有価証券報告書-第20期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

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2022/06/22 13:47
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174項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
①企業理念
当社グループは、〈みずほ〉として行うあらゆる活動の根幹をなす考え方として、基本理念・ビジョン・みずほValueから構成される『〈みずほ〉の企業理念』を制定しております。この考え方に基づきグループが一体となって事業運営・業務推進を行うことで、お客さまと経済・社会の発展に貢献し、みなさまに<豊かな実り>をお届けしてまいります。
基本理念:〈みずほ〉の企業活動の根本的考え方
〈みずほ〉は、『日本を代表する、グローバルで開かれた総合金融グループ』として、
常にフェアでオープンな立場から、時代の先を読む視点とお客さまの未来に貢献できる
知見を磨き最高水準の金融サービスをグローバルに提供することで、
幅広いお客さまとともに持続的かつ安定的に成長し、内外の経済・社会の健全な発展に
グループ一体となって貢献していく。
これらを通じ、〈みずほ〉は、いかなる時代にあっても変わることのない価値を創造し、お客さま、経済・社会に<豊かな実り>を提供する、かけがえのない存在であり続ける。

ビジョン:〈みずほ〉のあるべき姿・将来像
『日本、そして、アジアと世界の発展に貢献し、お客さまから最も信頼される、
グローバルで開かれた総合金融グループ』
1.信頼No.1の〈みずほ〉
2.サービス提供力No.1の〈みずほ〉
3.グループ力No.1の〈みずほ〉

みずほValue:役職員が共有すべき価値観・行動軸
1.お客さま第一 ~未来に向けた中長期的なパートナー~
2.変革への挑戦 ~先進的な視点と柔軟な発想~
3.チームワーク ~多様な個性とグループ総合力~
4.スピード ~鋭敏な感性と迅速な対応~
5.情熱 ~コミュニケーションと未来を切り拓く力~

②経営計画
当社グループは、2019年度からの5年間を計画期間とする「5ヵ年経営計画 ~次世代金融への転換」をスタートいたしました。
この経営計画では、新たな時代の顧客ニーズに対応して、顧客との新たなパートナーシップを構築していく『次世代金融への転換』を実現し、『来るべき時代において、お客さまから今まで以上に必要とされ頼りにされる、より強力で強靭な金融グループ』を形作ってまいります。
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(2)経営環境
2021年度の経済情勢を顧みますと、世界経済は回復基調が続いていますが、足もとでは新型コロナウイルスの変異株のまん延や米国を中心としたインフレ圧力の高まり、ウクライナ情勢に起因するグローバルな商品・資源価格の高騰が回復の足かせとなっています。
米国経済は、個人消費を中心に回復が続いています。旺盛な労働需要と感染拡大などを背景とする労働供給の制約から、人材確保のための賃上げ等の動きが見られます。さらに、ウクライナ情勢に起因して商品・資源価格が一層上昇しています。足もとのインフレ圧力の高まりを受けて、FRB(連邦準備制度理事会)は3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げを決定するなど、警戒感を強めています。物価上昇や利上げが景気を下押しする懸念もあり、先行きの不透明感は拭い切れていません。
欧州では、感染再拡大に伴い一時景気が減速したものの、主要国の経済活動の再開により持ち直しの動きが見られます。ECB(欧州中央銀行)は3月の政策理事会で金融緩和策の縮小を加速させる方針を決定するなど、緩和スタンスに変化が見られます。今後も、景気の持ち直しが継続することが期待される一方、商品・資源価格の高騰を通じたインフレ圧力の影響やロシアへの経済制裁の影響など、景気の先行き懸念は残存しています。
