有価証券報告書-第122期(2025/04/01-2026/03/31)
(2) 戦略
①サステナビリティに関する戦略
サステナビリティ重要テーマの位置づけを、「当社グループと社会、双方の持続可能性確立のためのアクション」として、まち・サービス、地球環境、人の尊重、価値の創造に関わる4つの重要テーマを定め、リスク・機会を特定いたしました。
「三菱地所グループと社会の持続可能性 4つの重要テーマ」の詳細については、以下よりご覧ください。
まち・サービス https://mec.disclosure.site/j/sustainability/key-themes/theme-1/
地球環境 https://mec.disclosure.site/j/sustainability/key-themes/theme-2/
人の尊重 https://mec.disclosure.site/j/sustainability/key-themes/theme-3/
価値の創造 https://mec.disclosure.site/j/sustainability/key-themes/theme-4/
[気候変動・自然資本への対応]
・TCFD提言に基づく情報開示
当社は、TCFDの提言内容に則り、2020年5月にフレームワーク(気候変動のリスク・機会に関するガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標)に沿った開示を行いました。開示内容の拡充を図るため、2023年5月には、パリ協定が求める水準を含めた2つのシナリオ分析に加え、移行リスク(低炭素経済へ移行する過程で生じるリスク)を評価するCRREM(Carbon Risk Real Estate Monitor)を取り入れ、気候変動による当社グループ主要事業への将来的な影響分析を開始しました。今後も内容の深化を進めるとともに、気候変動に関するガバナンスや事業戦略の強化を目指します。
・CRREMを活用したリスク分析
CRREMの概要 :欧州の研究機関等が開発した商業用不動産の移行リスクを評価・分析するツールです。パリ協定が求める2℃、1.5℃目標に整合する2050年までの温室効果ガス排出量のパスウェイ(炭素削減の経路)と自社物件の排出経路を比較することで、物件の座礁資産化の時期や割合、又は将来の排出にかかるコスト等を算定し、対応策やその効果を検討することができます。なお、座礁資産化とは、自社ポートフォリオの脱炭素経路が2℃、1.5℃のパスウェイを超過することによって、移行リスクのある物件であると評価されることを示します。
CRREMを活用した当社の移行リスク分析:将来の気候変動が当社事業へもたらす影響、特に保有する物件の移行リスクについて、CRREMの手法を活用し、定量的な評価を行いました。
[分析対象範囲]
当社の所有する物件のうち、2022年のGRESB(※)報告対象物件から、2021年度末時点で所有していたオフィス、商業、物流施設など合計84物件を対象に分析しました。
[ケースの設定]
ケース 1 :これまでの当社脱炭素の取り組みに加え、省エネ施策の強化(空調・LED等)や、生グリーン電力の導入といった取り組みを考慮したケース
ケース 2 :ケース1に非化石証書付き電力契約による再エネ導入も加え、2025年度までにすべての物件で再エネ由来電力への切り替えを想定したケース
[ケース分析結果]
設定した2つのケースと2℃、1.5℃目標の各パスウェイを比較したところ、以下の結果が得られました。
ケース 1 :省エネ施策強化や生グリーン電力の導入のほか、系統電力の排出係数の低下が寄与するものの、2037年頃には1.5℃パスウェイを上回る排出水準になる見込みです。そのため、本取り組みだけでは不十分である可能性があります。
ケース 2 :再エネ由来電力への切り替えに伴い、2025年度以降、電力由来の排出がなくなる一方、地域冷暖房、ガス由来のエネルギーの排出が一部残る見込みです。その結果、2047年頃に1.5℃パスウェイを超過する可能性があります。
[ケース分析を踏まえた戦略・取り組み(機会内容含む)]
本分析においては、2021年度末時点の物件を対象に、2050年までの間、物件の入れ替え等がない想定としていますが、実際には省エネ性能に優れた物件への建て替え、新規取得等により、温室効果ガス排出原単位の改善も見込まれます。当社が掲げる2025年度の再エネ導入率100%の達成見込みを踏まえ、今後はその維持・拡大に向けて、これまで推進してきた非化石証書付き電力の利用を継続するとともに、コーポレートPPAの導入等を検討します。また、今後当社が開発する新築建物においては原則ZEB水準の環境性能を目指すことにより、省エネ性能の優れたビルの比率を向上させ、温室効果ガス排出原単位の改善を図ります。
(※)GRESBは、欧州の年金基金のグループを中心に創設された不動産会社・不動産運用機関の環境・社会等への配慮の姿勢を測るベンチマークです。
TCFD提言に基づく情報開示に関する詳細情報は、以下よりご覧ください。
https://mec.disclosure.site/j/sustainability/activities/environment/tcfd/
・TNFD提言に基づく情報開示
当社は、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の提言内容に則り、2025年3月にフレームワーク(ガバナンス、戦略、リスク・インパクト管理、測定指標・ターゲット)に沿った自然・生物多様性分野に関する情報の開示を行いました。
