有価証券報告書-第82期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(1)経営方針
■ 会社の経営の基本方針
当社グループのミッションは、「お客さまのお役に立つために進化し続ける」「人の成長=企業の成長」という経営理念に基づき、お客さまをはじめとした、株主・投資家の皆さま、地域・社会、お取引先さま、社員など、すべてのステークホルダーの「しあわせ」を共に創ることにあります。そのために、すべてをステークホルダーの視点で考え、行動することにより共有できる価値づくりをすすめ、結果として企業価値の向上をはかる「共創経営」をすすめてまいります。
当社グループの「共創経営」の詳細につきましては、「共創経営レポート2017」をご覧ください。
(http://www.0101maruigroup.co.jp/ir/lib/i-report.html)
■ 目標とする経営指標
当社グループでは、2021年3月期を最終年度とする5ヵ年の中期経営計画において、最終年度のROE10%以上、ROIC4%以上、EPS130円以上を達成することを目標としております。
■ 中長期的な会社の経営戦略
ⅰ.事業環境の変化
消費環境では、モノからコトへ消費のシフトがさらにすすみ、小売業態ではEC市場の成長が続く一方で、今後は物販中心のリアル店舗に依存した業態が衰退するリスクも考えられます。
クレジット市場については、2020年のオリンピック・パラリンピック開催に向けてインフラの整備がすすみ、市場の拡大が見込めるものの、新たなテクノロジーによる金融サービスの革新で市場が激変する可能性もあります。
ⅱ.中期経営計画の骨子
・グループの統合的な運営による企業価値の向上
・グループ事業の革新による新たな事業の創出
・最適資本構成の構築と生産性のさらなる向上
ⅲ.具体的な取り組み
(小売)
・店舗事業は、SC・定借化により、従来の百貨店型ビジネスからの事業構造の転換を実現し、次世代型のライフスタイルSCの展開で、資本生産性を高めます。
・オムニチャネル事業は、ECに軸足を置いたビジネスを推進し、グループのノウハウを重ね合わせた「体験ストア」など独自のビジネスモデルで事業領域を拡大します。
・プラットフォーム事業は、店舗内装や物流、ビルマネジメントなど小売で培ったノウハウを統合的に運営し、BtoBビジネスを推進します。
(フィンテック)
・カード事業は、全国でのエポスカードファン拡大に向け商業施設やコンテンツ系企業との提携を強化し、高い収益性の維持と事業規模の拡大の両立をはかります。
・サービス事業は、クレジットのノウハウを活用した家賃保証や保険などサービス収入を拡大し、投下資本の少ないビジネスでROICを高めます。
・IT事業は、新たなテクノロジーの活用によってお客さまの利便性を高め、グループの事業領域拡大をサポートします。
(最適資本構成・成長投資・生産性向上)
・利益成長によるROICの向上と、グループの事業構造に見合った最適資本構成を構築し、安定的にROICが資本コストを上回る構造を実現します。
・SC・定借化のノウハウを活用した商業施設の開発や技術革新を取り入れるためのベンチャー投資など、将来の企業価値向上につながる成長投資を行います。
・「ひとつのマルイグループ」として事業ポートフォリオに合わせた人材活用をすすめ、グループの生産性をさらに向上します。
※最適資本構成の考え方
・総資産は「フィンテック」における営業債権(割賦売掛金・営業貸付金)の拡大で2021年3月期には約1兆円となる見通しです。一方、調達サイドは自己資本の厚い従来の小売主導型の構成であるため、中期経営計画において、ビジネスモデルの変化に合わせて構成を見直し、自己資本比率30%程度を目安に「めざすべきバランスシート」を構築していきます。
・増加する資金需要に対しては、コストの低い資金調達で対応し、有利子負債(リース債務、預り金を除く)の構成を高めることでグループ全体の資本コストを引き下げる方針です。ただし、有利子負債の残高は、倒産コストを考慮して営業債権の9割程度を目安としています。
・資金調達は、金融機関からの借入や社債の発行に加え、営業債権の流動化を積極的に活用することで、安全性の確保に向けた調達手段の多様化をすすめるとともに、総資産と負債の増加を抑制し資産効率の向上に取り組んでまいります。
■ 会社の考えるサステナビリティ