アジアでは、中国において民需は引き続き回復に向かっているものの、不動産やインフラ投資の弱含みや、変異株の感染拡大による生産・消費の下押しが回復の足かせとなっています。また、米中対立は継続しており、通商や安全保障等をめぐる先行きの不確実性は依然として高い状況です。新興国では、変異株の感染拡大による行動制限や、外国人の入国規制が回復の抑制要因となっている一方、足もとでは経済活動の正常化を進める動きも見られます。ただし、商品・資源価格の高騰により、非資源国や財政出動余地の低い国の経済への悪影響が懸念されます。
日本経済は、行動制限の緩和等に伴い、サービス関連消費を中心に持ち直しの動きが見られるものの、感染再拡大による下押し圧力が依然残っています。政府・日本銀行による政策対応もあり、失業率の上昇や企業倒産件数は抑制されていますが、足もとでは商品・資源価格の高騰や円安の進行による輸入物価の上昇を通じた企業収益や家計の圧迫が懸念されます。
世界経済の先行きは、ワクチンの普及及び行動制限の緩和等により緩やかな回復が続く見込みです。ただし、ウクライナ情勢の長期化、米国を中心としたインフレが想定以上に深刻化するなどの状況によっては、景気悪化リスクが懸念され、日本経済についても、景気の低迷が長期化する可能性があります。
(3)対処すべき課題
■ システム障害の再発防止への取り組み
当社及びみずほ銀行は、2021年11月26日付で金融庁より銀行法第52条の33第1項及び銀行法第26条第1項に基づく業務改善命令を受けました。これを踏まえ、当社及びみずほ銀行は、2022年1月17日に金融庁に対して業務改善計画を提出しております。業務改善計画を踏まえた再発防止策を確実に実行し、継続していくことを通じ、多層的な障害対応力の一層の向上を図ってまいります。また、みずほ銀行は、2021年11月26日付で、外国為替及び外国貿易法(以下「外為法」)第17条の2第1項の規定に基づき、外為法第17条に基づく銀行等の確認義務の履行に関し、財務省より是正措置命令を受けました。これを踏まえ、みずほ銀行は、2021年12月17日に財務省に対して、同命令の趣旨を踏まえた改善・再発防止策の策定及び監査態勢の整備等に係る報告書を提出しております。みずほ銀行は、再発防止策の確実な実行、継続にとどまることなく、発生原因等を再検証し、外為法令にかかる適切な内部管理態勢の再構築にも取り組んでまいります。
2022年3月末までに、システム障害への直接的な対応にかかる主要項目については、先行事例を踏まえたプロトタイプの構築(各種点検の枠組み等)や、枠組みを構築したうえでの実運用(現場実態把握・要員配置・資源配分等)を開始するまで進展しております。今後、他領域への展開や実運用しながらの適正化に取り組んでまいります。また、組織全体にかかる「企業風土」や「人材関連施策」については、取り組みを軌道に乗せ、成果を実感するまで引き続き粘り強く取り組んでいくことが必要と認識しております。
今年度は、「安定化」を目指す一年と位置づけ、全体として、有効性を確認しながら取り組みを一回転させ、来年度以降の継続的実施につなげてまいります。具体的には、レイヤ(1線、2線、3線)ごとの確認観点等、定着状況を継続的にモニタリングする枠組みの更なる明確化や、経営レベルで議論すべき重要テーマや議論のポイントの明確化を行ったうえで、実効性のあるフォローアップを行ってまいります。また、各再発防止策については、2022年4月から実運用を開始する項目が多くあり、施策の十分性(中身)の議論に加え、実効性・定着状況の評価・追加対応の議論を拡充してまいります。
当社グループといたしましては、今一度、金融グループとしての社会的役割と公共的使命を自覚するとともに、「お客さま起点の徹底」と「業務の安定化」に全力を注ぎ、お客さま・社会のお役に立つ存在になることを目指してまいります。そして、お客さま、社会の皆さまから真に信頼される存在となるべく、全役職員が一丸となって取り組んでまいります。
■ 5ヵ年経営計画の実行
当社グループの5ヵ年経営計画(2019~2023年度)では、新たな時代のお客さまニーズに対応して、お客さまとの新たなパートナーシップを構築していく『次世代金融への転換』を実現し、『来るべき時代において、お客さまから今まで以上に必要とされ頼りにされる、より強力で強靭な金融グループ』を形作っていくことを目指しております。
デジタル化や少子高齢化、グローバル化等のメガトレンドに加えて、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を契機として、人びとの生活や経済・社会のあり方が大きく、かつ急速に変化しています。新たな時代において、従来の「金融」という枠に捉われない新しい価値を提供する企業であるべく、『前に進むための3つの構造改革』を着実に実行してまいります。
