有価証券報告書-第110期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

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2014/06/26 17:15
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75項目

有報資料

(1) 経営成績
当期の経営成績の分析
「第2[事業の状況]1[業績等の概要]」をご参照ください。
なお、「第2[事業の状況]2[対処すべき課題]および3[事業等のリスク]」をあわせてご参照ください。
(2) 重要な会計方針および見積もり
財務諸表作成上の見積もり
連結財務諸表の作成に際し、経営者は、特定の金融商品と投資の評価、訴訟の結果、税金の見積もり、のれんの帳簿価額の回収可能性、貸付金に対する貸倒引当金、繰延税金資産の回収可能性および資産負債の報告数値ならびに財務諸表の開示内容に影響を与えるその他の事項について見積もりを行っております。これらの見積もりは、その性質上、判断および入手し得る情報に基づいて行われることになります。したがいまして、実際の結果がこれらの見積もり額と異なることがあり、結果として連結財務諸表に重要な影響を与える場合や、近い将来調整が生じる可能性があります。
金融商品の公正価値
野村の金融商品の大部分は経常的に公正価値で計上され、公正価値の変動は損益もしくはその他の包括利益に計上されます。公正価値評価は米国会計原則により明確に適用が要求される場合と、野村が公正価値オプションを選択できる対象に選択して適用する場合があります。
その他の一義的な評価基準が公正価値に基づかない金融資産や負債は非経常的に公正価値評価されます。その場合、公正価値は当初認識以降の減損の測定など限定的な状況で使用されます。
編纂書820「公正価値評価と開示」に基づき、公正価値で測定された全ての金融商品はその測定に使用された基礎データの透明度によって三段階のレベルに分類されます。
レベル1
測定日現在の、野村が取引可能な活発な市場における同一の金融商品の未調整の取引価格。
レベル2
活発でない市場における取引価格、または直接・間接を問わず観察可能な他のデータで調整された取引価格。観察可能なデータを使用する評価方法は、金融商品の価格付けに市場参加者により使用される仮定を反映しており、測定日において独立した市場ソースから入手したデータに基づいております。
レベル3
金融商品の公正価値測定に有意な観察不能なデータ。観察不能なデータを用いた評価方法は、類似する金融商品を他の市場参加者が評価する際に使用するであろうと当社が仮定する見積もり、および測定日における利用可能な最善の情報に基づいております。
市場で観察可能なデータの利用可能性は、商品によって異なり、種々の要素の影響を受ける可能性があります。以下に限りませんが、有意な要素には、特に商品がカスタマイズされたものである場合には市場における類似する商品の普及度、例えば新商品であるかまたは比較的成熟しているかどうかというような市場での商品の様態、現在のデータが取得できる頻度および量などの市場から得られる情報の信頼性などが含まれます。市場が著しく変動している期間は、利用可能な観察可能なデータが減少する場合があります。そのような環境の下では、金融商品は公正価値評価の階層の下位レベルに再分類される可能性があります。
金融商品の分類を決定するのに用いる重要な判断には、商品が取引される市場の性質や商品が内包するリスク、市場データの種類と流動性、および類似する商品で観察された取引の性質が含まれます。
評価モデルに市場においてあまり観察可能でないデータあるいは観察不能なデータを使用する場合には、公正価値の決定過程には当社の重要な判断が含まれます。そのためレベル3の金融商品の評価は、レベル1やレベル2の金融商品の評価に比べてより多くの判断が含まれます。
市場が活発であるかどうかを当社が判断するための重要な基準には、取引数、市場参加者による価格決定の頻度、市場参加者間で取引される価格の多様性、および公表された情報の量などが用いられております。
毎期経常的に公正価値評価される資産のうち、デリバティブを除いた資産の合計に対するレベル3に分類された資産の比率は、2014年3月31日現在で2%となりました。
(単位:十億円)
2014年3月31日
レベル1レベル2レベル3取引相手
および
現金担保との相殺
合計レベル3
比率
公正価値評価資産
(除くデリバティブ)
10,2788,67038619,3342%
デリバティブ資産76525,061243△ 23,7642,305
デリバティブ負債84125,018261△ 24,0302,090

詳細につきましては「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1) [連結財務諸表][連結財務諸表注記]2 公正価値測定」をご参照ください。
プライベート・エクイティ事業
「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][連結財務諸表注記]1 会計処理の原則および会計方針の要旨:プライベート・エクイティ事業 および 4 プライベート・エクイティ事業」をご参照ください。
デリバティブ取引
野村は、トレーディング目的およびトレーディング以外の目的のため、先物取引、先渡取引、スワップ、オプション取引を含むさまざまなデリバティブ取引を行っています。全てのデリバティブは公正価値で評価され、公正価値の変動はデリバティブの使用目的に応じて、連結損益計算書あるいは連結包括利益計算書で認識されます。
法的に拘束力のあるマスター・ネッティング契約を交わしたデリバティブの公正価値は、野村の連結貸借対照表では相殺して表示しております。加えて、現金担保の請求権または現金担保の返還義務はそれぞれ、相殺されたデリバティブ負債またはデリバティブ資産と相殺されております。
デリバティブ取引は、上場デリバティブおよび店頭デリバティブで構成されております。上場デリバティブの公正価値は、通常取引所価格によって決定されます。店頭デリバティブは、評価モデルを使用して価格評価がなされます。相殺後の上場デリバティブおよび店頭デリバティブの資産および負債は次のとおりであります。
2013年3月31日
(十億円)
資産負債
上場デリバティブ443559
店頭デリバティブ1,4481,326
合計1,8911,885

2014年3月31日
(十億円)
資産負債
上場デリバティブ458535
店頭デリバティブ1,8471,555
合計2,3052,090


2014年3月31日現在における、契約上の残存満期年限ごとに分類した店頭デリバティブ資産および負債の公正価値は次のとおりであります。
2014年3月31日
(十億円)
満期年限異なる
満期間の
相殺(1)
公正価値の合計
1年以内1~3年3~5年5~7年7年超
店頭デリバティブ―資産8649821,2259502,474△ 4,6481,847
店頭デリバティブ―負債9328839991,0032,164△ 4,4261,555

(1) 同じ取引相手先において、異なる満期間の公正価値を相殺する場合の相殺の金額を表示しております。同じ満期間の相殺はその年限内にて相殺しております。また、同じ取引相手先との現金担保の相殺を含んでおります。
デリバティブ取引の公正価値にはクレジットリスクに対する調整を含んでおり、これにはデリバティブ資産へのカウンターパーティークレジットリスクとデリバティブ負債への自社クレジットが含まれます。野村はポジションのクレジットリスクを軽減する目的でデリバティブ取引を行っており、この様なポジションとデリバティブのクレジットリスクの変動に関する損益を一体として認識しております。
のれん
企業結合の完了時に買収価額と純資産の公正価値との差額がのれんとして認識されます。当初認識以降、のれんは償却されず、減損の判定がレポーティング・ユニットのレベルで毎年第4四半期、あるいは減損の兆候の可能性を示す事象がある場合にはそれ以上の頻度で行われます。野村のレポーティング・ユニットはビジネスセグメントのひとつ下のレベルになります。
野村は、それぞれのレポーティング・ユニットにつき、まず定性的に事象を検証し、レポーティング・ユニットの公正価値が簿価を下回っている可能性が高い(50%超)かどうかを判断します。もし公正価値が簿価を下回っていないという判断の場合には、それ以上の分析は必要とされません。もし公正価値が簿価を下回る可能性が高い場合には定量的な2段階のテストを行います。
まず第1段階ではのれんを含めたレポーティング・ユニットの簿価を現時点での見積公正価値と比較します。ここでもし公正価値が簿価を下回る場合には、第2段階に進みます。第2段階では、レポーティング・ユニットののれんの暗示的な現時点での公正価値を、あたかもレポーティング・ユニットを企業結合により買収したかのように、レポーティング・ユニットの純資産の公正価値とレポーティング・ユニットの公正価値を比較して決定します。のれんの簿価が暗示的な現時点での公正価値を上回る場合、減損損失が認識されます。
2014年3月期にホールセール部門に帰属するのれんの減損2,840百万円を連結損益計算書上、金融費用以外の費用―その他に計上いたしました。これは、経済環境の変化から想定したキャッシュフローを獲得できなくなり、公正価値の減少が起こったレポーティングユニットが生じたことによるものです。なお、公正価値は割引現在価値法(Discounted Cash Flow)により決定されています。
一定の金融商品および取引先に対するエクスポージャー
市場環境は、野村が一定のエクスポージャーを有する証券化商品やレバレッジド・ファイナンスを含め、様々な金融商品に影響を与え続けています。また、野村は通常の業務においても、特別目的事業体などの取引先に対し、一定のエクスポージャーを有しております。
証券化商品
野村の証券化商品に対するエクスポージャーには、商業用不動産ローン担保証券(CMBS)、住宅不動産ローン担保証券(RMBS)、商業用不動産担保証券、その他証券化商品が含まれます。野村は、証券化ビジネス、ファイナンス、トレーディング、その他の業務に関連して、このような証券化商品を保有しています。次の表は、2014年3月31日現在における野村の証券化商品に対する原資産の地域別のエクスポージャーを表しています。
(単位:百万円)
日本欧州米州アジア・
オセアニア
合計(1)
CMBS(2)2,93819,96381,568104,469
RMBS(3)21,77750,405321,427393,609
その他証券化商品(4)225,04218,000158,0323,048404,122
合計249,75788,368561,0273,048902,200

(1) 野村が行った金融資産の譲渡のうち、CMBS 21,861百万円については、編纂書860「譲渡ならびにサービシング」(以下「編纂書860」)により、会計上は売却ではなく担保付金融取引として取り扱われ、第三者に受益持分を売却済であることから、野村が継続的に経済的なエクスポージャーを有していないため、金額には含まれておりません。
(2) 2014年3月31日現在、米国におけるCMBS関連ビジネスのエクスポージャーは、ホールローン(コミットメント含む)の9,933百万円です。
(3) 米州のRMBSからは、信用リスクが軽微であると考えられるため、パス・スルー証券および米国政府保証が付されたCMO(Collateralized Mortgage Obligations)1,830,474百万円の残高を除外しております。
(4) その他証券化商品には、CLO(Collateralized Loan Obligations)、CDO(Collateralized Debt
Obligations)、ABS(Asset-Backed Securities)(クレジットカード・ローン、自動車ローン、学生ローン、ホームエクイティ・ローン等)を含みます。
次の表は、2014年3月31日現在における野村のCMBSに対する外部格付別および原資産の地域別のエクスポージャーを表しています。格付は、2014年3月31日現在のStandard & Poor's 、Moody's Investors Service、Fitch Ratings Ltd.、 株式会社日本格付研究所、株式会社格付投資情報センターによる格付のうち、最も低い格付を使用しております。
(単位:百万円)
AAAAAABBBBBB以下無格付合計
日本7327091,4972,938
欧州2,6751,3788704,1943,6895,9791,17819,963
米州17,6347287,91823,3669,02021,4761,42681,568
合計20,3092,1069,52027,56013,41828,9522,604104,469


レバレッジド・ファイナンス
野村は、顧客にレバレッジド・バイアウト、レバレッジド・バイインにかかる貸付金を提供しています。通常このような資金提供はコミットメントを通じて行われることが多く、野村は実行済および未実行コミットメントの双方においてエクスポージャーを有しております。次の表は、2014年3月31日現在における野村のレバレッジ・ファイナンスのエクスポージャーを対象企業の地域別に表しております。
(単位:百万円)
実行済残高未実行
コミットメント残高
合計
ヨーロッパ32,78715,87448,661
アメリカ51,55790,880142,437
合計84,344106,754191,098

特別目的事業体
野村が行う特別目的事業体との関与は、これらの事業体を組成すること、またマーケットの状況に応じて、これらの事業体が発行する負債証券および受益権を引受け、売出し、販売することが含まれております。また野村は通常の証券化およびエクイティデリバティブ業務の中で、これらの事業体に対する金融資産の譲渡、これらの事業体が発行したリパッケージ金融商品の引受け、売出し、販売を行っております。さらに野村は、マーケットメーク業務、投資業務、組成業務に関連し、特別目的事業体にかかる変動持分の保有、購入、販売を行っております。特別目的事業体とのそのほかの関与には、債務保証やデリバティブ契約などが含まれます。
変動持分事業体への関与に関するより詳しい説明は、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表] [連結財務諸表注記]8 証券化および変動持分事業体」をご参照ください。
新しい会計基準の公表
「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][連結財務諸表注記]1 会計処理の原則および会計方針の要旨:会計方針の変更および新しい会計基準の公表」をご参照ください。
(3) 繰延税金資産の状況
1) 繰延税金資産・負債の主な発生原因
2014年3月31日現在、連結貸借対照表上、その他の資産―その他として記載されている繰延税金資産、およびその他の負債として記載されている繰延税金負債の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
2014年3月31日
繰延税金資産
減価償却、その他の償却、および固定資産の評価12,604
子会社・関連会社株式投資54,678
金融商品の評価差額46,321
未払退職・年金費用7,850
未払費用および引当金102,922
繰越欠損金437,899
その他3,991
繰延税金資産小計666,265
控除:評価性引当金△ 490,603
繰延税金資産合計175,662
繰延税金負債
子会社・関連会社株式投資107,020
金融商品の評価差額54,524
海外子会社の未分配所得736
固定資産の評価21,204
その他4,899
繰延税金負債合計188,383
繰延税金資産(負債)の純額△ 12,721

