訂正有価証券報告書-第21期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/08/14 16:37
【資料】
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【項目】
150項目

対処すべき課題

当社グループの経営方針、および対処すべき主要な課題等は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、2020年3月期から3カ年計画で「中期経営計画2022」をスタートさせております。
当該中期経営計画では、当期間を資産循環型ビジネスへの転換を図り、J-REITの創設を目指すことによって国内でも有数の受託資産を獲得し、東証一部上場基準を満たす基盤を作る3ヵ年に位置づけており、その基本戦略は以下のとおりです。
(ビジネスモデルの確立)
これまで培った当社グループのノウハウにより、バリューアップが完了した投資物件を、当社が組成するリートへ組み込む、というサイクルを実現させることが核であり、これにより、グループの受託資産の積上げとリートの成長を図りつつ、相応規模の収益を計画的に実現することが可能になると考えております。
(事業力強化)
ホテルというオペレーショナルアセットは、オフィスビルやレジデンスなどに比べて、運用の巧拙が収益力を大きく左右します。当社グループは世界で展開するグローバルブランドのホテルオペレーターから運営ノウハウを得て、自前のホテル運営を展開できる強みがあるため、これを一層強化し、より安定した収益の獲得を可能にすることを目指してまいります。
これらの基本戦略を通じて、ホテル運営の安定収益をベースに、資産循環の中で得られる利益を計画的に加え、「経営基盤の安定化」を図ってまいります。
優先的に対応すべき重点施策は以下のとおりです。
①事業戦略
(a)総合型上場リート創設による資産循環型ビジネスモデルの実現
当社グループのノウハウによって、取得した資産をバリューアップし、当社が組成するリートへ組み込むサイクルを実現させることにより、資産循環型のビジネスモデルを確立させてまいります。
2020年2月に、パナソニック ホームズ株式会社と上場リート組成に向けた基本合意書を締結しました。その実現に向けて、パナソニック ホームズ株式会社と建設的な協議を進めております。
当社グループとしては、様々なアセットタイプの物件を対象とする「総合型リート」として上場したいと考えております。
(b)ホテル以外のアセットタイプの資産獲得活動の本格展開
新型コロナウイルスがもたらしたリセッションの影響により、割安物件がマーケットに出てくる可能性があります。当社グループは総合型リート上場を目指し、今後ホテル以外の様々なアセットタイプの資産を対象として、積極的な投資を行ってまいりたいと考えております。
(c)開発スキームの着実な進行
足元では、開発フェーズにおいて工事期間やコストなどへの影響は出ているものの、開業スケジュールに大きな問題は出ておりません。現在進めている複数のホテル案件の開発をしっかり進めるとともに、収益機会についても見直しを図るなど、対策を講じてまいりたいと考えております。
②財務戦略
(a)資本市場を活用した資金調達の検討
今後も成長に必要な投資資金は、自己資金の充当をベースとしながらも、場合によってはエクイティファイナンスの検討も行ってまいります。
(b)財務レバレッジをフル活用した不動産投資の実施
当期間に相応の自己資本が積み上がることで、金融機関からの資金調達力が向上するものと期待しており、投資効率や採算を高めるため、可能な限りデットでの資金調達によりレバレッジをかけてまいりたいと考えております。
③資本戦略
(a)戦略的資本提携先の開拓を通じた適正な株主構成の再構築
(b)株式の流動性向上を目指す施策の検討・実施
当社は2019年4月1日付で株式分割を実施しております。
当社の株主構成は特定株主の保有比率が高く、安定をしている一方、株式の流動性は必ずしも高いとは言えない状況であると認識しており、特定株主の保有株については、今後、新たな戦略的資本提携先や業務提携先の開拓により、新たな株主構成を考えるとともに、市場の状況等も見つつ、株式の流動性を高めていく対策を講じてまいりたいと考えております。
④配当戦略
(a)利益水準に応じた安定的な配当の実施
(b)トータル・シェアホルダーズリターン(TSR*)等の指標の検討
* 株主総利回り(一定期間における株価上昇率+配当率)
当社グループは、当該中期経営計画の目標達成を通じて、株主の皆様へ安定的な配当を行ってまいりたいと考えておりますが、未だ発展途上にあり、利益は更なる成長のための再投資に利用させて頂くことも必要なため、「TSR」等を経営指標に位置づけ、トータルで株主の皆様に還元させて頂くことを検討してまいりたいと考えております。
⑤人事戦略
(a)「働き甲斐があり、働きやすい職場」と「成果に報いる人事制度」の構築
(b)カテゴリーの異なるホテルの経営・運営に対応した人材確保と人事制度の構築
当社グループの事業を支えるのは人材です。当社グループの展開するホテルはバジェットからラグジュアリータイプまで様々であり、当然、運営ノウハウも異なるため、多様な人材確保が必要となってまいります。そのためには社員のモチベーション向上が極めて重要と認識しており、それを支える制度の構築、施策の展開を行ってまいりたいと考えております。
今後、さらなる経営基盤の強化、人材育成並びに成長戦略の推進に尽力し、お客様や時代のニーズに合ったサービ
スの提供に努め、お客様との長期的な信頼関係を築いていくため事業に邁進してまいります。
(目標とする経営指標)
事業の成長、収益性を重視した経営を行うべく、「売上高」、「経常利益」、「EBITDA」(利払い前・税引き前・減価償却前・その他償却前利益)を重要な経営指標として位置づけております。
「中期経営計画2022」における具体的な「売上高」、「経常利益」、「EBITDA」の数値につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(6)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等」をご参照下さい。