有価証券報告書-第13期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、長期に目指す姿「お客さまの暮らしを豊かにする、“特別な”百貨店を中核とした小売グループ」を実現するため、長期の基本戦略として「高感度上質消費の拡大・席巻、最高の顧客体験の提供」を掲げております。現在、長期に目指す姿及び長期の基本戦略を踏まえた上で、新3ヶ年計画の策定を進めております。
(2)目標とする経営指標
当社グループでは、お客さまのご満足の最大化と収益の安定化に向けて、再投資原資となる営業利益をはじめとした複数の経営指標を持ち、その向上に取り組んでおります。
当面は、2018年度の営業利益292億円水準への回復と、三越と伊勢丹の統合以来最高益である2013年度の営業利益346億円の更新を目指してまいります。
(3)経営環境及び対処すべき課題
①企業構造
当社グループは、純粋持株会社である当社を中心に、主要事業である百貨店事業を中心とした各事業会社により構成されています。グループ共通方針や考え方の下、コーポレート機能を集約し、横串に統括機能を果たすことでグループガバナンスを効かせております。グループポリシーに沿ってセントラルで効率性を追求した上で、各社の自主独立性や採算性を基本とし、事業を行っております。また各社間の連携やシナジーについても重要視しています。
現在、事業構成の大半が百貨店事業であり、小売業を中心とした事業ポートフォリオとなっております。グループ横断で収支構造や事業モデルの改革を進めることで、利益体質への改善を図ってまいります。
また、コーポレート・ガバナンス体制の一層の強化のため、2020年6月より監査役会設置会社から指名委員会等設置会社へ企業統治の形態を移行いたしました。取締役会議長に社外取締役を選任し、経営課題の長期視点での討議や社外取締役中心のミーティングセッションを実施するなど、一層の実効性向上に取り組んでおります。
②市場環境
新型コロナウイルス感染症の影響により、厳しい経済状況が一定期間続くことは避けられない状況となっております。百貨店業界は、外出の自粛や訪日外国人の大幅減少によって、厳しい経営環境に置かれており、特にこれまで収益の柱であった衣料品消費が減少傾向にあります。
くわえて、EC売上の大幅な伸長等、オンライン化が不可逆的に加速しており、実店舗の提供価値にも変化が見受けられます。当社グループは、実店舗を“憧れと共感”の場と位置付けた上で、実店舗とオンラインを融合することで顧客体験価値の向上を図ってまいります。
③競合他社との比較
当社グループは、首都圏や地方大都市中心地に優良不動産を保有しており、将来に向けた保有不動産周辺開発とエリアの価値向上に取組んでまいります。
特に本店所在地の新宿や日本橋エリアは国内有数のビジネスや商業の集積地であり、百貨店だけではなく、新しいショッピングセンター(SC)、ホテル、レジデンス等、従来の一般的なリーシングを超えた1コンセプトによる複合開発に着手し、“核”となる百貨店を源泉とした永続的な新しい価値の創出を実現してまいります。
地方大都市中心地におきましても、百貨店部分の規模はマーケットニーズを踏まえて検討しつつ、保有不動産開発を進めてまいります。
④顧客動向・顧客基盤
国内市場は、人口減少や少子高齢化の加速が見込まれる一方で、生活に余裕のある層は増加が見込まれます。当社グループにおきましても、ロイヤルティの高い顧客層の売上は新型コロナウイルス感染症の影響下でも堅調に戻っていることから、ロイヤルティの高い顧客を増やすことを軸とした百貨店事業の再構築に取組み、顧客基盤の強化を図ってまいります。
また、社会貢献や環境改善と保護等に対する要求が高まると共に、消費に対する新たな嗜好性が醸成されています。社会に対する企業の責任として、変化する社会のさまざまな課題に向きあい、企業活動を通じてその解決に貢献することで、かかわりのあるすべての人々の豊かな未来と、持続可能な社会の実現に向け役割を果たすことを目指してまいります。ESG、CSR、CSV等のサステナビリティの視点も踏まえ、変化する社会からの課題、要請に応えていくため、社内に「サステナビリティ推進会議」を創設しており、具体的な取組みにつなげてまいります。
⑤新型コロナウイルス感染症の影響及び対応
世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症は、変異ウイルスの出現等により、いまだ収束の目処が立っていません。緊急事態宣言の発出もあり、百貨店業界は引き続きマイナス基調で推移し、かつてない厳しい状況が続いています。この未曾有の状況の中、当社グループは事業継続計画に基づいて社長を議長とした「新型コロナウイルス感染症対策会議」を定期的に開催し、スピードをもって様々な対応を進めております。
