有価証券報告書-第24期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/28 12:47
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【項目】
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業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日)における我が国の経済は、上期は、政府・日銀主導のデフレ脱却を目指した金融・財政政策等の実施により、大企業を中心に企業業績の回復や雇用情勢の改善などに加え、円安等の効果もあり、緩やかながら景気の回復基調が続きました。下期に入り、中国経済の失速や急激な原油安等に見られる世界経済の減速懸念もあり、年明け以降の円高・株安による企業の景況感や消費者マインドの低下から力強さを欠く状況が続く見込みで、日銀によるマイナス金利政策も十分な成果を上げられずにいます。
当社グループの事業領域の柱の一つである金融・不動産市況では、金融市場においては、企業の底堅い収益環境や雇用所得環境の改善傾向も持続しているなか、中国をはじめとする海外経済の根強い減速懸念等から、景気の回復ペースは緩やかなものにとどまっており、日銀の物価目標の実現に向けたマイナス金利の拡大や成長基盤強化支援融資の拡充等の追加金融緩和が期待されております。
国内不動産市場においては、良好な資金調達環境を背景に、依然、大都市圏を中心に買い意欲旺盛な状況が続いておりますが、需要に対する供給不足から、売買取引における高止まりでの停滞感が出てきております。
また、海外においては、米国の利上げに伴う新興国におけるドル建て債務の負担増や資本流出による景気減速懸念、資源価格の下落に伴うブラジル、ロシア等の資源国経済の悪化、欧州においても、英国のEU離脱懸念や南欧諸国を中心に根強く残る過剰債務の調整圧力等、世界経済においての懸念材料が顕在化してくる恐れがあり、特に、近年世界経済を牽引してきた中国経済の失速による影響と中国政府の金融・財政の両面での支援策強化による今後の動向を見極める等、常に世界情勢を注視していく必要があります。
このような市場環境の下、当社グループは、業績回復及び向上のために、上場以来の中核事業である不動産を中心に、投資対象を事業及び事業会社・工業技術等にも分散し、より安定した経営基盤が構築できるように、投資及び投資マネジメントという枠組みのなかで事業のリストラクチャリング(再構築)を進め、事業及び事業会社への投資、当該投資先等との業務提携による販売に係るビジネスマッチング及び流動化スキームを使ったフィナンシャルアドバイザリー事業等の取組を行って参りました。
特に、一昨年から株式会社ナノクスと海外における独占販売権契約を締結し、主に海外へ向けた販売事業の取組を開始し、当社グループの業績回復・向上に向けた起爆剤にすべく努力して参りましたが、残念ながら、海外における当社グループとしての販売体制の構築ができずに、結果として当該事業からの撤退を余儀なくされました。
また、不動産事業においても、不動産売買を成約するに至らず、ファンド組成の取組も実現しなかったことでアレンジメントフィー収入も得ることができませんでした。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は357百万円(前年同期比5.3%減)、営業損失は94百万円(前年同期は136百万円の営業損失)、経常損失は157百万円(前年同期は225百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は193百万円(前年同期は265百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
(投資事業)
投資事業につきましては、当社保有の不動産からの賃料収入、ゴルフ場売上等の結果により、投資事業の売上高は355百万円(前年同期比3.7%減)、セグメント損失(営業損失)は101百万円(前年同期は141百万円のセグメント損失(営業損失))となりました。
(アセットマネージメント事業)
アセットマネージメント事業につきましては、アセットマネジメント業務報酬、ファンドからの管理フィー等を計上したこと等の結果により、アセットマネージメント事業の売上高は1百万円(前年同期比10.2%減)、セグメント利益(営業利益)は1百万円(前年同期比9.0%減)となりました。
(その他の事業)
その他の事業につきましては、媒介報酬、アドバイザリー業務報酬等の結果により、その他の事業の売上高は0百万円(前年同期比86.9%減)、セグメント利益(営業利益)は0百万円(前年同期比64.0%減)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ16百万円減少し、77百万円となりました。その主な増減は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度での営業活動により獲得した資金は、26百万円(前連結会計年度は195百万円の支出。)となりました。その主な要因は、税金等調整前当期純損失が174百万円、固定資産売却益が98百万円となった一方、減損損失110百万円、減価償却費43百万円、未払消費税等の増加額が99百万円、貸倒引当金の増加額が25百万円、その他による収入が19百万円となったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度での投資活動により獲得した資金は、1,896百万円(前連結会計年度は106百万円の支出。)となりました。その主な要因は、有価証券の取得による支出が45百万円となった一方、投資不動産の売却による収入が1,839百万円、短期貸付金の純増加額が60百万円、投資有価証券の払戻による収入が39百万円となったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度での財務活動により支出した資金は、1,939百万円(前連結会計年度は195百万円の獲得。)となりました。その主な要因は、長期借入金の返済による支出が1,265百万円、短期借入金の純減少額が621百万円、非支配株主への清算配当金の支払額が45百万円となったこと等によるものであります。