当社グループはサステナビリティ重要テーマのひとつに「環境負荷低減に尽力し続ける」を掲げ、それに関わるマテリアリティ(重要課題)のひとつとして、生物多様性を特定しています。TNFDの提言を踏まえ、事業活動の自然への依存・インパクトを評価しそれにより生じるリスク・機会を特定する取り組みを進め、他事業エリアを含めた内容の深化を進めるとともに、今後も自然と調和した事業戦略の強化を目指します。
[優先分析地域]
当社グループの事業の中核を担うエリアである大手町・丸の内・有楽町(大丸有)エリアを特定し、分析評価を行いました。
[評価結果]
開発による緑化推進の可視化等の分析の結果、大丸有エリアの緑地面積割合が1975年比で概ね倍増しているなど、これまでのまちづくりが生態系や生物多様性にポジティブなインパクトをもたらしていることが示唆されました。また、このような豊かな緑の確保は、生物多様性だけでなく、ヒートアイランド現象の緩和、CO2吸収、雨水貯留による浸水リスク低減等に寄与するとともに、人と自然が調和したネイチャーポジティブなまちづくりによるエリアの価値やテナントからの評価向上、自然を活用したまちの賑わいの創出や新規事業の開発など、ビジネス上の機会獲得につながると考えています。
TNFD提言に基づく情報開示に関する詳細情報は、以下よりご覧ください。
https://mec.disclosure.site/j/sustainability/activities/environment/tnfd/
②人的資本に関する戦略
人的資本に関する戦略は、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (1) 人材戦略に関する基本方針等」に記載のとおりであります。
①サステナビリティに関する戦略
サステナビリティ重要テーマの位置づけを、「当社グループと社会、双方の持続可能性確立のためのアクション」として、まち・サービス、地球環境、人の尊重、価値の創造に関わる4つの重要テーマを定め、リスク・機会を特定いたしました。
| 4つの重要テーマ | リスク | 機会 |
| まち・サービス ~次世代に誇るまちのハードとソフトの追求~ | ①ライフスタイルの変化による既存ビジネスモデルの座礁、保有資産の価値低下・顧客離れ ②コスト増による開発推進の遅滞 ③災害時の復旧遅延、リスク対応能力の不足による信用棄損・顧客離れ | ①長期継続的な商品・サービス品質の信頼とその波及による利益・事業機会の安定増 ②大丸有(大手町・丸の内・有楽町)のエリアとしてのポテンシャル拡張による差別化の加速、収益機会の増加 ③国内実績・ノウハウ活用による海外事業機会増 |
| 地球環境 ~環境負荷低減に尽力し続ける~ | ①地球環境変化による当社事業環境の持続性の逸失 ②環境対応に関する規制・ガイドライン適合によるコスト増 ③顧客の環境対応要請への不適合による顧客離れ、利益機会の減少 | ①先進的環境対応による商品・サービスの差別化、新たな事業機会・顧客の獲得 ②ノウハウを活かした大規模ビルリノベーション・住宅リノベーション等の既存ストック活用による事業機会の獲得 ③積極的な情報開示による投資家エンゲージメントの深化と株式市場におけるプレゼンス向上 |
| 人の尊重 ~人を想い、人に寄り添い、人を守る~ | ①人権・労働安全衛生対応の不足によるサプライチェーンの持続性・レピュテーションの棄損 ②まち・サービスの多様性、少子高齢化社会への対応不足による需給のミスマッチ ③社内多様性への対応不足による人材の流出、社員エンゲージメント・競争力の低下 | ①業界を先駆けた人権取り組みによる中長期的な競争力の向上 ②多様性に配慮したアセットタイプの開発・運営機会の創出 ③ウェルネス施策推進によるまち・サービスへの付加価値付け、顧客獲得機会の向上 |
| 価値の創造 ~新たな価値の創造と循環~ | ①まちづくり・サービスの凡庸化・既存事業アップデートの停滞による成長の鈍化、競争力の低下 ②優良パートナーの不在による事業の多角化・グローバル化の停滞による成長の鈍化 | ①革新的な開発スキーム・サービス提供によるまちの多様化・差別化と競合優位性の獲得 ②多様なパートナーシップによる、事業機会・領域の拡充と当社単体では成し得ない付加価値の提供 |
「三菱地所グループと社会の持続可能性 4つの重要テーマ」の詳細については、以下よりご覧ください。
まち・サービス https://mec.disclosure.site/j/sustainability/key-themes/theme-1/
地球環境 https://mec.disclosure.site/j/sustainability/key-themes/theme-2/
人の尊重 https://mec.disclosure.site/j/sustainability/key-themes/theme-3/
価値の創造 https://mec.disclosure.site/j/sustainability/key-themes/theme-4/
[気候変動・自然資本への対応]
・TCFD提言に基づく情報開示
当社は、TCFDの提言内容に則り、2020年5月にフレームワーク(気候変動のリスク・機会に関するガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標)に沿った開示を行いました。開示内容の拡充を図るため、2023年5月には、パリ協定が求める水準を含めた2つのシナリオ分析に加え、移行リスク(低炭素経済へ移行する過程で生じるリスク)を評価するCRREM(Carbon Risk Real Estate Monitor)を取り入れ、気候変動による当社グループ主要事業への将来的な影響分析を開始しました。今後も内容の深化を進めるとともに、気候変動に関するガバナンスや事業戦略の強化を目指します。
