有価証券報告書-第104期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、鉄道事業をはじめとする交通輸送サービスを基軸に、不動産、流通、レジャー・サービス等の生活に密着した事業を幅広く展開し、社会の信頼に応え、その発展に貢献することを通じて、当社グループの企業価値増大をはかることを基本方針としております。
また、当社グループの普遍的なテーマを、以下のとおり「グループ経営方針」及び「サステナビリティ方針」として位置づけております。
<グループ経営方針>
<サステナビリティ方針>
(2)経営環境
当社グループは、大阪府南部や和歌山県を主たる営業基盤とし、運輸、不動産、流通、レジャー・サービス、建設等の事業を展開しております(当社グループの事業の内容については、「第1 企業の概況 3 事業の内容」をご覧下さい。)。
足元では新型コロナウイルス感染症の影響により、当社グループの事業は大きな影響を受けております。本感染症の影響とそれに伴う社会構造の変化は、当社グループをとりまく事業環境や将来の事業運営の在り方に急激な変化・変革をもたらすものと認識しております。その他、地震・台風等の自然災害の激甚化傾向や人口減少、ITの進化等、今後経営環境の変化は一層激しさを増すと予想しており、それに対して柔軟に対応していく必要があると考えております。一方、当社グループは、近年、インバウンド旅客の増加による空港関連輸送の活性化やなんば地区を中心とする不動産業の拡充等により大きな成長を遂げてきました。今後も、大阪・関西万博(2025年日本国際博覧会)の開催や大阪・夢洲や和歌山県へのIR(統合型リゾート)の誘致計画といった関西におけるビジネスチャンスの拡大に加え、なにわ筋線開業(2031年春目標)により、沿線のさらなる利便性向上が期待されています。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
新型コロナウイルスの感染拡大は、急速なオンライン化やライフスタイルの変化といった社会の変容や、近年の成長エンジンであったインバウンド需要の消失など、当社グループが前提としていた経営環境の急変をもたらしました。
このように、これまでの延長線上にはない、先行き不透明な経営環境に直面していることから、当社グループでは、2021年度をスタートとする次期中期経営計画の具体化は見送り、同年度の1年間を対象とする短期計画を策定し、現在推進しております。同計画においては、安全確保を前提としたうえで、コスト削減を中心とする抜本的な事業構造改革に最優先で取り組む一方、この危機を変革の契機ととらえ、ポストコロナ時代のサービスのあり方の追求や地域共創型のまちづくり、デジタル化の推進など、中長期的な成長に向けた布石を打つことで、サステナブル経営につながる「持続的な企業価値の向上」と「持続可能な社会の実現」の両立をめざしてまいります。また、その実現に向けたコーポレート・ガバナンス体制強化の一環として、当社は、第104期定時株主総会終結の時をもって監査等委員会設置会社へ移行し、取締役会の監督機能の強化をはかるとともに、業務執行の機動性を向上させることにより、「モニタリング・ボード」への移行を志向してまいります。
この計画に基づき、グループの総力を結集し、各種施策を着実に遂行することにより、現下の難局を乗り越え、「南海グループ経営ビジョン2027」でありたき姿に掲げる「満足と感動の提供を通じて、選ばれる沿線、選ばれる企業グループとなる」ことをめざしてまいりたいと存じます。
2021年度計画/基本方針
ア、短期施策:コスト削減を中心とした事業構造改革
公共交通サービスの安定的・持続的な提供のため、組織のスリム化やデジタル活用による業務プロセスの効率化、外注コストの削減、グループ事業の立て直しなど、コスト削減を中心とした事業構造改革に集中的に取り組み、悪化した財務基盤の立て直しをはかる。
イ、中長期施策:今後の成長を見据えた取組みの推進
(ア) サステナブル経営のさらなる推進