(財務目標)
連結ROE*12023年度 7%~8%程度
連結業務純益*22023年度 9,000億円程度

*1 その他有価証券評価差額金を除く
*2 連結業務純益+ETF関係損益(株式会社みずほ銀行、みずほ信託銀行株式会社合算)
+営業有価証券等損益(みずほ証券株式会社連結)
(重点取り組み領域)
① ビジネス構造の改革
経済・産業・社会の構造変化に対応し、当社グループの強みを活かしつつ、以下の取り組みを中心にビジネス
構造を改革してまいります。
● 新たな社会におけるライフデザインのパートナー
▶ 人生100年時代のライフデザインをサポートする資産形成とそれを支える人材育成
▶ 事業承継ニーズに対する高度なソリューション提供と経営人材確保ニーズへの対応
▶ コンサルティング中心のリアル店舗とデジタルチャネルを融合した次世代店舗展開
▶ テクノロジー活用やオープンな協業を通じた新たな顧客層の開拓や需要の創出
● 産業構造の変化の中での事業展開の戦略的パートナー
▶ イノベーション企業への成長資金供給、産官学連携など成長加速へのオープンな協働
▶ 産業知見等を活用し、事業リスクをシェアする新たなパートナーシップの構築
▶ グローバルな顧客の事業展開を支援すべく、アジアの顧客基盤やネットワークを活用
● 多様な仲介機能を発揮する市場に精通したパートナー
▶ グローバルネットワークとプロダクト提供体制の最適化により、投資家と投資家、発行体と投資家を繋ぐ 多様な仲介機能発揮
▶ 実現益と評価損益のバランスを重視しつつ、機動的なアセットアロケーションも活用した、ALM・ポート フォリオ運営の高度化
② 財務構造の改革
以下の取り組みにより財務構造を改革し、事業環境・競争環境の変化に対応した柔軟な事業・収益構造への転換を実現いたします。
● 事業・収益構造の課題を、以下の4つの視点でビジネス領域ごとに可視化
①リスクリターン(粗利ROE)、②コストリターン(経費率)、③成長性、④安定性
● 上記に基づいた、効率化分野から成長分野への集中的な経営資源再配分
● 安定収益基盤を確立した上で、機動的にアップサイド収益を追求する収益構造へ転換
③ 経営基盤の改革
ビジネスの持続的な優位性を支える経営基盤を強化すべく、以下の取り組みを行ってまいります。
● 新たな業務スタイルへの変革
▶ 人材・職場、IT・デジタル、チャネル、グループ会社を重点分野として取り組み
▶ 人事については、「社員の成長ややりたい仕事」を軸とする考え方に基づき人事制度を改定し、「社内外で 通用する人材バリュー」を最大化する新たな人事戦略を推進
● グループガバナンスの強化
▶ 持株会社とグループ各社間の役員兼職拡大等により、銀行・信託・証券以外のグループ会社も含めた一体運営 をさらに強化し、重要戦略や構造改革を着実に遂行
● コミュニケーションを軸とした新たなカルチャーヘの変革
■ サステナビリティへの取り組み
基本的考え方や推進方法等を定めた「サステナビリティへの取り組みに関する基本方針」のもと、グループ全体で戦略と一体的にサステナビリティへの取り組みを推進してまいります。また、ステークホルダーからの期待・要請に対し、〈みずほ〉の戦略における重要性や親和性、中長期的な企業価値への影響を踏まえて特定した、マテリアリティ(サステナビリティ重点項目)について、各カンパニー・ユニット・グループの戦略に織り込み、グループ一体で取り組んでまいります。
最も重要なグローバル課題の一つである気候変動については、「環境方針」や2022年4月に策定した「2050年ネットゼロに向けた〈みずほ〉のアプローチ」に基づき、気温上昇を1.5℃に抑制するための努力を追求し、自らの事業活動における温室効果ガス排出量(Scope1,2)の2030年度カーボンニュートラル、及びファイナンスポートフォリオから発生する温室効果ガス排出量(Scope3)の2050年ネットゼロを目指してまいります。
引き続き、グローバルかつ長期的な視点で機会とリスクを捉え、総合金融グループとしての機能と知見を活かして取り組みを積極的に進めることで、企業価値の向上を図り、持続可能な社会の実現を目指してまいります。
また、各ステークホルダーとの対話を重視し、当社グループのサステナビリティへの取り組みが社会の常識と期待に沿うものとなるよう、情報開示の高度化に継続して努めてまいります。
[カンパニー・ユニットの取り組み]
