有価証券報告書-第93期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)戦略
当行グループは、「新たな金融の付加価値を創造し、社会の発展に貢献する」という経営理念のもと、約2,500名とコンパクトな規模ながら、高い専門性と提案力を武器に質の高い金融サービスを提供しております。それを担う、困難に挑戦する「人財」こそが当行グループの「人的資本」であると考えております。少数精鋭のプロフェッショナル集団として、企業価値創造の源泉である「人的資本の価値向上」を人材戦略の目標とするとともに、経営戦略の根幹に据えております。
① あおぞら銀行グループの人材戦略
中期経営計画「AOZORA2027」では、人材戦略が目指す姿を「従業員一人ひとりが『付加価値を創造』する人材へと『育ち』『変わる』ことで、全てのステークホルダーが『豊かになる』とともに、従業員自身が誇りと働きがいを持てる会社となること」と定めました。この目指す姿の実現には、「お客さまの視点で困難な課題に挑み、解決できる人材」とその人材がいきいきと働ける「経営理念実現に向けて一体感を持ち、迅速に意思決定する組織」の存在が不可欠であります。経営理念・戦略と連動した人材戦略の実践を通じ、こうした人材・組織づくりを進め、中長期的な企業価値向上に貢献してまいります。

② AOZORA2027における人的資本投資
当行グループでは「人的資本」が企業価値創造の源泉であるとの考えのもと、外的報酬に留まらず内的報酬にも注目し、外的報酬・内的報酬両面で人的資本投資を強化しております。
<人的資本投資の方針と施策>
これまでの人的資本投資の結果、人材流動性が高まるビジネス環境下においても従業員の定着率は高く、2024年度以降の業績回復に繋げております。
人材戦略の目指す姿と現状のギャップを解消していくため、AOZORA2027では人的資本投資の4つの基本方針を策定いたしました。2025年度はこの基本方針に沿って各種施策を実施しており、着実な進捗がみられております(下図参照)。
特に重きを置いている投資銀行ビジネスに関しては、現中期経営計画の経営戦略において、ビジネスグループを3つの部門(投資銀行部門、市場国際部門、カスタマーリレーション部門)に集約した上で、投資効率を最大化する観点から、投資銀行部門に経営資源を重点的に配分する方針としております。
人的資本投資もその一つで、「“付加価値を創造する人材”の拡充」を通じ全体を底上げしつつ、「投資銀行ビジネス等“注力分野への人員シフト”」を実践し、「組織としての一体感」で注力ビジネスを支え、「“付加価値を創造する”人材へのメリハリある報酬配分」で報いていくことを目的としております。
引き続きこれら4つの基本方針に沿った人的資本投資を、経済環境の変化にかかわらず継続する方針であります。

(イ)付加価値を創造する人材の育成
経営戦略の実現には「お客さまの視点に立ち、困難な課題に挑み解決できる人材」が欠かせないことから、2025年度から人材育成プログラムを見直し、年次別・画一的なものではなく一人ひとりの主体性とチャレンジを後押しする内容へ改めております。さらに、タレントマネジメントシステムを新たに導入し、従業員のスキルや経験の可視化を進めてまいります。注力ビジネスを担う人材や、将来の活躍が期待される従業員を中心として、より効果的な人材育成を進める方針であります。
<投資銀行ビジネス人材の育成>現下の最大の課題は、当行の注力分野である投資銀行ビジネスを担う人材の育成となります。この人材育成に向け、2025年度から「投資銀行ゼミナール」を立ち上げ、投資銀行業務の第一線で活躍する従業員による、少人数かつ集中的な研修を行っております。ゼミナール長はCEOの大見が務め、約30年に亘るストラクチャードファイナンスの経験を次世代に体系的に伝承する取り組みを進めております。知識の習得だけではなく、実務の対応力を身に付けることが目的であります。
同様の目的で、外部機関を活用した投資銀行ビジネス人材育成プログラムも複数展開しております。特にあすかコーポレイトアドバイザリー株式会社で「武者修行」として1年間エンゲージメント投資実務の最前線で経験を積んだ若手従業員は、即戦力としてビジネスの第一線で活躍しております。

