有価証券報告書-第76期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当事業年度のわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により停滞しましたが、7月以降は回復する動きとなりました。2019年10月の消費増税の影響により停滞した状況下でコロナ禍を迎えた結果、実質国内総生産(実質GDP)は、2020年4-6月期に年率換算で29.3%下落と、戦後最大の落ち込みとなりました。しかし、7-9月期には年率換算で22.8%上昇と急回復を果たし、10―12月期も回復が継続しました。2021年1月に首都圏などで緊急事態宣言が再発令されたものの、2月の内閣府景気ウォッチャー調査では先行き判断が2018年9月以来の高水準となるなど、国内景気の回復傾向が強まりました。
当事業年度の国内株式市場は、前事業年度末のコロナ禍による急落から回復する展開となりました。2020年4~5月はコロナ禍急落から反発する動きとなり、11月は米大統領選挙の通過及び新型コロナウイルス感染症向けワクチンの開発進展と接種開始による経済活動の平常化期待、2021年1~2月は米新政権による追加経済対策や米ワクチン接種の拡大による景気回復期待などが背景となり、株価は上昇トレンドとなりました。1月に首都圏などで緊急事態宣言が再発令されましたが、「世界の景気敏感株」と評される日本株は世界経済の回復期待を受けて、2月15日に日経平均株価が1990年8月2日以来となる30,000円の大台を回復しました。最終的に、当事業年度末の日経平均株価は2020年3月末と比べ54.2%高い29,178円80銭で取引を終えました。
このような状況の中、当事業年度の業績は、営業収益が153億66百万円(前期比 128.6%)と増加し、営業収益より金融費用71百万円(同 103.2%)を控除した純営業収益は、152億94百万円(同 128.8%)と増加しました。また、販売費・一般管理費は124億77百万円(同 105.1%)となり、その結果、営業利益は28億17百万円(同 39,816.2%)、経常利益は32億7百万円(同 726.0%)となりました。特別損失が3億59百万円(前事業年度実績 1億80百万円)、税金費用が9億79百万円(前期比 594.0%)となったことから、当期純利益は18億68百万円(同 236.0%)と増加しました。
主な概要は以下のとおりであります。
イ 受入手数料
当事業年度の「受入手数料」の合計は、138億91百万円(前期比 146.4%)となりました。
a 委託手数料
「委託手数料」は、78億45百万円(同 181.2%)となりました。これは、主に株券委託売買金額が1兆1,904億円(同 159.0%)と増加したことにより、株式の委託手数料が77億54百万円(同 182.1%)となったことによるものです。なお、受益証券の委託手数料は91百万円(同 124.9%)となりました。
b 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
「引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料」は、41百万円(同 72.7%)となりました。
c 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料
主に投資信託の販売手数料で構成される「募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料」は、30億1百万円(同 137.2%)となりました。これは、世界のAI関連企業の株式、米国の持続的な成長企業、世界の質の高い成長企業に投資をする投資信託の販売が好調だったことによるものです。また、「その他の受入手数料」は、ファンドラップ手数料や投資信託の代行手数料の増加等により30億2百万円(同 103.0%)となりました。
ロ トレーディング損益
当事業年度の「トレーディング損益」は、株券等が自己取引の売買高の減少により9億72百万円(前期比 67.2%)、債券・為替等は2億67百万円(同 34.1%)となり、合計で12億39百万円(同 55.6%)となりました。
ハ 金融収支
当事業年度の「金融収益」は、信用取引収益の減少等により1億98百万円(前期比 105.9%)、「金融費用」は信用取引費用の増加等により71百万円(同 103.2%)で差引収支は1億26百万円(同 107.5%)の利益となりました。
ニ 販売費・一般管理費
当事業年度の「販売費・一般管理費」は、「事務費」が減少する一方、「営業収益」などが増加したことに伴い賞与などの「人件費」が増加したことから、124億77百万円(前期比 105.1%)となりました。
ホ 特別損益
当事業年度の「特別損失」は、「投資有価証券評価損」2億44百万円(前事業年度実績 1億38百万円)、「投資有価証券売却損」73百万円(同 1百万円)、「和解金」32百万円(同 -百万円)、「減損損失」5百万円(同 39百万円)、「金融商品取引責任準備金繰入れ」3百万円(同 0百万円)となり、合計で3億59百万円(同 1億80百万円)となりました。
② 財政状態の状況
イ 流動資産