当社グループでは、2016年からビジネスと環境への配慮、社会的課題の解決、ガバナンスへの取り組みが一体となった未来志向の共創サステナビリティ経営への第一歩を踏み出しました。それまで取り組んできた「すべての人」に向けたビジネスを「インクルージョン(包摂)」というテーマで捉え直し、併せて国連の「持続可能な開発目標」(SDGs:Sustainable Development Goals)と関連付けることで、4つの重点テーマに整理しました。インクルージョンには、これまで見過ごされてきたものを包含する・取り込むという意味があり、SDGsの理念と同じ方向性を示すものです。
当社グループは、すべての人が取り残されることなく「しあわせ」を感じられる、インクルーシブで豊かな社会をめざし、すべてのステークホルダーとの共創により、この目標達成に向けて積極的に取り組んでいきます。
(インクルージョンの視点からの4つの重点テーマ)
ⅰ.お客さまのダイバーシティ&インクルージョン
お客さまの年齢・性別・身体的特徴などを超え、すべてのお客さまに喜んでいただける商品・サービス・店舗のあり方を追求していきます。
(重点取り組み)
ⅱ.ワーキング・インクルージョン
「お客さまのお役に立つために進化し続ける」「人の成長=企業の成長」という考えのもと、社員一人ひとりにとっての活躍の場を提供していきます。
(重点取り組み)
ⅲ.エコロジカル・インクルージョン
自然資本に配慮した環境負荷の少ない事業の推進と、自然や環境との調和をはかるエコロジカルなライフスタイルを提案していきます。
(重点取り組み)
ⅳ.共創経営のガバナンス
すべてのステークホルダーの利益、「しあわせ」の調和をはかるために、マルチステークホルダーガバナンスの体制づくりに着手します。
(重点取り組み)
当社グループのサステナビリティの取り組みにつきましては、「共創サステナビリティレポート 2017」をご覧ください。(http://www.0101maruigroup.co.jp/sustainability/lib/s-report.html)
(2)経営環境及び対処すべき課題
■ 中長期的な会社の経営戦略
当社グループのミッションは、「お客さまのお役に立つために進化し続ける 人の成長=企業の成長」という経営理念に基づき、お客さまをはじめ、株主・投資家の皆さま、地域・社会、お取引先さま、社員など、すべての人が「しあわせ」を感じられるインクルーシブで豊かな社会を共に創ることにあります。
当社グループでは、その結果として生み出される企業価値のさらなる向上をめざし、2021年3月期を最終年度とする5ヵ年の中期経営計画において、最終年度のROE(自己資本当期純利益率)10%以上、ROIC(投下資本利益率)4%以上、EPS(1株当たり当期純利益)130円以上を達成することを目標としております。
■ 中期経営計画達成に向けた取り組み
小売セグメントでは、引き続きSC・定借化により、これまでの百貨店型店舗から不動産型店舗に転換することで、モノからコトへの消費者ニーズの変化に対応していくとともに、今後生じるテナントとの契約更新において、収益力向上をはかってまいります。
EC事業については、さらなる成長に向けて、取扱点数の増加に対応した物流センターの増床、ロボットによる作業の効率化や商品管理システムの刷新を行ってまいります。また、拡大するスマートフォンのご利用に対応し、ユーザーインターフェイス(UI)をお客さまとの共創により改善してまいります。
フィンテックセグメントでは、引き続き高い収益性の維持と事業規模の拡大の両立をはかってまいります。エポスカードについては、丸井店舗での入会促進策を強化するとともに、提携先の拡大をすすめてまいります。これまでモノ・リアル中心だった提携先に加え、今後はコト・ネット分野との提携をすすめ、2021年3月期には、年間の新規カード会員数100万人をめざしてまいります。
また、2009年3月期のスタート以降、順調に拡大してきた家賃保証事業については、大手管理会社との提携を活かし、2021年3月期には売上収益100億円をめざしてまいります。今後は、こうした資産の増大をともなわずに利益を創出できるビジネスを強化することで、資本効率の向上をすすめてまいります。
■ 新たな成長に向けた今後の方向性
今後につきましては、当社グループの強みである「店舗・カード・Webの三位一体」を活かすことで、社会の課題を解決する事業を展開し、企業価値向上をはかってまいります。新規事業への投資については、社会課題を当社独自のビジネスモデルで事業化できるものにフォーカスするとともに、それを共創できるスタートアップ企業にも積極的に投資してまいります。