2) 繰延税金資産の算入根拠
繰延税金資産は、米国会計基準に基づき、将来において実現すると予想される範囲内で認識しており、将来において実現が見込まれない場合には評価性引当金を計上しております。なお、将来の課税所得の見積期間は納税単位ごとに個別に判断し、適正な期間見積もっております。
3) 過去5年間の課税所得および見積もりの前提とした税引前当期純利益、調整前課税所得の見込額
上記1)に記載されている繰延税金資産のうち、当社およびその子会社である野村證券株式会社(以下「野村證券」)の残高(純額)はそれぞれ17,791百万円、42,102百万円となっており、野村の連結財務諸表における繰延税金資産残高(純額)の大部分を占めております。
また、当社は日本にて連結納税制度を採用しており、野村證券も当制度に含まれております。そのため、以下の記載ではこれら両社が含まれる連結納税グループの合算数値を記載しております。
過去5年間の課税所得(繰越欠損金使用前の各年度の実績値)
(単位:百万円)
2008年度2009年度2010年度2011年度2012年度
日本の連結納税
グループ合算値
△ 63,244△ 57,66247,02054,192148,907

(注)法人確定申告書上の繰越欠損金控除前の課税所得であり、その後の変動は反映しておりません。
見積もりの前提とした税引前当期純利益、調整前課税所得の見込額
日本の連結納税グループについては、5年を課税所得見積もり期間とし、見込み税引前当期純利益合計および見込み調整前課税所得合計はそれぞれ、740,000百万円、648,938百万円となっております。
(4) リスクについての定量・定性的開示
リスク・マネジメント
野村の事業活動は、市場リスク、信用リスク、オペレーショナル・リスク、その他外生的事象に起因するリスクなどの様々なリスクに晒されております。野村では、財務の健全性を確保し、企業価値を維持・向上するために、これらのリスクを総合的にコントロールし、モニタリングし、報告するためのリスク管理体制を構築しております。
グローバル・リスク管理体制
リスク管理
野村では、市場リスク、信用リスク、オペレーショナル・リスク、モデル・リスクなど業務運営によって生じる不測の損失により当グループの資本が毀損する可能性、自社の信用力の低下または市場環境の悪化により円滑な資金調達ができなくなるという資金流動性リスク、および収益環境の悪化または業務運営の効率性もしくは有効性の低下により収益がコストをカバーできなくなるというビジネス・リスクをリスクとして定義しております。
その上で、野村では全社員が自らリスク管理を行う主体であると認識し、リスクに適切に対処することを基本理念としております。野村では、組織内の全階層において積極的なリスク管理がなされるよう推進し、かつ、リスクをリスク・アピタイトの範囲内に抑制するよう努めております。野村のリスク管理の枠組みはリスク・アピタイト、リスク管理のガバナンスおよび監督、財務的経営資源の管理、全てのリスク・カテゴリーの管理、及びリスクの計測及び管理プロセスで構成されています。これら主要な項目については次に詳述いたします。
リスク・アピタイト
野村のリスク・アピタイトは、事業目標を達成するために許容するリスクの種類およびリスク量を定めるものです。リスク・マネジメント部門およびファイナンス部門は、共同してリスク・アピタイトの提案を行い、統合リスク管理会議の承認を以って決定されます。リスク・アピタイトは定量的項目及び定性的項目で構成され、リスク・カテゴリー全般にわたるリスクの全体像を表します。またリスク・アピタイトの各項目の主管部署は、定期的にモニタリングを行い、違反が発生することがないよう、適切に管理を行う必要があります。
野村のリスク・アピタイトについては、統合リスク管理会議において年一回見直しがなされています。見直しは必要に応じて臨時で実施し、当社戦略に重大な変更があった場合には必ず見直しを行うことになっております。リスク・アピタイトは、野村のリスク管理体制の基礎をなすものです。
リスク管理の組織体制
野村では、効果的な事業運営とリスク管理のための会議体が設置されています。リスク管理体制は以下のとおりです。


取締役会
取締役会は、野村の業務執行方針、その他法令に定められた事項について決定し、取締役及び執行役員の職務執行状況を監督します。また取締役会は、経営会議規則の採用、変更または廃止について決定する権限を有しております。
経営会議
経営資源の有効活用と業務執行の意思統一を図ることにより、野村における経営戦略及び経営資源の配分ならびに経営にかかる重要事項を審議し、株主価値の増大に努めます。またリスク管理に関する審議事項の決定権限を統合リスク管理会議に委譲します。経営会議の主要な役割は以下のとおりです。
・ 経営資源の配賦 - 各年度の開始にあたり、経営会議は経済資本や無担保調達資金等の各種経営資源の配賦や経営資源のリミットの設定を行います。
・ 事業計画 - 各年度の開始にあたり、経営会議は野村の事業計画や予算を承認します。また、期中における、重要な新規ビジネス、事業計画の変更、予算や経営資源の配賦を承認します。
・ レポーティング - 経営会議は経営会議の内容等を取締役会へ報告します。
統合リスク管理会議
業務の健全かつ円滑な運営に資することを目的として、経営会議の委任を受け、野村の統合リスク管理にかかる重要事項を審議、決定します。統合リスク管理会議は、野村のリスク・アピタイトを設定し、それに整合した統合リスク管理の枠組みの整備を行います。また、リスク管理の枠組みを整備することを通じて野村のリスク管理を監督します。リスク管理に関する重要な事項その他議長が必要と認める事項について、取締役会及び経営会議に報告します。
加えて、統合リスク管理会議は、経営会議の委譲を受け、リスク管理規程を策定し、リスク管理の基本方針を含むグループ全体のリスク管理の枠組みについて定めております。
リスク審査委員会
統合リスク管理会議の委任を受けたリスク審査委員会は、統合リスク管理会議が定める野村の戦略的なリスク配分、リスク・アピタイトに基づいて、野村の市場リスク、信用リスク、レピュテーショナル・リスクに係る重要事案を審議・決定し、業務の健全かつ円滑な運営に努めております。審議内容や議長が必要と認める事項について、統合リスク管理会議に報告します。
アセット・ライアビリティ・コミッティー
アセット・ライアビリティ・コミッティーは、統合リスク管理会議の委任を受け、統合リスク管理会議が定める野村のリスク・アピタイトに基づきバランス・シート管理体制、財務的経営資源の配賦、流動性管理などを審議します。審議内容や議長が必要と認める事項について、統合リスク管理会議に報告します。
グローバル・リスク分析委員会及びモデル・リスク分析委員会
グローバル・リスク分析委員会およびモデル・リスク分析委員会は、リスク審査委員会の委任を受け、野村におけるリスク・モデル及び評価モデルの開発、管理及び方針に関する重要事項の審議・決定をします。両委員会は、新規モデルや既存モデルの大幅な変更の承認など、リスク・モデルの管理における統制および監督について責任を有します。重要事項の審議や決定について、定期的にリスク審査委員会に報告します。
リスク審査委員会トランザクション・コミッティー
リスク審査委員会トランザクション・コミッティーは、リスク審査委員会の委任を受け、野村における健全かつ円滑な業務運営を目的として、リスク・アピタイトの範囲内で個別取引の審議・承認を行います。
担保運営管理委員会
担保運営管理委員会は、リスク審査委員会の委任を受け、担保集中、流動性、担保再利用、リミットおよびストレス・テストを通じた担保リスク管理について審議または決定を行います。また野村の担保戦略の方向性を示し、担保の規制要件を確実に遵守します。
チーフ・リスク・オフィサー
チーフ・リスク・オフィサー(CRO)は、リスク・マネジメント部門における全般的な戦略および方針を構築する責任を有します。また、野村のリスク・マネジメント部門を統括し、収益責任を負う部門等から独立した立場で、リスク管理の枠組みの有効性を維持する責任を負います。また、リスク管理の状況について、定期的に統合リスク管理会議へ報告するほか、リスク管理上必要な対応策の実施について統合リスク管理会議への付議または報告を行います。
財務統括責任者
財務統括責任者(CFO)は、野村全体の財務戦略を統括します。また、経営会議の委任を受け、流動性管理について執行権限および責務を有します。
リスク・マネジメント部門
リスク・マネジメント部門は、収益責任を負う部門等から独立して設置された、リスク管理を担当する部署または組織で構成されております。リスク・マネジメント部門は、リスク管理にかかるプロセスの構築と運用、方針及び規程類の整備と周知、手法の有効性の検証に責任を負うほか、グループ各社からの報告の受領や、担当役員および統合リスク管理会議等への報告や、行政当局への報告およびリスク管理手法等の承認申請も必要に応じて行います。リスク管理に関する重要な事項はリスク・マネジメント部門がCROと緊密に連携します。CROやDeputy CROは、定期的に経営会議や統合リスク管理会議にリスクに関する事項を報告します。
リスク・ポリシー管理の枠組み
ガバナンス上必要不可欠なツールであるリスク・マネジメント部門の規程や実施手続きには、野村のリスク管理を円滑に行うための基本方針、規則、基準や特定のプロセスが定義されております。リスク・マネジメント部門は、リスク管理に関する規程及び実施手続きを策定するための共通の枠組みとして基本原則、プロセスおよび手続きを明確に規定したリスク・ポリシー管理の枠組みを定めております。リスク管理に関する規程および実施手続はすべて当該枠組みに準拠し、適用除外事項については所定の手続に従うものとします。
モニタリング、報告及びデータ管理
リスクに関する経営情報(以下、「マネジメント・インフォメーション」という。)の算出と集計、報告およびモニタリングは、適切なリスク管理体制に不可欠です。マネジメント・インフォメーションの目的は、適切な上申と意思決定、および対応策の策定に資する情報を提供することです。リスク・マネジメント部門およびファイナンス部門は、リスク・アピタイトに対応するポジションの状況に関するマネジメント・インフォメーションを定期的に取りまとめる責任を有します。マネジメント・インフォメーションは、リスク・カテゴリー全般にわたる情報を含み、また各リスクの特定および評価のための様々なリスク管理手法を使用して作成されます。リスク・マネジメント部門は、マネジメント・インフォメーションに関するデータを適切に管理する責任を有します。
財務的経営資源の管理
野村は、財務的経営資源を適切に使用するため、財務的経営資源の管理体制を構築しております。経営会議は、期初に、各部門に財務的経営資源の配賦を行います。各営業部門では、財務的経営資源の配賦により収益予算の策定を行います。財務的経営資源の主要な構成要素は以下のとおりです。
リスク・ウェイティド・アセット
経営会議は毎年、連結自己資本比率(連結Tier1比率)の最低基準値を決定します。自己資本比率を算出する際の重要な構成要素はリスク・ウェイティド・アセットとなり、このリスク・ウェイティド・アセットは経営会議により、各営業部門とそれ以下の階層に配賦されております。詳しくは第2「事業の状況」の「連結自己資本規制」の項目をご参照ください。
経済資本
野村の経済資本であるNCAT(Nomura Capital Allocation Target)は、野村がビジネスを行うにあたり必要となる資本に関する内部指標であり、野村にとって深刻な不利益を被るシナリオにより1年間に発生しうる予期せぬ損失を吸収するために必要な資本として計測されます。この深刻な不利益を被るシナリオとは、信頼水準99.95%で1年間に発生しうる損失として定量化されるものと定義されます。NCATは、ポートフォリオNCATおよびノン・ポートフォリオNCATにより構成されます。ポートフォリオNCATは、市場リスク、信用リスク、イベント・リスク、集中・流動性リスク、プリンシパル・ファイナンス/プライベート・エクイティに関するリスクおよび投資有価証券に関するリスク等、野村の資産価値に直接影響を及ぼすリスクを構成要素とし、ノン・ポートフォリオNCATは、ビジネス・リスクおよびオペレーショナル・リスク等、特定の資産価値に直接的には影響を及ぼさないリスクを構成要素とします。NCATリミットは経営会議の承認により設定され、各部門やそれ以下の階層に配賦されます。
社内資金
財務統括責任者は、野村グループ内に無担保で提供される資金の上限額を決定し、経営会議は各部門へ配分を行います。グローバル・トレジャリーは部門毎の資金使用量をモニタリングし、経営会議に報告します。
リスクの分類と定義
野村では、リスクを以下のとおり分類、定義した上で、各リスクを管理する部署または組織を設置しております。
リスク・カテゴリーリスクの概要
市場リスク市場のリスク・ファクター(金利、為替、有価証券の価格等)の変動により、保有する金融資産及び負債(オフ・バランスを含む)の価値が変動し、損失を被るリスクをいいます。
信用リスク債務者またはカウンターパーティーが、債務不履行、破産、または法的手続等の結果として、予め合意した条件通りに契約上の義務を履行できないことにより、損失を被るリスクをいいます。信用リスクはオンバランス・オフバランス双方のエクスポージャーを含みます。また、当該リスクはカウンターパーティーの信用力低下を反映したクレジット・バリュエーション・アジャストメント(CVA)により損失を被るリスクを含みます。
オペレーショナル・リスク内部プロセス・人・システムが不適切であること、もしくは機能しないこと、または外生的事象が生起することから損失を被るリスクをいいます。当該リスクには、戦略リスク(経営陣の不適切な意思決定により損失を被るリスク)は含まれませんが、法令や規制等の違反に係るリスク、オペレーショナル・リスクの顕在化に起因する野村グループ各社のレピュテーションの悪化に係るリスクを含みます。
モデル・リスクモデルの誤謬、またはモデルの不正確もしくは不適切な適用により、損失を被るリスクをいいます。モデル・リスクには、経済的損失、ビジネスや戦略における不適切な意思決定、開示上の修正、規制上のペナルティや会社の信用低下をもたらす虞があります。
資金流動性リスク自社の信用力の低下または市場環境の悪化により必要な資金の確保が困難になる、または通常より著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスクをいいます。
ビジネス・リスク収益環境の悪化または業務運営の効率性もしくは有効性の低下により、収益がコストをカバーできなくなるリスク。野村の経営陣はビジネス・リスクを管理する責任を有します。

