有価証券報告書-第132期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
有報資料
「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(平成31年1月31日内閣府令第3号)による
改正後の「企業内容等の開示に関する内閣府令」第二号様式記載上の注意(30)の規定を当事業年度に係る有価証券
報告書から適用しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当行グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当行グループは、伝統ある近江商人の商人道徳である「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」の精神を継承した行是「自分にきびしく 人には親切 社会につくす」をCSR(企業の社会的責任)の原点とし、CSR憲章(経営理念)に掲げた「地域社会」「役職員」「地球環境」との「共存共栄」の実践に努めることを通じて、企業価値の向上に取り組んでおります。
上記の経営方針に基づき、現状認識及び目指すべき地域社会の姿としては以下のとおり考えております。
①現状認識
「不確実性の時代」
経済学者ガルブレイスが「不確実性の時代」を出版した1970年代後半をはるかに凌駕するほど、現在の社会は予測困難な、経験則では測りきれない時代に突入しております。
例えば、「米国第一主義」や「Brexit (ブレクジット)」などに代表されるポストグローバル化。米中貿易摩擦はますます深刻化しており国内企業の業績にも重大な影響を及ぼし始めております。
また、地球温暖化やマイクロプラスチックなどの社会的課題も深刻さを増しており、脱炭素や脱プラに向けた経済活動のパラダイムシフトが求められております。
加えて、日本は世界に先駆けて人口減少や人口構造の変化が進む「課題先進国」であり、これまで誰も経験したことのない未知の経済環境に足を踏み入れております。
銀行業界ではさらに、低金利が収益性を圧迫している上に、FinTech企業など異業種の参入が増大している状況であり、持続可能なビジネスモデルの再構築が喫緊の課題となっております。地方銀行の経営は、今まさに過去に例のない歴史上の転換点を迎えております。
このような環境下、理想とするビジョンを掲げ、その実現に向けて自らを変革し、地域社会にとって不可欠の存在になることが私たちの未来を切り拓くと考えております。
②目指すべき地域社会の姿
「自分らしく未来を描き、誰もが幸せに暮らせる社会」
このような考えのもと、第7次中期経営計画((3)「中長期的な経営戦略及び目標とする経営指標」にて詳細を記載しております。)については、私たちが目指すべき地域社会の姿をビジョンに掲げ、そこから現在に向けてバックキャスティングする方法で策定いたしました。目指すべき地域社会の姿「自分らしく未来を描き、誰もが幸せに暮らせる社会」は、不変の精神である行是(「自分にきびしく 人には親切 社会につくす」)とCSR憲章(経営理念…「地域社会」「役職員」「地球環境」との「共存共栄」)が実現された世界観をより具体的に表したもので、SDGsの世界観とも軌を一にしております。
お取引先や地域社会がSustainableであってこそ、当行もSustainableになることができます。すなわち、地域の皆さまが安心して生活できるインフラとして機能し、地域社会の持続的発展に尽くし、地域の明るい未来を支えていくことが、当行が持続的成長をしていくために不可欠であると考えております。その使命を全うするために、自らを「課題解決型金融情報サービス業」へと進化させ、SDGsをビジネスにつなげ、地域のSustainable Developmentに経営資源を集中いたします。
また、超長期を展望するビジョンとなることから、中期経営計画との間をつなぐ2030年のマイルストーン(指標)を設定しております。マイルストーンには、2017年11月に発表した「しがぎん SDGs宣言」の重点取組項目(ターゲット2030)である「地域経済の創造」「地球環境の持続性」「多様な人材の育成」 にそれぞれ対応した指標を設定しております。リンケージ(連関)するこれら3つの指標を統合的に推し進めていくことが、目指すべき地域社会の姿につながるものと考えております。
| 2030年のマイルストーン(ターゲット2030) | ||
