有価証券報告書-第34期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/22 15:18
【資料】
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【項目】
154項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、企業理念である「すべての人に最高の余暇を」の実現に向けて、付加価値の高いIP(知的財産)を取得・保有・創出し、その多元展開によって商業的に価値の高いコンテンツを育成しています。さらに、IPを起点にしてエンタテインメント分野に事業領域を拡大し、各分野において世の中の人々を豊かにする商品やサービスの提供に努めています。
こうした事業展開と併せて、経営の基本方針である「株主重視」の姿勢を堅持し、企業価値の向上と株主への利益還元を図るために、経営資源の最適配分を目指していきます。
(2)会社の対処すべき課題
当社は、2022年5月11日に、今後のさらなる成長を企図した2023年3月期から2025年3月期の3カ年を計画期間とする中期経営計画を発表しております。本計画に基づき、成長力と収益力を両輪とした株主価値向上に引き続き取り組んでまいります。
次期における各事業・グループ会社の取り組みは、以下のとおりです。
当社グループの成長力の中核を担う株式会社円谷プロダクションにおきましては、4月からグローバル配信を開始したNetflix『ULTRAMAN』シーズン2が好評を博し、さらに、5月13日には映画『シン・ウルトラマン』が公開されるなど、今後、より幅広い顧客層からの支持を獲得して、ウルトラマンの価値向上が一層期待されております。これらにより、国内ならびに海外でのマーチャンダイジング(MD)が伸長、とくに中国での顕著な伸びが見込まれております。加えて、2018年の米国訴訟勝訴判決(2020年勝訴確定)を契機として、新たに北米のMDライセンス市場の開拓に注力してまいります。
株式会社デジタル・フロンティアにおきましては、国内の映像案件等を堅調に受注しており、安定的な収益を見込んでおります。
さらに、昨今メタバース等の仮想空間やNFTを活用した巨大な新市場の誕生が注目されておりますが、このビジネス機会に対して株式会社円谷プロダクションと株式会社デジタル・フロンティアが有するIP、CG・デジタル技術等を融合させ、デジタル領域事業の開発に取り組んでまいります。
当社グループの収益力を担うPS事業におきましては、パチンコホールやファンが満足する遊技機を市場に投下できる年と位置付け、販売台数の増加に向けたラインアップを準備してまいります。
また、遊技機業界をサポートするデジタルコミュニケーション事業を拡充してまいります。ホール向けメディア「PS情報ステーション」、ホール集客支援のWEB広告配信「Optimize」、ファン向けメディア「ネットパチンコドットコム」等のサービスを強化し、さらに2022年8月には、業界のマーケット活性化を図る中古機流通サイト「ぱちんこ.com」を提供開始する予定でおります。
これらの取り組みを通じて、グループ企業価値の最大化を図ってまいります。
(注)本報告書に記載の商品名は各社の商標または登録商標です。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社は、創業以来『すべての人に最高の余暇を』という企業理念のもと、コンテンツビジネスを成長戦略の柱に据えた経営方針を掲げてまいりました。2010年には「ウルトラマン」を始め多数のIPを保有する株式会社円谷プロダクション、ならびに国内最大規模のCG・VFX 映像事業を手掛ける株式会社デジタル・フロンティアを子会社化し、グローバルに通用するIPの創造と育成、デジタルビジネスへの事業投資を戦略的に進めてまいりました。
株式会社円谷プロダクションが展開する「ウルトラマン」IPは、国内における伸びはもとより、アジア地域においてロイヤリティ収入が昨年対比で約3倍になるなど大きく伸長しております。北米市場で日本IPのマーチャンダイジングが好調に推移していることを受けて、「ウルトラマン」IPを今後はワールドワイドで積極的に展開してまいります。さらに、デジタル技術の進展により、メタバースなどの仮想空間やNFTを活用したビジネスが今後主流になっていくと想定される中、有力IPホルダーであり、デジタル映像制作ノウハウを有している当社グループは、「コンテンツ&デジタル」ビジネスを成長戦略の柱に据えて、積極的かつ革新的にビジネスを進化させていくために、持株会社体制に移行することといたします。中期的な経営戦略の詳細につきましては、2022年5月11日付「2022年3月期 決算概要および中期経営計画(2023/3期-2025/3期)説明資料」にて発表しております。