(ロ)付加価値を創造する人材の採用
人的資本の増強・定着による人材のサステナビリティと組織の多様性確保が課題と認識し、採用戦略を強化しています。
当行は長年キャリア採用に力を入れており、多様な経験・価値観を持つ人材が即戦力として活躍しております。近年はファイナンス分野の専門人材を中心にポテンシャルの高い人材の獲得に注力しております。2025年度は従来の採用手法に加え「アルムナイ採用(退職者の再雇用)」や「リファラル採用(従業員紹介)」を強化し、ダイレクトスカウトも導入いたしました。この結果、キャリア採用比率は39%に達しております。
新卒採用でも、外国籍の学生や海外大学出身者等へ採用ルートを拡大し、多様なバックグラウンドを持つ人材を採用しております。
また、専門人材の定着に向け、リテンション面談や退職者アンケート等による情報収集・分析、評価・報酬のメリハリ強化等に取り組み、選ばれる組織を目指してまいります。
(ハ)付加価値を創造する人材の注力分野への配置
注力分野である投資銀行ビジネスの成長にはビジネス拡大を支える専門人材の増強が欠かせません。今後のビジネス拡大にはさらなる人員シフトが必要となります。課題解決に向け、従来からの施策に加え以下の強化施策を実施してまいります。
(ニ)付加価値を創造する人材への公正な報酬配分
当行グループが必要とする「お客さまの視点に立ち、困難な課題に挑み解決できる人材」から選ばれ続けるため、競争力のある処遇水準を確保するとともに、付加価値創造への貢献を適切に評価し、公正に報いることを基本方針として定めています。この方針のもと、中期経営計画「AOZORA2027」では、「公正な報酬配分」を掲げ人的資本への投資を継続し、従業員のエンゲージメントと企業価値向上の好循環実現を目指しています。

(ホ)付加価値を創造する組織への変容
○ 従業員エンゲージメント向上
企業価値向上のためには、競争力の源泉である従業員一人ひとりの働きがいやエンゲージメントを高め、人的資本の質を向上させることが不可欠となります。当行グループでは、エンゲージメント向上のための課題を把握し、具体的な施策へ反映することを目的として毎年従業員アンケートを実施しております。これまでの取り組みの結果、エンゲージメント総合スコアは着実に上昇する一方、今後の成長に向けた2つの重要な示唆も得ております。

一つは、「働きやすさ」の先のステージとして、従業員がより高いレベルで「働きがい」を感じ一体感を持って働ける環境を築くことであります。二点目は、従業員一人ひとりが変化を恐れず「困難な課題に挑戦」し、それを組織として称賛する文化をさらに浸透させていくことであります。アンケートからは、以下の3つの課題が明らかになったことから、課題解決のため様々な取り組みを進めております。
・経営理念の実践: 経営理念の浸透度は高いが、日々の業務でより主体的に実践していくこと
・次世代の活躍支援: 次世代を担う若手・中堅層の成長を支援し、その意見を経営に活かしていくこと
・一体感・連帯感の醸成: 世代や部門、職種の壁を越えた相互理解と協力を促進すること
こうした施策を通じて、従業員エンゲージメントをさらに高め、「従業員一人ひとりが誇りを持ち、働きがいのある、困難に挑戦する人材が集まる会社」を目指してまいります。
<従業員エンゲージメント向上に向けた施策>
<組織の一体感向上に向けた施策>
○ 従業員のウェルビーイング向上
当行は経営理念として「新たな金融の付加価値を創造し、社会の発展に貢献する」ことを掲げており、その担い手である従業員が安心して長く働ける環境を整えることが重要であると考えております。従業員のウェルビーイング*1はその土台であり、企業価値向上の不可欠な要素となります。ウェルビーイング向上の観点から、従業員の健康維持・増進に向けた健康経営®*2とファイナンシャル・ウェルネスの向上の推進に努めております。
*1 従業員一人ひとりの心身の健康に加え、社会的にも安定し満たされた状態にあること
*2 「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
従業員一人ひとりが安心して能力を最大限に発揮するためには、将来にわたる経済的な安定が不可欠であります。当行では、従業員の「ファイナンシャル・ウェルネス」の実現を重要なテーマと捉え、そのための制度整備を推進しております。これからも制度の拡充を通じて従業員と家族の生活を支えるだけではなくエンゲージメントを高めることで、当行グループの持続的な成長、ひいてはすべてのステークホルダーが豊かになることを目指してまいります。

