有価証券報告書-第52期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/29 14:56
【資料】
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【項目】
150項目
業績等の概要
(1)業績
2020年度における我が国経済は、20年2月から始まった世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、厳しい状況が続いております。21年1月に首都圏等に発出された二回目の緊急事態宣言は3月に解除されたものの、その後変異型ウイルスによる感染拡大により、4月に東京、関西により厳しい三回目の緊急事態宣言が出され、さらに地域が拡大し延長されるなど、引き続き予断を許さない状況にあります。
我が国航空業界におきましては、国内線は夏場に政府のGoToトラベル事業の効果もあって、一時は戻りの動きが見られましたが、感染再拡大による影響を受け21年1月以降再び旅客需要が低下しております。また、国際線も各国で変異型の感染が再拡大し、渡航制限の厳格化等により本格的な回復には時間がかかるものと思われます。
その一方で英国や米国ではワクチン接種が進み、我が国でも医療従事者に続いて21年4月より高齢者への接種が開始され、新型コロナウイルス克服に向けた動きも着実に進み始めております。
このような経済情勢のもと、20年度の当社グループの連結業績は、不動産賃貸事業において前年度に竣工した新規物件の通年稼働等があったものの、空港利用者の激減を受け、給排水運営事業において売上が減少したこと等もあり、売上高は24,155百万円(前年同期比2.8%減)、営業利益は3,831百万円(同8.4%減)、経常利益は3,617百万円(同4.8%減)となりました。
また当期は、新型コロナウイルス感染拡大や度重なる緊急事態宣言の影響を受け、航空関係顧客等に対して賃料債権や熱料金債権の免除を実施しました。加えて、当社が京都市内に保有するホテル用賃貸物件について、コロナ禍長期化の可能性が指摘されるなど、今後の需要見通しについてより慎重に見極めることが必要となったため、当社として中長期的な事業の見通しを保守的にとらえ、また、将来収益(主に客室平均単価や稼働率)およびコストの中身を精査し、戦略的に資産の再評価を行った結果、当第4四半期会計期間において減損損失を認識することといたしました。これを特別損失に計上したことから、親会社株主に帰属する当期純損失は933百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益2,227百万円)となりました。
一方、21年3月には経営多角化の一つとして、空港外で当社初となる国際学生寮の提供を開始しました。海外では、20年4月に当社グループの海外展開拠点としてシンガポール事務所を開設し、2名体制にするなど現地法人の体制を充実させました。また、持続可能な社会の実現に向けた取り組みでは、羽田空港国内貨物ターミナル施設において自家消費型太陽光発電設備を設置し、地区内にクリーンなエネルギーの導入を図りました。
今後もこれまで培ってきた知見を活かし内外における新たな分野へのチャレンジを続けるとともに、環境問題への社会的使命を認識し、積極的に取り組みます。具体的には、21年4月に環境事業推進プロジェクトチームを立ち上げており、四つのワーキンググループにて①CO2削減目標の設定 ②環境事業(エコエアポート)の推進
③バイオマス発電の推進 ④新技術を活用した新たな事業 について検討を進めてまいります。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
① 不動産賃貸事業
不動産賃貸事業は、19年12月以降に竣工した羽田空港のテクニカルセンター倉庫棟、アークビル機内食工場、及び神戸空港の格納庫増築棟の通年稼働等により、売上高は18,940百万円(前年同期比1.1%増)となりました。一方、省エネ化推進に係る修繕費の増加や、21年3月に竣工した国際学生寮に係る公租公課の計上等により、営業利益は2,922百万円(同5.3%減)となりました。
② 熱供給事業
連結子会社の東京空港冷暖房㈱における熱供給事業は、新型コロナウイルス感染拡大の影響等による需要減もありましたが、羽田の第2ターミナルビルで一部増築があり、売上高は3,379百万円(同3.2%増)となりました。また、費用面では、電気・ガスの燃料費や修繕費が低減し、営業利益は1,097百万円(同29.3%増)となりました。
③ 給排水運営その他事業
給排水運営その他事業は、新型コロナウイルス感染拡大の影響による空港利用者の激減に伴い、給排水使用量の大幅な減少が続き、売上高は1,834百万円(同35.7%減)となり、営業損失は188百万円(前年同期は250百万円の営業利益)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は、前年同期比64百万円増加の6,583百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動による資金は、4,758百万円の収入(前年同期は6,900百万円の収入)となりました。これは主に、リース債権の取得や法人税等の支払いがあったものの、非資金項目である減価償却費、減損損失の計上や営業貸付金の回収が進んだことによるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動による資金は、2,704百万円の支出(前年同期は8,217百万円の支出)となりました。これは主に、金沢八景国際コミュニティプラザ新築工事等の固定資産取得に伴うものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動による資金は、1,907百万円の支出(前年同期は1,958百万円の収入)となりました。これは主に、借入金の返済や配当金の支払いによるものであります。
(3)生産、受注及び販売の状況
①熱供給の生産実績
品目当連結会計年度
自 2020年4月1日
至 2021年3月31日
前年同期比(%)
冷 房(MJ)392,557,020△8.2
暖 房(MJ)153,944,512△2.3

