有価証券報告書-第91期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
以下の内容は、当行グループの主体であります提出会社(当行)についてのものであります。
また、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において、提出会社(当行)が判断したものであります。
(1) 経営方針
経営の基本方針
当行は「地域密着と健全経営」を経営理念に掲げております。
佐賀・福岡を中心とした地域の銀行として地場産業の振興・発展をお手伝いし、地域社会の皆さまの豊かな生活づくりに奉仕すること、さらには、お客さまにご満足いただける質の高いサービスを提供することで、株主の皆さま、お客さま、そして地域の皆さまのご期待に応えていくことが当行の使命と考えております。
近年においては、佐賀・福岡経済圏に県境という垣根が無くなりつつある中、当行は経営理念を踏まえ、地域の皆さまとの末永い信頼関係を築いていけるよう、着実に歩みを進めてまいります。
中長期的な経営戦略
①第16次中期経営計画
当行は2019年度からスタートした第16次中期経営計画(2019年4月1日~2022年3月31日)で、「このまちで、あなたと・・・ 地域の活力を未来へつなぐ銀行」を目指す姿とし、その基本方針に「コンサルティングを起点とする営業態勢の構築と生産性向上による効率化を進め、対顧客利益の黒字化を実現します。」「地域経済の活力となる良質な金融サービスを提供し、さらなる金融仲介機能の向上を実現します。」の2つの項目を掲げ、全行員のコンサルティング能力を高め、ステークホルダーの皆さま(お客さま、株主さま、地域社会、従業員)の将来のお役に立つ良質な金融サービスをご提供し続けることで、「地域活性化」と「当行の経営体力増強」の好循環を確立し、地域の未来へとつなげてまいります。
②2019年度に行った主な施策
○ 店舗・チャネル
店舗などのお客さまとのチャネルにつきましては、お客さまのニーズや動向を踏まえた上で、見直しを実施しました。
有人店舗につきましては、2019年10月に鳥栖支店旭出張所を鳥栖支店内へ、また2019年11月に嘉瀬町支店および嘉瀬町支店久保田出張所を与賀町支店内へブランチインブランチ方式により移転統合しました。また、無人店舗(店舗外現金自動設備)につきましては、上記移転統合前の店舗所在地3カ所に新設し、14カ所を廃止しました。
この結果、当年度末の有人店舗数は本支店72カ店、出張所31カ所、店舗外現金自動設備は87カ所となりました。
○ 地方創生及び事業性評価に向けた取組み
地方創生に向けた取組みについては、お客さまの付加価値向上と地域の価値向上の2つの面から、当行が能動的にお手伝いすることで、活力ある地域未来の創造=地域社会の発展に資することを目指しております。
2019年度において、当行はCSR私募債「地域の芽・育む債」にて103件(前年度比+68件)、金額77億円(前年度比+44億円)をお引受けしております。CSR私募債は、お客さまの私募債発行を通じて、教育環境の向上による地域社会への貢献を目的としたものであり、お客さまから頂いた発行手数料の一部を活用して、指定される教育機関に教育関連物品を寄付することとしております。2017年度にCSR私募債を商品化し、以降、地域のお客さまに対して、最も身近な営業担当者を通じたアナウンスにより、「地域の芽(=子供たち)を大切に育て応援する」という本商品の趣旨に基づく地域貢献にご賛同を得られたものと考えます。
また、お取引先の事業承継支援にも積極的に取り組みました。経営者の高齢化や後継者問題等、事業承継が多くの企業にとって喫緊の経営課題となっている中、地域銀行としての役割を果たすべく各営業店と本部が一体となって課題解決の為のサポートを強化し、地域の事業者の方々から多くのご希望、ご要請をいただいています。なかでも後継者不在の企業については、第三者への承継(M&A)支援として当行が相手先のマッチングから実行支援までお手伝いし、廃業を防ぐことが出来た事例も含まれております。
そして、2019年9月の地方銀行フードセレクションではお取引先56社(参加銀行55行中4年連続最多)が出展され、多くの商談機会と成約に結びつきました。出展者に対しては商談会の事前準備、商品のPR手法、出展後の営業手法などを学んでいただく勉強会を開催、また商談会当日は当行行員が出展者と一体となり商品をバイヤーにPRし、販路拡大をお手伝いしました。今後も商談会や販路情報の提供等によりお客さまの販路拡大を積極的に支援してまいります。
また、2019年12月には、JAバンク佐賀・日本政策金融公庫と連携し、次世代を担う農業の若手経営者を養成すべく「第2回佐賀農業経営トップランナー養成塾」を開催しました。各受講者のニーズをふまえた個別カリキュラムを組み有益な情報を提供・共有し参加者の研鑚を図ることで、農業経営者の育成支援に資するものです。また、3機関の若手職員の農業に関する知識や提案力向上を目的とした合同勉強会も開催しており、地域産業の活性化に地元金融機関として貢献出来る態勢を構築してまいります。
