有価証券報告書-第102期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/18 13:40
【資料】
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【項目】
178項目

有報資料

以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当行グループ(当行及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営方針
①経営の基本方針
当行は、「地域の皆さまの信頼をもとに、存在感のある銀行を目指し、豊かな社会づくりに貢献します」を基本理念に掲げ、永年築き上げてきたノウハウや人材、ポテンシャルの高い営業基盤等を最大限に活用し、質の高い金融サービスをお客さまに提供することにより、これまで以上にお客さまから支持される地域金融機関を目指すとともに、収益力の強化と健全な財務基盤の確立を図ることで企業価値の拡大につなげ、株主価値の向上を目指してまいります。
また、従業員が持てる力を遺憾なく発揮し、働きがいがあり、公正に処遇される自由闊達な組織を目指すとともに、金融機関としての社会的責任を自覚し、地域経済活性化・地方創生のために惜しみない貢献を行ってまいります。
②目標とする経営指標
イ.パーパス及び未来戦略デザイン
当行は、2025年2月に銀行誕生15周年を迎えるタイミングで、当行の存在意義としての「パーパス」及び10年後のあるべき姿を描いた長期ビジョン「筑波銀行 未来戦略デザイン」を策定しました。
私たち地域金融機関を取り巻く環境は、人口減少・超高齢化をはじめ、デジタル化の急速な進展やキャッシュレスの高まり、気候変動に伴う災害の激甚化など、予測困難な「非連続の時代」を迎えています。このような時代において、当行の存在意義を改めて見つめ直すとともに、全役職員が心を一つに『あゆみ』続けるため、「パーパス」を明確にしました。
「パーパス」とは、企業の存在意義や社会的意義を指し、企業の原点や経営理念とも深い関係があります。当行の「パーパス」である「~地域のために 未来のために~」は、当行が「何のために存在するのか」を端的に言い表した言葉です。当行は、この「パーパス」を判断、行動の拠り所として、地域の皆さまと手を取り合い、明るくサステナブルな未来を創ってまいります。
また、長期ビジョンである「未来戦略デザイン」では、当行の財務上の課題である公的資金の返済をひとつの目途として、3年ごとのフェーズに区切った中期経営計画を着実に履行していくことで中長期的に企業価値の向上を目指しております。そして、2034年3月期に達成すべき財務指標として、当期純利益:100億円以上、ROE:8%以上、貸出金+預金+預り資産:6兆円以上を掲げました。また、公的資金返済後、市場動向や業績見通し等を勘案し、内部留保の充実も考慮したうえで、総還元性向40%程度を目指しております。
(筑波銀行グループ経営理念体系図)

(未来戦略デザインの概要)

ロ.第6次中期経営計画
当行は「未来戦略デザイン」実現に向けた第1フェーズとして、2025年4月から2028年3月までの3年間を計画期間とする第6次中期経営計画「Rising Innovation 2028」~ツクバ ワクワク、はじまる~をスタートさせ、次の3つの骨子に基づき各施策に取り組んでおります。
①人的資本~人的資本経営の実践
②経営基盤~経営基盤の変革
③ビジネス~ビジネス戦略の強化
(第6次中期経営計画の骨子)

(第6次中期経営計画における目標とする財務指標(単体))
財務指標目標
(2028年3月期)
算出方法当指標を採用する理由
当期純利益50億円以上財務諸表上の数値事業の収益性を追求するため
ROE5%以上当期純利益÷
((期首自己資本+期末自己資本)÷2)
経営の効率性を追求するため
コアOHR70%台経費÷(業務粗利益-国債等債券損益)経営の効率性を追求するため
自己資本比率9%以上自己資本の額÷リスク・アセットの額経営の健全性を追求するため

(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
2025年度の国内経済は、企業収益の改善を背景に将来の成長に向けた設備投資が拡大するとともに、個人消費についても物価高の影響を受けつつも賃上げの浸透により底堅く推移しました。一方、米国の強硬な通商政策や中東情勢の緊迫化を受け、年度後半には先行き不透明感が広がりました。
当行が営業基盤とする茨城県経済においては、大企業を中心に海外需要の拡大や工場新設による生産量の増加等により製造業の業況が改善するとともに、サービス業においてもコスト上昇分の価格転嫁が着実に進む一方で、足元では原油高騰による物流コストの増加や人手不足により受注機会を絞る動きも見られました。
金融情勢については、国内長期金利は、昨年12月に日本銀行が政策金利を30年ぶりの水準となる「0.75%程度」まで引上げたことから2%を超えて上昇しました。また、日経平均株価は、世界的な株高を背景に2026年2月には終値ベースで史上最高値となる58,850円を付けましたが、年度後半には地政学リスクの高まりから急落し、年度末には51,063円となりました。為替相場は、年度を通して円安基調が続きました。
そうしたなか、当行では流動性の高い国内債券や投資信託を中心とした有価証券運用を行っております。しかし、当連結会計年度においては、国内金利の上昇等を背景として、当行が保有する国内債券等は評価損の状態で推移しました。足許においても継続的な物価上昇や中東情勢の混迷に伴うインフレ懸念等の影響を受けて、金融市場は先行き不透明な状況にあります。当行は、今後も国内外の金融政策・金融市場の動向や金融環境の変化を慎重に見極めつつ、リスク管理体制の一層の強化に取組むとともに、金融情勢に応じて有価証券ポートフォリオの再構築を検討し、有価証券評価損の削減及び収益性の向上に努めてまいります。
当行を取り巻く事業環境は、人口減少や少子高齢化の進展による経済圏の縮小をはじめ、マネーローンダリング対策やサイバーセキュリティ対応コストの増大、業務の多様化やDXに対応するための専門人材の確保・育成など、様々な課題に直面しています。加えて、昨年末に金融庁から示された「地域金融力強化プラン」により、地域金融機関には単なる融資による資金供給にとどまらず、M&A支援、DX支援、事業再生など、地域経済の課題解決に向けた「非金融」の役割が強く期待されているとともに、地元中小企業への継続かつ丁寧な支援が従来以上に求められています。
このような環境のなか当行では、2025年2月に公表しました長期ビジョン「未来戦略デザイン」において、①持続可能な地域環境づくり、②地域価値の共創、③金融サービスの高度化、④多様性の尊重・エンゲージメント向上の4つを対処すべき重要事項(マテリアリティ)として位置付けております。現在、このマテリアリティを中期経営計画の諸課題に反映させて経営戦略に組み込むことにより、長期ビジョンの実現性を高めているところであります。
そうしたなか、第6次中期経営計画「Rising Innovation 2028」~ ツクバ ワクワク、はじまる ~は、2026年4月より計画2期目を迎えました。同計画は、「未来戦略デザイン」実現に向けた第1フェーズとして位置付けており、当行の輝かしい未来に繋がる重要な第一歩です。現在、先行き不透明な環境下ではありますが、第6次中期経営計画で掲げる「人的資本経営の実践」「経営基盤の変革」「ビジネス戦略の強化」の3つの骨子に基づく諸施策を一つひとつ着実に履行することで、株主を含めたあらゆるステークホルダーとの共通価値創造と地方創生への取組みの推進に力を発揮し、「当行ならではの価値」を提供し、ともに発展する持続的なビジネスモデルの構築を目指してまいります。

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