(注)1.数量はセグメント間の内部振替後の数量によっております。
2.数量は販売量にて表示しております。
②受注状況
当社グループ(当社及び連結子会社)は、受注生産を実施しておりません。
③販売実績
品目当連結会計年度
自 2020年4月1日
至 2021年3月31日
前年同期比(%)
販売高(千円)
不動産賃貸事業18,940,9041.1
熱供給事業3,379,6003.2
給排水運営その他事業1,834,617△35.7
合計24,155,122△2.8

(注)1.販売実績は、外部顧客に対する売上高に該当いたします。
2.最近2連結会計年度の主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先名前連結会計年度
自 2019年4月1日
至 2020年3月31日
当連結会計年度
自 2020年4月1日
至 2021年3月31日
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
全日本空輸㈱3,862,31715.53,802,72615.7
日本航空㈱3,732,19615.03,724,73815.4
日本空港ビルデング㈱3,323,16513.33,097,43312.8

3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、当社経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積りを行っております。ただし、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字については、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
併せて、連結財務諸表注記事項(追加情報)、個別財務諸表注記事項(追加情報)もご参照ください。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
①概況
20年度の当社グループの連結業績は、不動産賃貸事業において前年度に竣工した新規物件の通年稼働等があったものの、空港利用者の激減を受け、給排水運営事業において売上が減少したこと等もあり、売上高は24,155百万円(前年同期比2.8%減)、営業利益は3,831百万円(同8.4%減)、経常利益は3,617百万円(同4.8%減)となりました。
また当期は、新型コロナウイルス感染拡大や度重なる緊急事態宣言の影響を受け、航空関係顧客等に対して賃料債権や熱料金債権の免除を実施しました。加えて、当社が京都市内に保有するホテル用賃貸物件について、コロナ禍長期化の可能性が指摘されるなど、今後の需要見通しについてより慎重に見極めることが必要となったため、当社として中長期的な事業の見通しを保守的にとらえ、また、将来収益(主に客室平均単価や稼働率)およびコストの中身を精査し、戦略的に資産の再評価を行った結果、当第4四半期会計期間において減損損失を認識することといたしました。これを特別損失に計上したことから、親会社株主に帰属する当期純損失は933百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益2,227百万円)となりました。
②売上高
売上高は前年同期比2.8%減少の24,155百万円となりました。
不動産賃貸事業は、20年3月期に竣工した新規物件の通年稼働等により、売上高は18,940百万円(前年同期比1.1%増)となりました。
連結子会社の東京空港冷暖房㈱における熱供給事業は、新型コロナウイルス感染拡大の影響等による需要減もありましたが、羽田の第2ターミナルビルで一部増築があり、売上高は3,379百万円(同3.2%増)となりました。
給排水運営その他事業は、新型コロナウイルス感染拡大の影響による空港利用者の激減に伴い、給排水使用量の大幅な減少が続き、売上高は1,834百万円(同35.7%減)となりました。
セグメント毎の売上高
(単位:千円)
不動産熱供給事業給排水運営合 計
賃貸事業その他事業
2021年3月期18,940,9043,379,6001,834,61724,155,122
2020年3月期18,727,2733,274,6312,853,82624,855,730
2019年3月期18,116,3483,242,2812,854,89924,213,529