市場リスク管理
市場リスクは、市場のリスク・ファクター(金利、為替、有価証券等の価格)の変動により、保有する金融資産及び負債(オフ・バランスを含む)の価値が変動し、損失を被るリスクです。
市場リスク管理プロセス
市場リスクを適切に管理するためには、複雑かつ不断に変動する市場環境をグローバルに分析し、損失に繋がる可能性のある傾向を把握したうえで、適時に適切な対応を取る能力が必要となります。
野村では市場リスクをモデル化し、計測し、集計するために多様な補完的手法を用いておりますが、継続して市場リスクを統計的に計測・モニタリングする主要な手段としては、バリュー・アット・リスク(以下「VaR」)を利用しております。VaRリミットは、野村の経済資本の枠組と整合的になるよう設定されます。またVaRに加えて、感応度分析やストレス・テストも市場リスクを評価・分析する手段として利用しております。感応度は、市場リスク・ファクターの単位当たりの変動によるポートフォリオ価値変化を示す尺度として利用されます。感応度は、資産種別によって異なり、通常、異なるリスク・ファクターに関する感応度を合算することはできません。ストレス・テストおいては、ポートフォリオ・リスクやテイル・リスクをその非線形な性質を含めて分析し、グループ全体から各部門、個々のトレーディング・デスクに到るあらゆる階層で、市場リスク・ファクターを横断した合算が可能となります。市場リスクは、ビジネス部門やシニア・マネジメントに報告される日次レポートその他の経営情報により、社内手続きに基づいて承認されたリミット内であるかどうかモニタリングされます。
VaR
VaRは、特定の信頼水準の下で、予め定義された期間における市場の不利な動きにより発生するトレーディング・ポジションの損失額を計測するものです。VaRモデルにより計測される市場リスクは、株価、金利、クレジット・スプレッド、為替レート、コモディティ価格とこれらのボラティリティや相関を含みます。
VaRメソドロジーの前提
野村は、グループ全体のトレーディングに関するVaRの計測にあたり、グローバルに実装された単一のVaRモデルを利用しています。野村は、将来発生しうる利益あるいは損失を予測するVaRメソドロジーとして、ヒストリカル・シミュレーション法を採用しています。ヒストリカルな(過去の)市場の動きは、野村の現在のエクスポージャーに繰り返し適用され、ポートフォリオ収益の分布を形成します。この分布を利用して、将来発生しうる損失を必要な信頼水準(確率)において推定することが出来ます。
野村において、VaRは信頼水準99%で計算されます。保有期間1日のVaRはリスク管理やリスク・リミットに対するモニタリングに利用され、保有期間10日のVaRは規制資本の計算に利用されます。保有期間10日のVaRは、実際の10日間における市場変動のヒストリカル・データを利用して計算されます。
野村は、同一のVaRモデルを、社内におけるリスク管理と金融庁向け規制対応報告の双方に使用しています。VaRモデルは過去2年間(520営業日)の市場変動のヒストリカル・データを利用します。野村は、リスク管理ならびにVaRバックテスティングにおいて、重みを付けたVaRを利用しています。重みを付けたVaRとは、直近の市場変動の動きにより比重を置いて計測されるVaRであり、古い時点で使用される比重は、より小さくなります。
野村は、更に、バーゼル2.5規制のもとでVaRを補完するために必要な測定方法での計算を行っています。それらのひとつであるストレスVaR(SVaR)はストレス下にある金融市場のある1年間のデータを利用して計測されます。この1年の期間は、野村の現在のポートフォリオに基づいて、SVaRが最大となるよう設定されます。ただしSVaRに利用されるヒストリカル・データは、VaRの場合のように重みを付けていません。全てのVaRとSVaRは同様の前提に基づいて、同じシステムで計算されます。
野村のVaRモデルは、可能な限り、個々のアンダーライイングのヒストリカル・データを利用します。ヒストリカル・データで個別のアンダーライイングが存在しない場合(例えば、最近発行された株式のオプション)、VaRモデルは代理変数ロジックに従って当該エクスポージャーに適切なヒストリカル・データを割り当てます。VaRモデルで行われる代理変数の水準は内部のリスク管理プロセスを通じて慎重にモニタリングされると共に、VaR計算に利用されるヒストリカル・データの拡大にも継続的に取り組んでおります。
・VaRバックテスティング
野村のVaRモデルのパフォーマンスは、所期の目的に合致し続けるよう、継続的にモニタリングされております。VaR検証に利用される主な方法は、1日分の損益とそれに対応するVaR値の比較です。信頼水準99%のVaRでは、1年間に2回から3回の超過(例:VaRを上回る損失が発生すること)が想定されます。野村は、VaRモデルのバックテスティングを、グループ・レベルのみならず、更に下位のレベルでも行っており、バックテスティングの結果はリスク・マネジメント部門が月次でレビューしております。
2014年3月期において、グループ・レベルで信頼水準99%のVaRの超過が1回ありました。
・VaRの限界と利点
リスク計測手法としてのVaRの主な利点は、他のリスク計測手法ではセンシティビティをそのまま合算できないこととは対照的に、様々な資産区分のリスクの合算が可能であることです。野村の異なる部門のリスクは、VaRを利用することにより、合算され、容易に比較することができます。
しかしながら、リスク計測方法としてのVaRには、リスク計測に利用する際に留意すべき点としてよく知られている限界があります。主な限界のひとつは、過去データに基づいたリスク計測であることです。将来の損益を推測するために過去の市場の動きを利用することは、実際に発生した事象のみがポートフォリオのリスクの分析に関係していることを意味します。
また、VaRは上述の信頼水準99%の損失を推定するのみであり、VaRを超える損失が発生する際にどの程度の損失が発生しえるのかを推定するものではありません。
リスク計測手法としてのVaRは流動性のある市場のリスクの把握に最も適しておりますが、これまで発生したことがないような深刻な金融事象のもとで、市場流動性が期待し得なくなった場合の影響は過小評価する可能性があります。特に市場の極端な動きにより、過去データに基づく商品間の相関が崩れることで、VaRの計測上、過去データでは互いに相殺していたポジションが同じ方向に動いてしまい、損失が大きくなる可能性があります。
野村はVaRモデルが有する限界を認識しており、VaRを多様なリスク管理プロセスのひとつの要素としてのみ利用しております。VaRを補う目的で利用されるその他の指標としては、ストレス・テストや感応度分析が挙げられます。
ストレス・テスト
野村は、VaRや感応度分析が全てのポートフォリオ・リスクやテイル・リスクを捕捉出来ないという限界を有することから、市場リスクのストレス・テストを行っております。このストレス・テストは、日次や週次で行われ、ストレス・シナリオはトレーディング・ストラテジーの特性に応じて柔軟に設定されます。野村では、デスク・レベルのみならず、市場変動が野村全体に与える影響を把握するためにグローバルに統一されたシナリオによるグループ・レベルでのストレス・テストも行っております。
ノン・トレーディング・リスク
野村におけるノン・トレーディング・ポートフォリオの主な市場リスクは、取引関係維持やビジネス推進を目的として長期的に保有している投資有価証券にかかるもので、主に日本の株式市場の変動の影響を受けます。このポートフォリオの市場リスクを推定する手法のひとつに、東京証券取引所第一部上場銘柄に対する主要インデックスであるTOPIXの変化に対する市場感応度分析があります。
野村では、TOPIXとビジネス推進を目的として保有する株式の直近90日間の市場価格の変動に基づく回帰分析を行います。野村の試算では、取引関係維持やビジネス推進を目的として保有する株式は、TOPIXが10%変動すると、2013年3月末で約153億円、2014年3月末で約197億円の損失が予想されました。TOPIXは2013年3月末が1,034.71ポイント、2014年3月末は1,202.89ポイントで引けております。このシミュレーションは、TOPIXとの回帰分析により算出された結果です。したがって、投資有価証券の個々の株式の価格変動により、実際の結果はこの試算とは異なる点にはご留意ください。
信用リスク管理
信用リスクとは、債務者またはカウンターパーティーが、債務不履行、破産、または法的手続等の結果として、予め合意した条件通りに契約上の義務を履行できないことにより、損失を被るリスクをいい、オフ・バランス資産に係る損失を含みます。当該リスクはまた、カウンターパーティーの信用力低下を反映したクレジット・バリュエーション・アジャストメント(CVA)により損失を被るリスクを含みます。なお、野村では、グローバルおよびリーガル・エンティティ単位で信用リスクを管理しています。
信用リスク管理体制
野村における信用リスクの計測、モニタリング及び管理に関する事項は、グローバル・ポリシー、プロシージャーで規定しています。クレジット・リスク・マネジメント部門(以下「CRM」)は、リスク・マネジメント部門内のグローバルな組織として、これらのポリシーやプロシージャーの実装、および維持、管理に責任を負います。信用リスク管理の基本方針を定めたこれらのポリシーは、統合リスク管理会議、グローバル・リスク・ストラテジック・コミッティ(以下「GRSC」)の承認を受けて制定され、それに基づき所定の承認権限を付与されたクレジット・オフィサーの承認により、カウンターパーティーに対するクレジット・リミットを設定しています。
信用リスク・エクスポージャーは、CRMならびに、グローバルおよび地域の各種リスク・コミッティにより管理されており、重大な信用リスクの把握やクレジット・リミットの遵守の徹底のほか、多額の与信の提供に関する承認や、シニア・マネジメントがリスクの集中に関する承認を行う態勢を確保しています。
信用リスク管理プロセス
CRMは、リスク・マネジメント部門内の信用リスクを管理するための組織であり、CROに報告します。野村における信用リスク管理プロセスには、以下を含みます。
・ カウンターパーティーの債務不履行の可能性の評価
・ 全てのアクティブなカウンターパーティーに対する内部格付の付与
・ 与信の供与及びクレジット・リミットの設定に関する承認
・ 時価及び将来のポテンシャル・エクスポージャーの計測、モニタリング及び管理
・ 契約書における信用リスクに関する条件の設定(担保条件を含む)
・ 一括清算、担保徴求およびヘッジを含む適切な信用リスク削減手法の活用
信用リスク管理の対象には、カウンターパーティーとの取引に加えて、債券や株式、さらにローン、プライベート・エクイティ投資、ファンド投資、投資有価証券のほか、信用リスク管理が必要と考えられる取引や商品を含みます。
カウンターパーティーの信用力の評価は、対象先の事業環境、競争力、経営陣や財務面での強みや柔軟性に関する詳細なデュー・ディリジェンスや分析に基づき行います。また、クレジット・アナリストは、会社の組織体制や、直接または間接の信用補完も考慮します。なお、CRMは、カウンターパーティーのみでなく、カウンターパーティー・グループ単位でも信用リスクを評価します。
CRMは、信用分析の結果に基づき、カウンターパーティー又は債務者のデフォルト確率を評価し、格付機関と同様のアルファベット記号や所定の番号を付与します。クレジット・アナリストは、内部格付を付与するとともに、年1回以上、見直しを行う責任を負います。
野村の内部格付制度では、様々な格付モデルを使用して、グローバルに一貫性と正確性を確保しています。これらのモデルは、リスク・メソドロジー・グループにより開発され、見直しが行われています。内部格付は、野村におけるカウンターパーティーの信用リスク管理における重要な構成要素として、以下のように活用されています。
・ 個々のカウンターパーティーまたはカウンターパーティー・グループに対して野村が許容するカウンターパーティー・クレジット・リスクの上限額の設定(クレジット・リミットの設定)
・ クレジット・リミット設定の承認権限の委譲に係る基準額の決定(テナーを含む)
・ クレジット・レビュー(クレジット・リミットの見直し)の頻度の決定
・ カウンターパーティー・クレジット・リスクに関する野村のシニア・マネジメント向けの報告
・ カウンターパーティー・クレジット・リスクに関する野村以外の関係者向けの報告
信用リスク管理部署(以下、「CRCU」)は、CRMから独立した立場で、野村の内部格付制度に関する検証が適切に実施され、問題の速やかな解決のために、シニア・マネジメントに報告する態勢を確保しています。CRCUは、内部格付制度が正確、かつリスクを予知できるものであることを確認し、シニア・マネジメントに対して報告を行います。
野村は、クレジット・リスクを評価するための統一的、網羅的、かつ客観的な枠組みとして、内部格付制度を設置しています。内部格付は、債務者格付、案件格付、特定貸付債権格付に区分され、それぞれの格付は、デフォルト確率、資本構成に基づく回収率の水準、又は特定貸付債権の条件に基づく債務履行の可能性を適切に示す指標として使用されています。
野村は、規制自己資本を算出するための信用リスク・アセットの計算において、2011年3月より基礎的内部格付手法を採用しています。なお、信用リスク・アセットの計算において、重要性の低い一部のビジネス又は資産については、標準的手法を採用しています。
クレジット・リミット / リスク計測
内部格付は、カウンターパーティーに対してクレジット・リミットを設定するために必要不可欠なものです。また、野村のクレジット・リミットの枠組みは、リスク・アピタイトに沿って、適切に信用リスクを取ることができるように設計されています。グローバルのクレジット・ポリシーでは、内部格付に基づき、個々のカウンターパーティー・グループに対して設定できるクレジット・リミットおよびテナーの上限を定めた承認権限の表を定めています。
野村では、カウンターパーティー・エクスポージャーは、主にデリバティブ取引、証券貸借取引(以下、総称して「デリバティブ等取引」)により発生しています。カウンターパーティーに対して発生するクレジット・エクスポージャーは、個々のカウンターパーティーの信用力の分析に基づき設定するクレジット・リミットにより管理しています。信用リスクは、設定したクレジット・リミットによるクレジット・エクスポージャーのモニタリングや、カウンターパーティーの信用力に関する継続的なモニタリングを通して、日次で管理しています。特定のカウンターパーティー、セクター、産業又は国に対する野村のリスク・アピタイトを変更させるような状況下では、その内容、程度に応じて、内部格付やクレジット・リミットの変更を行います。
野村のグローバル・クレジット・マネジメント・システムには、カウンターパーティーに対する全てのクレジット・リミット及びクレジット・エクスポージャーが記録されています。これにより、CRMは、クレジット・リミットの使用状況を把握、監視、管理し、リミット超過が発生した場合、適切に報告を行う態勢を確保しています。
野村では、デリバティブ等取引については、主に所定の信頼水準でのポテンシャル・エクスポージャーを計測するモンテ・カルロ・シミュレーション・モデルで信用リスクを計算しています。信用リスク管理に使用されるエクスポージャー計測モデルは、2012年12月より、期待エクスポージャー方式による連結自己資本規制比率の算出にも利用されています。
なお、ローンおよびローン・コミットメントは、使用分及び未使用分の双方について、計測およびモニタリングを行っています。
ロング・ウェイ・リスク
ロング・ウェイ・リスクは、カウンターパーティーに対するエクスポージャーが、当該カウンターパーティーの信用力の悪化と高い相関関係にある場合に発生するリスクをいいます。野村は、ロング・ウェイ・リスクを管理するためのグローバルのポリシーを設置しています。また、ポートフォリオのロング・ウェイ・リスクの評価ではストレス・テストも活用し、クレジット・エクスポージャーや規制自己資本について必要に応じて調整を行っています。
ストレス・テスト
ストレス・テストは、野村の信用リスク管理において必要不可欠であり、定期的に実施するストレス・テストにより、カウンターパーティー、セクター、および地域ごとの信用リスクの評価を行っています。なお、ストレス・テストには、リスク・ファクター、デフォルト確率または格付遷移に一定のストレスを与えることでリスクの集中度合いを確認するテストも含まれます。
リスク削減手法
野村では、信用リスク管理において、金融商品、契約書、さらに一般的な取引慣行を活用しています。野村は、多くのカウンターパーティーとの間で、国際スワップデリバティブ協会(以下「ISDA」)の基本契約書、またはそれに準ずる契約書(以下、総称として「マスター・ネッティング契約」)を締結しています。マスター・ネッティング契約を締結することで、債権、債務を相殺し、カウンターパーティーのデフォルトにより発生する潜在的な損失額を減少させています。また、信用リスクを更に削減するため、担保契約も活用し、取引開始時、またはエクスポージャーの水準、格付の変更、もしくはその他の事由が発生した際に、カウンターパーティーから担保を受領できるようにしています。
デリバティブ等取引における与信相当額
以下は、2014年3月末における野村のトレーディング目的のデリバティブ等取引における与信相当額になります。カウンターパーティーの信用格付と満期までの年限ごとに公正価値で表示しており、これらの信用格付は野村のCRMが付与した内部格付です。
(単位:十億円)
満期までの年限異なる満期間の相殺(1)公正価値
の合計
受入再構築
信用格付1年未満1年から3年から5年から7年超担保額コスト
3年5年7年(a)(b)(a) - (b)
(3)
AAA1332692366△ 571464898
AA125286375323675△1,34244227415
A512452548397949△2,205653142511
BBB165155164120408△ 629383136247
BB以下21413876299△ 2552202790
その他(2)2816311177△ 1603230
小計(店頭取引デリバティブ)8649821,2259502,474△4,6481,8476551,271
上場デリバティブ525160301△ 2584581457
合計1,3891,1421,2559512,474△4,9062,3056561,728