今後も店舗休業や営業時間短縮等の経営上の大きなマイナス影響を踏まえつつ、事業計画の見直しや一層のコスト削減など、機動的な対応を行ってまいります。
(4)中長期的な経営戦略
新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、我が国経済への打撃は深刻なものとなりました。世界中でデジタル化の重要性が高まり、労働環境、働き方、消費者行動等に大きな影響を与え、新しい生活スタイルへの移行が加速しています。
人の動きが制限されたことで、デジタルシフトが一気に進み、人同士の接触が少なくても社会・産業活動が成り立つ方向へのシフトが加速しました。実店舗での対面販売を主としてきた企業にとっても、デジタル・チャネルはお客さまとのエンゲージメントを維持・強化するための直接的な重要な手段となり、外出自粛や店舗休業の中で一層存在感を強めていくと考えられ、今後の企業経営の鍵となることが予測されます。
また、労働時間の減少に伴い「自由な時間」が増加することが考えられ、時間の使い方の選択肢が拡大するとともに、心の豊かさ、生活の快適さへの期待の高まり、価値観に応じた消費体験の重視、個々のお客さまのニーズに沿った提案がより一層重要となります。
このような状況下において、当社グループは、2020年11月に中期経営計画を一旦取り下げました。従来型の百貨店モデルからのビジネスモデル転換、構造改革の推進、基盤の整備を今まで以上にスピードを持って進めるため、新3ヶ年計画を策定しております。コロナ禍で大きく変化した社会の中でも、お客さまの生活・暮らしを豊かにするご提案ができる百貨店を中核とした小売グループとなるための戦略を着実に実行してまいります。
■重点戦略① 「“高感度上質”戦略」
生活にこだわりを持ち上質で豊かな生活を求める人々のニーズに、最高の顧客体験でお応えすることで、高感度で上質な消費を拡大し席巻していきます。そのために両本店は“憧れと共感”の象徴とし、将来の“まち化”につなげていきます。その上で国内外百貨店を母店とした中小型店戦略を推進し、リアル店舗とオンラインを融合させたシームレスな顧客体験を提供します。マーチャンダイジングの方向性としては“憧れと共感”を発信するモノづくりと高感度で上質な商品、サービス、環境等を創造していきます。また、外商セールスとバイヤーの協業による新しい提案も進めてまいります。
■重点戦略② 「個客との“つながり”戦略」
個客とのつながり方を、“マス”マーケティングから“パーソナル(個)”マーケティングにシフトすることでお一人おひとりの暮らしに寄り添い、ライフタイムバリューを高めていきます。そのために、お客さまのロイヤルティに応じて個客とつながる仕組みや「グループカスタマープログラム」の再設計を進めてまいります。加えて、“高感度上質”戦略にあわせて個人外商改革による“つながり”強化を進めてまいります。
■重点戦略③ 「グループ間連携強化」
グループ各社の持つ強みの総和を最大化させることで、“高感度上質”戦略と個客との“つながり”戦略をグループベースで高めていきます。そのために各社の独自性を尊重しつつも、グループ基盤を強化しONEグループとして推進していきます。“グループ連邦”として百貨店事業とグループ会社の連携のみならず、グループ各社間の連携も強化し、その中からB2Bビジネスモデルの事業化も図ってまいります。
■基盤整備
上記の重点戦略を実現させるために必要なグループ共通の基盤整備を進めます。システム・データ基盤については、クラウドを活用した基幹システムのモダナイズを進めながら、顧客データの利用高度化の内製化を進めていきます。物流基盤については、オンラインの伸長も踏まえ、効率化と生産性を実現させる基盤の再整理をおこないます。人事戦略面については、働きやすさ、働きがいを両立させた従業員満足度の高い組織づくりに取り組みます。経営ガバナンスについては、2020年6月の指名委員会等設置会社への移行を踏まえ、一層の実効性強化を進めてまいります。
収支構造改革については、お客さまお一人おひとりとの“つながり”を強化し、ライフタイムバリューの向上を図ってまいります。また、個々のお客さま情報を基にグループ間連携や他社とのアライアンスによってマネタイズ手法を多角化し、収入の“質”を変えてまいります。加えて、“永続的な価値形成の源泉”となる領域への要員集中配置等の固定費コントロール、顧客接点における業務内製化等の変動費コントロールを進め、コストの削減と“再配分”を実施してまいります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、長期に目指す姿「お客さまの暮らしを豊かにする、“特別な”百貨店を中核とした小売グループ」を実現するため、長期の基本戦略として「高感度上質消費の拡大・席巻、最高の顧客体験の提供」を掲げております。現在、長期に目指す姿及び長期の基本戦略を踏まえた上で、新3ヶ年計画の策定を進めております。