③ 人材の多様性確保に向けた環境整備
<多様性確保に向けた人材育成・環境整備方針>
(イ)中核人材の登用等における多様性の確保について
当行グループは、DEI(多様性・公正性・包摂性)の推進を持続的な成長と企業価値向上を実現するための重要な経営戦略と位置付けております。変化の激しい時代に多様な視点や価値観を経営の意思決定に取り込むことは、新たな価値創造に加え組織のリスク耐性と適応力を高め、組織を強くすることにつながると考えております。多様な人材がそれぞれの能力を最大限に発揮できる環境を整備することで、従業員エンゲージメントを高め、当行グループの企業価値向上を支える原動力になると考えております。女性活躍推進や外国人を含む多様なバックグラウンドを持つキャリア採用の推進、障がいのある従業員が安心して働ける環境整備に注力しているのはそのためであります。
(ロ)女性従業員の活躍推進に向けた取組
女性活躍推進は社会的要請に留まらず当行グループの人材のサステナビリティや企業価値向上につながる多様性確保の点から、重要な経営課題となっております。
当行の強みは、性別にかかわらず全ての従業員が長期的なキャリアを築ける環境が整備されている点にあります。その結果として女性従業員の平均勤続年数が男性を上回っており、多くの女性が様々な職場で活躍しております。
また、これまでの女性活躍推進の取り組みにより、経営層における多様性の確保は着実に進展しています。女性業務執行役員比率は25%に達し、経営の中核を担う女性が増加しております。さらに、2023年度から本格化した次世代リーダー育成施策の結果、女性管理職比率は15%を超える水準となりました。
意思決定層における多様性の確保は、組織のリスク耐性を高め、人的資本の機会損失を減らす、企業価値向上に不可欠な要素であります。次なる挑戦は、このポジティブな変化を持続的な流れとして確立することとなります。次世代の女性管理職とその候補者を育成するタレントマネジメントの取り組みを加速させ、役員層を含む全ての意思決定層への継続的な女性登用を推進し、女性管理職比率の一層の向上を目指してまいります。
(ハ)多様な人材が活躍できる環境作り
当行グループでは、お客さまだけではなく株主の皆さまや従業員を含む全てのステークホルダーから選ばれる組織となることを目指しております。そのために、多様性を尊重し全員に公正な機会を提供することで、全従業員が活躍できる環境を整備しております。男女を問わず育児と仕事の両立を支援する取り組みを継続しており、育児休業取得率は男性も100%に達しております。
当行グループは、DEIが組織文化として定着することを目指し、2022年には「あおぞらアライ」を立ち上げ、障がいやLGBTQ+等多様なバックグラウンドを持つ従業員に寄り添う活動を継続しております。2025年度には休暇制度の対象に同性パートナーを含める人事規則改訂を実施する等誰もが働きやすい制度を整備し、多様性を認めあう職場風土の醸成を推進しております。
当行グループは、「新たな金融の付加価値を創造し、社会の発展に貢献する」という経営理念のもと、約2,500名とコンパクトな規模ながら、高い専門性と提案力を武器に質の高い金融サービスを提供しております。それを担う、困難に挑戦する「人財」こそが当行グループの「人的資本」であると考えております。少数精鋭のプロフェッショナル集団として、企業価値創造の源泉である「人的資本の価値向上」を人材戦略の目標とするとともに、経営戦略の根幹に据えております。
① あおぞら銀行グループの人材戦略
中期経営計画「AOZORA2027」では、人材戦略が目指す姿を「従業員一人ひとりが『付加価値を創造』する人材へと『育ち』『変わる』ことで、全てのステークホルダーが『豊かになる』とともに、従業員自身が誇りと働きがいを持てる会社となること」と定めました。この目指す姿の実現には、「お客さまの視点で困難な課題に挑み、解決できる人材」とその人材がいきいきと働ける「経営理念実現に向けて一体感を持ち、迅速に意思決定する組織」の存在が不可欠であります。経営理念・戦略と連動した人材戦略の実践を通じ、こうした人材・組織づくりを進め、中長期的な企業価値向上に貢献してまいります。

