有価証券報告書-第73期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/28 9:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
88項目
(1)業績等の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当事業年度のわが国経済は、着実な成長軌道に乗りました。実質国内総生産(GDP)は2017年10-12月期まで8四半期連続で成長を果たし、特に4-6月期と7-9月期は年率換算で2%を超える好結果となりました。外需の伸長や円安による企業収益押し上げもあり、日本銀行は2017年4月に景気の基調判断を「緩やかな拡大に転じつつある」とし、約9年ぶりに「拡大」という表現を盛り込みました。世界経済においては米国が底堅い成長を維持していることを受けて、連邦準備制度理事会(FRB)は2017年3月、6月、12月、2018年3月と継続的に利上げを実施した他、10月から保有資産の縮小を開始し、量的緩和政策を終了させました。欧州や新興国においても景気の改善が見られる状況となり、国際通貨基金(IMF)は今後の世界経済成長見通しを2017年10月、2018年1月と連続して上方修正し、日本や米国、ユーロ圏の他、新興市場国(アジア・欧州)などが順調な成長を見せると予想しました。
当事業年度の国内株式市場は8月から9月上旬にかけてと2月以降調整したものの、概ね上昇基調で推移しました。期初は、トランプ大統領のドル高牽制発言に加え、米国のシリア攻撃や北朝鮮のミサイル発射実験など地政学リスクの影響により、8~9月は北朝鮮の水爆実験実施により、リスク回避の円高・株安の動きとなりました。しかし、10月に入ると日本企業の業績の伸張に対する評価や期待が高まり、日経平均株価は史上最長となる16連騰(10月2日~24日)を記録しました。さらに、2018年1月23日には1991年11月15日以来となる、終値で24,000円台を回復するなど、上昇基調が鮮明となりました。その後、森友問題の再燃や年度末にかけての米中通商問題の激化などが嫌気され調整色が強まったものの、最終的に当事業年度末の日経平均株価は2017年3月末と比べ13.5%高い21,454円30銭で取引を終えました。
このような状況のもと、当事業年度の業績は、営業収益が161億52百万円(前期比 120.6%)と増加し、営業収益より金融費用71百万円(同 92.7%)を控除した純営業収益は、160億81百万円(同 120.8%)と増加しました。また、販売費・一般管理費は131億25百万円(同 106.6%)となり、その結果、営業利益は29億55百万円(同 295.0%)、経常利益は33億47百万円(同 232.9%)となりました。特別利益が3億9百万円(前事業年度実績 66百万円)、特別損失が20百万円(同 85百万円)、税金費用が10億51百万円(前期比 230.5%)となったことから、当期純利益は25億84百万円(同 268.6%)となりました。
主な概要は以下のとおりであります。
イ 受入手数料
当事業年度の受入手数料の合計は、110億93百万円(前期比 122.9%)となりました。
a 委託手数料
「委託手数料」は、50億95百万円(同 118.3%)となりました。これは、株券委託売買金額が9,520億円(同 124.5%)と増加したことにより、株式の委託手数料が50億58百万円(同 119.3%)となったことによるものです。また、受益証券の委託手数料は36百万円(同 54.2%)となりました。
b 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
「引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料」は、47百万円(同 103.5%)となりました。
c 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料
主に投資信託の販売手数料で構成される「募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料」は、30億30百万円(同 134.4%)となりました。これは、日本の中小型株式や豪州の高配当株式、世界のAI関連企業へ投資する投資信託の販売が好調だったことによるものです。また、「その他の受入手数料」は、ファンドラップ手数料や投資信託の代行手数料の増加等により29億20百万円(同 120.9%)となりました。
ロ トレーディング損益
当事業年度のトレーディング損益は、株券等が米国株式の売買高の増加により36億89百万円(前期比 279.6%)、債券・為替等は11億7百万円(同 39.3%)となり、合計で47億97百万円(同 115.8%)となりました。
