有価証券報告書-第64期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/27 13:55
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におきましては、日本経済は海外経済の減速を主因に回復にやや陰りがみられました。期中の推移をみると、前年からの設備投資の増加、雇用の改善の動きは継続しましたが、年後半以降、米中貿易摩擦や新興国経済の減速を受けて、輸出や生産が弱含む展開となりました。
当業界におきましては、キャッシュレス決済推進の機運が一段と高まるなか、ECマーケットの拡大を背景にカード市場は安定した成長が続き、また、ペイメント市場においてはICカード型の電子マネーの普及に加え、積極的なプロモーションが展開されるコード決済が急速に台頭してまいりました。
このような中、当社グループは2016年度から2018年度までの3年間を対象とする中期経営計画の最終年度を迎え、「グループの融合により革新的金融サービスを提供し、リーンなオペレーションと卓越した生産性・効率性を実現する」という中長期ビジョンに基づき、「より高い収益体質を追求して、成長を加速」、「成長を支えるバックアップ体制の高度化」を基本骨子に据え、目標達成に向けた取り組みを加速するとともに、将来の成長を確かなものとするための事業基盤の整備に取り組んでまいりました。
2018年6月には本部組織の改正を行い、主たる事業会社である株式会社アプラス(以下、「アプラス」という。)ではそれまでの部門制を廃止し、組織をより細分化した本部制に移行いたしました。これにより、組織のフラット化と、現場に近い各本部への大幅な権限委譲を行い、迅速な情報共有と意思決定が行える体制といたしました。同時に、ペイメント事業開発部内に「収納商品企画室」、新事業戦略本部直下に「イノベーション推進室」を新設し、既存のペイメント事業を強化するとともに、フィンテックなどの研究をはじめ、ビジネスの新機軸や革新性を追求する体制を整えました。
2018年8月にはクレジットカードの基幹業務システムの開発が完了し、新システムへ移行いたしました。これにより、成長が続くクレジットカードビジネスにおいて、より強固なセキュリティ体制を備えた上で、お客さまの多様なニーズへの対応を可能とする業務基盤の高度化を実現いたしました。
2018年11月には高齢化社会におけるお客さまの豊かな生活づくりに貢献する商品として、アプラス「リバースモーゲージ型住宅ローン」の取り扱いを開始いたしました。
キャッシュレス決済の分野においては、「LINE Pay」、「PayPay」などの新たに始まったモバイル決済サービスの利用加盟店アクワイアリング業務を開始し、各モバイル決済サービスの契約と精算業務を取りまとめることで、利用加盟店が複数のモバイル決済サービスを円滑かつ同時に導入できるよう支援する体制を整えました。
働き甲斐のある職場作りに向けた取り組みといたしましては、2018年11月に就業規則を改定し、原則として全職員を対象に兼業・副業を可能といたしました。職員は、兼業・副業を通じ、当社グループで働きながら自己実現を図ることや、兼業・副業で得た知識やスキルを業務に活かしたキャリアアップを図ることが可能となりました。
資本政策につきましては、2018年6月22日付の「自己株式(優先株式)の取得および消却に関するお知らせ」にて公表しましたとおり、当社が発行するH種優先株式の一部について、2018年7月9日付で金銭を対価として取得(強制償還)し、同日付で消却いたしました。これは、当社グループの業績や自己資本の十分な積み上がりなどを踏まえて実施したもので、今後もこれらの状況を慎重に見極めたうえで、残存する優先株式の処理を柔軟に進めていく予定としております。
当連結会計年度における業績につきましては、ショッピングクレジット・カード・ペイメントの各事業の取扱高を順調に伸ばし、営業収益は76,555百万円(前連結会計年度比3.0%増)となりました。営業費用は、ペイメント事業にかかる原価性費用の増加やクレジットカードの新システム稼働に伴うシステム費用の増加のほか、貸倒引当金繰入額および利息返還損失引当金繰入額の増加などにより、73,767百万円(同8.0%増)となりました。この結果、営業利益は2,788百万円(同53.8%減)、経常利益は2,834百万円(同53.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,484百万円(同65.1%減)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
ショッピングクレジット
当セグメントにおきましては、同じ新生銀行グループの昭和リース株式会社との協業によるベンダーリースや個人向けオートリースの営業活動を強化いたしました。また、オートローン市場においては他社との厳しい競争に直面しましたが、オートローン以外の一般商品を推進したことにより、当セグメントの取扱高は大幅に増加いたしました。