当事業年度の「流動資産」は、前事業年度に比べ88億98百万円増加し、552億43百万円となりました。これは、「募集等払込金」が13億90百万円減少する一方、「信用取引資産」が46億89百万円、「預託金」が39億2百万円、「現金・預金」が16億90百万円増加したことなどによるものです。
ロ 固定資産
当事業年度の「固定資産」は、前事業年度に比べ20億73百万円増加し、166億69百万円となりました。これは、「投資有価証券」が21億99百万円増加したことなどによるものです。
ハ 流動負債
当事業年度の「流動負債」は、前事業年度に比べ69億10百万円増加し、267億25百万円となりました。これは、「預り金」が47億91百万円、「未払法人税等」が7億3百万円、「有価証券担保借入金」が5億44百万円、「信用取引負債」が4億39百万円増加したことなどによるものです。
ニ 固定負債及び特別法上の準備金
当事業年度の「固定負債」及び「特別法上の準備金」は、前事業年度に比べ8億87百万円増加し、54億77百万円となりました。これは、「繰延税金負債」が7億44百万円、「従業員株式給付引当金」が1億28百万円増加したことなどによるものです。
ホ 純資産
当事業年度の「純資産」は、前事業年度に比べ31億74百万円増加し、397億9百万円となりました。これは、「剰余金の配当」で6億51百万円減少する一方、「その他有価証券評価差額金」で19億54百万円、「当期純利益」で18億68百万円増加したことなどによるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における「現金及び現金同等物の期末残高」は、前事業年度に比べ16億90百万円増加し、251億25百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における「営業活動によるキャッシュ・フロー」は22億78百万円の増加となりました。これは「信用取引資産及び信用取引負債の増減額」で42億49百万円、「顧客分別金信託の増減額」で38億99百万円減少する一方、「預り金及び受入保証金の増減額」で48億42百万円、「税引前当期純利益」で28億47百万円、「募集等払込金の増減額」で13億90百万円、「有価証券担保借入金の増減額」で5億44百万円、「利息及び配当金の受取額」で4億33百万円増加したことなどが要因であります。なおこれは、前事業年度の「営業活動によるキャッシュ・フロー」11億7百万円の増加と比較すると11億71百万円の増加となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における「投資活動によるキャッシュ・フロー」は52百万円の減少となりました。これは、「投資有価証券の売却による収入」で2億12百万円増加する一方、「有形固定資産の取得による支出」で1億50百万円、「無形固定資産の取得による支出」で69百万円、「投資有価証券の取得による支出」で50百万円減少したことなどが要因であります。なおこれは、前事業年度の「投資活動によるキャッシュ・フロー」1億26百万円の増加と比較すると1億79百万円の減少となっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における「財務活動によるキャッシュ・フロー」は6億52百万円の減少となりました。これは、「配当金の支払額」で6億49百万円減少したことなどが要因であります。なおこれは、前事業年度の「財務活動によるキャッシュ・フロー」16億57百万円の減少と比較すると10億5百万円の増加となっております。
④ 生産、受注及び販売の状況
当社は金融商品取引業を営んでいるため、「生産、受注及び販売の状況」については、「(1)経営成績等の状況の概要①~③」に含めて記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 当事業年度の経営成績の分析
当事業年度は第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(1)「目標とする経営指標」及び(2)「中長期的な会社の経営戦略」に記載のとおり、数値目標の達成及び施策に取り組んでまいりました。
数値目標に対する当事業年度の実績は以下のとおりです。
イ 販管費カバー率については、ファンドラップと投資信託の残高増加に伴い投資信託の代行手数料が16億30百万円(前期比 103.9%)、ファンドラップ報酬は13億24百万円(同 100.7%)となりストック収入は増加したものの、賞与等の費用が増加したことから23.7%となりました。
ロ 2021年3月末のファンドラップ預り資産は、前事業年度末から219億円増加し1,132億円となりました。
投資信託については、第五次中期経営戦略の柱であるコア・サテライト戦略を推進したことと、世界的な好市況を背景に基準価額が上昇したことから、公社債投資信託及びファンドラップを除く期末の預り残高は2,696億円(前事業年度末比153.6%)となりました。また、近年当社が注力している米国株式については、委託と店頭の2種類の取引方法がありますが、委託取引を選択するお客さまが増加したことから、前事業年度と比較して委託手数料が増加する一方、トレーディング収益は減少しました。
2021年度も引き続き「お客さま本位の業務運営を実現するための方針」に則り、お客さまの最善 の利益を追求するため、お客さまニーズに沿ったポートフォリオ等の提案、分かり易い手数料や投資情報の提供、営業員のマーケット対応力強化などに取り組んでまいります。