ハ 金融収支
当事業年度の金融収益は、信用取引収益の増加等により2億24百万円(前期比 110.4%)、金融費用は信用取引費用の減少等により71百万円(同 92.7%)で差引収支は1億53百万円(同 121.3%)の利益となりました。
ニ 販売費・一般管理費
当事業年度の販売費・一般管理費は、受入手数料やトレーディング損益などが増加したことに伴い、主に賞与等の人件費が増加したことから、131億25百万円(前期比 106.6%)となりました。
ホ 特別損益
当事業年度の特別利益は投資有価証券売却益が3億9百万円(前事業年度実績 48百万円)となりました。また、特別損失は、金融商品取引責任準備金繰入れ20百万円(同 -百万円)となり、差引2億89百万円の利益(同 18百万円の損失)となりました。
② 財政状態の状況
イ 流動資産
当事業年度の流動資産は、前事業年度に比べ38億18百万円増加し、507億51百万円となりました。これは、現金・預金が9億6百万円、商品有価証券等が1億76百万円減少する一方、信用取引資産が30億3百万円、預託金が14億1百万円、募集等払込金が4億32百万円増加したことなどによるものです。
ロ 固定資産
当事業年度の固定資産は、前事業年度に比べ16億24百万円増加し、174億50百万円となりました。これは、投資有価証券が14億40百万円、建物が2億28百万円増加したことなどによるものです。
ハ 流動負債
当事業年度の流動負債は、前事業年度に比べ26億73百万円増加し、225億3百万円となりました。これは、信用取引負債が5億54百万円減少する一方、預り金が21億52百万円、未払法人税等が7億9百万円、受入保証金が1億50百万円、未払金が1億38百万円増加したことなどによるものです。
ニ 固定負債及び特別法上の準備金
当事業年度の固定負債及び特別法上の準備金は、前事業年度に比べ4億2百万円増加し、53億5百万円となりました。これは、繰延税金負債が3億36百万円、従業員株式給付引当金が77百万円増加したことなどによるものです。

ホ 純資産
当事業年度の純資産は、前事業年度に比べ23億67百万円増加し、403億94百万円となりました。これは、剰余金の配当で7億8百万円、自己株式の取得で3億59百万円減少する一方、当期純利益で25億84百万円、その他有価証券評価差額金で8億50百万円増加したことなどによるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における「現金及び現金同等物の期末残高」は、前事業年度に比べ9億6百万円減少し、203億87百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における「営業活動によるキャッシュ・フロー」は7億79百万円の増加となりました。これは「信用取引資産及び信用取引負債の増減額」で35億58百万円、「顧客分別金信託の増減額」で14億円、「受取利息及び受取配当金」で4億81百万円、「募集等払込金の増減額」で4億32百万円減少する一方、「税引前当期純利益」で36億36百万円、「預り金及び受入保証金の増減額」で22億93百万円、「利息及び配当金の受取額」で4億74百万円、「減価償却費」で3億18百万円増加したことなどが要因であります。なおこれは、前事業年度の「営業活動によるキャッシュ・フロー」26億55百万円の増加と比較すると18億76百万円の減少となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における「投資活動によるキャッシュ・フロー」は5億60百万円の減少となりました。これは「投資有価証券の売却による収入」で3億73百万円増加する一方、「有形固定資産の取得による支出」で5億30百万円、「投資有価証券の取得による支出」で3億6百万円、「無形固定資産の取得による支出」で41百万円、「有形固定資産の除却による支出」で36百万円、「資産除去債務の履行による支出」で20百万円減少したことなどが要因であります。なおこれは、前事業年度の「投資活動によるキャッシュ・フロー」1億54百万円の減少と比較すると4億6百万円の減少となっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における「財務活動によるキャッシュ・フロー」は10億82百万円の減少となりました。これは「配当金の支払額」で7億9百万円、「自己株式の取得による支出」で3億59百万円減少したことなどが要因であります。なおこれは、前事業年度の「財務活動によるキャッシュ・フロー」7億86百万円の減少と比較すると2億95百万円の減少となっております。
④ 生産、受注及び販売の状況
