訂正有価証券報告書-第45期(2022/09/01-2023/08/31)

【提出】
2025/02/07 16:01
【資料】
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【項目】
165項目
(2) 戦略
① リスク・機会の評価と対応策
気候変動によるリスク・機会について、事業に影響を与える内容を洗い出し、これらを事業戦略上の重要度、売上・コストなどの財務影響、発生するまでの期間などから、影響度の大きさを定性・定量で評価し、対応策を実行しています。これらの結果を、TCFD提言で示された項目を軸に、以下の通り整理しました。
各種リスクに対応し、その影響を緩和、排除するとともに、環境負荷に配慮した商品を供給することにより、地球環境保全に貢献し、顧客の環境志向の高まりや期待に応えることで、当社の成長戦略を加速する計画です。
<重要なリスク・機会の影響評価と対応策>
重要なリスク・機会想定される影響の具体例影響
種類
影響度時間軸対応策
移行リスク・機会規制炭素税等のGHG排出量規制強化リスク・GHG排出量に対する炭素税の導入
・調達品への炭素税等の導入、またはGHG削減対応による操業、調達コストの増加
・物流センター/事業所、配送車両への炭素税等の導入による輸送、保管コストの増加
コスト中~大中期・中期経営計画に基づいたGHG排出の削減
・サプライチェーン全体でのGHG排出量見える化、削減取組みの推進
プラスチックに関する規制強化リスク・再生プラスチック、バイオマスプラスチックの使用率の上昇による調達コストの増加コスト中期・商品本体や包材資材の脱プラスチック、薄・軽量化、代替素材への切替えによるコスト上昇の抑制
市場化石資源の価格変化リスク・自社/サプライヤーで消費するエネルギー価格の上昇による操業、調達コストの増加
・化石資源由来原料の価格上昇による調達コストの増加
コスト中~大中期・自社およびサプライヤーとの省エネルギー推進
・商品本体や包材資材の脱プラスチック、薄・軽量化、代替素材への切替え促進
・倉庫・配送業者が消費するエネルギーの価格の上昇コスト中期・物流倉庫での省エネ取組み実施
・物流事業者との協働による輸送効率向上、相乗り物流等によるエネルギー使用の低減
製品の長期使用リスク・製品の長期使用による買替え頻度の低下と売上の減少
・新品衣料品の需要の相対的な低下による売上の減少
売上中~大中期・リユース・リサイクルの推進
・再生原料を活用した商品開発の推進
・長期使用可能な商品の開発
・二次流通の事業化など、持続可能な仕組みの構築
移行リスク・機会評判サステナブルなブランドイメージの認知機会・サステナブル志向の新規顧客の獲得による売上の増加売上中期・企業理念や創業以来のESG思想、ものづくりの視点、社会課題解決を目指す新たな取組み等の、グローバル発信強化によるサステナブル/ESGの認知向上
リスク・サステナブル対応の遅れに伴う競争優位低下による、顧客の流出と売上の減少売上長期・中期経営計画に基づいたESG経営の推進と、情報開示・発信の強化
・ESG外部評価を踏まえた重点課題の正確な認識と適切な対応
サステナブル原料を使用した製品の需要の高まり機会・環境配慮製品の需要増加による売上の増加売上中~大中期・カポック、ヘンプなど環境配慮素材の育成、活用
・環境配慮素材への切り替え、製品開発の推進
・低炭素なたんぱく質食品の需要増加による売上の増加売上中~大長期・害獣や大豆ミートを活用した商品の拡充
・低炭素な食材を活用した商品開発
物理的リスク・機会急性気象災害の増加リスク・洪水、台風などによる店舗、物流センター等の罹災増加に伴う商品等の廃棄損の増加コスト短期・店舗、物流センターの物理的リスク評価
・ハザードリスク高拠点の浸水対策、BCP策定の実施
慢性海面の上昇リスク・店舗や物流センター所在地域の浸水リスクが高まることによる移転コストの発生コスト長期・浸水リスクの高い店舗、物流センターの浸水対策実施
・出店時の気候変動を踏まえたリスク評価の徹底
平均気温の上昇リスク・店舗の冷房コストの増加コスト中期・太陽光設備の導入
・省エネ設備の導入
降水・気象パターンの変化や平均気温上昇リスク・洪水・干ばつの増加に伴う、コットン、リネン等の素材価格の上昇による調達コストの増加
・生態系の変化にともなう木材供給量の減少による木材調達コストの増加
コスト中~大長期・各国の価格状況を継続的にモニタリング
・原材料生産地の分散

