訂正有価証券報告書-第83期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2020/06/11 16:27
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有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
■ 会社の経営の基本方針
当社グループのミッションは、「お客さまのお役に立つために進化し続ける」「人の成長=企業の成長」という経営理念に基づき、すべての人が「しあわせ」を感じられるインクルーシブで豊かな社会をステークホルダーの皆さまと共に創ることにあります。
当社グループがめざすのは、お客さまをはじめ、株主・投資家の皆さま、地域・社会、お取引先さま、社員に、将来世代を加えたすべてのステークホルダーの利益の拡大です。そのために、すべてをステークホルダーの視点で考え、行動することにより共有できる価値づくりに取り組み、結果として企業価値の向上を図る「共創サステナビリティ経営」を進めてまいります。
当社グループの「共創サステナビリティ経営」の詳細につきましては、「共創経営レポート2018」「VISION BOOK 2050」をご覧ください。
共創経営レポート (http://www.0101maruigroup.co.jp/ir/lib/i-report.html)
VISION BOOK 2050 (http://www.0101maruigroup.co.jp/sustainability/lib/s-report.html)
■ 目標とする経営指標
当社グループでは、2021年3月期を最終年度とする5ヵ年の中期経営計画において、最終年度のEPS130円以上、ROE10%以上、ROIC4%以上を達成することを目標としております。
■ 中長期的な会社の経営戦略
ⅰ.事業環境の変化
消費環境では、モノからコトへ消費のシフトがさらに進み、小売業態ではEC市場の成長が続く一方で、今後は物販中心のリアル店舗に依存した業態が衰退するリスクも考えられます。
クレジット市場については、2020年のオリンピック・パラリンピック開催に向けて、インフラの整備が進み、市場の拡大が見込めるものの、新たなテクノロジーによる金融サービスの革新で、市場が激変する可能性もあります。
ⅱ.中期経営計画の骨子
・グループの統合的な運営による企業価値の向上
・グループ事業の革新による新たな事業の創出
・最適資本構成の構築と生産性のさらなる向上
ⅲ.具体的な取り組み
(小売)
・店舗事業は、SC・定借化により、従来の百貨店型ビジネスからの事業構造の転換を実現し、次世代型のライフスタイルSCの展開で、資本生産性を高めます。
・オムニチャネル事業は、ECに軸足を置いたビジネスを推進し、グループのノウハウを重ね合わせた独自のビジネスモデルで事業領域を拡大します。
・プラットフォーム事業は、店舗内装や物流、ビルマネジメントなど小売で培ったノウハウを統合的に運営し、BtoBビジネスを推進します。
(フィンテック)
・カード事業は、全国でのエポスカードファン拡大に向け商業施設やコンテンツ系企業との提携を強化し、高い収益性の維持と事業規模の拡大の両立を図ります。
・サービス事業は、クレジットのノウハウを活用した家賃保証や保険などサービス収入を拡大し、投下資本の少ないビジネスでROICを高めます。
・IT事業は、新たなテクノロジーの活用によってお客さまの利便性を高め、グループの事業領域拡大をサポートします。
(最適資本構成・成長投資・生産性向上)
・利益成長によるROICの向上と、グループの事業構造に見合った最適資本構成を構築し、安定的にROICが資本コストを上回る構造を実現します。
・SC・定借化のノウハウを活用した商業施設の開発や技術革新を取り入れるためのベンチャー投資など、将来の企業価値向上につながる成長投資を行います。
・「ひとつのマルイグループ」として事業ポートフォリオにあわせた人材活用を進め、グループの生産性をさらに向上します。
※ 最適資本構成の考え方
・総資産はフィンテックの成長にともなう営業債権(割賦売掛金・営業貸付金)の拡大で大きく増加する見通しです。一方、調達サイドは自己資本の厚い従来の小売主導型の構成であるため、中期経営計画において、ビジネスモデルの変化にあわせて構成を見直し、自己資本比率30%程度を目安に「めざすべきバランスシート」を構築していきます。
・増加する資金需要に対しては、コストの低い資金調達で対応し、有利子負債(リース債務、預り金を除く)の構成を高めることでグループ全体の資本コストを引き下げる方針です。ただし、有利子負債の残高は、安全性を考慮して営業債権の9割程度を目安としています。
・資金調達は、金融機関からの借入や社債の発行に加え、営業債権の流動化を積極的に活用することで調達手段の多様化を進めるとともに、総資産と負債の増加を抑制し資産効率の向上に取り組んでいきます。
■ 株主還元
2021年3月期を最終年度とする中期経営計画に基づき、事業で創出されるキャッシュ・フローを有効活用し成長投資と株主還元を強化します。具体的には、中期経営計画5年間の基礎営業キャッシュ・フローを2,300億円見込み、そのうち株主還元に1,100億円程度を配分します。
配当については、EPSの長期的な成長に応じた継続的な配当水準の向上に努め、「高成長」と「高還元」の両立を図ります。連結配当性向の目安を40%から段階的に高め、2024年3月期55%程度を目標に、長期・継続的な増配をめざします。
自己株式の取得については、キャッシュ・フローの状況等を総合的に勘案し、資本効率と株主利益の向上に向けて連結総還元性向70%を目処に適切な時期に実施します。なお、取得した自己株式は原則として消却します。
(株主還元指標のイメージ)