・CRREMを活用したリスク分析
CRREMの概要 :欧州の研究機関等が開発した商業用不動産の移行リスクを評価・分析するツールです。パリ協定が求める2℃、1.5℃目標に整合する2050年までの温室効果ガス排出量のパスウェイ(炭素削減の経路)と自社物件の排出経路を比較することで、物件の座礁資産化の時期や割合、又は将来の排出にかかるコスト等を算定し、対応策やその効果を検討することができます。なお、座礁資産化とは、自社ポートフォリオの脱炭素経路が2℃、1.5℃のパスウェイを超過することによって、移行リスクのある物件であると評価されることを示します。
CRREMを活用した当社の移行リスク分析:将来の気候変動が当社事業へもたらす影響、特に保有する物件の移行リスクについて、CRREMの手法を活用し、定量的な評価を行いました。
[分析対象範囲]
当社の所有する物件のうち、2022年のGRESB(※)報告対象物件から、2021年度末時点で所有していたオフィス、商業、物流施設など合計84物件を対象に分析しました。
[ケースの設定]
ケース 1 :これまでの当社脱炭素の取り組みに加え、省エネ施策の強化(空調・LED等)や、生グリーン電力の導入といった取り組みを考慮したケース
ケース 2 :ケース1に非化石証書付き電力契約による再エネ導入も加え、2025年度までにすべての物件で再エネ由来電力への切り替えを想定したケース
[ケース分析結果]
設定した2つのケースと2℃、1.5℃目標の各パスウェイを比較したところ、以下の結果が得られました。
ケース 1 :省エネ施策強化や生グリーン電力の導入のほか、系統電力の排出係数の低下が寄与するものの、2037年頃には1.5℃パスウェイを上回る排出水準になる見込みです。そのため、本取り組みだけでは不十分である可能性があります。
ケース 2 :再エネ由来電力への切り替えに伴い、2025年度以降、電力由来の排出がなくなる一方、地域冷暖房、ガス由来のエネルギーの排出が一部残る見込みです。その結果、2047年頃に1.5℃パスウェイを超過する可能性があります。
[ケース分析を踏まえた戦略・取り組み(機会内容含む)]
本分析においては、2021年度末時点の物件を対象に、2050年までの間、物件の入れ替え等がない想定としていますが、実際には省エネ性能に優れた物件への建て替え、新規取得等により、温室効果ガス排出原単位の改善も見込まれます。当社が掲げる2025年度の再エネ導入率100%の達成見込みを踏まえ、今後はその維持・拡大に向けて、これまで推進してきた非化石証書付き電力の利用を継続するとともに、コーポレートPPAの導入等を検討します。また、今後当社が開発する新築建物においては原則ZEB水準の環境性能を目指すことにより、省エネ性能の優れたビルの比率を向上させ、温室効果ガス排出原単位の改善を図ります。
(※)GRESBは、欧州の年金基金のグループを中心に創設された不動産会社・不動産運用機関の環境・社会等への配慮の姿勢を測るベンチマークです。
TCFD提言に基づく情報開示に関する詳細情報は、以下よりご覧ください。https://mec.disclosure.site/j/sustainability/activities/environment/tcfd/
・TNFD提言に基づく情報開示
当社は、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の提言内容に則り、2025年3月にフレームワーク(ガバナンス、戦略、リスク・インパクト管理、測定指標・ターゲット)に沿った自然・生物多様性分野に関する情報の開示を行いました。
当社グループはサステナビリティ重要テーマのひとつに「環境負荷低減に尽力し続ける」を掲げ、それに関わるマテリアリティ(重要課題)のひとつとして、生物多様性を特定しています。TNFDの提言を踏まえ、事業活動の自然への依存・インパクトを評価しそれにより生じるリスク・機会を特定する取り組みを進め、他事業エリアを含めた内容の深化を進めるとともに、今後も自然と調和した事業戦略の強化を目指します。
[優先分析地域]
当社グループの事業の中核を担うエリアである大手町・丸の内・有楽町(大丸有)エリアを特定し、分析評価を行いました。
[評価結果]
開発による緑化推進の可視化等の分析の結果、大丸有エリアの緑地面積割合が1975年比で概ね倍増しているなど、これまでのまちづくりが生態系や生物多様性にポジティブなインパクトをもたらしていることが示唆されました。また、このような豊かな緑の確保は、生物多様性だけでなく、ヒートアイランド現象の緩和、CO2吸収、雨水貯留による浸水リスク低減等に寄与するとともに、人と自然が調和したネイチャーポジティブなまちづくりによるエリアの価値やテナントからの評価向上、自然を活用したまちの賑わいの創出や新規事業の開発など、ビジネス上の機会獲得につながると考えています。
TNFD提言に基づく情報開示に関する詳細情報は、以下よりご覧ください。
https://mec.disclosure.site/j/sustainability/activities/environment/tnfd/
②人的資本に関する戦略
人的資本に関する戦略は、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (1) 人材戦略に関する基本方針等」に記載のとおりであります。