(2)目標とする経営指標
当社グループでは、お客さまのご満足の最大化と収益の安定化に向けて、再投資原資となる営業利益をはじめとした複数の経営指標を持ち、その向上に取り組んでおります。
当面は、2018年度の営業利益292億円水準への回復と、三越と伊勢丹の統合以来最高益である2013年度の営業利益346億円の更新を目指してまいります。
(3)経営環境及び対処すべき課題
①企業構造
当社グループは、純粋持株会社である当社を中心に、主要事業である百貨店事業を中心とした各事業会社により構成されています。グループ共通方針や考え方の下、コーポレート機能を集約し、横串に統括機能を果たすことでグループガバナンスを効かせております。グループポリシーに沿ってセントラルで効率性を追求した上で、各社の自主独立性や採算性を基本とし、事業を行っております。また各社間の連携やシナジーについても重要視しています。
現在、事業構成の大半が百貨店事業であり、小売業を中心とした事業ポートフォリオとなっております。グループ横断で収支構造や事業モデルの改革を進めることで、利益体質への改善を図ってまいります。
また、コーポレート・ガバナンス体制の一層の強化のため、2020年6月より監査役会設置会社から指名委員会等設置会社へ企業統治の形態を移行いたしました。取締役会議長に社外取締役を選任し、経営課題の長期視点での討議や社外取締役中心のミーティングセッションを実施するなど、一層の実効性向上に取り組んでおります。
②市場環境
新型コロナウイルス感染症の影響により、厳しい経済状況が一定期間続くことは避けられない状況となっております。百貨店業界は、外出の自粛や訪日外国人の大幅減少によって、厳しい経営環境に置かれており、特にこれまで収益の柱であった衣料品消費が減少傾向にあります。
くわえて、EC売上の大幅な伸長等、オンライン化が不可逆的に加速しており、実店舗の提供価値にも変化が見受けられます。当社グループは、実店舗を“憧れと共感”の場と位置付けた上で、実店舗とオンラインを融合することで顧客体験価値の向上を図ってまいります。
③競合他社との比較
当社グループは、首都圏や地方大都市中心地に優良不動産を保有しており、将来に向けた保有不動産周辺開発とエリアの価値向上に取組んでまいります。
特に本店所在地の新宿や日本橋エリアは国内有数のビジネスや商業の集積地であり、百貨店だけではなく、新しいショッピングセンター(SC)、ホテル、レジデンス等、従来の一般的なリーシングを超えた1コンセプトによる複合開発に着手し、“核”となる百貨店を源泉とした永続的な新しい価値の創出を実現してまいります。
地方大都市中心地におきましても、百貨店部分の規模はマーケットニーズを踏まえて検討しつつ、保有不動産開発を進めてまいります。
④顧客動向・顧客基盤
国内市場は、人口減少や少子高齢化の加速が見込まれる一方で、生活に余裕のある層は増加が見込まれます。当社グループにおきましても、ロイヤルティの高い顧客層の売上は新型コロナウイルス感染症の影響下でも堅調に戻っていることから、ロイヤルティの高い顧客を増やすことを軸とした百貨店事業の再構築に取組み、顧客基盤の強化を図ってまいります。
また、社会貢献や環境改善と保護等に対する要求が高まると共に、消費に対する新たな嗜好性が醸成されています。社会に対する企業の責任として、変化する社会のさまざまな課題に向きあい、企業活動を通じてその解決に貢献することで、かかわりのあるすべての人々の豊かな未来と、持続可能な社会の実現に向け役割を果たすことを目指してまいります。ESG、CSR、CSV等のサステナビリティの視点も踏まえ、変化する社会からの課題、要請に応えていくため、社内に「サステナビリティ推進会議」を創設しており、具体的な取組みにつなげてまいります。
⑤新型コロナウイルス感染症の影響及び対応
世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症は、変異ウイルスの出現等により、いまだ収束の目処が立っていません。緊急事態宣言の発出もあり、百貨店業界は引き続きマイナス基調で推移し、かつてない厳しい状況が続いています。この未曾有の状況の中、当社グループは事業継続計画に基づいて社長を議長とした「新型コロナウイルス感染症対策会議」を定期的に開催し、スピードをもって様々な対応を進めております。