これまでもアニメ事業などに投資を行い、一定の成果を上げつつありますが、2019年3月期は「シェアリング」「シェアハウス」「飲食カテゴリーの新業態開発」「パーソナライズ化(サイズ)」「ライフスタイルアプリ・ウォレット」「ファイナンシャル・インクルージョン」の6つの新規事業プロジェクトを同時に立ち上げ、新たな事業を急ピッチで開発してまいります。
また、今後の成長に向けた最も重要な投資として、人材育成への投資も加速してまいります。当期からスタートした次世代経営陣の育成プログラムやスタートアップ企業への出向、ビジネススクールへの派遣、各種プロジェクト活動や勉強会、研究会など、社員が自主的に手をあげて参加し成長するための支援をより一層充実させてまいります。
ファイナンシャル・インクルージョンについては、これまでごく一部の富裕層向けに提供されてきた金融サービスを収入や世代にかかわりなく、すべての人に提供することをミッションとし、その実現に向けて取り組んでおります。当期はその第一弾として、在日外国人留学生向けのクレジットカードの発行をスタートし、2019年3月期には証券事業に参入いたします。証券事業参入の背景にあるのは、若者の将来不安です。若者の多くは将来へのお金の不安を抱えており、貯蓄や節約に励んでいますが、投資に対しては「難しそう」「知識がない」などの理由で踏み出せない方が多くいます。また、日本では金融資産に占める現預金の割合が先進国中もっとも高く、その額は900兆円にものぼると言われています。そのため金融資産の伸びが諸外国に比べて低くなっており、金融庁は「貯蓄から投資」への流れをすすめようとしています。こうした社会的課題の解決をめざすのが、当社グループの新しい事業です。新事業は「若者を中心としたすべての人に」「積立NISA対象の投資信託を」「エポスカードによるクレジット払いで」提供してまいります。クレジットカードで投資信託を購入できるのは、日本初のスキームで、これを実現するために証券会社を設立いたします。事業展開にあたっては、当社グループの「650万人のカード会員」「年間2億人が来店する店舗」「プラットフォームとしてのWeb」の三位一体を活用することで、10年後には100万人のお客さまにサービスを提供し、資産残高1兆円をめざしてまいります。
また、市場規模の大きい低額の現金決済市場への対応もすすめてまいります。現在、高額決済の領域はクレジットカード、大規模店舗における少額決済は電子マネーがそれぞれ便利な決済手段としてドメインを確立しておりますが、今後小規模店舗の少額決済においてはQRコード決済が普及すると考えております。当社グループは、2019年3月期よりスマートフォンのQRコード決済に対応するアプリを導入することにより、少額決済の市場に参入してまいります。
また、クレジットカード市場は、EC化の進展やシェアリング・エコノミーの拡大など、長期的な構造変化を受けて今後も継続的に拡大していくと想定されます。その中でエポスカードは、GMOペイメントゲートウェイさまとの協業でECでのご利用の拡大をはかるとともに、新たに協業するエイブルさまなどの不動産管理会社との提携による家賃のカード払いや、証券会社による積立NISAの毎月の積立金決済などリカーリング取引を強化することで、ライフタイムバリュー(事業の生涯収益)のより一層の向上をめざしてまいります。
■ 資本政策と株主還元
当社グループでは、事業の革新にあわせた最適な資本構成を構築し、安定的にROIC(投下資本利益率)が資本コストを上回る構造の実現をめざしております。
拡大する「フィンテック」の営業債権に対しては、コストの低い有利子負債の調達をすすめております。有利子負債は営業債権の9割程度を目安とし、自己資本比率は30%前後とする最適資本構成を設定しております。
一方で、直近の営業債権が計画以上に増加していることから、今後は営業債権の流動化を拡大することで、調達手段の多様化によるリスクの軽減をはかるとともに、総資産と負債の増加を抑制し、資産効率を高めることで、より一層の企業価値の向上をめざしてまいります。
今後の株主還元については、自己株式の取得から徐々に配当にシフトしてまいります。連結総還元性向70%を目安とした上で、連結配当性向は55%程度まで段階的に高め、長期・継続的な増配をめざしてまいります。
(1)経営方針
■ 会社の経営の基本方針