② AOZORA2027における人的資本投資
当行グループでは「人的資本」が企業価値創造の源泉であるとの考えのもと、外的報酬に留まらず内的報酬にも注目し、外的報酬・内的報酬両面で人的資本投資を強化しております。
<人的資本投資の方針と施策>
| 外的報酬 | 競争力のある報酬制度の維持(5年連続ベア実施)、株式報酬制度(従業員対象) |
| 内的報酬 | 従業員エンゲージメント、ウェルビーイング向上(働きがいあり、安心して働ける環境整備) |
これまでの人的資本投資の結果、人材流動性が高まるビジネス環境下においても従業員の定着率は高く、2024年度以降の業績回復に繋げております。
人材戦略の目指す姿と現状のギャップを解消していくため、AOZORA2027では人的資本投資の4つの基本方針を策定いたしました。2025年度はこの基本方針に沿って各種施策を実施しており、着実な進捗がみられております(下図参照)。
特に重きを置いている投資銀行ビジネスに関しては、現中期経営計画の経営戦略において、ビジネスグループを3つの部門(投資銀行部門、市場国際部門、カスタマーリレーション部門)に集約した上で、投資効率を最大化する観点から、投資銀行部門に経営資源を重点的に配分する方針としております。
人的資本投資もその一つで、「“付加価値を創造する人材”の拡充」を通じ全体を底上げしつつ、「投資銀行ビジネス等“注力分野への人員シフト”」を実践し、「組織としての一体感」で注力ビジネスを支え、「“付加価値を創造する”人材へのメリハリある報酬配分」で報いていくことを目的としております。
引き続きこれら4つの基本方針に沿った人的資本投資を、経済環境の変化にかかわらず継続する方針であります。

(イ)付加価値を創造する人材の育成
経営戦略の実現には「お客さまの視点に立ち、困難な課題に挑み解決できる人材」が欠かせないことから、2025年度から人材育成プログラムを見直し、年次別・画一的なものではなく一人ひとりの主体性とチャレンジを後押しする内容へ改めております。さらに、タレントマネジメントシステムを新たに導入し、従業員のスキルや経験の可視化を進めてまいります。注力ビジネスを担う人材や、将来の活躍が期待される従業員を中心として、より効果的な人材育成を進める方針であります。
<投資銀行ビジネス人材の育成>現下の最大の課題は、当行の注力分野である投資銀行ビジネスを担う人材の育成となります。この人材育成に向け、2025年度から「投資銀行ゼミナール」を立ち上げ、投資銀行業務の第一線で活躍する従業員による、少人数かつ集中的な研修を行っております。ゼミナール長はCEOの大見が務め、約30年に亘るストラクチャードファイナンスの経験を次世代に体系的に伝承する取り組みを進めております。知識の習得だけではなく、実務の対応力を身に付けることが目的であります。
同様の目的で、外部機関を活用した投資銀行ビジネス人材育成プログラムも複数展開しております。特にあすかコーポレイトアドバイザリー株式会社で「武者修行」として1年間エンゲージメント投資実務の最前線で経験を積んだ若手従業員は、即戦力としてビジネスの第一線で活躍しております。