■ 会社の考えるサステナビリティ
当社グループでは、2016年からビジネスと環境への配慮、社会的課題の解決、ガバナンスへの取り組みが一体となった未来志向の共創サステナビリティ経営への第一歩を踏み出しました。それまで取り組んできた「すべての人」に向けたビジネスを「インクルージョン(包摂)」というテーマで捉え直し、あわせて国連の「持続可能な開発目標」(SDGs:Sustainable Development Goals)と関連付けることで、4つの重点テーマに整理しました。インクルージョンには、これまで見過ごされてきたものを包含する・取り込むという意味があり、SDGsの理念と同じ方向性を示すものです。
そして、2019年には本格的な共創サステナビリティ経営に向け、2050年を見据えた長期ビジョン「丸井グループビジョン2050」を策定いたしました。ビジョンの実現に向けて、これまで取り組んできた4つの重点テーマを踏まえ、共創を基盤とした3つのビジネスを設定いたしました。
(丸井グループビジョン2050)
「ビジネスを通じてあらゆる二項対立を乗り越える世界を創る」
(共創を基盤とした3つのビジネス)
ⅰ.世代間をつなぐビジネス
「グリーン・ビジネス」と「ヒューマン・ビジネス」を通じて、将来の地球・世代と共存する選択肢を提供していきます。
ⅱ.共創ビジネス
社会におけるプラットフォームのような存在として、バリューチェーンに関わるすべてのステークホルダーとの共創により、「私らしさ」と「他者とのつながり」の実現を支える場やサービスを提供していきます。
ⅲ.ファイナンシャル・インクルージョン
世界中の人々が抱えるお金に対する不安と所得格差を解消する選択肢を提供していきます。
(インクルージョンの視点からの4つの重点テーマ)
当社グループは、長期ビジョンの実現に向けた3つのビジネスを推進するため、4つの重点テーマに積極的に取り組んでいきます。
ⅰ.お客さまのダイバーシティ&インクルージョン
お客さまの年齢・性別・身体的特徴などを超え、すべてのお客さまに喜んでいただける商品・サービス・店舗のあり方を追求していきます。
(重点取り組み)
インクルーシブな店づくり東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に向けて、年齢や性別に関係なく、高齢者、障がい者、外国人やLGBTの方など、すべてのお客さまに楽しく安心してお買いものいただけるよう、設備環境と接客の両面から、居心地の良い店づくりに取り組んでいます。
インクルーシブなモノづくり丸井グループが考えるモノづくりは、一人ひとりの身体的特徴に合った商品をつくることです。身体的特徴を超えて、誰も排除することなく、すべての人のお役に立てるよう商品の開発・販売の仕組みを構築し、新たな需要の創造をめざしています。
ファイナンシャル・インクルージョン「すべての人に金融サービスを提供するファイナンシャル・インクルージョン」をミッションとし、既存の金融ではサービスが行き届かなかった若者を中心としたすべての人に、豊かなライフスタイルを実現する金融サービスを提供しています。