公共交通サービスを基軸に、沿線価値向上に向けたさまざまな事業活動を展開することで中長期的な企業価値の向上をはかるというこれまでの取組みをベースとして、持続可能な社会の実現に向けた姿勢を示す「サステナビリティ方針」と、SDGsの視点を取り入れた「サステナブル重要テーマ(マテリアリティ)」に基づき、長期的な視点で各取組みを進めることで、サステナブル経営のさらなる推進と浸透をはかる。
(イ) まちづくりの推進
地域に根ざす企業グループだからこそできる長期的視点で地域とともに活性化策に取り組むことにより、沿線の「暮らす・働く・訪れる」価値を高め、沿線人口の社会増につなげる。
その実現に向けて、南海グループが一体となり、ストレスフリーな移動や駅を拠点としたまちづくり等に取り組む。
また、観光や地場産業の振興、起業家支援、環境保全等を通じた地域活性化については、南海グループが地域におけるさまざまな関係者の連携やそのための仕組みづくりに積極的に関わり、行政や企業等と協働して推進する。
(ウ) 鉄道事業
デジタル技術の活用により、安全・安心で良質な交通サービス水準の維持・向上をはかりつつ業務プロセスの効率化を徹底し、長期的な移動需要の減少に耐えうる事業構造を構築する。
2021年度は、AIによる旅客案内やクレジットカードを用いた乗降等の実証実験の実施、保守管理業務における新技術の導入を推進する。
なにわ筋線事業については、引き続き2031年春の開業をめざして推進する。
(エ) 不動産事業
投資案件の優先順位付けを徹底し、まずは「なんばエリア」「泉北ニュータウン」「物流賃貸事業」に投資を集中する。
2021年度は、なんばエリアにおいては、南海ターミナルビル周辺における開発を中心に取り組み、泉北ニュータウンでは泉ケ丘駅前活性化計画とスマートシティ構想の具現化に注力する。物流賃貸事業は、北大阪流通センター高度利用化計画を推進する。
また、資金面の制約を緩和し、開発スピードを維持しつつ、周辺事業を含めた収益拡大をめざすため、不動産回転型ビジネスの始動に向けて取り組む。
(オ) 新たな成長モデルの構築
バス事業のビジネスモデルの再構築、データとデジタル技術の活用による既存サービスの変革と新たな付加価値の創造、新規事業の展開など、ポストコロナ時代における新たな成長モデルの構築に取り組む。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「南海グループ経営ビジョン2027」では、営業キャッシュ・フローを成長投資に優先配分し、収益力向上を通じた財務体質の強化をめざすこととしております。当社グループは、本ビジョンにおいて、経営上の目標の達成状況を判断するための経営指標(連結ベース)を、以下のとおり設定しております。
収益性指標として、「営業利益」を採用しております。なお、成長戦略として共同出資等のアライアンスを積極的に活用するため、経営指標の「営業利益」は、受取配当金を含めた総額としております。
経営指標である「営業利益」の算出方法は、以下のとおりであります。
「営業利益」=営業利益+受取配当金
財務健全性指標として、「有利子負債残高/EBITDA倍率」を採用しております。
「有利子負債残高/EBITDA倍率」におけるEBITDAの算出方法は、以下のとおりであります。
EBITDA=営業利益+受取配当金+減価償却費
また、2021年度経営計画では、新型コロナウイルス感染拡大の影響で悪化した財務健全性の回復を優先させるため、有利子負債残高の削減を進める一方、将来の成長に向けた取組みを進めることをめざしております。なお、財務健全性の回復の達成状況を判断するための経営指標として純有利子負債残高を、収益性指標として上記と同じ「営業利益」をそれぞれ採用しております。
なお、当連結会計年度の客観的な指標等の進捗状況につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗状況」をご覧下さい。
(1)経営方針
当社グループは、鉄道事業をはじめとする交通輸送サービスを基軸に、不動産、流通、レジャー・サービス等の生活に密着した事業を幅広く展開し、社会の信頼に応え、その発展に貢献することを通じて、当社グループの企業価値増大をはかることを基本方針としております。