当社グループのミッションは、「お客さまのお役に立つために進化し続ける」「人の成長=企業の成長」という経営理念に基づき、お客さまをはじめとした、株主・投資家の皆さま、地域・社会、お取引先さま、社員など、すべてのステークホルダーの「しあわせ」を共に創ることにあります。そのために、すべてをステークホルダーの視点で考え、行動することにより共有できる価値づくりをすすめ、結果として企業価値の向上をはかる「共創経営」をすすめてまいります。
当社グループの「共創経営」の詳細につきましては、「共創経営レポート2017」をご覧ください。
(http://www.0101maruigroup.co.jp/ir/lib/i-report.html)
■ 目標とする経営指標
当社グループでは、2021年3月期を最終年度とする5ヵ年の中期経営計画において、最終年度のROE10%以上、ROIC4%以上、EPS130円以上を達成することを目標としております。
■ 中長期的な会社の経営戦略
ⅰ.事業環境の変化
消費環境では、モノからコトへ消費のシフトがさらにすすみ、小売業態ではEC市場の成長が続く一方で、今後は物販中心のリアル店舗に依存した業態が衰退するリスクも考えられます。
クレジット市場については、2020年のオリンピック・パラリンピック開催に向けてインフラの整備がすすみ、市場の拡大が見込めるものの、新たなテクノロジーによる金融サービスの革新で市場が激変する可能性もあります。
ⅱ.中期経営計画の骨子
・グループの統合的な運営による企業価値の向上
・グループ事業の革新による新たな事業の創出
・最適資本構成の構築と生産性のさらなる向上
ⅲ.具体的な取り組み
(小売)
・店舗事業は、SC・定借化により、従来の百貨店型ビジネスからの事業構造の転換を実現し、次世代型のライフスタイルSCの展開で、資本生産性を高めます。
・オムニチャネル事業は、ECに軸足を置いたビジネスを推進し、グループのノウハウを重ね合わせた「体験ストア」など独自のビジネスモデルで事業領域を拡大します。
・プラットフォーム事業は、店舗内装や物流、ビルマネジメントなど小売で培ったノウハウを統合的に運営し、BtoBビジネスを推進します。
(フィンテック)
・カード事業は、全国でのエポスカードファン拡大に向け商業施設やコンテンツ系企業との提携を強化し、高い収益性の維持と事業規模の拡大の両立をはかります。
・サービス事業は、クレジットのノウハウを活用した家賃保証や保険などサービス収入を拡大し、投下資本の少ないビジネスでROICを高めます。
・IT事業は、新たなテクノロジーの活用によってお客さまの利便性を高め、グループの事業領域拡大をサポートします。
(最適資本構成・成長投資・生産性向上)
・利益成長によるROICの向上と、グループの事業構造に見合った最適資本構成を構築し、安定的にROICが資本コストを上回る構造を実現します。
・SC・定借化のノウハウを活用した商業施設の開発や技術革新を取り入れるためのベンチャー投資など、将来の企業価値向上につながる成長投資を行います。
・「ひとつのマルイグループ」として事業ポートフォリオに合わせた人材活用をすすめ、グループの生産性をさらに向上します。
※最適資本構成の考え方
・総資産は「フィンテック」における営業債権(割賦売掛金・営業貸付金)の拡大で2021年3月期には約1兆円となる見通しです。一方、調達サイドは自己資本の厚い従来の小売主導型の構成であるため、中期経営計画において、ビジネスモデルの変化に合わせて構成を見直し、自己資本比率30%程度を目安に「めざすべきバランスシート」を構築していきます。
・増加する資金需要に対しては、コストの低い資金調達で対応し、有利子負債(リース債務、預り金を除く)の構成を高めることでグループ全体の資本コストを引き下げる方針です。ただし、有利子負債の残高は、倒産コストを考慮して営業債権の9割程度を目安としています。
・資金調達は、金融機関からの借入や社債の発行に加え、営業債権の流動化を積極的に活用することで、安全性の確保に向けた調達手段の多様化をすすめるとともに、総資産と負債の増加を抑制し資産効率の向上に取り組んでまいります。
■ 会社の考えるサステナビリティ
当社グループでは、2016年からビジネスと環境への配慮、社会的課題の解決、ガバナンスへの取り組みが一体となった未来志向の共創サステナビリティ経営への第一歩を踏み出しました。それまで取り組んできた「すべての人」に向けたビジネスを「インクルージョン(包摂)」というテーマで捉え直し、併せて国連の「持続可能な開発目標」(SDGs:Sustainable Development Goals)と関連付けることで、4つの重点テーマに整理しました。インクルージョンには、これまで見過ごされてきたものを包含する・取り込むという意味があり、SDGsの理念と同じ方向性を示すものです。