今後も店舗休業や営業時間短縮等の経営上の大きなマイナス影響を踏まえつつ、事業計画の見直しや一層のコスト削減など、機動的な対応を行ってまいります。
(4)中長期的な経営戦略
新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、我が国経済への打撃は深刻なものとなりました。世界中でデジタル化の重要性が高まり、労働環境、働き方、消費者行動等に大きな影響を与え、新しい生活スタイルへの移行が加速しています。
人の動きが制限されたことで、デジタルシフトが一気に進み、人同士の接触が少なくても社会・産業活動が成り立つ方向へのシフトが加速しました。実店舗での対面販売を主としてきた企業にとっても、デジタル・チャネルはお客さまとのエンゲージメントを維持・強化するための直接的な重要な手段となり、外出自粛や店舗休業の中で一層存在感を強めていくと考えられ、今後の企業経営の鍵となることが予測されます。
また、労働時間の減少に伴い「自由な時間」が増加することが考えられ、時間の使い方の選択肢が拡大するとともに、心の豊かさ、生活の快適さへの期待の高まり、価値観に応じた消費体験の重視、個々のお客さまのニーズに沿った提案がより一層重要となります。
このような状況下において、当社グループは、2020年11月に中期経営計画を一旦取り下げました。従来型の百貨店モデルからのビジネスモデル転換、構造改革の推進、基盤の整備を今まで以上にスピードを持って進めるため、新3ヶ年計画を策定しております。コロナ禍で大きく変化した社会の中でも、お客さまの生活・暮らしを豊かにするご提案ができる百貨店を中核とした小売グループとなるための戦略を着実に実行してまいります。
■重点戦略① 「“高感度上質”戦略」
生活にこだわりを持ち上質で豊かな生活を求める人々のニーズに、最高の顧客体験でお応えすることで、高感度で上質な消費を拡大し席巻していきます。そのために両本店は“憧れと共感”の象徴とし、将来の“まち化”につなげていきます。その上で国内外百貨店を母店とした中小型店戦略を推進し、リアル店舗とオンラインを融合させたシームレスな顧客体験を提供します。マーチャンダイジングの方向性としては“憧れと共感”を発信するモノづくりと高感度で上質な商品、サービス、環境等を創造していきます。また、外商セールスとバイヤーの協業による新しい提案も進めてまいります。
■重点戦略② 「個客との“つながり”戦略」
個客とのつながり方を、“マス”マーケティングから“パーソナル(個)”マーケティングにシフトすることでお一人おひとりの暮らしに寄り添い、ライフタイムバリューを高めていきます。そのために、お客さまのロイヤルティに応じて個客とつながる仕組みや「グループカスタマープログラム」の再設計を進めてまいります。加えて、“高感度上質”戦略にあわせて個人外商改革による“つながり”強化を進めてまいります。
■重点戦略③ 「グループ間連携強化」
グループ各社の持つ強みの総和を最大化させることで、“高感度上質”戦略と個客との“つながり”戦略をグループベースで高めていきます。そのために各社の独自性を尊重しつつも、グループ基盤を強化しONEグループとして推進していきます。“グループ連邦”として百貨店事業とグループ会社の連携のみならず、グループ各社間の連携も強化し、その中からB2Bビジネスモデルの事業化も図ってまいります。
■基盤整備
上記の重点戦略を実現させるために必要なグループ共通の基盤整備を進めます。システム・データ基盤については、クラウドを活用した基幹システムのモダナイズを進めながら、顧客データの利用高度化の内製化を進めていきます。物流基盤については、オンラインの伸長も踏まえ、効率化と生産性を実現させる基盤の再整理をおこないます。人事戦略面については、働きやすさ、働きがいを両立させた従業員満足度の高い組織づくりに取り組みます。経営ガバナンスについては、2020年6月の指名委員会等設置会社への移行を踏まえ、一層の実効性強化を進めてまいります。
収支構造改革については、お客さまお一人おひとりとの“つながり”を強化し、ライフタイムバリューの向上を図ってまいります。また、個々のお客さま情報を基にグループ間連携や他社とのアライアンスによってマネタイズ手法を多角化し、収入の“質”を変えてまいります。加えて、“永続的な価値形成の源泉”となる領域への要員集中配置等の固定費コントロール、顧客接点における業務内製化等の変動費コントロールを進め、コストの削減と“再配分”を実施してまいります。