(1) 同一のカウンターパーティーとのデリバティブ等取引の異なる満期の債権、債務の相殺額を表示しています。また、同一のカウンターパーティーとの同一の満期の取引については、債権、債務の相殺後の金額を各年限の欄に表示しています。なお、編纂書210-20および編纂書815に基づき、デリバティブ等取引に係る現金担保による相殺効果も勘案されています。
(2) 「その他」は、無格付のカウンターパーティーおよび特定のカウンターパーティーを対象としない、ポートフォリオ・レベルでの評価調整を含んでいます。
(3) 受入担保額がデリバティブ等取引の公正価値の合計を上回っている場合、野村の与信相当額を適切に表示しないためゼロと表記しております。
特定の欧州周縁国に対するエクスポージャー
野村は、インベントリー・ポジション、カウンターパーティーとの取引又はその他のビジネスもしくは商品により発生するカントリー・リスクを管理しています。過去数年にわたり、欧州では多くの国において金融面で重度のストレスが発生しました。このストレスは、欧州およびグローバルの市場に波及する可能性がありましたが、主に経済や財政面での脆弱性を背景に、ユーロ圏における周縁国、具体的にはギリシャ、アイルランド、イタリア、ポルトガルおよびスペイン(以下、総称して「GIIPS」)が、最も大きな影響を受ける結果となりました。
GIIPSにおける金融、経済、構造的な問題は、グローバル金融市場に悪影響を与えました。これらの国の市場や経済の低迷が続いた場合、野村のビジネスにも悪影響を与え、多額の損失につながる可能性があります。
2014年3月31日現在、野村のGIIPSに対するエクスポージャーの状況は以下のとおりです。なお、カントリー・リスク・エクスポージャーは、カウンターパーティー、発行体または裏付資産の所在国に基づき集計しています。
(単位:十億円)
2014年3月31日現在
ネット・インベントリー・エクスポージャーネット・カウンターパーティー・エクスポージャー

債券(1)株式(2)GIIPSを参照するエクイティ・デリバティブおよびクレジット・デリバティブ(3)ローン(4)GIIPSのカウンターパーティ-とのデリバティブ契約(5)証券金融取引(6)グロス・ファンディッド・エクスポージャーアンファンディッド・エスポージャー(7)グロス・エクスポージャーヘッジ(8)ネット・エクスポージャー
ギリシャ101△ 3901717215
ソブリン571212210
ソブリン以外(9)51△ 3205505
アイルランド47△ 081056156056
ソブリン11902020019
ソブリン以外(9)36△ 000036137037
イタリア2202450197973265
ソブリン△ 3528340272731△5
ソブリン以外(9)570△ 41617171170
ポルトガル1△ 15005523
ソブリン0△ 2△2△21△2
ソブリン以外(9)1△ 16006616
スペイン2564△ 2191151575631350
ソブリン110△ 8673131823
ソブリン以外(9)1464△ 13318126532427
合計3363△ 1851752232623849189
ソブリン90△ 5148087874245
ソブリン以外(9)2453△ 134127214561516144

(1) GIIPSが発行体の債券のロング・ポジションとショート・ポジションの合計の公正価値。尚、満期保有レポ取引の担保にGIIPSが発行体の債券はありません。
(2) GIIPSが発行体の株式のロング・ポジションとショート・ポジションの合計の公正価値。
(3) ネット・デリバティブは、マーケット・メイクおよびトレーディング目的で行われたGIIPSを参照するもので、単一のクレジットを参照するクレジット・デフォルト・スワップ(以下「CDS」)および複数の資産、指数、参照クレジットを参照するクレジット・デリバティブを含みます。開示金額は、回収ゼロを前提として、公正価値の変動により額面を調整して計算しています。デリバティブ契約が、単一または複数のGIIPSの国あるいはそれらの国のソブリンまたはソブリン以外の参照先を含む、複数の参照先を有する場合には、個々の参照先に分解された結果が含まれています。個々のエクスポージャーは、内部の評価モデルにより、即時のデフォルトおよび回収率ゼロの前提で、商品の時価評価の変化として計算されます。デフォルトの順序や担保の範囲に関する特段の前提はありません。
(4) GIIPSのカウンターパーティーへのローンの公正価値。
(5) GIIPSのカウンターパーティとのデリバティブ取引。カウンターパーティー毎にネットされ、かつ3,608億円の受入現金担保の控除後の金額です。
(6) レポ取引および証券貸借取引の公正価値。カウンターパーティー毎にネットされ、かつ7,381億円の受入れ担保有価証券および現金証拠金の控除後の金額です。
(7) GIIPS借入のアンファンディッド・ローン額面金額。
(8) ヘッジは、野村がGIIPSのネット・カウンターパーティー・エクスポージャーに関するプロテクションを購入する単一参照先のCDSが主なものです。開示金額は、回収率ゼロを前提として、公正価値の変動により額面を調整して計算しています。
(9) ソブリン以外のカウンターパーティーは、主に金融機関となります。
ネット・インベントリー・エクスポージャーとヘッジの金額は、野村が売買したGIIPSの単一参照先のCDSを含みます。次の表はこれらの取引のグロスの額面金額と公正価値を示しています。
(単位:十億円)
2014年3月31日現在
プロテクションの購入プロテクションの売却
額面公正価値額面公正価値
ギリシャ
ソブリン
ソブリン以外59△ 5605
59△ 5605
アイルランド
ソブリン175△ 31873
ソブリン以外91△ 7878
266△ 1027411
イタリア
ソブリン2,283542,354△50
ソブリン以外579△ 2160825
2,862332,962△25
ポルトガル
ソブリン2422240△3
ソブリン以外208△ 1321715
450△ 1145712
スペイン
ソブリン1,051△ 61,2528
ソブリン以外404△ 1844220
1,455△ 241,69428
合計
ソブリン3,751474,033△ 41
ソブリン以外1,341△ 641,41472
5,092△ 175,44731

これらの額面と公正価値は、締結済のマスター・ネッティング契約および担保契約の影響を含まないことから、野村の全てのエクスポージャーを示すものではありません。野村のクレジット・デリバティブの詳細につきましては注記3「デリバティブ商品およびヘッジ活動」をご参照ください。
また、これらのGIIPSへの直接的なエクスポージャーに加えて、野村には以下のような間接的なエクスポージャーがあります。
・ フランス、ドイツおよびイギリスなどGIIPSのエクスポージャーを有するその他の欧州諸国のソブリンおよびソブリン以外のカウンターパーティーに対するエクスポージャーがあります。これらのGIIPS向けの間接的なエクスポージャーは、信用リスク管理の一環としてモニタリングを行い、必要に応じて削減を行います。
単一もしくは複数のGIIPSの国、またはGIIPS以外のユーロ圏の国において、ユーロが通貨として使用されなくなることによるデノミネーション・リスクがあります。野村では、シナリオ分析により、GIIPS向けエクスポージャーに与える影響を計量化し、デノミネーション・リスクをモニタリングし、管理しています。
・ GIIPSのカウンターパーティーと取引で発生する追加的な再構築リスクがあります。野村では、イベント発生時において、エクスポージャーを削減し、必要に応じて早期の対応を取るために、最もリスクが高いカウンターパーティーに対するエクスポージャーをモニタリングし、リスクの集中を特定することで、GIIPSのカウンターパーティーとの取引に係る再構築リスクを管理、削減しています。
オペレーショナル・リスク管理
野村はオペレーショナル・リスクを、内部プロセス・人・システムが不適切であること、もしくは機能しないこと、または外生的事象が生起することから損失を被るリスクと定義しています。この定義には、戦略リスク(経営陣の不適切な意思決定により損失を被るリスク)は含まれませんが、法令や規制等の違反に係るリスク、オペレーショナル・リスクの顕在化に起因する野村グループ各社のレピュテーションの悪化に係るリスクを含みます。
三段階管理
野村は、業界標準である、以下の三段階管理で、オペレーショナル・リスク管理を行うこととしております。
(1) 第一段階:ビジネス・ユニットは自らリスク管理を行います。
(2) 第二段階:オペレーショナル・リスク管理部署は、オペレーショナル・リスク管理の中長期的方針と枠組みを策定し、その運用を推進します。
(3) 第三段階:内部監査および外部監査は、独立した立場でオペレーショナル・リスク管理の枠組みの確認を行います。
野村におけるオペレーショナル・リスク管理の枠組み
野村は、オペレーショナル・リスクの特定、評価、管理、モニタリング、報告が可能となるオペレーショナル・リスク管理の枠組みを整備しております。経営会議より委任を受けた統合リスク管理会議がこの枠組みに基づくオペレーショナル・リスク管理全般を監督しています。オペレーショナル・リスク・アピタイトは、オペレーショナル・リスク管理の枠組の主要項目を用いた定性的リスク・アピタイトおよび定量的リスク・アピタイトにより定義されます。
オペレーショナル・リスク管理の枠組みは、以下のように構成されております。
・管理の枠組みの基盤
・ポリシー・フレームワークの構築と維持:オペレーショナル・リスク管理に関して定められた各種基本的事項をポリシー等として明文化します。
・研修および理解の促進:オペレーショナル・リスク管理について、野村内の認識を高めるための取組みです。
・主要な管理活動
・RCSA(Risk & Control Self Assessment、リスクとコントロールの自己評価):自らの業務におけるオペレーショナル・リスクや、リスク削減のために導入されているコントロールを特定、評価し、更なるリスク削減に向けた対応策を策定するために、ビジネス・ユニットが用いるプロセスです。
・シナリオ分析:低頻度であるが大規模な損失をもたらす、いわゆる「テイル・リスク」を特定、分析するプロセスです。
・損失事象等の報告:野村内で発生した事象および他社で発生した事象を収集し、業務改善に資する情報を得るプロセスです。将来における同様な事象の発生を防止または低減するために、適正な対応策を策定する重要なステップとなります。
・KRI(Key Risk Indicator、リスク指標):オペレーショナル・リスクにかかる主要な計数の収集と監視を行い、予め定めた水準を超えた場合には必要な対応を行うプロセスです。
・管理活動結果の活用
・分析および報告:オペレーショナル・リスク管理部署の主要な役割として、ビジネス・ユニットからもたらされるオペレーショナル・リスク情報について事実確認や原因分析を行った上で経営陣等へ報告を行います。
・所要資本の計算と配賦:オペレーショナル・リスクに係る所要自己資本を計算し、各ビジネスに配賦することによりリスク対比で効率的な事業活動を促進します。
オペレーショナル・リスクの所要自己資本額計算
野村は、金融庁告示に定められた粗利益配分手法によりオペレーショナル・リスクにかかる所要自己資本額を算出しております。粗利益配分手法では、業務区分に配分した粗利益に金融庁に定められた一定の掛目を乗じたものの過去3年間の平均値を計算し、オペレーショナル・リスク相当額としております。
野村では、所要自己資本額を算出する際に用いる粗利益として、連結ベースの金融費用控除後の収益を用います。ただし、一部の子会社については、売上総利益を粗利益として用いております。これら粗利益を、管理会計上のセグメント情報を用いて、下表の業務区分に配分します。
業務区分内容掛目
リテール・
バンキング
リテール向け預貸関連業務等12%
コマーシャル・
バンキング
リテール向け以外の預貸関連業務等15%
決済業務顧客の決済に係る業務18%
リテール・
ブローカレッジ
主として小口の顧客を対象とする証券関連業務12%
トレーディング
およびセールス
特定取引に係る業務および主として大口の顧客を対象とする証券・為替・金利関連業務等18%
コーポレート・
ファイナンス
企業の合併・買収の仲介、有価証券の引受け・売出し・募集の取扱い、その他顧客の資金調達関連業務等18%
代理業務顧客の代理として行う業務15%
資産運用顧客のために資産の運用を行う業務12%