② 経営成績に重要な影響を与える要因の分析
当社は対面及びインターネットの二つのチャネルを展開しており、対面ではフロー収益として、株式委託手数料、投資信託の販売手数料、外国株式・外国債券等のトレーディング収益、またストック収益として、投資信託の代行手数料、ファンドラップ報酬を主な収益源としております。株式委託手数料及び外国株式のトレーディング収益は、日本及び米国の株式市況に大きく影響を受けます。また、外国株式は為替の影響も受け、円安になると円ベースの価格が上昇いたします。投資信託は運用する資産や手法により様々な要因で基準価格が上下しますが、基準価格が上昇すると販売が伸びる傾向があるとともに、預り残高が増加することで代行手数料も増加いたします。また、ファンドラップは9種類の投資信託を組み合わせ、国際分散投資をしていることから、運用成績や為替の動向で、残高に対する報酬が増減いたしますが、販売は運用成績にあまり影響を受けず、残高は順調に伸びております。なお、インターネット取引については、開設口座数が少数であるため、収益全体に占める割合は少額であります。
費用面では、販売費・一般管理費は固定的な費用が大部分を占めておりますが、「人件費」に含まれる賞与は経営成績によって増減いたします。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度末の現金・預金残高は251億25百万円となっており、日常の運転資金としては十分な額を有しております。また、当社は日本銀行に当座預金を開設する金融機関として、万一の場合でも資金決済が滞ることのないよう、非常時に備えた資金を有しておくことが必要であると考えております。さらに、非常時に備え「資金流動性危機対応マニュアル」を策定している他、定期的に資金流動性のストレスチェックテストを実施し、経営会議に報告しております。
現在、信用取引借入金及び有価証券貸借取引受入金を除く借入金は27億50百万円あり、自己資金で返済することは可能ですが、安定的な資金調達を図るため銀行等との関係を重視し、借入を継続しております。また、現在借入実績のない銀行等に対しても借入枠を確保するよう努めております。
当社の現金・預金残高の主な変動要因は信用取引貸付金であります。市況が良い時には信用取引が増加するため、貸付金増加に対応するための資金を確保しておく必要があります。また、お客さまの利便性向上や業務の効率化等のためのシステム投資を行っており、こうした成長投資を継続して実施するための資金を必要としております。株主還元実施後も結果として内部留保が増加する場合においては、信用取引貸付金の原資や成長投資のための資金として有効に活用いたします。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当事業年度のわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により停滞しましたが、7月以降は回復する動きとなりました。2019年10月の消費増税の影響により停滞した状況下でコロナ禍を迎えた結果、実質国内総生産(実質GDP)は、2020年4-6月期に年率換算で29.3%下落と、戦後最大の落ち込みとなりました。しかし、7-9月期には年率換算で22.8%上昇と急回復を果たし、10―12月期も回復が継続しました。2021年1月に首都圏などで緊急事態宣言が再発令されたものの、2月の内閣府景気ウォッチャー調査では先行き判断が2018年9月以来の高水準となるなど、国内景気の回復傾向が強まりました。
当事業年度の国内株式市場は、前事業年度末のコロナ禍による急落から回復する展開となりました。2020年4~5月はコロナ禍急落から反発する動きとなり、11月は米大統領選挙の通過及び新型コロナウイルス感染症向けワクチンの開発進展と接種開始による経済活動の平常化期待、2021年1~2月は米新政権による追加経済対策や米ワクチン接種の拡大による景気回復期待などが背景となり、株価は上昇トレンドとなりました。1月に首都圏などで緊急事態宣言が再発令されましたが、「世界の景気敏感株」と評される日本株は世界経済の回復期待を受けて、2月15日に日経平均株価が1990年8月2日以来となる30,000円の大台を回復しました。最終的に、当事業年度末の日経平均株価は2020年3月末と比べ54.2%高い29,178円80銭で取引を終えました。
このような状況の中、当事業年度の業績は、営業収益が153億66百万円(前期比 128.6%)と増加し、営業収益より金融費用71百万円(同 103.2%)を控除した純営業収益は、152億94百万円(同 128.8%)と増加しました。また、販売費・一般管理費は124億77百万円(同 105.1%)となり、その結果、営業利益は28億17百万円(同 39,816.2%)、経常利益は32億7百万円(同 726.0%)となりました。特別損失が3億59百万円(前事業年度実績 1億80百万円)、税金費用が9億79百万円(前期比 594.0%)となったことから、当期純利益は18億68百万円(同 236.0%)と増加しました。
主な概要は以下のとおりであります。
イ 受入手数料
当事業年度の「受入手数料」の合計は、138億91百万円(前期比 146.4%)となりました。
a 委託手数料