今後とも当行が営業基盤としている佐賀、福岡、長崎という地域の発展なくして、当行の発展はないという考え方のもと、事業性評価をベースとしたコンサルティング能力の発揮により、地域との共通価値を創造し、未来へつなぐ活力を見出していきたいと考えています。
○ 取扱商品・サービスなどの拡充
当行は、「フィデューシャリー・デューティー(お客さま本位の業務運営)の実践に向けた取組み方針」に基づき、専門知識と人間力に磨きをかけて、真にお客さまのお役に立てるよう、全員FA(ファイナンシャルアドバイザー)の営業態勢を一層強めてまいります。
「人生100年時代」といわれる現代では、ご高齢者さまから若い世代の方まで、全ての方が健康で、かつ安心して暮らすことのできる社会をつくることが重要な課題と言われております。当行では、持続可能な社会形成に貢献するために、資産形成、ご相続対策、離れてお暮らしのご家族さまへのご心配などのお客さまのお悩み、課題を解決するサービスのご提供に取組んでまいります。
一方で、社会のデジタル化の流れは加速しており、多様化しているお客さまのニーズに対応するため、払込票決済サービス「PayB」に加え、今年度には「LINE Pay」、「メルペイ」、「J-Coin Pay」について当行口座接続を開始し、スマートフォンによる決済サービスを拡大しました。今後はブランドデビットカードの導入に向けても準備を進めてまいります。
また、お客さまにより便利に当行とお取引いただくため、2020年1月にiBankマーケティング株式会社と基本合意を締結し、同社が提供するアプリ「Wallet+」の導入に向けた準備を進めてまいります。これにより、「残高・入出金明細」の照会だけでなく、「目的預金」の作成、「佐賀銀行カードローン」の即時利用や資産運用等、ひとつのアプリを通じて幅広い金融サービスを提供できる環境を構築してまいります。
○ SDGsへの取組み
当行グループは、国連が定めたSDGs(持続可能な開発目標)の趣旨に賛同し、「佐賀銀行グループSDGs宣言」を2019年10月に制定しました。
今後も地域の社会、経済の持続的な成長・発展に対しての社会的な役割を強く認識し、責任ある取組みを行ってまいります。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
長引く低金利環境下、地域銀行は従来のビジネスモデルである預貸金業務や有価証券業務において従前レベルの採算確保が難しい状況に直面しております。
2019年3月期においては、地域銀行105行中、当行を含めおよそ半数の銀行で対顧客利益(有価証券業務を除いた利益)が赤字となっており、厳しい収益状況が続いていますが、そのような状況下、2020年3月期の当行の対顧客利益は未だ2億39百万円の赤字ではあるものの、前年比14億92百万円の増加と大幅な赤字幅の改善となりました。
当行では2019年度を初年度とする第16次中期経営計画(2019年4月1日~2022年3月31日)においては、「このまちで、あなたと・・・ 地域の活力を未来へつなぐ銀行」を目指すべき姿としており、徹底した対顧サービスの拡充と生産性向上による対顧客利益の黒字化を最大の目標として掲げ、金融仲介機能の十分な発揮により地域の活性化に貢献していくことを目指しております。
その中で、2020年4月より「営業店BPRプロジェクト」に全行を挙げての取組みを開始しています。これにより営業店業務の抜本的な効率化を進め、営業の量増加と質向上によりお客さまとの接点強化を実現し、生産性の高い営業態勢の構築を目指しております。
また、お客さまに対するコンサルティング機能を一層強化するべく2020年4月より、当行の営業店ネットワークを9つのブロックに編成した営業態勢とする「ブロック制」を新設しました。各ブロックに専門性の高い本部行員(事業承継、M&A、医療など)が駐在し、本部と営業店が一体となり現場力を高めた営業態勢を構築してまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う経済への影響は、今後1年程度続くものと想定しております。主に当行グループの貸出金等の信用リスクに一定の影響があると認識しておりますが、これによる与信費用の増加は、政府や自治体の経済対策や金融機関による支援等もあり、多額にはならないとの仮定を置いております。当該仮定には不確実性があり、新型コロナウイルス感染症の状況やその経済への影響が変化した場合には、損失額が増減する可能性があります。
当行では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に応じて、「新型コロナウイルス対策室」「新型コロナウイルス対策本部」を設置し、行員のマスク着用等の感染防止策を講じるほか、時差出勤や在宅勤務、交代勤務等の業務継続対策も行っております。また、お客さまの資金繰りを迅速かつ丁寧に支援するため、当行から積極的に情報提供するとともに、相談窓口設置等の対応を行っております。今後も地域金融機関としての社会的責任を全うしてまいります。