当セグメントにおける営業収益は28,271百万円(前連結会計年度は26,239百万円)、セグメント利益は3,366百万円(同2,301百万円)となりました。
カード
当セグメントにおきましては、TSUTAYAフランチャイズ店との連携強化によるカードの新規発行強化や、その他提携先との新たな提携カードの発行などに取り組んでまいりました。2018年11月にはベビー・子供服製造小売業等を展開する株式会社ファミリアとの提携により、クレジット機能付きTカード「ファミリアTカードMastercard」の発行を開始いたしました。また、アプラスカードの会員様向けのサービスとして、ご利用金額に応じて優待特典などが受けられる「アプラスサンクスプログラム」の展開や、アプラスカード会員様向けスマートフォン用無料公式アプリ「アプラスカードアプリ」の利用促進を図ってまいりました。「アプラスカードアプリ」の累計ダウンロード数はリリースから約1年で20万ダウンロードを突破いたしました。
当セグメントにおける営業収益は23,414百万円(前連結会計年度は22,113百万円)、セグメント利益は501百万円(同271百万円)となりました。
ローン
当セグメントにおきましては、個人のお客さまが住宅を購入する際に必要な諸費用等を融資するローン商品や投資用マンションローン等の住関連商品について、厳格な与信運営の徹底を図り、良質債権の積上げに努めてまいりました。また、高齢化社会におけるお客さまの豊かな生活づくりに貢献する商品として、2018年11月よりアプラス「リバースモーゲージ型住宅ローン」の取り扱いを開始いたしました。これは、60歳以上のお客さまを対象に、ご自宅を担保に住宅ローンの借換え資金やリフォーム資金を提供する融資商品で、お客さまは毎月の返済負担を抑えつつ、一生涯(終身)にわたってご融資を受けることができるものです。
当セグメントにおける営業収益は8,485百万円(前連結会計年度は8,631百万円)、セグメント利益は2,591百万円(同2,367百万円)となりました。
ペイメント
当セグメントにおきましては、中国発のモバイル決済サービス「Alipay」、「WeChat Pay」の国内利用店舗網の拡大に加え、「LINE Pay」、「PayPay」などの新たに始まったモバイル決済サービスの利用加盟店アクワイアリング業務を開始し、各モバイル決済サービスの契約と精算業務を取りまとめることで、利用加盟店が複数のモバイル決済サービスを円滑かつ同時に導入できるよう支援する体制を整えました。また、コンビニ決済サービスの分野で提携する株式会社ネットプロテクションズとは、新たに「LINE Pay 請求書払い」を導入し、これまでのコンビニ店頭での払込に加え、「LINE」アプリを利用してスマートフォンで簡単に払込が完了するサービスを開始いたしました。
プリペイドカードの分野におきましては、新生銀行総合口座から引き落としによりチャージされる「海外プリペイドカード GAICA(Flex機能付き)」の機能強化による利便性向上や、2018年8月に旅行会社大手の株式会社JTBが運営する「海外専用プリペイドカード MoneyT Global」を事業承継するなど、事業強化に取り組んでまいりました。
当セグメントにおける営業収益は11,860百万円(前連結会計年度は10,502百万円)、セグメント利益は2,110百万円(同2,246百万円)となりました。
その他子会社
当社子会社である全日信販株式会社につきましては、アプラスに吸収合併する方向性となっており、カードの新規募集は2015年度に停止し、ショッピングクレジットの新規申込受付につきましても2017年度よりアプラスへ集約いたしました。
当セグメントにおける営業収益は3,685百万円(前連結会計年度は6,008百万円)、セグメント利益は1,135百万円(同2,589百万円)となりました。
なお、上記セグメント別の業績には、記載のセグメントには含まれない事業セグメントおよび調整額が含まれておりません。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ134,141百万円増加し、264,105百万円となりました。
営業活動の結果減少した資金は、9,775百万円(前連結会計年度は33,371百万円の減少)となりました。これは主として、売上債権の増加によるものであります。
投資活動の結果減少した資金は、10,027百万円(前連結会計年度は10,095百万円の減少)となりました。これは主として、無形固定資産の取得によるものであります。
財務活動の結果増加した資金は、153,944百万円(前連結会計年度は54,917百万円の増加)となりました。これは主として、借入金等の増加によるものであります。
③営業実績
ア. セグメント別営業収益
セグメントの名称金額(百万円)前連結会計年度比(%)
ショッピングクレジット28,271107.7
カード23,414105.9
ローン8,48598.3
ペイメント11,860112.9
その他子会社3,68561.3
報告セグメント計75,715103.0
その他84795.7
合計76,562102.9

