有価証券報告書-第81期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/18 11:31
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(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、景況感の改善が進み、概ね堅調に推移いたしました。国内総生産(GDP)は、7~9月期に名目・実質ともに6四半期ぶりのマイナス成長となったものの、10~12月期にはプラス成長へと回復いたしました。有効求人倍率は低下したものの、景気動向指数(CI)の先行指数や消費動向調査における消費者態度指数、暮らし向き、収入の増え方、雇用環境などは改善傾向にあり、消費者物価指数の上昇率も鈍化傾向を示しております。米国による関税政策の不確実性が低下し、物価上昇を背景とした企業の積極的な賃上げが継続するなか、日本銀行が2025年12月に追加利上げを決定するなど、国内景気の緩やかな回復見通しが強まりました。
米国経済は、7~9月期の実質GDP成長率が2年ぶりの水準に回復いたしました。10月には連邦政府のつなぎ予算不成立に伴い、史上最長となる43日間の政府機関の一部閉鎖が発生したため、10~12月期の実質GDP成長率は減速を余儀なくされましたが、マイナス成長への転落は回避されました。主要経済統計の発表が遅延・中止される不透明な環境下ではありましたが、米連邦準備制度理事会(FRB)は雇用環境の減速を背景に、12月会合まで3回連続となる利下げを実施しました。
当事業年度の国内株式市場は、期初に米国による相互関税の発表を受けて日経平均株価が記録的な下落幅を示し、約1年5ヵ月ぶりの安値を付けるなど波乱の展開で始まりました。しかしその後、相互関税の一部停止や日米・米中間の関税交渉の合意に加え、生成AI関連の需要拡大を背景とした半導体関連銘柄の躍進、国内企業の堅調な業績、米国の金融緩和などを背景に、調整を交えつつも上昇基調となりました。さらに、自民党総裁選における高市氏の勝利と衆院選での与党大勝を受けた政策期待などが支援材料となり、日経平均株価は2026年2月27日に史上最高値58,850円27銭を記録しました。翌28日にイスラエルと米国がイランを攻撃したことで投資環境は大きく変化し、3月は波乱の展開となりましたが、当事業年度末の日経平均株価は、2025年3月末と比べ43.4%高い51,063円72銭で取引を終了しました。
このような状況の中、当事業年度の業績は、営業収益が160億74百万円(前期比 15.0%増)と増加し、営業収益より金融費用76百万円(同 44.2%増)を控除した純営業収益は、159億98百万円(同 14.8%増)と増加しました。また、販売費・一般管理費は128億51百万円(同 6.5%増)となり、その結果、営業利益は31億46百万円(同 69.3%増)、経常利益は35億98百万円(同 54.5%増)となりました。特別利益が6億68百万円(前事業年度実績 8億57百万円)、特別損失が2百万円(前事業年度実績 -百万円)、税金費用が11億69百万円(前期比52.8%増)となったことから、当期純利益は30億95百万円(同 27.9%増)と増加しました。
主な概況は以下のとおりであります。
イ 受入手数料
当事業年度の「受入手数料」の合計は、124億99百万円(前期比 1.7%減)となりました。
a 委託手数料
「委託手数料」は、49億10百万円(同 1.4%減)となりました。これは、主に日本株の委託手数料が33億4百万円(同 13.6%増)と増加する一方、米国株の委託手数料が15億72百万円(同 22.8%減)と減少したことにより、株券の委託手数料が48億77百万円(同 1.4%減)となったことによるものです。また、受益証券の委託手数料は33百万円(同 2.5%減)となりました。
b 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
「引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料」は、81百万円(同 1.0%増)となりました。
c 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料
主に投資信託の販売手数料で構成される「募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料」は、16億円(同 37.8%減)となりました。
d その他の受入手数料
「その他の受入手数料」は、投資信託の代行手数料やファンドラップ報酬の増加等により59億5百万円(同 16.3%増)となりました。
ロ トレーディング損益
当事業年度の「トレーディング損益」は、株券等が30億24百万円(前期比 280.3%増)、債券・為替等が1億6百万円(同 6.1%減)となり、合計で31億31百万円(同 244.5%増)となりました。
