有価証券報告書-第43期(平成27年3月1日-平成28年2月29日)

【提出】
2016/05/23 16:52
【資料】
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【項目】
92項目

対処すべき課題

人口動態の変化に伴う構造的な国内需要の落ち込みから、ファッションアパレル業界においても、40歳以上の大人のカップルやファミリーをターゲットとしたライフスタイル型業態、服飾雑貨・生活雑貨を強化した複合業態が増加しております。さらに、低価格の海外小売業態の国内市場参入、Eコマース市場の成長もあり、国内のアパレル市場の競争環境は一層激化しております。
このような状況に対して当社は、イオングループの中期経営計画とも戦略連動を図りながら、成長市場への重点投資を実行し、持続的な成長、着実な収益確保、ブランド価値・企業価値の更なる向上を目指します。収益基盤の確立を最優先に、成長軌道への転換を確立し、2020年度に営業利益10億円を目指してまいります。
そのために、事業構造の転換を進め、基幹事業である「ikka」と今後も引き続き成長が期待できる「Eコマース事業」に投資と資源配分を集中させ、2015年度に掲げた3つの重点施策「業態改革による収益力の向上」、「デジタリゼーションの推進」、「MD・物流改革による売上総利益率の向上」を引き続き実行してまいります。
具体的には以下の課題に取り組んでまいります。
①業態改革による収益力の向上
ブランドごとにターゲットの見直しを行なって開発した新業態の進化、拡大をさらに進め、新店や改装店舗で得た成果を既存店に波及して、収益力を向上してまいります。
基幹事業「ikka」については、投資を集中して、出店を進め、収益力拡大を目指してまいります。新業態「ikka LOUNGE」の一層の進化・拡大と、好調なキッズ市場を取り込むため「3世代ファミリー型店舗」への改装を進めてまいります。
「LBC」は、新業態「Lbc with Life」の出店拡大と既存大型店舗の改装を進め、収益力の向上を進めます。また利益貢献が高いEコマースの売上高を拡大し、2018年度にEコマースの売上高構成比25%の達成を目指します。
「VENCE EXCHANGE」は、新業態「VENCE share style」の出店、改装を進めます。また、ライフスタイル業態への進化をめざし、新たな品揃えの拡充を進めてまいります。さらに、利益貢献が高いEコマースの売上高を拡大し、2018年度にEコマースの売上高構成比25%の達成を目指します。
②デジタリゼーションの推進
スマートフォンやタブレットの爆発的な普及により、Eコマース市場は、急成長をしております。デジタル時代におけるお客さまの消費行動が変化しており、当社においても、Eコマース、オムニチャネル化の推進等デジタリゼーションに注力しております。
Eコマースは、品揃えの拡充による既存顧客の囲い込みと、新たな販売チャネルの拡大による新規顧客の獲得を図り、売上高の拡大と収益力の向上を目指します。
ショップブログの投稿やスタッフコーディネート提案を通じて、オンラインストア、店舗への相互送客を強化してオムニチャネル化を進めております。顧客の一元管理とポイント統合を目的にスタートしたスマートフォンアプリについては、お客さまの利便性を追求し、お客さまとシームレスなコミュニケーションが取れる関係を構築してまいります。また「COX MEMBERS CLUB」会員も順調に増加しており、会員さま対象の特別セールを実施し、優良顧客の醸成とファンづくりをさらに進めます。
これらを実行することにより、2020年度には、EC売上高40億円、EC比率15%を目指してまいります。
③MD・物流改革による売上総利益率の向上
正価販売に徹して商品回転率の向上による売価変更の削減に取り組みます。商品面では好調な雑貨の拡大継続、気温に左右されにくいカットソーやボトムス等の脱季節商品の拡大のほかに、防寒用アウターから生産調整可能な中間アウターへ、商品構成比改革を進めます。また調達ルートの見直しや直接輸入販売商品の拡大、物流改革による調達原価の引き下げを実施し、売上総利益率改善に引き続き取り組んでまいります。