当社グループは、お客さまの属性に応じた銀行・信託・証券等グループ横断的な戦略を策定・推進する5つのカンパニーと、全カンパニー横断的に機能を提供する2つのユニットを設置し、グループを運営しております。
各カンパニー・ユニットの今後の取り組み方針(対処すべき課題)は次の通りです。
なお、みずほフィナンシャルグループ株式会社は、2022年6月1日に、農林中央金庫が保有する全てのみずほ証券株式会社の普通株式を株式譲渡により取得し、みずほ証券株式会社を完全子会社としております。
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リテール・事業法人カンパニー
個人・中小企業・中堅企業の顧客セグメントを担当するカンパニーとして、銀行・信託・証券等グループ一体となったコンサルティング営業や、先進的な技術の活用や他社との提携等を通じた利便性の高い金融・非金融サービスの提供等に取り組んでおります。
(今後の取り組み方針)
一連のシステム障害の反省を踏まえ、お客さまの声や現場実態を踏まえた安定的な業務運営体制を構築したうえで、法人・個人別に再編した新営業部店体制のもと、高い専門性の発揮によりお客さまニーズへの対応力を一層強化していきます。
具体的には、個人のお客さまに対しては、「人生100年時代」におけるライフデザインのパートナーとして、グループ一体で総合資産コンサルティングの更なる充実を図り、お客さまの想い・希望の実現に向けたサポートを行います。法人のお客さまに対しては、事業構造改革や成長戦略等の支援に向け、中長期的な経営課題を踏まえたお客さまニーズ起点でのプラン策定とソリューション提供を強化し、お客さまの持続的成長を後押ししていきます。
また、不可逆的なデジタル化の潮流を捉え、DXを起点とした成長加速・生産性向上にも取り組み、スマホ中心の生活への変化に対応した金融サービス変革、生産性向上に向けた社内業務変革を進めていきます。
2019年5月27日に設立いたしましたLINE Bank設立準備株式会社では、「LINE」とリンクした、親しみやすく利用しやすい“スマホ銀行”を提供することで、銀行をより身近な存在へと変化させ、利用者の皆様に寄り添い、日常的にご利用いただける新銀行の設立に向けて、準備を進めてまいります。
大企業・金融・公共法人カンパニー
国内の大企業法人・金融法人・公共法人の顧客セグメントを担当するカンパニーとして、お客さまの金融・非金融に関するニーズに対し、お客さまごとのオーダーメード型ソリューションを、グループ横断的に提供しております。
(今後の取り組み方針)
産業構造転換、サステナビリティへの社会的関心の一層の高まり、地政学的リスクの顕在化等により、お客さまを取り巻く環境は、急速に変化しています。そうした中、銀行・信託・証券に加え、みずほリサーチ&テクノロジーズ等も含めたグループの総力を結集し、単なる資金供与のみならず、より一層の業種・プロダクト知見を活かした提案等を実現することで、お客さまの持続的な発展に向けて、“最も頼りがいのあるホールセールバンク”ブランドを確立するとともに、価値共創パートナーとしての真価を発揮してまいります。
当社グループは、リース事業を、将来的に銀行・信託・証券・シンクタンク・アセットマネジメントに次ぐ、〈みずほ〉の新たな収益・機能の柱とすべく成長させることを展望しており、グループベースでの更なる連携拡大を図っていく観点から、当社は、みずほリース株式会社と資本業務提携契約を締結いたしました。本資本業務提携契約において、当社は、2022年3月31日に、株式会社みずほ銀行が保有する全てのみずほリース株式会社の普通株式を現物配当により取得し、みずほリース株式会社を当社が直接経営管理を行う主要グループ会社としております。
これに伴い、株式会社みずほ銀行は、みずほリース株式会社との資本業務提携を解消しております。
グローバルコーポレートカンパニー
海外進出日系企業及び非日系企業等の顧客セグメントを担当するカンパニーとして、お客さまの事業への深い理解と、貸出・社債引受等のコーポレートファイナンスやトランザクション分野での強みを活かし、様々なソリューションの提供を目指してまいります。
(今後の取り組み方針)
お客さまの事業変革をグローバルに支える戦略パートナーとして、アジア経済圏におけるネットワークや米国資本市場におけるプレゼンスを活かし、地域を超えたバリューチェーンの活性化に取り組みます。また、サステナビリティへの取り組みでは、金融面からお客さまのトランジションをサポートし社会的課題の解決に貢献していきます。経済的及び政治的に不確実性が高まる中、事業ポートフォリオの最適化とリスクマネジメントの強化を通じて、持続的成長を実現してまいります。