(ロ)付加価値を創造する人材の採用
人的資本の増強・定着による人材のサステナビリティと組織の多様性確保が課題と認識し、採用戦略を強化しています。
当行は長年キャリア採用に力を入れており、多様な経験・価値観を持つ人材が即戦力として活躍しております。近年はファイナンス分野の専門人材を中心にポテンシャルの高い人材の獲得に注力しております。2025年度は従来の採用手法に加え「アルムナイ採用(退職者の再雇用)」や「リファラル採用(従業員紹介)」を強化し、ダイレクトスカウトも導入いたしました。この結果、キャリア採用比率は39%に達しております。
新卒採用でも、外国籍の学生や海外大学出身者等へ採用ルートを拡大し、多様なバックグラウンドを持つ人材を採用しております。
また、専門人材の定着に向け、リテンション面談や退職者アンケート等による情報収集・分析、評価・報酬のメリハリ強化等に取り組み、選ばれる組織を目指してまいります。
(ハ)付加価値を創造する人材の注力分野への配置
注力分野である投資銀行ビジネスの成長にはビジネス拡大を支える専門人材の増強が欠かせません。今後のビジネス拡大にはさらなる人員シフトが必要となります。課題解決に向け、従来からの施策に加え以下の強化施策を実施してまいります。
| 投資銀行ビジネス人材割合目標値 2028年3月末 24% |
| <投資銀行ビジネスへの人材シフトに向けた施策> |
| ・ストラクチャードファイナンス経験を持つベテラン人材の活用 ・高いポテンシャルを持つ若手に早期から現場経験を積む機会を提供 ・タレントマネジメントシステム活用等により、全体最適の人材配置を推進 ・ビジネスグループを3部門に再編し、社内の人材流動性を向上 |
| <強化施策> |
| ・人事異動活性化(人事権限強化、ジョブ・ポスティング活性化等) ・人材のフロントシフト、ローテーション強化 ・専門人材の採用強化 ・専門人材のリテンション・採用に向けた報酬メリハリ強化 |
(ニ)付加価値を創造する人材への公正な報酬配分
当行グループが必要とする「お客さまの視点に立ち、困難な課題に挑み解決できる人材」から選ばれ続けるため、競争力のある処遇水準を確保するとともに、付加価値創造への貢献を適切に評価し、公正に報いることを基本方針として定めています。この方針のもと、中期経営計画「AOZORA2027」では、「公正な報酬配分」を掲げ人的資本への投資を継続し、従業員のエンゲージメントと企業価値向上の好循環実現を目指しています。

(ホ)付加価値を創造する組織への変容
○ 従業員エンゲージメント向上
企業価値向上のためには、競争力の源泉である従業員一人ひとりの働きがいやエンゲージメントを高め、人的資本の質を向上させることが不可欠となります。当行グループでは、エンゲージメント向上のための課題を把握し、具体的な施策へ反映することを目的として毎年従業員アンケートを実施しております。これまでの取り組みの結果、エンゲージメント総合スコアは着実に上昇する一方、今後の成長に向けた2つの重要な示唆も得ております。

一つは、「働きやすさ」の先のステージとして、従業員がより高いレベルで「働きがい」を感じ一体感を持って働ける環境を築くことであります。二点目は、従業員一人ひとりが変化を恐れず「困難な課題に挑戦」し、それを組織として称賛する文化をさらに浸透させていくことであります。アンケートからは、以下の3つの課題が明らかになったことから、課題解決のため様々な取り組みを進めております。
・経営理念の実践: 経営理念の浸透度は高いが、日々の業務でより主体的に実践していくこと
・次世代の活躍支援: 次世代を担う若手・中堅層の成長を支援し、その意見を経営に活かしていくこと
・一体感・連帯感の醸成: 世代や部門、職種の壁を越えた相互理解と協力を促進すること
こうした施策を通じて、従業員エンゲージメントをさらに高め、「従業員一人ひとりが誇りを持ち、働きがいのある、困難に挑戦する人材が集まる会社」を目指してまいります。
<従業員エンゲージメント向上に向けた施策>
| 従業員アンケート (年1回) | ・アンケート結果は経営陣含め複数回議論し、従業員にメッセージ発信 ・人事制度や中計・業計施策に反映 |
| エンゲージメント測定ツール Wevox(月1回) | ・可視化・分析を行い、現場主導で組織開発・マネジメント力を向上 |
<組織の一体感向上に向けた施策>
| タウンホールミーティング (年1回) | ・継続実施:経営理念の浸透に向け、経営陣と従業員が直接対話 |
| ブランディングプロジェクト開始 | ・「可能性をつくる銀行グループ」を軸に社内外向けコーポレートブランディング強化 ・まずは社内向けにブランディングを展開 ・従業員の働きがい・一体感向上のきっかけとする |
○ 従業員のウェルビーイング向上
当行は経営理念として「新たな金融の付加価値を創造し、社会の発展に貢献する」ことを掲げており、その担い手である従業員が安心して長く働ける環境を整えることが重要であると考えております。従業員のウェルビーイング*1はその土台であり、企業価値向上の不可欠な要素となります。ウェルビーイング向上の観点から、従業員の健康維持・増進に向けた健康経営®*2とファイナンシャル・ウェルネスの向上の推進に努めております。
*1 従業員一人ひとりの心身の健康に加え、社会的にも安定し満たされた状態にあること
*2 「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
従業員一人ひとりが安心して能力を最大限に発揮するためには、将来にわたる経済的な安定が不可欠であります。当行では、従業員の「ファイナンシャル・ウェルネス」の実現を重要なテーマと捉え、そのための制度整備を推進しております。これからも制度の拡充を通じて従業員と家族の生活を支えるだけではなくエンゲージメントを高めることで、当行グループの持続的な成長、ひいてはすべてのステークホルダーが豊かになることを目指してまいります。