「委託手数料」は、78億45百万円(同 181.2%)となりました。これは、主に株券委託売買金額が1兆1,904億円(同 159.0%)と増加したことにより、株式の委託手数料が77億54百万円(同 182.1%)となったことによるものです。なお、受益証券の委託手数料は91百万円(同 124.9%)となりました。
b 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
「引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料」は、41百万円(同 72.7%)となりました。
c 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料
主に投資信託の販売手数料で構成される「募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料」は、30億1百万円(同 137.2%)となりました。これは、世界のAI関連企業の株式、米国の持続的な成長企業、世界の質の高い成長企業に投資をする投資信託の販売が好調だったことによるものです。また、「その他の受入手数料」は、ファンドラップ手数料や投資信託の代行手数料の増加等により30億2百万円(同 103.0%)となりました。
ロ トレーディング損益
当事業年度の「トレーディング損益」は、株券等が自己取引の売買高の減少により9億72百万円(前期比 67.2%)、債券・為替等は2億67百万円(同 34.1%)となり、合計で12億39百万円(同 55.6%)となりました。
ハ 金融収支
当事業年度の「金融収益」は、信用取引収益の減少等により1億98百万円(前期比 105.9%)、「金融費用」は信用取引費用の増加等により71百万円(同 103.2%)で差引収支は1億26百万円(同 107.5%)の利益となりました。
ニ 販売費・一般管理費
当事業年度の「販売費・一般管理費」は、「事務費」が減少する一方、「営業収益」などが増加したことに伴い賞与などの「人件費」が増加したことから、124億77百万円(前期比 105.1%)となりました。
ホ 特別損益
当事業年度の「特別損失」は、「投資有価証券評価損」2億44百万円(前事業年度実績 1億38百万円)、「投資有価証券売却損」73百万円(同 1百万円)、「和解金」32百万円(同 -百万円)、「減損損失」5百万円(同 39百万円)、「金融商品取引責任準備金繰入れ」3百万円(同 0百万円)となり、合計で3億59百万円(同 1億80百万円)となりました。
② 財政状態の状況
イ 流動資産
当事業年度の「流動資産」は、前事業年度に比べ88億98百万円増加し、552億43百万円となりました。これは、「募集等払込金」が13億90百万円減少する一方、「信用取引資産」が46億89百万円、「預託金」が39億2百万円、「現金・預金」が16億90百万円増加したことなどによるものです。
ロ 固定資産
当事業年度の「固定資産」は、前事業年度に比べ20億73百万円増加し、166億69百万円となりました。これは、「投資有価証券」が21億99百万円増加したことなどによるものです。
ハ 流動負債
当事業年度の「流動負債」は、前事業年度に比べ69億10百万円増加し、267億25百万円となりました。これは、「預り金」が47億91百万円、「未払法人税等」が7億3百万円、「有価証券担保借入金」が5億44百万円、「信用取引負債」が4億39百万円増加したことなどによるものです。
ニ 固定負債及び特別法上の準備金
当事業年度の「固定負債」及び「特別法上の準備金」は、前事業年度に比べ8億87百万円増加し、54億77百万円となりました。これは、「繰延税金負債」が7億44百万円、「従業員株式給付引当金」が1億28百万円増加したことなどによるものです。
ホ 純資産
当事業年度の「純資産」は、前事業年度に比べ31億74百万円増加し、397億9百万円となりました。これは、「剰余金の配当」で6億51百万円減少する一方、「その他有価証券評価差額金」で19億54百万円、「当期純利益」で18億68百万円増加したことなどによるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における「現金及び現金同等物の期末残高」は、前事業年度に比べ16億90百万円増加し、251億25百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における「営業活動によるキャッシュ・フロー」は22億78百万円の増加となりました。これは「信用取引資産及び信用取引負債の増減額」で42億49百万円、「顧客分別金信託の増減額」で38億99百万円減少する一方、「預り金及び受入保証金の増減額」で48億42百万円、「税引前当期純利益」で28億47百万円、「募集等払込金の増減額」で13億90百万円、「有価証券担保借入金の増減額」で5億44百万円、「利息及び配当金の受取額」で4億33百万円増加したことなどが要因であります。なおこれは、前事業年度の「営業活動によるキャッシュ・フロー」11億7百万円の増加と比較すると11億71百万円の増加となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における「投資活動によるキャッシュ・フロー」は52百万円の減少となりました。これは、「投資有価証券の売却による収入」で2億12百万円増加する一方、「有形固定資産の取得による支出」で1億50百万円、「無形固定資産の取得による支出」で69百万円、「投資有価証券の取得による支出」で50百万円減少したことなどが要因であります。なおこれは、前事業年度の「投資活動によるキャッシュ・フロー」1億26百万円の増加と比較すると1億79百万円の減少となっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における「財務活動によるキャッシュ・フロー」は6億52百万円の減少となりました。これは、「配当金の支払額」で6億49百万円減少したことなどが要因であります。なおこれは、前事業年度の「財務活動によるキャッシュ・フロー」16億57百万円の減少と比較すると10億5百万円の増加となっております。
