(注3)継続価値算定のために、類似会社の収益倍率、EBITDA倍率および純利益倍率、直近の業績等を考 慮した収益還元率を使用しています。
b.感応度分析
観察可能でないインプットのうち、EBITDA倍率、収益倍率、総流通総額倍率、売上総利益倍率、株価収益率、EBIT倍率、永久成長率、株価売上高倍率、有形資産倍率および純利益倍率については、上昇した場合にFVTPLで会計処理されているSVF1およびSVF2からの投資、株式およびデリバティブ金融資産の公正価値が増加する関係にあります。また、モンテカルロ・シミュレーションおよび二項価格評価モデルにおけるボラティリティについては、上昇した場合にデリバティブ金融資産およびその他の金融資産の公正価値がそれぞれ増加する関係にあります。
一方、資本コスト、収益還元率および信用スプレッドについては、上昇した場合にFVTPLで会計処理されているSVF1およびSVF2からの投資、株式、デリバティブ金融資産およびその他の金融資産の公正価値が減少する関係にあります。
c.評価プロセス
(a)SVF1およびSVF2における評価プロセス
SBIAの評価チームはIFRS第13号「公正価値測定」に従い、毎四半期末日において、SBIA Global
Valuation Policy およびInternational Private Equity and Venture Capital Valuation Guidelinesに
基づいて、公正価値測定の対象となる金融商品の性質、特徴およびリスクを最も適切に反映できる評価技
法およびインプットを用いて公正価値を測定しています。また、複雑な金融商品の公正価値測定において
は、必要に応じて、高度な知識および経験を有する外部の評価専門家を利用する場合があります。公正価値の測定後、SBIAに設置されたValuation and Financial Risk Committeeは、評価に使用された重要なイ ンプットや仮定、選択された評価技法の適正性、および評価結果の妥当性を審議し、四半期ごとにSBIAの 取締役会へ当該公正価値の審議結果を報告しており、SBIAの取締役会はSBGAへの評価書発行の承認を行います。なお、上記プロセスにより算定されたSVF2の投資先の評価結果については、SVF2における投資先の評価に対して全体的な責任を負うSVF2のマネジャーであるSBGAの取締役会にて、審議および承認が実施されます。
(b)その他の評価プロセス
当社の財務および経理部門の担当者は、毎四半期末日において、社内規定に基づいて、公正価値測定の対象となる金融商品の性質、特徴およびリスクを最も適切に反映できる評価技法およびインプットを用いて公正価値を測定しています。また、測定に高度な知識および経験を必要とし、且つ、金額的に重要性のある金融商品の公正価値測定においては、外部の評価専門家を利用しています。
当社の各部門管理者は、毎四半期末日において、公正価値の増減分析結果などのレビューを経て、当社の担当者が実施した金融商品の公正価値の測定結果及び外部専門家の評価結果を承認します。
d.レベル3に分類した金融商品の調整表
レベル3に分類した金融商品の調整表は、以下の通りです。
2021年3月31日に終了した1年間
| (単位:百万円) | |||||||||
| 金融資産 | FVTPLで会計処理されているSVF1およびSVF2からの投資 | 株式 (SVF1およびSVF2からの投資を除く) | 債券および 貸付金 (SVF1およびSVF2からの投資を除く) | デリバティブ 金融資産 | その他 | ||||
| 2020年4月1日 | 5,787,893 | 634,157 | 56,824 | 17,937 | 280,610 | ||||
| 利得または損失(△は損失) | |||||||||
| 純損益 | 3,991,632 | 256,028 | 2,500 | 274,666 | 59,441 | ||||
| その他の包括利益 | 133,919 | 68,270 | 4,723 | 562 | 6,819 | ||||
| 購入 | 897,400 | 145,270 | 100,399 | - | 124,871 | ||||
| 売却 | △329,017 | △14,077 | △686 | - | △40,526 | ||||
| 上場によるレベル1への振替 | △3,558,039 | △53,995 | - | - | - | ||||
| 株式への転換 | - | 80,787 | △25,068 | △12,000 | △43,719 | ||||
| その他(注) | 55,982 | 26,603 | △3,224 | 196,314 | 13,497 | ||||
| 2021年3月31日 | 6,979,770 | 1,143,043 | 135,468 | 477,479 | 400,993 | ||||
| 2021年3月31日に保有する金融商品に関して純損益に認識した利得または損失(△は損失) | 1,188,690 | 279,220 | 3,146 | 274,666 | 55,568 | ||||
| 金融負債 | デリバティブ 金融負債 | その他 | |
| 2020年4月1日 | 221 | 16,434 | |
| 利得または損失(△は利得) | |||
| 純損益 | 76,414 | 20,875 | |
| その他の包括利益 | 3,402 | - | |
| その他 | 4,281 | - | |
| 2021年3月31日 | 84,318 | 37,309 | |
| 2021年3月31日に保有する金融商品に関して純損益に認識した利得または損失(△は利得) | 76,633 | 20,876 |
(注)デリバティブ金融資産の増加は、スプリントとT-Mobile US, Inc.の合併取引により取得した条件付対価です。条件付対価の詳細は「注記10.非継続事業(1)スプリント」をご参照ください。
2022年3月31日に終了した1年間
| (単位:百万円) | |||||||||
| 金融資産 | FVTPLで会計処理されているSVF1およびSVF2からの投資 | 株式 (SVF1およびSVF2からの投資を除く) | 債券および 貸付金 (SVF1およびSVF2からの投資を除く) | デリバティブ 金融資産 | その他 | ||||
| 2021年4月1日 | 6,979,770 | 1,143,043 | 135,468 | 477,479 | 400,993 | ||||
