有価証券報告書-第40期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 11:26
【資料】
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【項目】
133項目

業績等の概要

(1)業績
[国内外経済等の背景について]
当連結会計年度における我が国経済は、個人消費が伸び悩んでいる一方で、政府の経済対策や日銀による金融政策を背景として、企業収益の一定の改善や雇用環境の改善が続いており、景気は緩やかな回復基調で推移しました。
一方、中国や新興国の景気減速や成長鈍化、英国のEU離脱問題、米国の政権交代の影響、株式市場や為替相場の不安定な推移等、様々な不確実性を背景に、世界経済は、先行き不透明な状況が続いています。
[家電流通業界について]
当社グループが属する家電流通業界においては、家電エコポイントや地デジ化に伴う特需の反動減による長引く市場低迷が続いてきたテレビに底打ち感が見られ、単価上昇、販売台数回復により堅調に推移しました。長期間にわたり好調を維持し続けてきた冷蔵庫に一服感が見られるものの、洗濯機、クリーナー、白物家電が買い替え需要に下支えられ、底堅く推移しました。また、夏季は地域別の気温変動や天候要因があり、冬季は暖冬であったものの、季節関連商品は好調に推移しました。
一方、販売施策是正の影響もあり携帯電話が伸び悩み、パソコンもタブレット端末を中心に伸び悩みました。
家電市場全体として、パソコンや携帯電話等のデジタル関連商品の特殊事情、一部季節要因を除けば概ね堅調に推移したと推察されます。
[当社の取り組みについて]
このような家電市場の状況を背景に、ヤマダ電機グループは、平成28年4月1日から3人の代表取締役体制のもと、「新規ビジネスの創出」「構造改革と中期経営計画の推進」「既存ビジネスの強化と人材育成」を掲げ、日本最大級のネットワーク・サービスのIoT企業として、5,000万件を超す各種会員のビッグデータの分析と活用による「ゆりかごから墓場まで」の新たなサービス開拓で「モノ(商品)からコト(サービス)、モノ+コト」の提案を強化し、将来における持続的成長・発展のため、様々な挑戦を続けてまいりました。
当連結会計年度においては、2016年5月9日の今期計画発表後に消費増税延期が発表されたことに伴い、消費増税前の駆け込み需要を考慮した売上高計画との差異が発生し、売上総利益ベースで100億円強のマイナスの影響がありました。また、円高の影響により、平成28年12月末と平成29年3月末で約19億円のマイナスの影響がありました。さらに、住宅関連子会社の中長期視点での先行投資による計画未達が約40億円ありました。一方で、構造改革の推進により各利益率の改善が進み、販売管理費も中長期的視点で一部費用が先行的に発生したものの全体ではコントロールが効き削減につながりました。
また、ビッグデータの活用による新たなサービス提供でモノ(商品)へのポイント付与から、コト(サービス)へのポイント付与により、来店客数、リピート率、販促効率の向上、白物を軸とした販売へのシフト、リアル店舗とWEB通販の連携等、営業や販促面における最適化・最大化も図られ、売上総利益率も引き続き上昇、前第1四半期連結累計期間(平成27年4月1日~6月30日)に実施した大量閉店を含む大改革から1年以上(18か月以上)経過しましたが、引き続き構造改革の成果が現れております。
[CSRについて]
ヤマダ電機グループは、社会価値を高め、社会と共に発展する企業を目指し、実体を伴った形だけではないCSR経営を継続して実践、積極的な活動を続け、持続可能な社会の実現に貢献しております。これまで、ヤマダ電機グループは、社会的責任に関わる情報を開示する「CSRレポート」を発行してまいりましたが、2016年6月、国際統合報告評議会(IIRC)が公表する「国際統合報告フレームワーク」を参考にし、従来の「CSRレポート」を内包する「ヤマダ電機グループコーポレートレポート」として発行、当社ウェブサイトへも掲載しております。( http://www.yamada-denki.jp/ )
[店舗数について]
当連結会計年度末の店舗数(海外含む)は、955店舗(単体直営648店舗、ベスト電器162店舗、その他連結子会社145店舗)となり、FC含むグループ店舗数総計は12,074店舗となっております。
[業績のまとめ]
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高1,563,056百万円(前年同期比3.1%減)、営業利益57,895百万円(前年同期比0.5%減)、経常利益66,040百万円(前年同期比5.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益34,528百万円(前年同期比13.6%増)となりました。
売上高については、前連結会計年度に実施した自社競合解消のための店舗の大規模閉鎖の影響(前期は構造改革等によりグループ全体で直営店98店舗を閉鎖。その閉店セールの反動減も発生)もあり、前年を下回っておりますのでご留意ください。
なお、ご参考として、上記店舗閉鎖要因や行政による携帯電話キャリアへの販売施策是正の影響が発生した携帯電話、再生可能エネルギーの固定価格買取制度の変更に伴い特に著しい市場縮小が見られた太陽光発電システム(特に法人向け大規模太陽光発電システム)等、特殊背景を除いた当社内管理における主要家電商品の販売動向については、市場平均値(GfK集計対象商品市場データとの類似期間単純平均値比較のご参考値)を約1.4%上回っており、市場シェアは低下していないものと認識しております。
また、当社グループは、家電・情報家電等の販売事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ4,316百万円増加して34,981百万円(前期比14.1%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローは以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、43,855百万円の収入(前年同期は23百万円の支出)となりました。
これは主に、法人税等の支払があったものの、税金等調整前当期純利益の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、15,279百万円の支出(前年同期は13,437百万円の支出)となりました。
これは主に、店舗改装等に伴う有形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、24,382百万円の支出(前年同期は4,732百万円の収入)となりました。
これは主に、長期借入金の返済による支出によるものであります。