④ 生産、受注及び販売の状況
当社は金融商品取引業を営んでいるため、「生産、受注及び販売の状況」については、「(1)経営成績等の状況の概要①~③」に含めて記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 当事業年度の経営成績の分析
当事業年度は第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(1)「目標とする経営指標」及び(2)「中長期的な会社の経営戦略」に記載のとおり、数値目標の達成及び施策に取り組んでまいりました。
数値目標に対する当事業年度の実績は以下のとおりです。
イ 販管費カバー率については、ファンドラップと投資信託の残高増加に伴い投資信託の代行手数料が16億30百万円(前期比 103.9%)、ファンドラップ報酬は13億24百万円(同 100.7%)となりストック収入は増加したものの、賞与等の費用が増加したことから23.7%となりました。
ロ 2021年3月末のファンドラップ預り資産は、前事業年度末から219億円増加し1,132億円となりました。
投資信託については、第五次中期経営戦略の柱であるコア・サテライト戦略を推進したことと、世界的な好市況を背景に基準価額が上昇したことから、公社債投資信託及びファンドラップを除く期末の預り残高は2,696億円(前事業年度末比153.6%)となりました。また、近年当社が注力している米国株式については、委託と店頭の2種類の取引方法がありますが、委託取引を選択するお客さまが増加したことから、前事業年度と比較して委託手数料が増加する一方、トレーディング収益は減少しました。
2021年度も引き続き「お客さま本位の業務運営を実現するための方針」に則り、お客さまの最善 の利益を追求するため、お客さまニーズに沿ったポートフォリオ等の提案、分かり易い手数料や投資情報の提供、営業員のマーケット対応力強化などに取り組んでまいります。
② 経営成績に重要な影響を与える要因の分析
当社は対面及びインターネットの二つのチャネルを展開しており、対面ではフロー収益として、株式委託手数料、投資信託の販売手数料、外国株式・外国債券等のトレーディング収益、またストック収益として、投資信託の代行手数料、ファンドラップ報酬を主な収益源としております。株式委託手数料及び外国株式のトレーディング収益は、日本及び米国の株式市況に大きく影響を受けます。また、外国株式は為替の影響も受け、円安になると円ベースの価格が上昇いたします。投資信託は運用する資産や手法により様々な要因で基準価格が上下しますが、基準価格が上昇すると販売が伸びる傾向があるとともに、預り残高が増加することで代行手数料も増加いたします。また、ファンドラップは9種類の投資信託を組み合わせ、国際分散投資をしていることから、運用成績や為替の動向で、残高に対する報酬が増減いたしますが、販売は運用成績にあまり影響を受けず、残高は順調に伸びております。なお、インターネット取引については、開設口座数が少数であるため、収益全体に占める割合は少額であります。
費用面では、販売費・一般管理費は固定的な費用が大部分を占めておりますが、「人件費」に含まれる賞与は経営成績によって増減いたします。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度末の現金・預金残高は251億25百万円となっており、日常の運転資金としては十分な額を有しております。また、当社は日本銀行に当座預金を開設する金融機関として、万一の場合でも資金決済が滞ることのないよう、非常時に備えた資金を有しておくことが必要であると考えております。さらに、非常時に備え「資金流動性危機対応マニュアル」を策定している他、定期的に資金流動性のストレスチェックテストを実施し、経営会議に報告しております。
現在、信用取引借入金及び有価証券貸借取引受入金を除く借入金は27億50百万円あり、自己資金で返済することは可能ですが、安定的な資金調達を図るため銀行等との関係を重視し、借入を継続しております。また、現在借入実績のない銀行等に対しても借入枠を確保するよう努めております。
当社の現金・預金残高の主な変動要因は信用取引貸付金であります。市況が良い時には信用取引が増加するため、貸付金増加に対応するための資金を確保しておく必要があります。また、お客さまの利便性向上や業務の効率化等のためのシステム投資を行っており、こうした成長投資を継続して実施するための資金を必要としております。株主還元実施後も結果として内部留保が増加する場合においては、信用取引貸付金の原資や成長投資のための資金として有効に活用いたします。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。