当社グループは、すべての人が取り残されることなく「しあわせ」を感じられる、インクルーシブで豊かな社会をめざし、すべてのステークホルダーとの共創により、この目標達成に向けて積極的に取り組んでいきます。
(インクルージョンの視点からの4つの重点テーマ)
ⅰ.お客さまのダイバーシティ&インクルージョン
お客さまの年齢・性別・身体的特徴などを超え、すべてのお客さまに喜んでいただける商品・サービス・店舗のあり方を追求していきます。
(重点取り組み)
| インクルーシブな店づくり | 東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に向けて、年齢や性別に関係なく、高齢者、障がい者、外国人やLGBTの方など、すべてのお客さまに楽しく安心してお買いものいただけるよう、設備環境と接客の両面から、居心地の良い店づくりに取り組んでいます。 |
| インクルーシブなモノづくり | 丸井グループが考えるモノづくりは、一人ひとりの身体的特徴に合った商品をつくることです。身体的特徴を超えて、誰も排除することなく、すべての人のお役にたてるよう商品の開発・販売の仕組みを構築し、新たな需要の創造をめざしています。 |
| ファイナンシャル・インクルージョン | 「すべての人に金融サービスを提供するファイナンシャル・インクルージョン」をミッションとし、既存の金融ではサービスが行き届かなかった若者を中心としたすべての人に、豊かなライフスタイルを実現する金融サービスを提供しています。 |
ⅱ.ワーキング・インクルージョン
「お客さまのお役に立つために進化し続ける」「人の成長=企業の成長」という考えのもと、社員一人ひとりにとっての活躍の場を提供していきます。
(重点取り組み)
| 「多様性」を活かす組織づくり | 「個人の中」「男女」「年代」の3つの多様性を掲げ、違う個性を持つ約6,000人の社員が互いを認め合い、世の中の変化やニーズに目を向けて、さまざまな価値観を融合させることで、知の掛け合わせから必ずイノベーションを創出できると考えています。 |
| 人の成長を支える「健康経営」 | 病気にならない(予防)だけでなく、今よりもっと活力高くイキイキすることを重視し、社員一人ひとりが意識や行動を変え活力を高め、生産性をアップさせることで、企業価値向上と社会へのお役立ちにつなげることをめざしています。 |
| 新たな成長に向けた「人材への投資」 | 「人のお役に立ちたい」という想いを持つ社員が、企業価値創造の唯一最大の源泉であると確信し、多様な価値観の尊重はもちろん、一人ひとりがイキイキと成長し続けられる組織風土の醸成をめざし、積極的な人材育成と採用への投資を実施しています。 |
ⅲ.エコロジカル・インクルージョン
自然資本に配慮した環境負荷の少ない事業の推進と、自然や環境との調和をはかるエコロジカルなライフスタイルを提案していきます。
(重点取り組み)
| グループ一体ですすめる環境負荷の 低減 | 温室効果ガス削減への取り組みとして、本年度、2050年を見据えた温室効果ガス削減中長期目標を策定し、国際的なイニシアチブである「Science Based Targets(SBT)」イニシアチブ」により認定されました。 グループ全体の温室効果ガス削減目標は ・2030年までに2016年比「Scope1(注1)+Scope2(注2)を40%削減・Scope3(注3)を35%削減」 ・2050年までに2016年比「Scope1+Scope2を80%削減」と表明 2017年度の実績はScope1(13,818トン)とScope2(99,286トン)合計で4.3%削減、Scope3(412,256トン)は15.8%削減となり、温室効果ガス排出量原単位(注4)は14.9(前年比76.7%)となりました。 (注1)おもに自社の車両移動や物流センターなどからの排出量 (注2)おもに自社の店舗・事業所運営に関わる排出量 (注3)製品の製造・販売・消費のバリューチェーンに関わる排出量 (注4)温室効果ガス排出量(トン)/連結営業利益(百万円)にて算出 |
| お取引先さまとの責任ある調達 | 材料の調達からモノづくり、商品の販売から廃棄されるまでのバリューチェーン全体において、生産者としての責任があると認識しています。ステークホルダーとの共創により、地域の社会貢献はもちろんサプライチェーン全体での人権や労働環境の改善につなげていきます。 |
