有価証券報告書-第75期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/05/27 14:51
【資料】
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【項目】
111項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における我が国の経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善傾向のなかで緩やかな景気回復が期待されているものの、個人消費は物価上昇への懸念や消費税増税後の節約志向が依然として根強く、また中国をはじめとする新興国や資源国等の景気の緩やかな減速を受け、依然として先行き不透明な状況が続いております。
小売業界におきましては、宝飾・貴金属・化粧品などの高額品や高付加価値商品は海外需要などによる下支えがあったものの全般的に消費は伸び悩むほか、円安による仕入価格の高騰や業態間競争の激化なども加わり、引き続き厳しさを増しています。また通販業界におきましては、店舗販売とのオムニチャネル販売や物流サービスの充実などにより国内市場が拡大していくなかで、顧客情報管理体制の強化や法改正への対応が求められるなど、通販事業者を取り巻く環境は厳しさを増しています。
このような事業環境のなか、当社グループは、中期経営計画「SCROLL RENOVATION 2015」の最終事業年度にあたる当連結会計年度において、「シニア事業」、「インターネット事業」、「健粧品事業」および「通販ソリューション事業」の4分野を成長戦略の中心に据え、事業の収益化に向けた各種施策を推進するとともに、事業基盤を一層強化するためのインフラ整備の完成と、次期中期経営計画に向けた強力な事業体制の構築に取り組んでまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、連結売上高62,839百万円(前年同期比1.1%減)となりました。利益面におきましては、連結営業利益1,774百万円(前年同期は連結営業損失1,743百万円)、連結経常利益2,108百万円(前年同期は連結経常損失1,442百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益2,383百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失2,649百万円)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりです。
なお、セグメント別の売上高は連結相殺消去後の数値を、セグメント利益又は損失は、連結相殺消去前の数値を記載しております。
① 通販アパレル事業
通販アパレル事業におきましては、シニア世代の幅広いニーズを調査分析し、女性向け通販ブランド『Brillage(ブリアージュ)』において、これまで以上にお客様のニーズに合致した商品を展開するための充実した品揃えと売り場づくりに注力してまいりました。生協販売におきましては、さまざまなテスト販売を繰り返すことで、組合員様に支持されるシニア向けのお出かけ着の販売規模の拡大に努めてまいりました。
以上の結果、売上高は24,106百万円(前年同期比7.4%減)となり、セグメント損失は33百万円(前年同期はセグメント損失102百万円)となりました。
② 通販インナー事業
通販インナー事業におきましては、引き続き、着心地の良さと高い機能性を両立させた商品の販売に積極的に取り組んでまいりました。また、過去のご注文データを詳細に分析し、お客様のニーズをリアルタイムに把握することなどにより商品構成力の向上に注力したほか、お客様の「ついで買い」を意識したプラスワン商品を展開するなど、購買の促進を意図した企画販売にも取り組んでまいりました。
以上の結果、売上高は7,346百万円(前年同期比1.6%減)となり、セグメント利益は297百万円(同28.9%増)となりました。
③ 通販LF事業
通販LF事業におきましては、人気の北欧雑貨ブランドの新規取扱い開始や気軽にご購入いただけるインテリア商品の拡充など、自社通販サイトの集客販促力をさらに強化するとともに、会員カタログの発行回数を減らすことによる効率的な展開にも努めてまいりました。また、ブランドバッグ等のECサイト『AXES(アクセス)』では、積極的な販売促進活動および原価率の適正化に取り組んでまいりました。生協販売におきましては、これまでに大きな支持をいただいております人気商品の継続販売を起点に、「使いやすさ&かわいさ」をテーマとしたプライベート商品の開発および販売を強化いたしました。
以上の結果、売上高は13,812百万円(同7.8%減)となり、セグメント利益は399百万円(前年同期はセグメント損失597百万円)となりました。
④ 通販H&B事業
通販H&B事業におきましては、ナショナルブランド化粧品などを取り扱うECサイトにおいて、円安基調が続くなか、海外の仕入れソースの拡大を図り商品販売力強化に努めるとともに、各出店モールのキャンペーンを活用した販売を推進してまいりました。健粧品ビジネスにおきましては、前年度までに獲得したオリジナル化粧品の顧客基盤をもとにリピート需要の拡大に注力する一方、期間や地域を限定するなど戦略的な広告展開による新規顧客の獲得に努めてまいりました。また、海外需要の高まりに対応した販売も積極的に進めてまいりました。
以上の結果、売上高は9,891百万円(前年同期比22.4%増)、セグメント利益は1,118百万円(前年同期はセグメント損失1,217百万円)となりました。
⑤ ソリューション事業
ソリューション事業におきましては、主にコスメティクス・サプリメント通販専用の新物流センターにおいて、同センターの稼働が安定したことなどにより、専門分野に特化した物流代行の取扱いが増加いたしました。また、大手流通企業のオムニチャネル戦略設計支援やEC企業向けの海外物流支援、インバウンド需要などに対応した新たなサービスの展開開始にも努めてまいりました。後払い決済サービスにおきましては、さらなる業容拡大を目指した営業活動に取り組んでまいりました。
以上の結果、売上高は7,683百万円(前年同期比10.1%増)、セグメント利益は525百万円(同32.8%増)となりました。
⑥ その他
その他事業におきましては、金融事業における事業終了に向けた業務に専念しております。
以上の結果、営業収益はございません。また、セグメント利益は6百万円(前年同期比81.9%減)となりました。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」又は「当期純損失」を「親会社株主に帰属する当期純利益」又は「親会社株主に帰属する当期純損失」としております。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、未払債務の減少、有形固定資産の取得による支出等の要因により一部相殺されたものの、税金等調整前当期純利益が2,147百万円(前年同期は税金等調整前当期純損失1,822百万円)と増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,760百万円増加し、当連結会計年度末には2,866百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は3,125百万円(前年同期比312.4%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上、営業債権の減少などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は904百万円(同22.5%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は457百万円(同5.1%増)となりました。これは主に、配当金の支払いなどによるものであります。
なお、「第一部 第2 事業の状況」の金額には、消費税等は含まれておりません。