③営業利益
営業利益は、前年同期比8.4%減少の3,831百万円となりました。
④営業外収益(費用)
営業外収益は、受取配当金が減少したこと等により前年同期比23.5%減少の206百万円となりました。
営業外費用は、固定資産撤去費用が減少したこと等により前年同期比35.7%減少の420百万円となりました。
⑤経常利益
経常利益は、前年同期比4.8%減少の3,617百万円となりました。
⑥特別利益(損失)
特別利益は、太陽光発電設備新設に伴う補助金収入等により、前年同期比69.2%増加の320百万円となりました。
特別損失は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、航空関係顧客等に対して賃料債権や熱料金債権の免除を実施したことに加え、当社が京都市内に保有するホテル用賃貸物件について減損損失を計上したこと等により、前年同期比4,140百万円増加の4,580百万円となりました。
⑦税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純損失は、642百万円(前年同期は税金等調整前当期純利益3,551百万円)となりました。
⑧法人税等
法人税等は、前年同期比87.7%減少の140百万円となりました。
⑨非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は、東京空港冷暖房㈱の非支配株主に帰属する当期純利益からなり、前年同期比17.5%減少の151百万円となりました。
⑩親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純損失は、933百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益2,227百万円)となりました。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績の重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載しております。
(4) 戦略的現状と見通し
戦略的現状と見通しについては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
(5) 資本の財源及び流動性についての分析
①キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は、前年同期比64百万円増加の6,583百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は、4,758百万円の収入(前年同期は6,900百万円の収入)となりました。これは主に、リース債権の取得や法人税等の支払いがあったものの、非資金項目である減価償却費、減損損失の計上や営業貸付金の回収が進んだことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は、2,704百万円の支出(前年同期は8,217百万円の支出)となりました。これは主に、金沢八景国際コミュニティプラザ新築工事等の固定資産取得に伴うものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は、1,907百万円の支出(前年同期は1,958百万円の収入)となりました。これは主に、借入金の返済や配当金の支払いによるものであります。
(キャッシュ・フローの指標)
自己資本時価ベースのキャッシュ・フロー対インタレスト・カバ
比率(%)自己資本比率(%)有利子負債比率(年)レッジ・レシオ(倍)
2021年3月期52.130.97.213.0
2020年3月期51.520.35.216.5
2019年3月期52.628.86.512.8

(備考)自己資本比率 : 自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 : 株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 : 有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
3.キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。
②資金需要
当社グループの運転資金需要の主なものは、建物等の修繕費の他、人件費、旅費・交通費、通信費等の営業費用によるものであります。
③契約債務
2021年3月31日現在の当社グループの契約債務の概要は、下記のとおりであります。
(単位:百万円)
年度別要支払額
契約債務合 計1年以内1年超2年以内2年超3年以内3年超
短期借入金1,1581,158---
社債6,100---6,100
長期借入金27,4535,1663,8433,69114,752

④財政政策
当社グループは現在、運転資金及び設備投資資金につきましては、主として内部資金または借入により資金調達をすることとしております。
このうち、運転資金については期限が1年以内の短期借入で各々の連結会社が調達することとしております。これに対して、建物、設備などの長期借入は、原則として固定金利で調達しております。2021年3月31日現在、長期借入金の残高は27,453百万円であり、銀行からの借入金26,141百万円、生命保険会社からの借入金1,312百万円で構成されております。
(6) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するようにしております。「空港を拠点とする活力ある民間企業として、空港に必要な施設と機能を創造し提供する役割を担い、航空の発展に貢献する。」ことを使命としている当社グループとしては、東京国際空港の更なる容量の拡大、また、航空機乗員の訓練需要への対応等を踏まえて、地上施設の整備・充実にいかにして貢献していくかという問題を認識しております。
なお、業績等に重要な影響を与える要因については、「2.事業等のリスク」に、経営方針と今後の方針については、「1. 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にそれぞれ記載しております。

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