・各業務区分に配分された金融費用控除後の収益額と、上表のとおり各区分に設定された掛目をそれぞれ乗じることにより「業務区分配分値」を算出します。いずれの業務区分にも配分されない収益額については18%を乗じ、「配分不能値」を算出します。
・これらの業務区分配分値と配分不能値をすべての業務区分について合計することにより、「年間合計値」を算出します。この年間合計値を直近3年間について計算し、それらの平均値がオペレーショナル・リスクに相当する所要自己資本の額となります。年間合計値が負の場合にはゼロとして平均値を算出します。業務区分配分値を合計する際、ある業務区分配分値が負であった場合には、他の区分における正の業務区分配分値と相殺します。ただし、配分不能値が負の場合には、相殺は行わず、ゼロとして取り扱います。
・オペレーショナル・リスク所要自己資本額の計算基準時点は3月末と9月末であり、年2回計算されます。
モデル・リスク管理
モデル・リスクとは、モデルの誤謬、またはモデルの不正確もしくは不適切な適用から生じるリスクをいいます。モデル・リスクは、経済的損失、ビジネスや戦略における不適切な意思決定、社内報告や社外報告の修正、規制上のペナルティや当社の信用低下をもたらす虞があります。モデルの誤謬は、前提条件を設定し実装するまでのいかなる時点においても、発生する可能性があります。また、モデルの出力結果は入力データの質に依拠しているため、入力データにも注意を払う必要があります。さらに、基本的には妥当なモデルであり、モデルの設計目的に合った正確な出力がされる場合であっても、不適切に使用又は誤って適用された場合、高いモデル・リスクを生じる可能性があります。
モデル管理の枠組み
当社のモデル管理の枠組みの下では、モデルは以下のどちらかに該当するものとして定義されます。
• 評価モデル、すなわち、当社が保有するポジションの価格及びリスク感応度を算出するためのモデル
• リスク・モデル、すなわち、リスク・マネジメント部門において、特定のタイプのリスクにより被る潜在的損失を算出しポートフォリオのリスクを定量化するために、また、規制資本及び経済資本算出、リミットのモニタリング、取引承認又は経営陣への報告を行うために使用されるモデル
モデルの公式使用に先立ち、モデル検証グループは、モデルの健全性及び包括性について、モデルの開発者から独立した立場で検証を行う責任を有しております。この検証手続きの一環として、グローバル・モデル・バリュエーション・グループは複数の分析を通しモデルの適合性を評価し、モデル・リスクの定量化を図ります。モデル・リザーブや資本調整を適用することにより、モデル・リスクは軽減されることがあります。評価モデルはビジネス部門により、また、リスク・モデルはリスク・マネジメント部門内のリスク・メソドロジー・グループにより開発され、維持管理されます。
またある種のモデルは、外部業者により開発されることもあります。リスク・メソドロジー・グループはリスク・モデルと野村におけるリスク計測メソドロジーの継続的な改良や改善に対して、一義的な責任を担っております。
全てのモデルはまた、適切性を保つためモデル検証グループによる年次再承認手続きを受けなければなりません。リスク審査委員会からの権限委譲に基づき、モデル・リスク分析委員会とグローバル・リスク分析委員会は、それぞれ評価モデルとリスク・モデルに関するモデル管理の統制、監督に責任を有します。
評価モデルとリスク・モデルの変更
野村は統合リスク会議、リスク審査委員会のいずれか、または双方により承認された各種規程類と実施手続を文書化しており、評価モデルまたリスク・モデルの変更時の手続や検証の必要性について規定しております。モデル変更により重要度に関する閾値を超える影響が生じる場合には、モデル承認が必要となります。
この重要度に関する閾値は、モデル検証グループが管理する実施手続において定義され、また野村のモデル・リスク・アピタイトに反映されます。リスク・モデルに対するある種の重要な変更に対しては、新旧モデルの同時運用と新しいモデルのバックテスティングとストレス・テストがモデル承認に先立ち必要とされます。
リスク計測と管理手法
リミット管理の枠組み
堅牢なリミット・モニタリングおよび管理を構築することは、リスクの適切なモニタリングおよび管理の要となります。リミット管理の枠組みにおいては、適正な水準の権限を有する組織階層においてリミットの承認が行われるように、明確なエスカレーションの方針が策定されます。リスク・マネジメント部門はリミットの承認、モニタリング、必要に応じた報告を含むリミット管理の枠組みの日々のオペレーションに責任を有します。ビジネス部門は、当該リミットを遵守する責任を有します。リミットは、市場リスク、信用リスク、オペレーショナル・リスクなどの定量的指標に適用されます。
ニュー・ビジネス・リスク管理
ニュー・ビジネス承認プロセスは、野村にとっての新規ビジネスに取組む際の最初の手続きであり、経営陣の意思決定を支援し、新商品及び新規ビジネスに関連して確実にリスクを認識し適切な管理を行うためのものです。ニュー・ビジネス承認プロセスは以下の通り2つのプロセスで構成されます。
(1) 個別取引の承認プロセス:個別取引のレビューを実施し、意思決定をするプロセスであり、権限を有する各種の個別取引委員会が設置されます。遵守されない場合の責任についても文書として明確に定められています。
(2) 新商品承認プロセス:ビジネス部門のスポンサーが新商品の取扱を申請し、関連部署から様々な意見を得ることができるプロセスです。新商品や新規ビジネスを実施した結果生じるあらゆるリスクを横断的に把握し、分析することを目的とします。
ストレス・テスト
ストレス・テストとは、金融機関の事業全体から部門あるいはデスクのレベルまでの多様な階層において、蓋然性のあるシナリオを利用し、資本や流動性水準の充分性、あるいは損益への影響といった観点から、業務安定性あるいは事業継続可能性を評価するプロセスであり、感応度分析に基づくものを含みます。
野村では、ストレス期間、市場ショックの大きさ、商品またはメソドロジーの対象範囲等、様々な組み合わせからなるトップダウンからボトムアップまでの包括的なストレス・シナリオを用いた、厳格なプログラムに基づくストレス・テストを実施しております。これらのシナリオは適宜に見直しが行われ、定期的に行われるストレス・テストの結果は経営者に報告されるとともに、必要に応じて適切な対応策が実施されます。
ストレス・テストは大きく、以下の4つに分類されます。
・ 感応性分析は、特定の個別リスクや潜在的な集中リスクを評価するため、予め定めておいた市場ショックの組み合わせを用いて、1種類、ないしは関連する2種類のリスク・ファクター(例えば株価、ないしは株価とそのボラティリティ)における市場変動の影響を全てのポジションに関して横断的に計測する目的で行われます。
・ シナリオ分析は、ある経済事象が起こった際、様々な資産へのショックを同時に勘案し、野村のポートフォリオへの影響を計量化する目的で利用されます。
・ 野村グループ全体を対象とするストレス・テストでは、市場リスク、クレジット・リスク、オペレーショナル・リスク、ビジネス・リスク、流動性リスクといった様々なリスク・クラスの間に整合性が保たれるようにストレスを加え、非常に厳しい市場シナリオでの当社自己資本の充分性を評価するために行われます。
・ リバースストレス・テストは、野村のビジネス・プランの継続が困難となりえるような非常に厳しいシナリオがどのようなものであるかを分析する目的で行われます。このようなテストでは、自己資本比率の低下または流動性の減少により業務継続が困難となるような状況に至る極端なストレスを、野村のエクスポージャーやビジネスモデルに加えます。
ストレス・テストは、野村の通常のリスク管理プロセスの一環として定期的に行われるほか、市場で大きな変動や懸念が生じた際には臨時に行われることもあります。ストレス・テストは野村のリスク管理のガバナンスの根幹をなしており、フォワード・ルッキングなリスク管理や意思決定を行う際のツールとして活用されています。
(5)流動性資金調達の管理
資金調達と流動性管理
概況
野村では、資金流動性リスクを市況の低迷等に伴う業績の悪化等により必要な資金が確保できなくなり、資金繰り
がつかなくなる場合や、資金の確保に通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失を被
るリスクと定義しております。このリスクは、市場において有担保あるいは無担保調達が不可能になる、野村の信用
格付けが低下する、予定外の資金需要の変化に対応できない、迅速かつ最小の損失での資産の流動化ができない、あ
るいは、グループ会社間の自由な資金移動が妨げられる規制資本上の制約に関する変化等、市場全体の事情や野村固
有の事情により発生します。流動性リスク管理については、経営会議の委任を受けた統合リスク管理会議が定める流
動性リスク・アピタイトに基づくことを基本方針としております。野村の資金流動性管理は、市場全体が流動性スト
レス下にある場合において、またそれに加えて野村の信用リスクに過度なストレスを想定した場合においても、それぞれ1年間、および1ヶ月間にわたり、無担保による資金調達が困難な場合においても、保有資産を維持しつつ業務を継続することができる充分な資金流動性を常に確保することを主な目的としております。
野村は、主な流動性維持の目的を達成可能とする、様々な流動性リスク管理フレームワークを定めております。こ
のフレームワークには、(1)余剰資金の集中管理と流動性ポートフォリオの維持、(2)資産構成等に見合った資金
調達ならびに調達手段の多様化および調達期間の分散、(3)野村グループ各社に対する与信枠の管理、(4)流動性
ストレス・テストの実行、(5) コンティンジェンシー・ファンディング・プランに関することが含まれております。
経営会議は、野村の資金流動性に関する重要事項についての決定権を有しており、CFOは、経営会議の決定に基づ
き、野村の資金流動性管理に関する業務を執行する権限と責任を有しております。
1. 余剰資金の集中管理と流動性ポートフォリオの維持
野村は、野村グループ内で資金流動性を有効に活用することを可能とするため、野村グループ各社の余剰資金の集中管理を行っております。資金の使用に関しても、野村では、無担保で提供される資金を一元的に管理しており、内部で上限を設けております。この上限は、財務統括責任者によって決定され、経営会議において各部門へ配分が行われます。グローバル・トレジャリー部門は、使用状況についてモニタリングを行い、経営会議へ報告しております。
また、グループ会社間の資金移動を円滑なものにするため、規制対象ブローカーあるいは銀行における資金調達は限定的にしか行っておりません。野村は、無担保による資金調達の当社あるいは主要規制外発行体への集中を積極的に行っております。このことにより、野村は調達コストを最小化し、投資家からの認知度を高め、様々なグループ会社間の資金供給のフレキシビリティを高めております。
潜在的な資金流動性必要額を考慮し、十分な資金流動性を確保するために、野村は、現金ならびに売却や担保提供することで流動性資金を供給することができる流動性の高い担保未提供資産等で構成される流動性ポートフォリオを維持しております。流動性ポートフォリオの金額は、2014年3月31日現在、6兆1,272億円となっており、ストレスシナリオを考慮した資金流動性必要額を満たしております。
以下の表は2013年3月31日、2014年3月31日現在の野村の流動性ポートフォリオの内訳をアセットタイプ別に表示したものです。年間平均は月末の残高を用いて算出されております。
(単位:十億円)
2013年
3月31日
年間平均
2013年
3月31日
2014年
3月31日
年間平均
2014年
3月31日
現預金(1)911.1960.61,676.61,497.2
国債4,712.34,512.34,667.34,483.6
その他(2)480.3410.6214.9146.4
流動性ポートフォリオ6,103.75,883.56,558.86,127.2

(1) 現預金には、現金、現金同等物および必要に応じて即時利用可能な中央銀行、市中銀行への預金を含みます。
(2) その他にはMMF、米国政府機関債などのアセットタイプが含まれています。
以下の表は2013年3月31日、2014年3月31日現在の野村の流動性ポートフォリオの内訳を表示したものです。年間平均は月末の残高を用いて算出されております。
(単位:十億円)
2013年
3月31日
年間平均
2013年
3月31日
2014年
3月31日
年間平均
2014年
3月31日
1,836.61,362.22,463.32,272.3
USドル2,445.62,355.12,171.52,050.4
ユーロ816.1876.51,015.01,049.0
英国ポンド695.9752.6662.4568.6
その他(1)309.5537.1246.6186.9
流動性ポートフォリオ6,103.75,883.56,558.86,127.2