ハ 金融収支
当事業年度の「金融収益」は、受取利息の増加等により4億18百万円(前期比 25.0%増)、「金融費用」は信用取引費用や支払利息の増加等により76百万円(同 44.2%増)で差引収支は3億41百万円(同 21.4%増)の利益となりました。
ニ 販売費・一般管理費
当事業年度の「販売費・一般管理費」は、「取引関係費」が減少する一方、営業収益の増加により賞与引当金繰入などの「人件費」や「不動産関係費」等が増加したことから、128億51百万円(前期比 6.5%増)となりました。
ホ 特別損益
当事業年度の「特別利益」は「投資有価証券売却益」が6億68百万円、「特別損失」は「金融商品取引責任準備金繰入れ」が2百万円と差引収支は6億66百万円(前年同期実績 8億57百万円)となりました。
② 財政状態の状況
イ 流動資産
当事業年度の「流動資産」は、前事業年度に比べ63億75百万円増加し、528億75百万円となりました。これは、「立替金」が2億13百万円減少する一方、「預託金」が36億45百万円、「現金・預金」が11億99百万円、「信用取引資産」が10億78百万円、「募集等払込金」が2億9百万円、「短期差入保証金」が2億6百万円増加したことなどによるものです。
ロ 固定資産
当事業年度の「固定資産」は、前事業年度に比べ33億5百万円増加し、202億86百万円となりました。これは、「投資有価証券」が28億87百万円、「無形固定資産」が2億43百万円、「有形固定資産」が1億25百万円増加したことなどによるものです。
ハ 流動負債
当事業年度の「流動負債」は、前事業年度に比べ60億98百万円増加し、254億61百万円となりました。これは、「従業員株式給付引当金」が社員への給付により5億18百万円、「有価証券担保借入金」が3億22百万円減少する一方、「預り金」が50億94百万円、「未払法人税等」が4億99百万円、「信用取引負債」が4億47百万円、「賞与引当金」が2億64百万円、「未払金」が2億43百万円、「受入保証金」が2億29百万円増加したことなどによるものです。
ニ 固定負債及び特別法上の準備金
当事業年度の「固定負債」及び「特別法上の準備金」は、前事業年度に比べ9億円増加し、49億21百万円となりました。これは、「退職給付引当金」が1億44百万円減少する一方、「繰延税金負債」が8億76百万円、「従業員株式給付引当金」が1億41百万円増加したことなどによるものです。
ホ 純資産
当事業年度の「純資産」は、前事業年度に比べ26億80百万円増加し、427億78百万円となりました。これは、「剰余金の配当」が18億51百万円、「自己株式の取得」が11億1百万円減少する一方、「当期純利益」が30億95百万円、「その他有価証券評価差額金」が20億69百万円、「自己株式の処分」が4億68百万円増加したことによるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における「現金及び現金同等物の期末残高」は、前事業年度に比べ11億99百万円増加し、259億91百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における「営業活動によるキャッシュ・フロー」は39億28百万円の増加となりました。これは、「顧客分別金信託の増減額」が37億4百万円、「投資有価証券売却損益」が6億68百万円、「信用取引資産及び信用取引負債の増減額」6億31百万円、「法人税等の支払額」が6億26百万円、「従業員株式給付引当金」が3億76百万円、「トレーディング商品の増減額」が1億20百万円減少する一方、「預り金及び受入保証金の増減額」が53億23百万円、「税引前当期純利益」が42億65百万円、「賞与引当金の増減額」が2億64百万円、「立替金の増減額」が2億13百万円増加したことなどが要因であります。なおこれは、前事業年度の「営業活動によるキャッシュ・フロー」4億67百万円の減少と比較すると43億96百万円の増加となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における「投資活動によるキャッシュ・フロー」は89百万円の増加となりました。これは、「有形固定資産の取得による支出」が2億98百万円、「無形固定資産の取得による支出」が1億92百万円減少する一方、「投資有価証券の売却による収入」が6億70百万円増加したことなどが要因であります。なおこれは、前事業年度の「投資活動によるキャッシュ・フロー」9億63百万円の増加と比較すると8億73百万円の減少となっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における「財務活動によるキャッシュ・フロー」は29億58百万円の減少となりました。これは、「配当金の支払額」が18億48百万円、「自己株式の取得による支出」が11億1百万円減少したことなどが要因であります。なおこれは、前事業年度の「財務活動によるキャッシュ・フロー」36億91百万円の減少と比較すると7億33百万円の増加となっております。