また、当社グループの普遍的なテーマを、以下のとおり「グループ経営方針」及び「サステナビリティ方針」として位置づけております。
<グループ経営方針>
| ・安全・安心の徹底 鉄道をはじめとしたすべての事業において安全・安心を徹底します ・環境重視 「地球環境保全」を使命として認識、事業において環境に配慮します ・コンプライアンスの徹底 法令遵守、自らの社会的責任を認識、公正で健全な企業活動を行います ・顧客志向の追求 地域に密着した企業として、お客さま目線での行動を徹底します |
<サステナビリティ方針>
| 沿線エリアを中心に、地域住民・自治体・企業等、様々なステークホルダーと共創・協働し、企業理念の実践を通じて、「持続的な企業価値の向上」と「持続可能な社会の実現」の両立をめざします。 |
(2)経営環境
当社グループは、大阪府南部や和歌山県を主たる営業基盤とし、運輸、不動産、流通、レジャー・サービス、建設等の事業を展開しております(当社グループの事業の内容については、「第1 企業の概況 3 事業の内容」をご覧下さい。)。
足元では新型コロナウイルス感染症の影響により、当社グループの事業は大きな影響を受けております。本感染症の影響とそれに伴う社会構造の変化は、当社グループをとりまく事業環境や将来の事業運営の在り方に急激な変化・変革をもたらすものと認識しております。その他、地震・台風等の自然災害の激甚化傾向や人口減少、ITの進化等、今後経営環境の変化は一層激しさを増すと予想しており、それに対して柔軟に対応していく必要があると考えております。一方、当社グループは、近年、インバウンド旅客の増加による空港関連輸送の活性化やなんば地区を中心とする不動産業の拡充等により大きな成長を遂げてきました。今後も、大阪・関西万博(2025年日本国際博覧会)の開催や大阪・夢洲や和歌山県へのIR(統合型リゾート)の誘致計画といった関西におけるビジネスチャンスの拡大に加え、なにわ筋線開業(2031年春目標)により、沿線のさらなる利便性向上が期待されています。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
新型コロナウイルスの感染拡大は、急速なオンライン化やライフスタイルの変化といった社会の変容や、近年の成長エンジンであったインバウンド需要の消失など、当社グループが前提としていた経営環境の急変をもたらしました。
このように、これまでの延長線上にはない、先行き不透明な経営環境に直面していることから、当社グループでは、2021年度をスタートとする次期中期経営計画の具体化は見送り、同年度の1年間を対象とする短期計画を策定し、現在推進しております。同計画においては、安全確保を前提としたうえで、コスト削減を中心とする抜本的な事業構造改革に最優先で取り組む一方、この危機を変革の契機ととらえ、ポストコロナ時代のサービスのあり方の追求や地域共創型のまちづくり、デジタル化の推進など、中長期的な成長に向けた布石を打つことで、サステナブル経営につながる「持続的な企業価値の向上」と「持続可能な社会の実現」の両立をめざしてまいります。また、その実現に向けたコーポレート・ガバナンス体制強化の一環として、当社は、第104期定時株主総会終結の時をもって監査等委員会設置会社へ移行し、取締役会の監督機能の強化をはかるとともに、業務執行の機動性を向上させることにより、「モニタリング・ボード」への移行を志向してまいります。
この計画に基づき、グループの総力を結集し、各種施策を着実に遂行することにより、現下の難局を乗り越え、「南海グループ経営ビジョン2027」でありたき姿に掲げる「満足と感動の提供を通じて、選ばれる沿線、選ばれる企業グループとなる」ことをめざしてまいりたいと存じます。
2021年度計画/基本方針
ア、短期施策:コスト削減を中心とした事業構造改革
公共交通サービスの安定的・持続的な提供のため、組織のスリム化やデジタル活用による業務プロセスの効率化、外注コストの削減、グループ事業の立て直しなど、コスト削減を中心とした事業構造改革に集中的に取り組み、悪化した財務基盤の立て直しをはかる。