| 利得または損失(△は損失) | |||||||||
| 純損益 | 2,373,963 | 474,331 | △109,375 | 120,778 | 134,006 | ||||
| その他の包括利益 | 916,890 | 146,464 | 21,440 | 40,117 | 41,874 | ||||
| 購入 | 4,104,551 | 565,301 | 169,875 | - | 80,239 | ||||
| 売却 | △443,497 | △47,312 | △9,705 | - | △71,502 | ||||
| 当社からSVF2へ移管した投資 | 419,624 | △398,861 | - | △20,763 | - | ||||
| 上場によるレベル1への振替 | △5,473,421 | △441,957 | - | - | - | ||||
| その他 | 76,633 | 15,809 | △1,380 | 15,942 | △5,518 | ||||
| 2022年3月31日 | 8,954,513 | 1,456,818 | 206,323 | 633,553 | 580,092 | ||||
| 2022年3月31日に保有する金融商品に関して純損益に認識した利得または損失(△は損失) | 574,550 | 188,371 | △109,325 | 119,571 | 128,957 | ||||
| 金融負債 | デリバティブ 金融負債 | その他 | |
| 2021年4月1日 | 84,318 | 37,309 | |
| 利得または損失(△は利得) | |||
| 純損益 | 56,605 | △15,636 | |
| その他の包括利益 | 2,754 | 5,583 | |
| その他(注) | △113,861 | 71,176 | |
| 2022年3月31日 | 29,816 | 98,432 | |
| 2022年3月31日に保有する金融商品に関して純損益に認識した利得または損失(△は利得) | 9,472 | △15,636 |
(注)デリバティブ金融負債の減少は、主に、WeWorkの普通株式および優先株式の公開買付けの完了に伴う取り崩しによるものです。詳細は、「注記31.金融商品(2)財務リスク管理 a.市場リスク(b)価格リスク ⅴ.フォワード契約(注2)」をご参照ください。
純損益に認識した利得または損失は、連結損益計算書上の「持株会社投資事業からの投資損益」、「SVF1およびSVF2等からの投資損益」、「ラテンアメリカ・ファンド事業からの投資損益」、「その他の投資損益」、「デリバティブ関連損益(投資損益を除く)」および「その他の損益」に含めています。その他の包括利益に認識した利得または損失のうち税効果考慮後の金額は、連結包括利益計算書の「FVTOCIの資本性金融資産」、「FVTOCIの負債性金融資産」および「在外営業活動体の為替換算差額」に含めています。
(3)金融商品の帳簿価額と公正価値
金融商品の帳簿価額および公正価値は、以下の通りです。
2021年3月31日
| (単位:百万円) | |||||||||
| 帳簿価額 | 公正価値 | ||||||||
| レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | ||||||
| 有利子負債(非流動) | |||||||||
| 長期借入金 | 4,745,058 | - | 3,933,668 | 864,442 | 4,798,110 | ||||
| 社債 | 4,745,184 | - | 4,894,113 | - | 4,894,113 | ||||
| その他の金融負債(非流動) | |||||||||
| 償還オプション付非支配持分 | 298,092 | 322,114 | - | - | 322,114 | ||||
帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている金融商品は、上表には含めていません。また、経常的に公正価値で測定する金融商品についても、公正価値は帳簿価額と一致することから、上表には含めていません。
2022年3月31日
| (単位:百万円) | |||||||||
| 帳簿価額 | 公正価値 | ||||||||
| レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | ||||||
| その他の金融負債(流動) | |||||||||
| 償還オプション付非支配持分 | 307,144 | 314,275 | - | - | 314,275 | ||||
| 有利子負債(非流動) | |||||||||
| 長期借入金 | 5,472,605 | - | 2,912,585 | 2,610,814 | 5,523,399 | ||||
| 社債 | 6,471,624 | - | 6,343,253 | - | 6,343,253 | ||||
帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている金融商品は、上表には含めていません。また、経常的に公正価値で測定する金融商品についても、公正価値は帳簿価額と一致することから、上表には含めていません。
上記の金融負債の公正価値の主な測定方法は、以下の通りです。
a.償還オプション付非支配持分
償還オプション付非支配持分の公正価値は、活発な市場における相場価格を使用して測定しています。償還オプション付非支配持分の詳細は、「注記8.当社が設立したSpecial Purpose Acquisition Company」をご参照ください。
b.長期借入金
活発な市場における相場価格を利用可能な場合、当該相場価格を使用して測定しており、レベル1に分類しています。活発な市場における相場価格を使用できない場合、市場金利等の観察可能なインプットを用いた割引キャッシュ・フロー法により測定しているものは、レベル2に分類しています。また、同一の残存期間で同条件の借入を行う場合の信用スプレッドを含む金利など観察可能でないインプットを用いた割引キャッシュ・フロー法により測定しているものは、レベル3に分類しています。
c.社債(1年内償還予定除く)
1年内償還予定を除く社債の公正価値は、主にレベル1またはレベル2に分類しています。活発な市場における同一銘柄の相場価格で測定した場合はレベル1に分類し、観察可能な活発でない市場における同一銘柄の相場価格により測定した場合はレベル2に分類しています。