| 環境負荷低減を実現する革新的 サービス | 小売とフィンテックにおける事業に、ITや物流などグループの強みを重ね合わせた独自のプラットフォームを活用し、世の中の変化とお客さまのニーズに対応した新たな利便性の提供と環境負荷低減を両立する革新的なサービスの開発をすすめます。 |
ⅳ.共創経営のガバナンス
すべてのステークホルダーの利益、「しあわせ」の調和をはかるために、マルチステークホルダーガバナンスの体制づくりに着手します。
(重点取り組み)
| ステークホルダーとの共創 | すべてのお客さまに喜んでいただけるビジネスを実現していくために、社員をはじめ、お客さま、株主・投資家の皆さま、地域・社会の皆さま、お取引先さまに対しても、インクルージョン視点による活動にご賛同いただけるように、建設的な対話を通じた共創経営を強化しています。 |
| サステナビリティマネジメントの推進 | サステナビリティ部・ESG推進部が中心となり、サステナビリティにおける4つの重点テーマごとの活動を検証するとともに、今後は重点テーマに基づく長期ビジョンの設定準備、サステナビリティとビジネスの両立に向けた重点指標(KPI)の開示を検討していきます。 |
| 次世代リーダーの育成 | 2017年4月より次世代経営者育成プログラム「共創経営塾」を開設し、応募者134人から21人を選抜。一橋大学大学院 国際企業戦略研究科(ICS)と社外取締役の監修のもと、次世代の経営を担う人材を発掘し、育成します。 |
| リスクマネジメント | サステナビリティ経営への礎として、2017年に「グループ行動規範」「グループ人権方針」「グループ安全衛生方針」を改定・新設し、2018年には「グループ情報セキュリティ方針」「グループプライバシーポリシー」「グループソーシャルメディアポリシー」「グループ税務方針」を制定しました。規範・各種方針は実効性を年1回検証するとともに、研修などを通じてグループ社員へ周知をはかります。 |
当社グループのサステナビリティの取り組みにつきましては、「共創サステナビリティレポート 2017」をご覧ください。(http://www.0101maruigroup.co.jp/sustainability/lib/s-report.html)
(2)経営環境及び対処すべき課題
■ 中長期的な会社の経営戦略
当社グループのミッションは、「お客さまのお役に立つために進化し続ける 人の成長=企業の成長」という経営理念に基づき、お客さまをはじめ、株主・投資家の皆さま、地域・社会、お取引先さま、社員など、すべての人が「しあわせ」を感じられるインクルーシブで豊かな社会を共に創ることにあります。
当社グループでは、その結果として生み出される企業価値のさらなる向上をめざし、2021年3月期を最終年度とする5ヵ年の中期経営計画において、最終年度のROE(自己資本当期純利益率)10%以上、ROIC(投下資本利益率)4%以上、EPS(1株当たり当期純利益)130円以上を達成することを目標としております。
■ 中期経営計画達成に向けた取り組み
小売セグメントでは、引き続きSC・定借化により、これまでの百貨店型店舗から不動産型店舗に転換することで、モノからコトへの消費者ニーズの変化に対応していくとともに、今後生じるテナントとの契約更新において、収益力向上をはかってまいります。
EC事業については、さらなる成長に向けて、取扱点数の増加に対応した物流センターの増床、ロボットによる作業の効率化や商品管理システムの刷新を行ってまいります。また、拡大するスマートフォンのご利用に対応し、ユーザーインターフェイス(UI)をお客さまとの共創により改善してまいります。
フィンテックセグメントでは、引き続き高い収益性の維持と事業規模の拡大の両立をはかってまいります。エポスカードについては、丸井店舗での入会促進策を強化するとともに、提携先の拡大をすすめてまいります。これまでモノ・リアル中心だった提携先に加え、今後はコト・ネット分野との提携をすすめ、2021年3月期には、年間の新規カード会員数100万人をめざしてまいります。
また、2009年3月期のスタート以降、順調に拡大してきた家賃保証事業については、大手管理会社との提携を活かし、2021年3月期には売上収益100億円をめざしてまいります。今後は、こうした資産の増大をともなわずに利益を創出できるビジネスを強化することで、資本効率の向上をすすめてまいります。
■ 新たな成長に向けた今後の方向性