| 〈地域経済の創造〉 | 〈地球環境の持続性〉 | 〈多様な人材の育成〉 |
| Sustainable Development 推進投融資 新規投融資額 累計1兆円 | 温室効果ガス排出量 30%以上削減(2013年度比較) | SDGs・金融リテラシーの 普及・向上活動、次世代人材の育成活動 実施人数延べ1万人 |
(2) 第6次中期経営計画の達成度
2016年4月よりスタートさせました第6次中期経営計画(期間:3年間:2016年4月~2019年3月)において、次の経営指標を掲げ、その実現に向け取り組んでまいりました。
当計画における達成度は次に掲げる表のとおりです。
第6次中期経営計画期間中の挑戦指標
| 2019年3月期計画 | 2019年3月期実績 | |
| 総預り資産(末残) (総預金+投資信託+公共債+金融商品仲介) | 5兆円 | 5兆1,886億円 |
| 総貸出金(末残) | 3兆5,000億円 | 3兆7,958億円 |
| 滋賀県内貸出金シェア (商工中金他一部の金融機関を除く) | 50% | (※)48.74% |
| 温室効果ガス排出量削減 (2016年度から2018年度の3年間平均で2006年度比較30%削減) | 30%削減 | 35.62%削減 |
※2018年9月期現在の実績数値
長期的挑戦指標(中期経営計画期間に関わらず、実現に向けて長期的に挑戦する指標)
| 長期的挑戦指標 | 2019年3月期実績 | |
| 株主資本ROE | 5%以上 | 5.77% |
| OHR | 65%未満 | 76.80% |
(3) 中長期的な経営戦略及び目標とする経営指標
2019年4月よりスタートさせました第7次中期経営計画(期間5年間:2019年4月~2024年3月)については、現状から改善策を積み上げる「フォアキャスティング」ではなく、目指すべき地域社会の姿から遡って今取り組むべき課題を洗い出す「バックキャスティング」の視点で策定いたしました。本中期経営計画で目指す姿は「Sustainability Design Company」としました。これには、「お取引先や地域社会の持続可能な発展を企画して創る、従来の枠組み・発想を超える」という強い想いを込めております。
メインテーマは、目指す姿にあわせて「未来を描き、夢をかなえる」といたしました。また、ビジネスモデルを大きく変えるためには、人材育成やIT投資等を通じた一段の生産性向上による体制強化が必要であり、計画期間は5年といたしました。
なお、目標とする経営指標は下表のとおりです。
| 第7次中期経営計画期間中の挑戦指標 | 2024年3月 | |
| ①Sustainable Development推進投融資 (格付CS先への新規融資額、SDGs型商品新規投融資額、ESG新規投資額5年累計) | 5,000億円 | |
| ②地域顧客の価値向上サポート (年間コンサルティング相談件数) | 1,000件 | |
| ③地域顧客の資産形成サポート (預り資産残高「投資信託+金融商品仲介」) | 3,000億円 | |
| ④温室効果ガス排出量削減 (2013年度比較の削減率) | 25%削減 | |
| ⑤SDGs・金融リテラシーの普及・向上活動、次世代人材の育成活動 (研修等の実施人数5年累計) | 5,000人 | |
| <収益目標> | ||
| ①親会社株主に帰属する当期純利益(連結) | 100億円以上 | |
| ②顧客向けサービス業務利益 (貸出残高×預貸金利回り差+役務取引等利益-営業経費) | 30億円 | |
(4) 経営環境及び対処すべき課題
取り巻く経営環境を展望しますと、少子高齢化や人口減少の進展に加え、IoTやAIなどの技術革新を背景に、人口構成や社会構造、経済構造の変化が加速度的に進むものと思われます。地方銀行の経営は、今まさに歴史的な転換期を迎えており、従来型の発想や過去のビジネスモデルの延長線上に未来はなく、新たなビジネスモデルの構築が求められております。
地方銀行の存在意義は、お取引先と地域社会の持続的発展に尽くすことにあります。金融インフラを担う地域金融機関として、伝統的な金融仲介ビジネスはもとより、日々刻々と変化するお客さまのニーズや社会的要請に応える新たなサービス、付加価値を提供していく必要があります。自らが「課題解決型金融情報サービス業」へ進化し、SDGsをビジネスにつなげ、社会的課題解決により持続可能な社会の実現に取り組んでまいります。そして、目指すべき地域社会の姿「自分らしく未来を描き、誰もが幸せに暮らせる社会」を創造していきたいと考えております。