④ 生産、受注及び販売の状況
当社は金融商品取引業を営んでいるため、「生産、受注及び販売の状況」については、「(1)経営成績等の状況の概要①~③」に含めて記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 当事業年度の経営成績の分析
当事業年度は「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)対処すべき課題」に記載のとおり、数値目標の達成及び施策に取り組んでまいりました。
数値目標に対する当事業年度の実績は以下のとおりです。
イ 第七次中期経営計画の計数目標にも掲げている株式投資信託と水戸ファンドラップの合計(ストック資産)の残高は、堅調なマーケット環境もあり、2026年3月末に6,439億円にまで増加しました。内訳は、株式投資信託の残高が4,326億円、水戸ファンドラップの残高が2,113億円です。この結果、ストック資産の残高から生じる投資信託の代行手数料とファンドラップ報酬の合計(ストック収益)は58億59百万円となりました。
ロ ストック収益による販管費カバー率については、賞与引当金繰入などの人件費の増加などにより販売費・一般管理費は増加しましたが、それ以上にストック収益の増加が寄与し、当社として過去最高の水準となる45.6%まで上昇してきております。
ハ 2026年3月期のROEは、株式関連収益やストック収益(投資信託の代行手数料とファンドラップ報酬)が増加したことに加え、投資有価証券の売却益もあり、7.5%となりました。
当社は、第七次中期経営計画の重点戦略の下、お客さま一人ひとりのライフプランに応じた金融サービスの提供(ふやす・まもる・つなぐ)と主体的な人材の育成・自律的な組織運営の推進により経営基盤の一層の強化を図り、投資信託・ファンドラップを軸としたストック収入の拡大による安定収益基盤の構築に取り組んでまいります。
② 経営成績に重要な影響を与える要因の分析
当社は対面及びインターネットの二つのチャネルを展開しており、対面ではフロー収益として、株式委託手数料、投資信託の販売手数料、外国株式等のトレーディング収益、またストック収益として、投資信託の代行手数料、ファンドラップ報酬を主な収益源としております。株式委託手数料及び外国株式のトレーディング収益は、日本及び米国の株式市況に大きく影響を受けます。また、外国株式は為替の影響も受け、円安(円高)になると円ベースの価格が上昇(下落)いたします。投資信託は運用する資産や手法により様々な要因で基準価額が上下しますが、基準価額が上昇すると販売が伸びる傾向があるとともに、預り残高が増加することで代行手数料も増加いたします。また、ファンドラップは値動きの異なる複数のファンドを効果的に組み合わせた国際分散投資を行い、ポートフォリオ全体のリスク低減と安定したリターンの追求を図っていますが、為替の影響を受けやすく、円安(円高)になると時価評価額が上昇(下落)する傾向があります。そのため、時価評価額に応じて算出するファンドラップ報酬は増減しますが、お客さまの国際分散投資ニーズの高まりを受け、残高は順調に伸びております。なお、インターネット取引については、開設口座数が少数であるため、収益全体に占める割合は少額であります。
費用面では、販売費・一般管理費は固定的な費用が大部分を占めておりますが、「人件費」に含まれる賞与は経営成績によって増減いたします。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度末の現金・預金残高は259億91百万円となっており、日常の運転資金としては十分な額を有しております。また、当社は日本銀行に当座預金を開設する金融機関として、万一の場合でも資金決済が滞ることのないよう、非常時に備えた資金を有しておくことが必要であると考えております。さらに、非常時に備え「資金流動性危機対応マニュアル」を策定している他、定期的に資金流動性のストレスチェックテストを実施し、経営会議に報告しております。
現在、信用取引借入金及び有価証券貸借取引受入金を除く借入金は27億50百万円あり、自己資金で返済することは可能ですが、安定的な資金調達を図るため銀行等との関係を重視し、借入を継続しております。また、現在借入実績のない銀行等に対しても借入枠を確保するよう努めております。
当社が保有する現預金については、事業運営、成長投資及び株主還元等を使途として、当社の財務の安全性及び企業価値の向上の観点から適切に配分してまいります。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

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