(1) その他にはカナダドル、豪ドル、スイスフランなどの通貨が含まれています。
野村は流動性ポートフォリオの要件をグローバル基準、および各主要オペレーティングエンティティによって評価しています。野村は、主に当社および野村證券株式会社(以下「NSC」)、他の主要なブローカーディーラーおよび銀行子会社で流動性ポートフォリオを管理しています。流動性ポートフォリオの保有量とエンティティを決定する際に、野村グループ内で自由に流動性を移す能力に影響を及ぼすかもしれない法規制、税制を考慮しています。規制の制限の詳細については、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表] [連結財務諸表注記]21 法的規制」を参照してください。
以下の表は2013年3月31日、2014年3月31日現在の野村の流動性ポートフォリオをエンティティ別に表示したものです。
(単位:十億円)
2013年3月31日2014年3月31日
当社およびNSC(1)1,616.91,900.9
他の主要なブローカーディーラー3,179.02,815.2
銀行子会社(2)775.31,170.5
その他のグループエンティティ312.3240.6
流動性ポートフォリオ5,883.56,127.2

(1) NSCは日本のブローカーディーラーであり、日本銀行に口座を維持し、日本銀行のロンバード貸付制度を直接利用することにより、同日資金調達が可能です。当社における余剰流動性資金は必要な時に即時解約可能な短期社内貸付により、NSCに貸し出しております。
(2) ノムラ・バンク・インターナショナル PLC(以下「NBI」)、ノムラ・シンガポールLIMITEDおよびノムラ・バンク・ルクセンブルグ S.A.
流動性ポートフォリオに加えて、主にトレーディング資産で構成される有担保資金調達の際の追加担保として使用可能な担保未提供資産を2014年3月31日現在、1兆7,203億円所有しております。流動性ポートフォリオとそれ以外の担保未提供資産の合計は、7兆8,475億円となりました。これは、野村の1年以内に満期の到来する無担保債務の合計に対して、264.3%に相当します。
(単位:十億円)
2013年3月31日2014年3月31日
その他担保未提供資産1,168.41,720.3
流動性ポートフォリオ5,883.56,127.2
合計7,051.97,847.5

2. 資産構成等に見合った資金調達ならびに調達手段の多様化および調達期間の分散
野村は、保有資産を継続して維持していく上で必要となる長期性資金を確保するために、長期無担保債務の額、および株主資本を充分な水準に維持するように努めております。野村は市場の環境変化等に起因して1年間にわたり無担保調達が行えない場合であっても、資産の売却を迫られることなく業務継続を可能としております。長期性資金必要額は、以下の要件を組み込んだ内部モデルに基づいて算出しております。
(i) レポ契約や証券貸付取引等を含む有担保での資金調達能力。長期性資金必要額は、ストレス・シナリオ下で、有担保借入能力の保守的な見積もりを使って計算されております。
(ii) のれん、認識可能無形固定資産、有形固定資産およびその他低流動性資産
(iii) 野村の信用格付けが2ノッチ格下げされた場合のデリバティブ取引に係る契約上の追加担保要請、および清算・決済機関からの潜在的な追加担保要請。加えて、ほかの契約に関連した担保未提供資産もまた、長期流動性によって資金手当てを受けております。
(iv) 支払要求の可能性を反映した野村が第三者に提供するコミットメント契約の額
(v) 野村規制対象子会社の規制資本等を維持するために必要となる金額
野村の内部モデルは、グループ会社間の自由な資金移動に影響を及ぼすかもしれない法規制、税制を考慮に入れて計算されております。
野村は、無担保調達資金の借換えリスクを低減させるために、資金調達を行う市場やプロダクト、投資家、通貨および返済期限の分散に努めております。
野村は、様々な種類の債券を発行することによって、資金調達手段の分散を図っております。これらには、仕組ローンや仕組債が含まれます。仕組債は、金利・為替・株式・コモディティやこれらのインデックスにリンクしたリターンが付いた債券です。野村は、資金調達方法の多様性が増すように仕組債を発行しております。これらについて、野村は、通常、デリバティブや原資産に対する支払い義務をヘッジすることにより、無担保調達債務と同様の効果を得ております。なお、日本円以外の長期債務比率は、2013年3月31日現在の29.7%から2014年3月31日現在32.0%に増加しております。
2.1 短期無担保債務
野村の短期無担保債務は、短期銀行借入(長期銀行借入のうち、満期まで1年未満のものを含む)、その他の短期借入金、コマーシャルペーパー、銀行業務受入預金、譲渡性預金、および償還まで1年以内の社債で構成されております。銀行業務受入預金および譲渡性預金は、銀行子会社の預金および譲渡性預金を表しております。短期無担保債務には、長期無担保債務のうち残存期間が1年以内となったものを含んでおります。
以下の表は、2013年3月31日、2014年3月31日現在の野村の短期無担保債務明細を表示したものです。
(単位:十億円)
2013年3月31日2014年3月31日
短期無担保債務2,293.32,969.3
短期銀行借入621.3722.5
その他の短期借入42.449.2
コマーシャル・ペーパー296.7246.9
銀行業務受入預金781.4757.7
譲渡性預金214.5240.5
償還まで1年以内の社債337.0952.5


2.2 長期無担保債務
野村は、常に十分な長期性資金を確保し、適切なコストでの調達および適切な長期債務償還プロファイル維持を満たすために、満期や通貨の分散を行い定期的に長期性資金の調達を行っております。
野村の長期無担保債務には、米国発行登録および登録ミディアム・ターム・ノートプログラム、ユーロ・ミディアム・ターム・ノートプログラム、国内発行登録およびさまざまな発行プログラムより発行される普通社債や劣後社債が含まれております。
日本のグローバルな金融サービスグループとして、野村は、世界中の様々な市場と資金調達センターへのアクセスを持っております。主として当社、NSC、ノムラ・ヨーロッパ・ファイナンスN.V.(以下「NEF」)およびNBIが外部からの借入、債券発行その他資金調達を行っております。使用通貨や保有資産の流動性に合わせた資金調達や、必要に応じた為替スワップの使用により、調達構造の最適化を図っております。
野村は、市場や投資家のタイプごとに、効率的かつ十分に多様化された資金調達を行うために、様々なプロダクトや通貨による調達をしております。野村の無担保債務の大部分は、発行コストの上昇や債務償還満期を早める財務制限条項(格付け、キャッシュ・フロー、決算あるいは財務レシオ)は、付されておりません。
以下の表は、2013年3月31日、2014年3月31日現在の野村の長期無担保債務明細を表示したものです。
(単位:十億円)
2013年3月31日2014年3月31日
長期無担保債務6,457.36,218.6
長期銀行業務受入預金76.2116.0
長期銀行借入2,173.72,057.6
その他の長期借入133.9129.0
社債(1)4,073.53,916.0

(1) 編纂書810に定義される変動持分事業体の要件を満たす“連結変動持分事業体(VIE)が発行する社債”と編纂書860により、会計上担保付金融取引として取り扱われる譲渡取消に伴う担保付借入を含んでおりません。
2014年3月期中に、当社は2,149億円の普通社債を、国内・海外で発行いたしました。
2.3 償還プロファイル
プレーン・バニラ物(プレーン・バニラ債および長期借入金)の調達に関しては、平均残存年数が3年以上となるように努めております。2014年3月31日現在の平均残存年数(残存期間1年超のものの平均)は、3.8年となっております。また、ミディアム・ターム・ノートの発行については、その大部分が、金利、株価、指標、為替、あるいはコモディティにリンクした仕組債です。それらの償還確率は、内部数理モデルによって継続的に評価され、グローバル・トレジャリー部門によりモニターされております。プレーン・バニラ債や借入は、契約上の満期日をもとに評価しております。予定された満期日以前に償還される可能性のあるものについては、野村の内部ストレスオプション評価モデルにより、評価されております。このモデルは、ストレス市場環境下で、いつその債券が償還される可能性があるかを評価します。
上記のモデルに基づき評価された仕組債の平均残存期間(残存期間1年超のものの平均)は、2014年3月31日現在で、6.3年です。野村のプレーン・バニラ物を合わせた長期債務の平均残存期間1年超のものの平均は、2014年3月31日現在で、4.7年です。下図は、野村の長期債券と長期借入の満期の分散状況を示す図です。

償還足は、個別銘柄毎の償還確率を考慮したものです。
2.4 有担保債務
野村は、トレーディング業務のための資金調達活動は、担保付借入、レポ契約、日本の現先レポ取引による有担保ベースで、通常行っております。これらの有担保資金調達は、無担保資金調達に比べコストが低く、格付けの影響を受けにくいものと考えております。レポ契約は、短期のものが多く、オーバーナイトもあります。野村は、有担保調達に伴う流動性リスクを低減させるために、カウンターパーティのグローバルな分散、担保の種類の多様化、そして、一部の取引については、積極的に契約期間を長期のものにするよう努めております。詳細は、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表注記]6 担保付取引」をご参照ください。
3. 野村グループ各社に対する与信枠の管理
野村は、緊急時の資金調達の一助とするために、金融機関との間で、コミットメント・ファシリティーを締結することがあります。2014年3月31日現在の当社の未使用コミットメント・ファシリティーの総額は2013年3月31日現在の780億円から130億円減少して、650億円になりました。野村は、これらのファシリティーの契約満期日を一時期に集中しないように分散させております。これらのファシリティーそれぞれの貸し出し条件や財務制限状況は異なっておりますが、現時点において、野村はこれらのファシリティー契約における財務制限条項に抵触することにより、ファシリティーの利用が制限される状況にはありません。野村は適宜これらのドローダウンテストを行っております。
4. 流動性ストレステストの実行
野村は、流動性ポートフォリオを維持しており、先に述べた流動性管理方針に沿うよう、一定のストレスシナリオ下でのキャッシュ流出をシミュレートする内部モデルに基づいて流動性をモニターしております。
流動性資金必要額は、様々なストレスシナリオ下において、異なるレベルで、様々な時間軸に沿って見積もられております。想定される親会社や子会社レベルでの格下げに起因する、無担保資金調達市場へのアクセスの喪失、有担保資金調達市場での追加担保要求および市場へのアクセスの制限等を含めた、野村固有および市場全体のイベントが発生する状況下での必要額を見積もります。野村では、このリスク分析を「マキシマム・キュームレーティブ・アウトフロー(以下「MCO」)」と呼んでおります。
MCOフレームワークは、主たる流動性リスクを考慮したうえで構築し、以下の2つのシナリオに基づいて、キャッシュ・フローをモデル化しております。
・ ストレスシナリオ;市場全体が流動性ストレス下にある場合において、無担保による資金調達、資産の売却をすることなく1年間適切な流動性を維持すること。
・ アキュートシナリオ;市場全体が流動性ストレス下にあることに加え、野村の信用リスクに過度なストレスを想定した場合において、無担保による資金調達、資産の売却をすることなく1ヶ月間適切な流動性を維持すること。
野村は、これらの各モデルで用いられている時間軸の中で、資産の流動化を行ったり、ビジネスモデルを修正することはできないと想定しております。従って、MCOフレームワークは、ストレス状況下でも、野村が適切と考える流動性リスクアペタイトに基づいた水準に対して、想定される流動性必要額を定義するものです。
2014年3月末時点において、野村の流動性ポートフォリオは、上述のシナリオ下で想定された資金流出予想額を上回っておりました。
野村は、規制環境や市場の変化に基づいた流動性リスクの前提条件を継続的に評価し、調整をしております。ストレスの影響をシミュレートするために用いるモデルでは、以下のような事象を考慮、想定しております。
・ 資産の売却ができない状況
・ 追加の無担保調達を行うことができない状況
・ 既存の借入金の返済期日や発行済み社債の償還期日(1年以内)
・ 発行済み社債の買い取りの可能性
・ 流動性の低い資産の資金手当てのための担保付資金調達ラインの想定以上の喪失
・ 通常の事業環境下での運転資金需要の変化
・ ストレス時の現金および担保流出
・ 既存のレポ調達時の担保掛目の拡大
・ 決済銀行からの担保・預託金追加要求
・ コミットメント提供先のドローダウン
・ 損失に伴う資金の喪失
・ 連結会社間の資金や証券の移動を制限する法規制を考慮した資金流出
流動性に関する外部規制については、バーゼル委員会を含む監督機関の更なる議論が継続されるものと認識しております。野村が現在行っている既存のモデルやシミュレーションは、これらの議論の結果次第では、見直す必要があるものと考えております。
2008年にバーゼル委員会は、流動性フレームワークの基盤となる「健全な流動性リスク管理及びその監督のための諸原則」(「健全な原則」)を公表しました。続いて、バーゼル委員会は資金流動性に係る2つの最低基準を策定し、流動性管理の枠組みをさらに強化しました。これらの基準は、それぞれ独立しているものの相互補完的な2つの目的を達成するために策定されております。
第1の基準の目的は、金融機関の流動性リスク態様の短期的強靭性を高めることにあり、その手段として、金融機関が流動性の高い資産を十分に保有し、1ヶ月間継続する強いストレスシナリオに耐える力を持っていることを確保することにあります。バーゼル委員会は、この目的を達成するために流動性カバレッジ比率(以下「LCR」)を策定しました。
第2の基準の目的は長期的な強靭性を高めることにあり、その手段として、金融機関に対し、常により安定的な資金調達源を確保したうえで業務を行うことを促すための追加的なインセンティブを設けました。安定調達比率(以下「NSFR」)は、対象期間を1年とし、資産・負債が持続可能な満期構造を保つよう策定されました。
これら2つの基準を構成するパラメータは、主として、国際的に統一された既定の数値です。しかしながら、各国固有の状況を反映させるため、一部のパラメータには各国裁量の要素が含まれております。観察期間が終了した後、LCRは必要に応じ修正を加えたうえ、2015年から導入される予定です。また、NSFRは、必要に応じ修正を加えたうえ、2018年までに最低基準とされる予定です。
5. コンティンジェンシー・ファンディング・プラン
野村は、詳細にわたるコンティンジェンシー・ファンディング・プラン(以下「CFP」)を定め、包括的リスク管理の枠組みに組み込むとともに、定量的なコントロールを強化しております。この中で、リクイディティ・イベントの範囲の分析と特定方法を記載しております。その上で、野村固有のあるいは市場全体の影響の可能性を見積もることや、リスクを低下させるために即座にとられるべき対応を特定しております。CFPは、キーとなる内部および外部の連絡先やどの情報を知らせるかを示すプロセスの詳細をリスト化しております。また、野村が規制上、法的、あるいは税務上の制限によって、グループ会社レベルにおける資金へのアクセスができなくなったことを想定し、グループ会社レベルで、個別の資金需要に応えうるように作られております。なお、野村は、定期的に様々な市場や野村固有のイベントに対して本CFPの有効性をテストしております。野村は、日本銀行等中央銀行が行う様々な証券に対して実施する資金供給オペレーションへのアクセスも持っております。これらのオペレーションは、通常のビジネスでも利用しておりますが、市場の悪化による不測のリスクを軽減させる重要な手段のひとつです。
キャッシュ・フロー
野村のキャッシュ・フローは、主に顧客ビジネスフローやトレーディングからなる営業活動およびそれと密接な繋がりのある財務活動によりもたらされます。金融機関はビジネスを展開していくことにより営業活動および投資活動において現金支出となる傾向にありますが、野村のキャッシュ・フローは以下に記載しておりますとおり2013年3月期、2014年3月期ともに営業活動において現金収入、投資活動において現金支出となりました。下の表は、野村の2013年3月期および2014年3月期の連結キャッシュ・フロー計算書の抜粋です。
(単位:十億円)
2013年3月期2014年3月期
営業活動から得た現金(純額)549.5457.4
当期純利益105.7216.4
トレーディング資産およびプライベート・エクイティ投資△ 1,448.5△ 485.7
トレーディング負債248.02,007.8
売戻条件付買入有価証券および買戻条件付売却有価証券(純額)1,375.9△ 183.9
借入有価証券担保金および貸付有価証券担保金(純額)863.5△ 1,604.5
その他(純額)△ 595.2507.2
投資活動に使用された現金(純額)△ 160.5△ 103.2
財務活動から得た(△財務活動に使用された)現金(純額)△ 701.6289.4
長期借入の増減(純額)△ 400.2546.2
その他(純額)△ 301.5△ 256.8
現金および現金同等物に対する為替相場変動の影響額47.241.1
現金および現金同等物の増加(△減少)額△ 265.4684.7
現金および現金同等物の期首残高1,070.5805.1
現金および現金同等物の期末残高805.11,489.8