影響度評価 :売上 ・・・「大」-100億円以上、「中」-10億円以上100億円未満、「小」-10億円未満
コスト・・・「大」-10億円以上、「中」-1億円以上10億円未満、「小」-1億円未満
時間軸(発現までの期間):「短期」-2年以内、「中期」-2年超10年以内、「長期」-10年超
② シナリオ分析の実施
当社では、リスクを低減し、機会を拡大することが、持続的な企業価値と社会価値の向上に不可欠であると考え、気候変動がもたらすリスクと機会に関するシナリオ分析を実施しました。
参照したシナリオは、国際エネルギー機関IEAの「World Energy Outlook2022」によるSTEPS(公表政策シナリオ;各国が現時点で公表している政策を基に、産業革命以前に比べて世界の平均気温上昇が2100年頃に2.6℃程度となるシナリオ)、SDS(持続可能な開発シナリオ;産業革命以前に比べて世界の平均気温の上昇を1.5℃未満に抑えるため、段階的に排出量を低減させていくシナリオ)、気候変動に関する政府間パネルIPCCによるRCP8.5(温室効果ガス最大排出量に相当するシナリオ)、OECDの「Global Plastics Outlook Policy Scenarios to 2060」によるグローバル野心政策シナリオ(2060年までにプラスチック漏出をほぼゼロにすることを目標に国際レベルの協調が進むシナリオ)等を参考に、「1.5℃シナリオ(脱炭素推進)」と「4℃シナリオ(温暖化進行)」の2つを設定し、中長期的な将来の影響度を分析しました。
財務影響は、「大(100億円≦売上、10億円≦コスト)」、「中(10億円≦売上<100億円、1億円≦コスト<10億円)」、「小(売上<10億円、コスト<1億円)」、と設定し以下に記載しています。
1.5℃シナリオで示される2030年時点の移行リスクと機会移行リスクと機会を踏まえた方針・対応策
炭素税・炭素税負担による財務影響 は「大」となる見込み。
・当社のGHG排出量(スコープ1,2合計)は、2030年に向けてGHG排出量削減に取り組まなかった場合、事業成長に伴い約2.7倍まで増加すると想定される。
・GHG排出量の削減に向け、グループ全体の排出量可視化を進め、削減ロードマップを策定。店舗の出店地域や特性に合わせた方法で再生可能エネルギーの導入に取り組む。
・スコープ3のGHG排出量削減も視野に入れ、サプライチェーン全体でのGHG排出量の可視化を進める。
化石資源の価格変化・エネルギーコスト上昇による財務影響 は「大」となる見込み。
・当社の電力使用量は、2030年に向けて使用量削減に取り組まなかった場合、事業成長に伴い約5.3倍まで増加すると想定される。
・省エネルギー推進による電力使用量の削減や再生可能エネルギーの導入などを進め、化石資源由来のエネルギー使用削減に取り組む。
・サプライヤーと省エネルギー推進や再生可能エネルギー導入などを進め、生産コストの上昇を抑制。
・プラスチック原料価格の上昇による財務影響は「中」となる見込み。
・参考したシナリオをもとに、プラスチック原料の単価は2021年8月期比1.3倍まで増加すると想定され、調達するプラスチック原料のうちリサイクル由来原料比率は60%になると想定される。
・化石資源由来のプラスチック削減に向け、商品や包材資材の脱・省プラスチック、軽量化に取り組む。
・化石資源由来からリサイクル由来原料、代替素材への移行を進める。
プラスチックの規制強化と市場変化・化石資源由来プラスチック製品の売上減少による財務影響は「大」となる見込み。
・リユース、リサイクル由来プラスチック製品の売上拡大による財務影響は、「大」となる見込み。
・参考したシナリオをもとに、規制や製品寿命の長期化などによる化石資源由来プラスチック製品が20%減少、需要の変化に伴いプラスチック製品のリサイクル由来原料比率が60%を占めると想定。
・サステナブルな商品やサービスへの需要拡大を見込み、環境配慮型素材の活用や製品開発を進める。
・自社製品の回収・リサイクルなど再資源化を進め、化石資源由来からリサイクル由来原料への移行に取り組む。
・二次流通の事業化など持続可能な仕組みの構築を進め、リユースの推進に取り組む。

物理的リスク・機会については、温暖化進行による気象災害の増加が、短期に発生する可能性の高い重大なリスクとなります。そこで、この傾向がさらに強まる4℃シナリオを基に、国内・海外の主な事業拠点について、気象災害がもたらす影響を定性的に分析しました。
4℃シナリオで示される2050年時点の物理的リスクと機会物理的リスクと機会を踏まえた方針・対応策
自然災害による被害・洪水・高潮により3m以上の浸水被害が想定される主要拠点数は、国内2ヵ所、海外11ヵ所の見込み。
・分析対象となる拠点は、当社が事業展開をしている国・地域の店舗、物流センター、サプライヤー生産拠点のうち、売上高や在庫額、調達額などをもとに影響の大きい拠点を選定。
・店舗、物流センター、サプライヤー生産拠点においてハザードリスクの高い拠点の浸水対策の推進に取り組む。
・被災した地域の店舗の営業を早期に再開し、必要な物資を届けることで、地域社会への責任と貢献を果たす。

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