イ、中長期施策:今後の成長を見据えた取組みの推進
(ア) サステナブル経営のさらなる推進
公共交通サービスを基軸に、沿線価値向上に向けたさまざまな事業活動を展開することで中長期的な企業価値の向上をはかるというこれまでの取組みをベースとして、持続可能な社会の実現に向けた姿勢を示す「サステナビリティ方針」と、SDGsの視点を取り入れた「サステナブル重要テーマ(マテリアリティ)」に基づき、長期的な視点で各取組みを進めることで、サステナブル経営のさらなる推進と浸透をはかる。
(イ) まちづくりの推進
地域に根ざす企業グループだからこそできる長期的視点で地域とともに活性化策に取り組むことにより、沿線の「暮らす・働く・訪れる」価値を高め、沿線人口の社会増につなげる。
その実現に向けて、南海グループが一体となり、ストレスフリーな移動や駅を拠点としたまちづくり等に取り組む。
また、観光や地場産業の振興、起業家支援、環境保全等を通じた地域活性化については、南海グループが地域におけるさまざまな関係者の連携やそのための仕組みづくりに積極的に関わり、行政や企業等と協働して推進する。
(ウ) 鉄道事業
デジタル技術の活用により、安全・安心で良質な交通サービス水準の維持・向上をはかりつつ業務プロセスの効率化を徹底し、長期的な移動需要の減少に耐えうる事業構造を構築する。
2021年度は、AIによる旅客案内やクレジットカードを用いた乗降等の実証実験の実施、保守管理業務における新技術の導入を推進する。
なにわ筋線事業については、引き続き2031年春の開業をめざして推進する。
(エ) 不動産事業
投資案件の優先順位付けを徹底し、まずは「なんばエリア」「泉北ニュータウン」「物流賃貸事業」に投資を集中する。
2021年度は、なんばエリアにおいては、南海ターミナルビル周辺における開発を中心に取り組み、泉北ニュータウンでは泉ケ丘駅前活性化計画とスマートシティ構想の具現化に注力する。物流賃貸事業は、北大阪流通センター高度利用化計画を推進する。
また、資金面の制約を緩和し、開発スピードを維持しつつ、周辺事業を含めた収益拡大をめざすため、不動産回転型ビジネスの始動に向けて取り組む。
(オ) 新たな成長モデルの構築
バス事業のビジネスモデルの再構築、データとデジタル技術の活用による既存サービスの変革と新たな付加価値の創造、新規事業の展開など、ポストコロナ時代における新たな成長モデルの構築に取り組む。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「南海グループ経営ビジョン2027」では、営業キャッシュ・フローを成長投資に優先配分し、収益力向上を通じた財務体質の強化をめざすこととしております。当社グループは、本ビジョンにおいて、経営上の目標の達成状況を判断するための経営指標(連結ベース)を、以下のとおり設定しております。
収益性指標として、「営業利益」を採用しております。なお、成長戦略として共同出資等のアライアンスを積極的に活用するため、経営指標の「営業利益」は、受取配当金を含めた総額としております。
経営指標である「営業利益」の算出方法は、以下のとおりであります。
「営業利益」=営業利益+受取配当金
財務健全性指標として、「有利子負債残高/EBITDA倍率」を採用しております。
「有利子負債残高/EBITDA倍率」におけるEBITDAの算出方法は、以下のとおりであります。
EBITDA=営業利益+受取配当金+減価償却費
また、2021年度経営計画では、新型コロナウイルス感染拡大の影響で悪化した財務健全性の回復を優先させるため、有利子負債残高の削減を進める一方、将来の成長に向けた取組みを進めることをめざしております。なお、財務健全性の回復の達成状況を判断するための経営指標として純有利子負債残高を、収益性指標として上記と同じ「営業利益」をそれぞれ採用しております。
なお、当連結会計年度の客観的な指標等の進捗状況につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗状況」をご覧下さい。