詳細につきましては、「第5 [経理の状況] 1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表]⑤連結キャッシュ・フロー計算書」をご参照ください。
2014年3月期を通じて、野村の現金および現金同等物は6,847億円増加し1兆4,898億円となりました。長期借入の増加により5,462億円の現金収入があり、財務活動から得た現金(純額)は2,894億円となりました。トレーディングにおいてはトレーディング資産およびプライベート・エクイティ投資の増加による現金支出がありましたが、トレーディング負債の増加による現金収入の結果、1兆5,221億円の現金収入となりました。一方、売戻条件付買入有価証券および買戻条件付売却有価証券や借入有価証券担保金および貸付有価証券担保金のようなレポ取引、有価証券貸借取引から1兆7,884億円の現金支出がありました。この結果、営業活動から得た現金(純額)は4,574億円となりました。
2013年3月期を通じて、野村の現金および現金同等物は2,654億円減少し8,051億円となりました。長期借入の減少により4,002億円の現金支出があり、財務活動に使用された現金(純額)は7,016億円となりました。トレーディングにおいてはトレーディング負債の増加による現金収入がありましたが、トレーディング資産およびプライベート・エクイティ投資の増加による現金支出の結果、1兆2,005億円の現金支出となりました。一方、売戻条件付買入有価証券および買戻条件付売却有価証券や借入有価証券担保金および貸付有価証券担保金のようなレポ取引、有価証券貸借取引から2兆2,394億円の現金収入がありました。この結果、営業活動から得た現金(純額)は5,495億円となりました。
貸借対照表および財務レバレッジ
2014年3月31日現在の資産合計は、2013年3月31日現在の37兆9,424億円に対し、売戻条件付買入有価証券、借入有価証券担保金およびトレーディング資産が増加したこと等により、5兆5,779億円増加し、43兆5,203億円となりました。また、2014年3月31日現在の負債は、2013年3月31日現在の35兆6,235億円に対し、買戻条件付売却有価証券およびトレーディング負債が増加したこと等により、5兆3,436億円増加し、40兆9,671億円となりました。2014年3月31日現在の当社株主資本は、2013年3月31日現在の2兆2,944億円に対し、利益剰余金および累積的その他の包括利益の増加に伴い、前期末比2,193億円増加の2兆5,137億円となりました。
野村は、マーケットの極端な変動によってもたらされ得る大きな損失にも耐えられる規模の資本を維持することに努めております。野村の適正資本の維持に係る基本方針は経営会議が決定し、その実践の責任を負います。適正資本の維持に係る基本方針には、適正な総資産規模の水準やそれを維持するために必要な資本規模の決定などが含まれます。当社は、当社のビジネス・モデルに起因する経済的なリスクに耐え得る必要充分な資本を維持しているかにつき、定期的な確認を行っておりますが、こうした観点とは別に、銀行業や証券業を営む子会社は規制当局から要請される最低資本金額を満たす必要もあります。
レバレッジ・レシオは、野村と同様に他の金融機関でも、一般的に用いられており、当社のアニュアルレポートの利用者が野村のレバレッジ・レシオおよび調整後レバレッジ・レシオを他の金融機関と比較できるように、ベンチマークとする目的で、自主的に開示しております。調整後レバレッジ・レシオは、野村がレバッレッジに係る有用な補助的指標であると考える米国会計原則に基づかない指標です。現在のところ、レバレッジ・レシオに関する規制当局や開示法制による要求はありません。
以下の表は、当社株主資本、総資産、調整後総資産と財務レバレッジの状況を示しています。
(単位:十億円)
2013年3月31日2014年3月31日
当社株主資本2,294.42,513.7
総資産37,942.443,520.3
調整後総資産 (1)23,827.126,173.3
レバレッジ・レシオ (2)16.5倍17.3倍
調整後レバレッジ・レシオ (3)10.4倍10.4倍

(1) 調整後総資産は米国会計原則に基づかない指標であり、総資産の額から売戻条件付買入有価証券および借入有価証券担保金の額を控除したものとなり、以下のように計算されます。
(単位:十億円)
2013年3月31日2014年3月31日
総資産37,942.443,520.3
控除:
売戻条件付買入有価証券8,295.49,617.7
借入有価証券担保金5,819.97,729.3
調整後総資産23,827.126,173.3

(2) レバレッジ・レシオは、総資産の額を当社株主資本の額で除して得られる比率です。
(3) 調整後レバレッジ・レシオは、調整後総資産の額を当社株主資本の額で除して得られる比率です。
総資産は、主に売戻条件付買入有価証券、借入有価証券担保金およびトレーディング資産が増加したことにより、14.7%増加しました。当社株主資本は、主に利益剰余金および累積的その他の包括利益が増加したことにより、9.6%増加しました。この結果、野村の財務レバレッジは、2013年3月31日現在の16.5倍から2014年3月31日現在17.3倍に上昇しました。
調整後総資産が増加した理由は、トレーディング資産の増加によるものです。その結果、調整後レバレッジ・レシオは、2013年3月31日現在10.4倍、2014年3月31日現在10.4倍となりました。
連結自己資本規制
金融庁は2005年6月に「金融コングロマリット監督指針」を策定し、連結自己資本規制に関する規定を設けました。この「金融コングロマリット監督指針」に基づき、2005年4月から、当社は、連結自己資本規制比率のモニタリングを開始しました。
2011年4月から、当社は、親会社に対する連結自己資本規制の適用を受ける最終指定親会社の指定を受け、「最終指定親会社及びその子法人等の保有する資産等に照らし当該最終指定親会社及びその子法人等の自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準を定める件」(平成二十二年金融庁告示第百三十号、以下「川上連結告示」といいます。)により、バーゼルⅡに基づく連結自己資本規制比率の計測を開始しました。また、2011年12月末からは、マーケット・リスク相当額の計測方法を大幅に改定したバーゼル2.5に基づく連結自己資本規制比率の計測を開始しました。さらに、2013年3月末からは、より質の高い資本を具備させることを目的とした自己資本項目の再定義や、信用リスク・アセットの計測対象の大幅な追加を主な内容とするバーゼルⅢを受けて改正された川上連結告示の内容に基づいた連結自己資本規制比率の計測を行っております。
当社は、川上連結告示第2条の算式に従い、普通株式等Tier1資本の額、Tier1資本(普通株式等Tier1資本およびその他Tier1資本)の額、総自己資本(Tier1資本およびTier2資本)の額、信用リスク・アセットの額、マーケット・リスク相当額およびオペレーショナル・リスク相当額をもとに連結自己資本規制比率を測定しております。2014年3月31日現在の野村の連結普通株式等Tier1比率(普通株式等Tier1資本の額をリスク・アセットの額で除した比率)は13.2%、連結Tier1比率(Tier1資本の額をリスク・アセットの額で除した比率)は13.2%、連結総自己資本規制比率(総自己資本の額をリスク・アセットの額で除した比率)は15.5%となり、川上連結告示の定める要件をそれぞれ満たしました。なお、2014年3月31日現在、川上連結告示の定める要件は、連結普通株式等Tier1比率について4.0%、連結Tier1比率について5.5%、連結総自己資本規制比率について8%となっております。
2013年3月31日および2014年3月31日現在の連結自己資本規制比率について、以下に示しております。

(単位:億円)
2013年3月31日2014年3月31日
自己資本
普通株式等Tier1資本の額20,92923,142
Tier1資本の額20,92923,142
総自己資本の額24,52127,157
リスク・アセット
信用リスク・アセットの額95,29180,348
マーケット・リスク相当額を8%で除して得た値58,46169,997
オペレーショナル・リスク相当額を8%で除して得た値21,71423,915
リスク・アセット合計175,467174,259
連結自己資本比率
連結普通株式等Tier1比率11.9%13.2%
連結Tier1比率11.9%13.2%
連結総自己資本規制比率13.9%15.5%