③ 人材の多様性確保に向けた環境整備
<多様性確保に向けた人材育成・環境整備方針>
| 方針 | 取組内容 |
| 能力のみならず 多様性を重視した 採用と人材登用 | ・新卒、キャリア採用を両輪とする採用活動の継続 |
| ・女性総合職の採用強化 | |
| ・多様性に配慮した人材登用の推進 | |
| 女性従業員の キャリア形成支援 | ・未経験業務へのチャレンジ促進 |
| ・女性向けリーダー育成研修、異業種交流会などによるキャリア形成支援 | |
| すべての従業員が活躍できる環境の整備 | ・外的報酬・内的報酬両面での人的資本投資に注力 |
| ・従業員エンゲージメント向上に向けた取組の継続 | |
| ・障がいのある従業員が安心して働ける環境づくり |
(イ)中核人材の登用等における多様性の確保について
当行グループは、DEI(多様性・公正性・包摂性)の推進を持続的な成長と企業価値向上を実現するための重要な経営戦略と位置付けております。変化の激しい時代に多様な視点や価値観を経営の意思決定に取り込むことは、新たな価値創造に加え組織のリスク耐性と適応力を高め、組織を強くすることにつながると考えております。多様な人材がそれぞれの能力を最大限に発揮できる環境を整備することで、従業員エンゲージメントを高め、当行グループの企業価値向上を支える原動力になると考えております。女性活躍推進や外国人を含む多様なバックグラウンドを持つキャリア採用の推進、障がいのある従業員が安心して働ける環境整備に注力しているのはそのためであります。
(ロ)女性従業員の活躍推進に向けた取組
女性活躍推進は社会的要請に留まらず当行グループの人材のサステナビリティや企業価値向上につながる多様性確保の点から、重要な経営課題となっております。
当行の強みは、性別にかかわらず全ての従業員が長期的なキャリアを築ける環境が整備されている点にあります。その結果として女性従業員の平均勤続年数が男性を上回っており、多くの女性が様々な職場で活躍しております。
また、これまでの女性活躍推進の取り組みにより、経営層における多様性の確保は着実に進展しています。女性業務執行役員比率は25%に達し、経営の中核を担う女性が増加しております。さらに、2023年度から本格化した次世代リーダー育成施策の結果、女性管理職比率は15%を超える水準となりました。
意思決定層における多様性の確保は、組織のリスク耐性を高め、人的資本の機会損失を減らす、企業価値向上に不可欠な要素であります。次なる挑戦は、このポジティブな変化を持続的な流れとして確立することとなります。次世代の女性管理職とその候補者を育成するタレントマネジメントの取り組みを加速させ、役員層を含む全ての意思決定層への継続的な女性登用を推進し、女性管理職比率の一層の向上を目指してまいります。
(ハ)多様な人材が活躍できる環境作り
当行グループでは、お客さまだけではなく株主の皆さまや従業員を含む全てのステークホルダーから選ばれる組織となることを目指しております。そのために、多様性を尊重し全員に公正な機会を提供することで、全従業員が活躍できる環境を整備しております。男女を問わず育児と仕事の両立を支援する取り組みを継続しており、育児休業取得率は男性も100%に達しております。
当行グループは、DEIが組織文化として定着することを目指し、2022年には「あおぞらアライ」を立ち上げ、障がいやLGBTQ+等多様なバックグラウンドを持つ従業員に寄り添う活動を継続しております。2025年度には休暇制度の対象に同性パートナーを含める人事規則改訂を実施する等誰もが働きやすい制度を整備し、多様性を認めあう職場風土の醸成を推進しております。