ⅱ.ワーキング・インクルージョン
「お客さまのお役に立つために進化し続ける」「人の成長=企業の成長」という考えのもと、社員一人ひとりにとっての活躍の場を提供していきます。
(重点取り組み)
「多様性」を活かす組織づくり「個人の中」「男女」「年代」の3つの多様性を促進することで、約5,500人の社員が互いの個性を認め合い、世の中の変化やニーズに目を向けて、さまざまな価値観を融合させることで、知の掛け合わせを通じてイノベーションを創出していきます。
人の成長を支える「健康経営」病気にならない(予防)だけでなく、今よりもっと活力高くイキイキすることを重視し、社員一人ひとりが意識や行動を変え活力を高め、生産性をアップさせることで、企業価値向上と社会へのお役立ちにつなげることをめざしています。
新たな成長に向けた「人材への投資」「人のお役に立ちたい」という想いを持つ社員こそが、企業価値創造の源泉であると確信し、多様な価値観の尊重はもちろん、一人ひとりがイキイキと成長し続けられる組織風土の醸成をめざし、積極的な人材育成と採用への投資を実施しています。

ⅲ.エコロジカル・インクルージョン
環境負荷の少ない事業を推進し、脱炭素社会や循環型社会の実現をめざし、自然と環境の調和を図るエコロジカルなライフスタイルを提案していきます。
(重点取り組み)
グループ一体で進める環境負荷の低減温室効果ガス削減への取り組みとして、2018年3月、2050年を見据えた温室効果ガス削減中長期目標を策定し、国際的なイニシアチブである「Science Based Targets(SBT)イニシアチブ」により認定されました。
グループ全体の温室効果ガス削減目標は
・2030年までに2017年3月期比「Scope1(注1)+Scope2(注2)を
40%削減・Scope3(注3)を35%削減」
・2050年までに2017年3月期比「Scope1+Scope2を80%削減」と表明
2019年3月期の実績はScope1(15,109トン)とScope2(96,232トン)合計で5.8%削減、Scope3(399,926トン)は18.3%削減となり、温室効果ガス排出量原単位(注4)は12.4(前年比85.9%)となりました。
(注1)おもに自社の車両移動や物流センターなどからの排出量
(注2)おもに自社の店舗・事業所運営に関わる排出量
(注3)製品の製造・販売・消費のバリューチェーンに関わる排出量
(注4)温室効果ガス排出量(トン)/連結営業利益(百万円)にて算出
また、世界の気候変動は当社グループにおける社会課題と捉え、2018年11月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言への賛同を表明しました。
お取引先さまとの責任ある調達材料の調達からモノづくり、商品の販売から廃棄されるまでのバリューチェーン全体において、生産者としての責任があると認識しています。ステークホルダーとの共創により、地域の社会貢献はもちろんサプライチェーン全体での人権や労働環境の改善につなげていきます。
環境負荷低減を実現する革新的
サービス
小売とフィンテックにおける事業に、ITや物流などグループの強みを重ね合わせた独自のプラットフォームを活用し、世の中の変化とお客さまのニーズに対応した新たな利便性の提供と環境負荷低減を両立する革新的なサービスの開発を進めます。


ⅳ.共創経営のガバナンス
すべてのステークホルダーの利益、「しあわせ」の調和を図るために、マルチステークホルダーガバナンスの体制づくりに着手します。
(重点取り組み)
ステークホルダーとの共創すべてのお客さまに喜んでいただけるビジネスを実現していくために、社員をはじめ、お客さま、株主・投資家の皆さま、地域・社会の皆さま、お取引先さまに対しても、インクルージョン視点による活動にご賛同いただけるように、建設的な対話を通じた共創経営を強化しています。
サステナビリティマネジメントの推進共創サステナビリティ経営に基づく3つのビジネスの推進に向けて適時活動を検証するとともに、サステナビリティとビジネスの両立に向けた重点指標(KPI)の進捗を確認していきます。
サステナビリティマネジメント体制の強化に向け、2019年1月に、サステナビリティアドバイザリーボードを新たに設置するとともに、5月には、サステナビリティ委員会を設置しました。
また、取締役に対する業績連動型株式報酬に関して、業績達成条件に第三者機関の調査に基づくESG評価指標の目標を追加しました。
次世代リーダーの育成2017年4月より次世代経営者育成プログラム「共創経営塾」を開設しました。毎年10人~20人程度を選抜し、一橋大学大学院 国際企業戦略研究科(ICS)教授 野間幹晴氏と社外取締役の監修のもと、次世代の経営を担う人材の発掘と育成をめざしています。
リスクマネジメント共創サステナビリティ経営への礎として、2017年に「グループ行動規範」
「グループ人権方針」「グループ安全衛生方針」を定めました。
また、外部環境の変化に対応し、デジタル化・技術革新の事業構造転換のさらなるスピードアップに向け、CDO(Chief Digital Officer)を任命およびデジタル化推進委員会を設置しました。
2018年に「グループ情報セキュリティ方針」「グループプライバシーポリシー」「グループソーシャルメディアポリシー」「グループ税務方針」を制定しました。規範・各種方針は実効性を年1回検証するとともに、研修などを通じてグループ社員へ周知を図ります。
また、今後高まると予測される情報セキュリティリスクに対し、情報セキュリティ委員会の設置とともに、グループ全体の情報資産などを保護・管理する最高セキュリティ責任者としてCSO(Chief Security Officer)を配置しました。