普通株式等Tier1資本の額、その他Tier1資本の額およびTier2資本の額は、それぞれに係る基礎項目の額から調整項目の額を控除することにより算出されます。ただし基礎項目を上回る調整項目が発生した資本クラスにおいて、当該資本クラスの資本不足額として、上位の資本クラスにおいて調整項目となります。基礎項目や調整項目の内訳は、バーゼルⅢに基づく改正後の川上連結告示により定められ、経過措置により段階的に当社に適用されており、やや複雑な取り扱いとなっております。
2014年3月31日現在、当社の普通株式等Tier1資本に係る基礎項目の主な内訳は普通株式に係る株主資本であり、Tier2資本に係る基礎項目には、償還期限その他川上連結告示の規定を満たした劣後債務の全部または一部が算入されます。その他Tier1資本に係る基礎項目に該当する資本調達手段は発行しておりません。
現在当社の普通株式等Tier1資本に係る調整項目には、無形固定資産および期待損失額の一部等が含まれ、Tier2資本に係る調整項目には他の金融機関のその他Tier1資本調達手段への出資分および期待損失額の一部等が含まれます。その他Tier1資本に係る調整項目については、本来当社発行のその他Tier1資本との相殺を行うべきところ、その他Tier1資本調達手段の発行を行っていないことから、普通株式等Tier1資本に係る調整項目に算入される扱いとなっております。
マーケット・リスク相当額は内部モデル方式により算出しています。2011年12月末から、バーゼル2.5に基づく計測方法が求められており、マーケット・リスク相当額はバーゼルⅡに基づく計測方法に比べ、大きく増加しております。また、2013年3月末からは、従来自己資本から控除されていた証券化商品の一部がマーケット・リスク相当額の計測対象に追加されております。
信用リスク・アセットおよびオペレーショナル・リスク相当額は、金融庁の承認を得て2011年3月末から基礎的内部格付手法および粗利益配分手法によりそれぞれ算出しております。また、信用リスク・アセットの額の算出に用いるデリバティブ取引やレポ取引のエクスポージャーの額については、従来カレント・エクスポージャー方式や包括的手法により算出しておりましたが、金融庁の承認を得て2012年12月末からその多くを期待エクスポージャー方式により算出しております。2013年3月末からは、バーゼルⅢの導入に伴い、信用リスク・アセットの計測対象がより広範なものとなっております。
当社は川上連結告示で定められた要件の遵守状況を示す他に、バーゼルⅢが適用される他の金融機関との比較を容易にする為、連結自己資本規制比率を開示しております。当社の経営者はこれらに関する報告を定期的に受けております。
金融危機によって明らかになった脆弱性を踏まえ、規制資本の枠組みを強化するより広範な取組みについてバーゼル銀行監督委員会(以下「バーゼル委員会」)は一連の文書を公表しました。当社にとって関連が深いと思われる事項について、以下に概要を記載しております。
2009年7月13日に、バーゼル委員会はトレーディング勘定に対する資本賦課の取扱いの強化と、バーゼルⅡの枠組みの3本の柱を強化する措置に係る文書を公表し、同措置が2011年末から実施されました。いわゆるバーゼル2.5と呼ばれるトレーディング勘定に関する規制の見直しは、複雑なトレーディング業務に係る信用リスクを捕捉するためにより高い資本賦課を導入するものです。これにはストレスのかかったVaR(ストレスVaR)による資本賦課が含まれます。
2010年12月16日にバーゼル委員会は銀行セクターの強靭性を高めるために、いわゆるバーゼルⅢテキスト「より強靭な銀行および銀行システムのための世界的な規制の枠組み」および「流動性リスク計測、基準、モニタリングのための国際的枠組み」を公表しました。提案には、資本の質、一貫性および透明性の向上、店頭デリバティブ取引における信用評価調整(Credit Value Adjustment)の導入のような自己資本の枠組みにおけるリスク捕捉の強化、リスク・ベースの枠組みに対する補完的指標としてのレバレッジ比率の導入、現行の枠組みにおける「プロシクリカリティ(景気循環増幅効果)」に対する懸念を抑制する一連の措置の導入が含まれています。また、30日間の流動性カバレッジ比率と、それを補完するより長期的な構造の流動性比率を含む、最低限の流動性基準の導入も含まれています。また、システム上重要な金融機関が全体にもたらす外部要因としての影響を減少させるような、追加資本、流動性およびその他の監督上の措置も検討に上っています。この基準は、2013年3月31日より段階的に実施されております。加えて、2012年7月25日に、バーゼル委員会より公表された中央清算機関(CCP)向けエクスポージャーに対する資本賦課についての暫定規則はバーゼルⅢの一部として2013年3月末より段階的に実施されております。さらに、本有価証券報告書提出日までに、バーゼル委員会から、レバレッジ比率の枠組みと開示要件、ファンド向けエクイティ出資に係る資本賦課の最終案、カウンターパーティ信用リスクエクスポージャーの計測に係る標準的手法、清算機関向けエクスポージャーに対する資本賦課、大口エクスポージャーの計測と管理のための監督上の枠組等に関して一連の最終規則が公表されており、今後2019年にかけて順次導入予定です。
また、2011年11月のG-20サミットにおいて、金融安定理事会(以下「FSB」)とバーゼル委員会は、グローバルにシステム上重要な金融機関(以下「G-SIBs」)の監督手法および破綻処理計画の策定を含むG-SIBsに対する追加的要件を公表しました。同時に、G-SIBsのリストは毎年11月に更新されることになり、2012年11月および2013年11月に、FSBとバーゼル委員会は、G-SIBsのリストを更新しました。2012年11月および2013年11月時点において、当社はG-SIBsには指定されておりません。一方で、FSBとバーゼル委員会は、G-SIBsの枠組を国内のシステム上重要な金融機関(以下「D-SIBs」)まで拡張するよう要請されており、バーゼル委員会は、D-SIBs に関する評価手法およびより高い損失吸収力の要件に関する一連の原則を策定し、公表しました。FSBおよび証券監督者国際機構(以下「IOSCO」)による銀行・保険会社以外のグローバルなシステム上重要な金融機関(NBNI G-SIFIs)の選定方法についても協議がなされております。
国内においては、金融システムの安定性・透明性の向上を図り、投資者等の保護を確保するため証券会社の連結規制・監督が導入され、2011年4月1日から一定規模以上の証券会社を対象とする規制やモニタリングに関する川上連結告示等一連の規則が施行されました。今後も、川上連結告示を始めとする各業態の自己資本規制はバーゼル委員会、IOSCOまたはFSBの一連の規制強化の動きに沿って改定されると予想されます。
格付会社による信用格付
無担保資金の調達コストおよび調達可能金額は一般的に格付会社による長期あるいは短期の信用格付の影響を受けます。当社および野村證券には、Standard & Poor's、Moody's Investors Service、格付投資情報センターおよび日本格付研究所より長期および短期の信用格付が付与されています。
また、2013年10月3日に当社および野村證券は、Fitch Ratingsから新規に信用格付を取得しております。取得した格付はそれぞれ次のとおりです。
格付対象短期債務長期債務
野村ホールディングス(株)F1A-
野村證券(株)F1A-

2014年5月31日現在の当社および野村證券の格付会社による格付は以下のとおりです。
野村ホールディングス(株)短期債務長期債務
Standard & Poor'sA-2BBB+
Moody's Investors ServiceBaa3
Fitch RatingsF1A-
格付投資情報センターa-1A+
日本格付研究所AA-

野村證券(株)短期債務長期債務
Standard & Poor'sA-2A-
Moody's Investors ServiceP-2Baa2
Fitch RatingsF1A-
格付投資情報センターa-1A+
日本格付研究所AA-


(6) オフ・バランス・シート取引
非連結事業体との取引
野村は通常の業務において、将来の財政状態や業績に影響を与える可能性があるさまざまなオフ・バランス・シート取引を非連結事業体と行っております。
野村が行う非連結事業体とのオフ・バランス・シート取引には、以下のものが含まれます。
・債務保証契約上の義務
・譲渡した資産に対する留保持分または偶発的な持分、もしくは、譲渡した資産に関し信用リスク、流動性リスク、市場リスクを補完するような類似の取引
・デリバティブとして会計処理される契約による一切の義務(偶発債務を含む)
・非連結事業体が資金調達リスク、流動性リスク、市場リスク、信用リスクの補完を野村に対し提供している場合、またはリース、ヘッジ、研究開発契約を野村と結んでいる場合、野村が保有しかつ野村にとって重要な非連結事業体の変動持分から発生する一切の義務(偶発債務を含む)
非連結事業体は、会社、パートナーシップ、ファンド、信託、その他法的事業体の形態をとり、限定された特定の目的を履行するために、発起人によって設立されます。野村は、これらの事業体を設立または発起したり、第三者によって設立または発起された事業体と取引を行います。
野村の非連結事業体との関与は、マーケットの状況に応じて、これらの事業体が発行する負債証券および受益権を組成し、引受け、売出し、販売することが含まれております。また野村は通常の証券化およびエクイティデリバティブ業務の中で、これらの事業体に対する金融資産の譲渡、これらの事業体が発行したリパッケージ金融商品の引受け、売出し、販売を行っております。さらに野村は、マーケットメーク業務、投資業務、組成業務に関連し、特別目的事業体にかかる変動持分の保有、購入、販売を行っております。非連結事業体とのそのほかの関与には、債務保証やデリバティブ契約などが含まれます。これらの事業体との重要な関与は、たとえ期末日における損失の可能性が低くても、取引全てに基づいて評価されています。
変動持分事業体との取引については、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表] [連結財務諸表注記] 8 証券化および変動持分事業体」をご参照ください。
売却取引として会計処理しているレポ取引等
野村は、編纂書860の金融資産の消滅の要件を満たすため、担保付調達としてではなく売却取引として会計処理を行っている一定の形式のレポ取引や有価証券貸借取引を行っております。こうした取引には、満期レポ取引および特定の日本国内有価証券貸借取引があります。
満期レポ取引は、現物債券取引とレポ取引の裁定取引を行う目的で利用しております。特定の債券を市場で調達し、同時に別の取引先と担保債券の満期と一致する満期のレポ取引を締結します。この取引は編纂書860の金融資産の消滅の要件を満たした場合、担保付調達としてではなく売却取引として野村は会計処理しております。野村の連結貸借対照表上売却処理された満期レポ取引は、2013年3月31日および2014年3月31日において、それぞれ該当ありませんでした。
2014年6月、米国財務会計審議会は、満期レポ取引の会計処理を変更する新しい指針を公表しました。当該指針の詳細については、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][連結財務諸表注記]1 会計処理の原則および会計方針の要旨:新しい会計基準の進展」をご参照ください。

野村は、(日本上場株券などの)保有有価証券を資金調達目的で譲渡する特定の有価証券貸借取引を日本国内で行っております。この取引には様々な担保率が適用されますが、通常は貸し付ける有価証券の時価にくらべ相当少ない額の現金を取引先より受領しております。この取引は従前の編纂書860の金融資産の消滅の要件(特に、譲受人が倒産した場合に実質的に合意した期間に譲渡した金融資産の返却を受けられないため、譲渡した金融資産に対して有効な支配を継続できないという点)を満たしていたため、野村の連結財務諸表上は売却取引として会計処理されておりました。2012年1月1日付けでのASU第2011-03号「買戻契約に関する実質的な支配の再検討」の適用により、適用日以降これらの取引は、売却ではなく担保付調達処理されることとなりました。2013年3月31日および2014年3月31日において連結貸借対照表からオフバランス処理された有価証券貸付取引に関わる有価証券はありません。
(7) 契約上の義務の開示
野村の業務の一部として、将来支払いが必要となるかもしれないさまざまな契約上の義務および偶発的コミットメントを有しております。これらの取引は以下のものを含んでおります。
スタンドバイ信用状およびその他の債務保証
野村は、通常の銀行もしくは金融業務の一環として、スタンドバイ信用状およびその他の債務保証の方法で取引相手とさまざまな債務保証を行っており、こうした債務保証には一般に固定満期日が設定されております。
長期借入および約定金利の支払
野村の業務に関連して、野村の資金調達政策に従い、日本円建ておよび日本円建て以外の長期借入、それに関わる変動および固定金利の支払いを行っております。
オペレーティング・リース・コミットメント
野村は、国内外でオフィスおよび特定の従業員用住宅、施設等を解約可能リース契約により賃借しており、当該契約は契約期間満了時に更新されるのが慣行になっております。
野村は、国内外で特定の器具備品および施設を解約不能オペレーティング・リース契約により賃借しております。
キャピタル・リース・コミットメント
野村は、国内外で特定の器具備品および施設をキャピタル・リース契約により賃借しております。
購入義務
物品およびサービスを購入する義務には、建物設備等の工事、広告宣伝、コンピュータ・IT関連の維持管理などに関する契約が該当します。
貸出コミットメント
野村は、銀行もしくは金融業務の一環として、貸出コミットメントを行っており、こうした契約義務には一般に固定満期日が設定されております。
投資銀行業務に関連して、野村は顧客により発行されうる有価証券を引き受けることを保証する契約を結んでおります。
パートナーシップへ投資するコミットメント
野村は、マーチャント・バンキング業務に関連して、パートナーシップ等に投資するコミットメントおよび当該投資に関連してパートナーシップに資金提供するコミットメントを行っております。
航空機購入コミットメント
野村は、航空機のリース事業に関連して、航空機を購入するコミットメント契約を結んでおります。
「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][連結財務諸表注記]10 リース」に野村のオペレーティング・リース、キャピタル・リースにかかわる追加的情報を、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][連結財務諸表注記]13 借入」に野村の短期借入および長期借入にかかわる追加的情報を、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][連結財務諸表注記]23 コミットメント、偶発事象および債務保証」にこれらにかかわる追加的情報を記載しております。
こうした貸出コミットメントにかかる契約金額は、契約がすべて実行され、取引相手先が債務不履行の状態となり、既存担保が無価値になったと仮定した場合に想定される、野村の信用関連損失の最大値を表しております。締結された契約が実行されることなく契約義務が満期を迎える場合もあるため、こうした信用関連コミットメントの契約金額は将来の現金所要額を必ずしも表わしているわけではありません。こうした契約義務にかかる信用リスクは、顧客の信用力および受入担保の価値によって異なったものになります。野村は、各顧客の信用力を個別に評価しております。信用供与に際して必要と考えられる場合に野村が取引相手から受け入れる担保の金額は、取引相手の信用力評価に基づいております。
下記の表は2014年3月31日現在での満期年限別の契約上の義務および偶発的コミットメントを表示しております。
(単位:百万円)
契約総額満期年限
1年以内1~3年3~5年5年超
スタンドバイ信用状およびその他の債
務保証
11,5093342,66828,505
長期借入(1)8,045,5011,435,7892,018,2931,862,8492,728,570
約定金利の支払(2)1,104,656155,372227,793164,380557,111
オペレーティング・リース・コミットメント149,94218,31028,91722,63880,077
キャピタル・リース・コミットメント(3)64,1005097,7788,11547,698
購入義務(4)15,90113,8252,076
貸出コミットメント479,63485,53352,872165,623175,606
パートナーシップ等へ投資するコミットメント18,4604,30582931813,008
航空機購入コミットメント4,4094,409
合計9,894,1121,718,3862,341,2262,223,9253,610,575

(1) 長期借入で開示されている金額は、編纂書860に従って金融資産の譲渡を売却取引ではなく金融取引として会計処理されている金融負債を含んでおりません。これらは野村の資金調達を目的とした借入ではなく、したがって野村が現金を返済する実際の契約上の義務を表しておりません。
(2) 約定金利の支払金額は、長期借入金に関連し、その償還期日および2014年3月31日現在適用される金利に基づいて見積もられる将来の支払金利の総額であります。
(3) キャピタル・リース・コミットメントの契約総額は利息を控除する前の最低支払リース料を記載しています。
(4) 購入義務の金額は、重要な条件がすべて特定されている法的な強制力のある契約に基づく、契約上の義務となる最低金額が記載されています。購入義務の金額には、既に貸借対照表に負債または支払債務として計上されているものは除かれています。
上記に記載されている契約上の義務および偶発的コミットメントには、通常の場合短期の義務の性格を有する短期借入、受入銀行預金、その他の支払債務、担保付契約および担保付調達(例えば、売戻条件付買入取引および買戻条件付売却取引)およびトレーディング負債などを含んでおりません。
上記の金額に加えて、野村は担保付契約、担保付調達および現先レポ取引に関連する金額を含む売戻契約および買戻契約を結ぶ義務を負っております。これらのコミットメントは2014年3月31日現在、売戻契約に対して2,365十億円および買戻契約に対して771十億円となっております。これらの金額には、編纂書860に従って、金融取引ではなく売却として会計処理されている一定の買戻取引および有価証券貸借取引が含まれています。

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  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。