(注)1.金額は、セグメント間の内部消去前の数値によっております。
2.セグメント別営業収益には、消費税等は含まれておりません。
イ. セグメント別取扱高
セグメントの名称金額(百万円)前連結会計年度比(%)
ショッピングクレジット377,932113.9
カード646,407104.2
ローン48,17153.3
ペイメント1,614,766109.4
その他子会社13,92555.0
報告セグメント計2,701,203106.2
その他--
合計2,701,203106.2

(注)1.セグメント別取扱高の範囲は、主として次のとおりであります。
アドオン方式の場合は、クレジット対象額または保証元本に手数料を加算した金額であります。リボルビング方式および残債方式の場合は、クレジット対象額、融資額または保証元本であります。ペイメントは、集金代行金額等であります。
2.金額は、セグメント間の内部消去後の数値によっております。
ウ. 融資における業種別貸出状況
前連結会計年度
(2018年3月31日)
当連結会計年度
(2019年3月31日)
業種貸出金残高
(百万円)
構成比
(%)
貸出件数
(件)
貸出金残高
(百万円)
構成比
(%)
貸出件数
(件)
卸売、小売・飲食店90.0320.03
不動産業7580.3495450.232
サービス業1360.0360.02
個人262,67099.7346,232278,42699.8312,992
合計263,574100.0346,287278,980100.0313,029

エ. 融資における担保別貸出状況
前連結会計年度
(2018年3月31日)
当連結会計年度
(2019年3月31日)
担保の種類貸出金残高(百万円)貸出金残高(百万円)
不動産140,141154,668
信用123,432124,311
合計263,574278,980

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの当連結会計年度における経営成績等は、ショッピングクレジット・カード・ペイメントの各事業の取扱高が順調に伸び、営業収益は前連結会計年度に続き増収となりました。一方、長期延滞債権にかかる貸倒引当金や利息返還損失引当金を積み増したこと、クレジットカードの新システム稼働に伴う費用が増加したことなどにより、営業費用は想定を上回り、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度を下回る結果となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としましては、貸倒引当金繰入額の増加や利息返還損失引当金の積み増し、クレジットカードの新システム稼働に伴う費用の増加などが挙げられます。
貸倒引当金につきましては、営業債権の増加等による繰入額の増加に加え、当連結会計年度末において長期延滞債権にかかる貸倒引当金を積み増したことにより、貸倒引当金繰入額は増加いたしました。今後も営業債権の増加は見込まれるものの、厳格な与信運営と回収体制の強化により良質な債権内容を維持し、貸倒引当金繰入額の増加を抑制してまいります。
利息返還損失引当金につきましては、足元の利息返還請求等の状況を踏まえた見通しの見直しにより、当連結会計年度末において利息返還損失引当金を積み増しいたしました。利息返還請求の動向につきましては、足元で落ち着く兆しは見えるものの、引き続きその動向には注意を払い、状況に変化があれば十分な引当金を確保することとしております。
クレジットカードにかかる新システムにつきましては、2018年8月に開発が完了したことに伴い、減価償却費等のシステム関連費用が増加いたしました。当該システム開発にかかるコストは15,869百万円と当初想定を上回る水準となり、今後も相応の償却負担が見込まれますが、システム開発が一段落し、業務基盤の整備が進展したことから、コストのコントロール性は高まったものと認識しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析は「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループの資金調達は、金融機関からの短期借入、長期借入のほか、社債、短期社債、債権流動化などを活用し、調達手段を多様化しております。運転資金や短期の営業債権に対応する調達は、短期借入や短期社債を利用して機動的に運営する一方、長期の営業債権に対応する調達は、長期借入や債権流動化などを利用することで安定的な資金運営に努めております。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
ショッピングクレジット事業につきましては、オートローン以外の一般商品の推進や、同じ新生銀行グループの昭和リース株式会社との協業により推進するリース商品等の積極的な営業活動により、取扱高を順調に伸ばし、営業収益は増加いたしました。この結果、貸倒引当金繰入額等の営業費用の増加を吸収し、セグメント利益は増加いたしました。
カード事業につきましては、市場規模の拡大を背景に取扱高を順調に伸ばすとともに、リボ残高の積上げなどにより営業収益は増加いたしました。この結果、クレジットカードの新システム稼働に伴うシステム関連費用等の増加を吸収し、セグメント利益は増加いたしました。
ローン事業につきましては、これまで残高を伸ばしてきた投資用マンションローンについては、厳格な与信運営や販売事業者の管理強化などのリスクコントロールを徹底したことにより取扱高が減少し、営業収益は減少いたしました。一方、取扱高減少に伴い、当セグメントにかかる営業費用も減少したことから、セグメント利益は増加いたしました。
ペイメント事業につきましては、ECマーケットの拡大やキャッシュレス決済の浸透により、収納代行やコンビニ決済等の既存ビジネスが順調に拡大するとともに、成長著しいコード決済の分野においても、取扱可能なモバイル決済サービスを拡充し、営業収益は増加いたしました。当セグメントにかかる営業費用は、多様な決済手段に対応するためのコストが増加し、セグメント利益は減少いたしました。
その他子会社につきましては、当社グループ全体の営業力強化や業務効率の改善を図るため、全日信販株式会社を株式会社アプラスに吸収合併する方向性となっており、主要業務は株式会社アプラスへ移管しております。これにより、当セグメントにかかる営業収益・セグメント利益はともに減少しております。

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