■ 気候変動への取り組みとTCFDへの対応
当社グループは気候変動を重要な経営課題の一つと認識し、気候変動による成長機会の取り込みおよびリスクへの適切な対応を行うことが重要であると考えています。そのため当社グループは「グループ環境方針」に基づき、パリ協定の長期目標を踏まえた脱炭素社会へ積極的に対応すべく、ガバナンス体制を強化するとともに、事業への影響分析やリスクおよび機会の評価、温室効果ガスの排出量管理等の各分野で取り組みを推進しています。また、当社グループはFSB(金融安定理事会)により設立されたTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)による提言に賛同しています。提言を踏まえて情報開示の充実を図るとともに、TCFD提言を当社グループの気候変動対応の適切さを検証するベンチマークとして活用し、共創サステナビリティ経営を進めていきます。
<ガバナンス>気候変動に関わる基本方針や重要事項等を検討・審議する組織として、2019年5月に代表取締役を委員長とする取締役会の諮問機関、サステナビリティ委員会を新設しました。また、その下部組織として関連リスクの管理および委員会が指示した業務を遂行する機関、環境・社会貢献推進分科会を設置しました。事業戦略の策定や投融資等に際しては、こうした体制を基に「グループ環境方針」や気候変動に係る重要事項を踏まえ総合的に審議し決定することで、気候変動に関するガバナンスの強化を進めていきます。
<事業戦略>当社グループは、気候変動において4℃上昇による社会への影響は甚大であると認識し、気温上昇を1.5℃以下に抑制することをめざす動きに共に貢献していくことが重要であると捉えています。2℃以下シナリオ(1.5℃目標)への対応力を強化すべく、気候関連のリスクと機会がもたらす事業への影響を把握し、戦略の策定、開示等を進めていきます。リスクについては、気候変動シナリオ等から将来のコスト増加を予測し、再生可能エネルギー調達によるコスト増(8億円)および炭素税導入によるコスト増(22億円)を30億円と算定。機会については、エポスカード会員に向けた再生可能エネルギーへの切替促進によるフィンテック事業の利益増(20億円)、炭素税の非課税化(22億円)および電力小売事業への参入による調達コスト削減(3億円)を45億円と算定しています。また、その他の機会・リスクに関しては今後の様々な動向を踏まえて定期的に分析し、評価の見直しと情報開示を進めていきます。



<リスク管理>当社グループは、グループの事業が気候変動によって受ける影響を把握し評価するため、シナリオの分析を行い、気候変動リスク・機会を特定しています。特定したリスク・機会はサステナビリティ推進体制の下、戦略策定・個別事業運営の両面で管理します。グループ会社(小売業・施設運営・物流・ビルマネジメント等)の役員で構成される環境・社会貢献推進分科会で議論された内容は、サステナビリティ委員会において定期的に報告し協議を行い、案件に応じて、取締役会への報告・提言を行います。企業戦略に影響する気候変動を含めた世の中の動向や法制度・規制変更等の外部要因の共有や、グループ各社の施策の進捗状況や今後のリスク・機会等の内部要因を踏まえて、戦略・施策等の検討を実施していきます。
<指標と目標>・当社グループは、グリーンビジネスの指標として、環境効率(営業利益/CO2排出量)およびサーキュラーレベニュー(サーキュラー売上高・取扱高/小売総取扱高)を設定しています。
・温室効果ガスの削減については、グループ全体の温室効果ガス削減目標「2030年までに2017年3月期比Scope1+Scope2を40%削減、Scope3を35%削減(2050年までに2017年3月期比Scope1+Scope2を80%削減)」が、2018年3月にSBTイニシアチブにより認定されています。
・2030年までにグループの事業活動で消費する電力の100%(中間目標:2025年までに70%)を再生可能エネルギーから調達することを目標として、2018年7月にRE100に加盟しています。

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