今後につきましては、当社グループの強みである「店舗・カード・Webの三位一体」を活かすことで、社会の課題を解決する事業を展開し、企業価値向上をはかってまいります。新規事業への投資については、社会課題を当社独自のビジネスモデルで事業化できるものにフォーカスするとともに、それを共創できるスタートアップ企業にも積極的に投資してまいります。
これまでもアニメ事業などに投資を行い、一定の成果を上げつつありますが、2019年3月期は「シェアリング」「シェアハウス」「飲食カテゴリーの新業態開発」「パーソナライズ化(サイズ)」「ライフスタイルアプリ・ウォレット」「ファイナンシャル・インクルージョン」の6つの新規事業プロジェクトを同時に立ち上げ、新たな事業を急ピッチで開発してまいります。
また、今後の成長に向けた最も重要な投資として、人材育成への投資も加速してまいります。当期からスタートした次世代経営陣の育成プログラムやスタートアップ企業への出向、ビジネススクールへの派遣、各種プロジェクト活動や勉強会、研究会など、社員が自主的に手をあげて参加し成長するための支援をより一層充実させてまいります。
ファイナンシャル・インクルージョンについては、これまでごく一部の富裕層向けに提供されてきた金融サービスを収入や世代にかかわりなく、すべての人に提供することをミッションとし、その実現に向けて取り組んでおります。当期はその第一弾として、在日外国人留学生向けのクレジットカードの発行をスタートし、2019年3月期には証券事業に参入いたします。証券事業参入の背景にあるのは、若者の将来不安です。若者の多くは将来へのお金の不安を抱えており、貯蓄や節約に励んでいますが、投資に対しては「難しそう」「知識がない」などの理由で踏み出せない方が多くいます。また、日本では金融資産に占める現預金の割合が先進国中もっとも高く、その額は900兆円にものぼると言われています。そのため金融資産の伸びが諸外国に比べて低くなっており、金融庁は「貯蓄から投資」への流れをすすめようとしています。こうした社会的課題の解決をめざすのが、当社グループの新しい事業です。新事業は「若者を中心としたすべての人に」「積立NISA対象の投資信託を」「エポスカードによるクレジット払いで」提供してまいります。クレジットカードで投資信託を購入できるのは、日本初のスキームで、これを実現するために証券会社を設立いたします。事業展開にあたっては、当社グループの「650万人のカード会員」「年間2億人が来店する店舗」「プラットフォームとしてのWeb」の三位一体を活用することで、10年後には100万人のお客さまにサービスを提供し、資産残高1兆円をめざしてまいります。
また、市場規模の大きい低額の現金決済市場への対応もすすめてまいります。現在、高額決済の領域はクレジットカード、大規模店舗における少額決済は電子マネーがそれぞれ便利な決済手段としてドメインを確立しておりますが、今後小規模店舗の少額決済においてはQRコード決済が普及すると考えております。当社グループは、2019年3月期よりスマートフォンのQRコード決済に対応するアプリを導入することにより、少額決済の市場に参入してまいります。
また、クレジットカード市場は、EC化の進展やシェアリング・エコノミーの拡大など、長期的な構造変化を受けて今後も継続的に拡大していくと想定されます。その中でエポスカードは、GMOペイメントゲートウェイさまとの協業でECでのご利用の拡大をはかるとともに、新たに協業するエイブルさまなどの不動産管理会社との提携による家賃のカード払いや、証券会社による積立NISAの毎月の積立金決済などリカーリング取引を強化することで、ライフタイムバリュー(事業の生涯収益)のより一層の向上をめざしてまいります。
■ 資本政策と株主還元
当社グループでは、事業の革新にあわせた最適な資本構成を構築し、安定的にROIC(投下資本利益率)が資本コストを上回る構造の実現をめざしております。
拡大する「フィンテック」の営業債権に対しては、コストの低い有利子負債の調達をすすめております。有利子負債は営業債権の9割程度を目安とし、自己資本比率は30%前後とする最適資本構成を設定しております。
一方で、直近の営業債権が計画以上に増加していることから、今後は営業債権の流動化を拡大することで、調達手段の多様化によるリスクの軽減をはかるとともに、総資産と負債の増加を抑制し、資産効率を高めることで、より一層の企業価値の向上をめざしてまいります。
今後の株主還元については、自己株式の取得から徐々に配当にシフトしてまいります。連結総還元性向70%を目安とした上で、連結配当性向は55%程度まで段階的に高め、長期・継続的な増配をめざしてまいります。