グローバルマーケッツカンパニー
お客さまのヘッジ・運用ニーズに対してマーケット商品全般を提供するセールス&トレーディング業務、資金調達やポートフォリオ運営等のALM・投資業務を担当しております。銀行・信託・証券連携により、アジアトップクラスのグローバルマーケットプレイヤーを目指してまいります。
(今後の取り組み方針)
セールス&トレーディング業務においては、各地域での銀・証実質一体運営の更なる深化により、お客さまへのソリューション提供力向上の継続、及びグローバルリスク集約などを通じたトレーディング力強化やDX推進により更なるプレゼンス向上に取り組んでまいります。
ALM・投資業務においては、金利上昇圧力の継続が想定される市場環境のなかで、予兆管理と緻密な市場分析による機動的なオペレーションを通じたリスクコントロールを継続いたします。また、金融政策の転換が進むなかで、グローバルALM運営を深化させ、安定的で効率的な外貨資金調達を通じて、グループ全体のビジネスに貢献してまいります。
加えて、セールス&トレーディング・投資・資金調達の各分野におけるサステナビリティ推進に取り組んでまいります。
アセットマネジメントカンパニー
アセットマネジメントに関連する業務を担当するカンパニーとして、銀行・信託・証券及びアセットマネジメントOne株式会社が一体となって、個人から機関投資家まで、幅広いお客さまの資産運用ニーズに応じた商品やサービスを提供しております。
(今後の取り組み方針)
お客さまの中長期志向の資産形成をサポートし、国内金融資産の活性化に貢献してまいります。その達成に向けて、「選択と集中」により運用力・ソリューション提供力を強化し、アセットマネジメント機能の付加価値を高め、変容するお客さまのニーズをグループ一体となって捕捉し対応してまいります。また、安定的な業務運営に加え、イノベーションや業務プロセスの改革等を通じて、効率性や先進性を追求し、中長期にわたるビジネス成長基盤を強化してまいります。加えて、非対面ビジネスへの対応等を通じ、更なる成長に向けて加速してまいります。さらに、投資先企業との建設的な「目的を持った対話」(エンゲージメント)や、ESG情報を投資プロセスに組み込んだ運用、商品提供により、お客さまの資産形成と社会・投資先企業の持続的成長に資する取り組みを推進してまいります。
グローバルプロダクツユニット
個人・法人・投資家等の幅広いセグメントのお客さまに向けた、投資銀行分野とトランザクション分野のソリューション提供業務を担当しております。M&Aや不動産、プロジェクトファイナンスから、国内外決済、資金管理、証券代行まで、各分野において高い専門性を発揮し、高度化・多様化するお客さまのニーズに応えることを目指してまいります。
(今後の取り組み方針)
気候変動対応をはじめとするサステナビリティへの社会的要請の高まりや各国の金融政策の転換等の環境変化を機敏に捉え、お客さまの事業構造転換や企業価値向上を最大限サポートしてまいります。
投資銀行分野においては、事業の再編や承継の加速、保有資産の見直し等、お客さまの経営戦略・成長戦略に応じて、グループ横断で最適なソリューションを提供してまいります。トランザクション分野においては、サプライチェーン・生産体制の見直し等の構造変化の動きに対し、アジアを中心に国内外各拠点間で緊密に連携し、お客さまの多様なニーズに柔軟に応えてまいります。また、安定的な決済基盤を維持しつつ、DXの進展を踏まえたビジネスの高度化等、様々な領域で、潮流変化を捉えた長期的視点からのソリューション提供に取り組んでまいります。
リサーチ&コンサルティングユニット
産業からマクロ経済まで深く分析するリサーチ機能と、経営戦略から環境・デジタル等の専門分野にわたるコンサルティング機能を担うユニットとして、各カンパニーと緊密に連携し、グループ一体となってお客さまや社会に対する価値創造の拡大を目指します。
(今後の取り組み方針)
経済・社会の不透明感の高まりや、サステナビリティ・DXの潮流加速等を受けて、リサーチ・コンサルティング領域における人材獲得競争の激化が見込まれる中、高い専門性を有する人材の確保に向けた取り組みを強化してまいります。また、グループ一体運営の更なる進化に加え、グループ外との連携等にも取り組み、お客さまや社会に対する価値創造を一層拡大してまいります。