当社は金融商品取引業を営んでいるため、「生産、受注及び販売の状況」については、「(1)業績等の概要①~③」に含めて記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 当事業年度の経営成績の分析
当事業年度は、日本及び米国の株式市況が概ね堅調だったことから、「委託手数料」は前期比7億87百万円、米国株式等の売買に伴って計上される「トレーディング損益」も前期比6億55百万円増加いたしました。また、安定収益基盤構築を目的に販売に注力した、投資信託及びファンドラップに係る手数料は、「募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料」が前期比7億76百万円、「その他受入手数料」も前期比5億4百万円増加いたしました。当事業年度は、取引に応じて受け取るフロー収益及び残高に応じて受け取るストック収益の両面で、良好な経営成績を残すことができました。
販売費・一般管理費は、収益が増加したことに伴い、主に賞与が増加したことから、「人件費」が前期比6億72百万円増加し、販売費・一般管理費合計では前期比8億14百万円増加いたしました。
現在、当社は第四次中期経営計画(2016年4月~2019年3月)を推進中で、この第四次中期経営計画では、その先の第五次中期経営計画(2019年4月~2022年3月)と併せて2015年3月に策定した経営ビジョン(6ページ参照)の実現を目的としております。第四次中期経営計画の2年目にあたる当事業年度は「行動スタイルの変革」という言葉をスローガンに、安易な乗り換えの抑制、お客さまの含み益重視等、お客さま本位の営業スタイルを実践し、新規資金導入による投資信託及びファンドラップの残高増大に取り組みました。これにより、当社が目指す安定収益基盤の構築に、一定の成果があがったものと考えております。
第四次中期経営計画で掲げた計数目標の当事業年度の達成状況は、①ROE6.6%(目標8.0%)、②ストック収入による販管費カバー率22.0%(目標23.0%)、③ファンドラップ預り資産残高716億円(目標720億円)となりました。①のROEについては、前期の2.5%から大幅に改善したものの、収益基盤構築に重点を置いたために未達となりました。②の販管費カバー率は、分子となる投資信託の代行手数料及びファンドラップ報酬ともに着実に増加しましたが、目標設定時に想定した投資信託の時価残高を下回ったため未達となりました。③のファンドラップ預り資産残高は、目標達成のために期初に設定した販売目標は達成したものの、2018年に入り為替が円高方向に振れたことで値下がりし、目標達成には至りませんでした。
② 経営成績に重要な影響を与える要因の分析
当社は対面及びインターネットの二つのチャネルを展開しており、対面ではフロー収益として、株式委託手数料、投資信託の販売手数料、外国株式・外国債券のトレーディング収益、またストック収益として、投資信託の代行手数料、ファンドラップ報酬を主な収益源としております。株式委託手数料及び外国株式のトレーディング収益は、日本及び米国の株式市況に大きく影響を受けます。また、外国株式は為替の影響も受け、円安になると円ベースの価格が上昇いたします。投資信託は運用する資産や手法により様々な要因で基準価格が上下しますが、基準価格が上昇すると販売が伸びる傾向があるとともに、預り残高が増加することで代行手数料も増加いたします。また、ファンドラップは9種類の投資信託を組み合わせ、国際分散投資をしていることから、運用成績や為替の動向で、残高に対する報酬が増減いたしますが、販売は運用成績にあまり影響を受けず、残高は順調に伸びております。なお、インターネット取引については、開設口座数が少数であるため、収益全体に占める割合は僅かであります。
費用面では、販売費・一般管理費は固定的な費用が大部分を占めておりますが、「人件費」に含まれる賞与は経営成績によって増減いたします。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当事業年度末の現金・預金残高は203億87百万円となっており、日常の運転資金としては十分な額を有しております。また当社は日本銀行に当座預金を開設する金融機関として、万一の場合でも資金決済が滞ることのないよう、非常時に備えた資金を有しておくことが必要であると考えております。さらに、非常時に備え「資金流動性危機対応マニュアル」を策定している他、定期的に資金流動性のストレスチェックテストを実施し、経営会議に報告しております。
現在、信用取引借入金を除く借入金は27億50百万円あり、自己資金で返済することは可能ですが、安定的な資金調達を図るため銀行等との関係を重視し、借入を継続しております。また現在借入実績のない銀行等に対しても借入枠を確保するよう努めております。
なお、現在重要な資金の支出の予定はありません。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。