有価証券報告書-第109期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、鉄道事業をはじめとする交通輸送サービスを基軸に、不動産、流通、レジャー・サービス等の生活に密着した事業を幅広く展開し、社会の信頼に応え、その発展に貢献することを通じて、当社グループの企業価値増大をはかることを基本方針としております。
また、当社グループの普遍的なテーマを、以下のとおり「NANKAIグループの社会的使命」「NANKAIグループの経営規範」及び「NANKAIグループサステナビリティ方針」として位置づけております。
(※1)
(※1)2026年4月1日制定
(※2)
(※2)2026年4月1日改称
2026年3月31日までの名称は「グループ経営方針」
(※3)
(※3)2026年4月1日更新
2026年3月31日までの名称は「サステナビリティ方針」であり、内容は以下のとおり
沿線エリアを中心に、地域住民・自治体・企業等、さまざまなステークホルダーと共創・協働し、企業理念の実践を通じて、「持続的な企業価値の向上」と「持続可能な社会の実現」の両立をめざします。
(2)経営環境
当社グループは、大阪府南部や和歌山県を主たる営業基盤とし、運輸、不動産、流通、レジャー・サービス、建設等の事業を展開しております(当社グループの事業の内容については、「第1 企業の概況 3 事業の内容」 をご覧下さい。)。
当社グループをとりまく経営環境として、地震・台風等の自然災害の激甚化傾向や人口減少等、一層激しい変化に直面すると予想しており、これらに対して柔軟に対応していく必要があると考えております。一方、当社グループは、近年、インバウンド旅客の増加による空港関連輸送の活性化やなんば地区を中心とする不動産業の拡充等により大きな成長を遂げてきました。今後も、大阪・夢洲へのIR(統合型リゾート)の誘致計画といった関西におけるビジネスチャンスの拡大に加え、なにわ筋線開業(2031年春目標)により、沿線のさらなる利便性向上が期待されています。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループでは、「沿線への誇りを礎に、関西にダイバーシティ(※)を築く事業家集団」という“2050年の企業像”の実現に向け、現在「NANKAIグループ中期経営計画 2025-2027」に基づき、企業価値の大きな向上をめざして各施策を着実に推進しております。
本計画期間においては、事業エリアの人口減少が他のエリアと比較しても顕著に進展することが見込まれるなど、将来的な厳しい事業環境の変化を見据え、積極的な攻めの打ち手を矢継ぎ早に講じていくため、コア事業である不動産事業及び公共交通事業の強化に向けた集中的な投資を実行しております。
成長のエンジンである不動産事業においては、「大家業から総合不動産事業への脱却」に全力を傾注し、なんばエリアを中心とした沿線開発の推進や物流施設の高度化のほか、海外を含む事業エリアの拡大や回転型ビジネスの強化等により、事業の飛躍的な拡大をめざしてまいります。
公共交通事業においては、これまで培ってきた安全・安心を大前提としつつ、将来的な人財不足への対応を見据え、事業運営の高度化及び最適化を進めるため、必要な投資を集中的に実行してまいります。また、なにわ筋線事業につきましては、事業環境の変化を踏まえつつ、関係者と協議しながら、着実に前進させてまいります。
これら将来に向けた戦略の実行体制の強化と事業特性に応じた運営体制の最適化をはかるため、当社は、本年4月1日、鉄道事業を分社化し、商号を「株式会社NANKAI」と改め、新たなグループ経営体制に移行いたしました。当社は、事業持株会社として、不動産事業の業容拡大・競争力強化と新事業の創造(未来探索)に注力することにより、NANKAIグループ全体としての持続的な成長を牽引してまいるとともに、グループ各社の自律性を尊重しつつ、グループ経営の視点から実効性あるグループガバナンスの確立・運用を進めてまいります。
一方、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けては、ROE(自己資本利益率)とPER(株価収益率)双方の改善に資する施策を進めるとともに、ROIC(投下資本利益率)を活用した事業ポートフォリオマネジメントを通じ、各事業の定期的な評価と見直しを行っております。これにより成長性・収益性の高い事業へのシフトと最適なリソース配分を実現し、企業価値の向上をめざしてまいります。
また、当社グループの掲げる「サステナブル経営」の実践としては、7つのマテリアリティごとに定める取組指針に基づき、CO2排出量の削減や安全の徹底等の取組みを積極的に推進していくために、それぞれのKPI(重要業績評価指標)を設定し、その進捗を適時適切に把握・開示してまいります。
これら一連の施策を着実に実行し、変革と持続的成長を共に実現できる企業グループへと進化を果たしていくために、企業価値創造の源泉である「人」への投資をより一層強化すること等を通じて、役職員一人ひとりが自発的に目標への貢献意欲をもって主体的に行動する「エンゲージメント」の向上をはかり、組織全体としての力を最大化してまいります。
(※)「多様性」に代表される“Diversity”と、「多様性あふれる街」を意味する“Diverse City”=“DiverCity”(造語)の2つの想いを
表現している
「NANKAIグループ中期経営計画 2025-2027」の骨子
<基本方針>社会的使命を今後も果たし続けるため、利益を維持しながら、企業価値の大きな向上に向けた、コア事業(不動産事業、公共交通事業)の強化(集中投資)を最優先
<重点戦略(最優先事項)>・飛躍的な不動産事業の拡大
M&A等のインオーガニックな手法を選択肢に加え、飛躍的な成長を実現
大家業から総合不動産事業への脱却をはかる
・未来を拓く公共交通事業への変革
現状の延長線上では、事業の将来的な存続が困難であるという危機感の下、未来のために必要な投資を集中的に実行し、事業の存続と成長に挑戦
<基盤戦略>・新事業のスケールアップ実現と未来探索の継続
・「選ばれ続ける沿線づくり」の具現化
・コーポレート戦略(※1)と事業戦略との連動強化
(※1)人財戦略:人的資本経営の加速
DX戦略 :デジタル顧客接点の拡充
財務戦略:資本構成の最適化と投資資金の確保
<株主還元方針>安定配当を基本方針としつつ、連結配当性向を段階的に向上させ、2027年度には30%程度とすることを目標
とし、状況に応じて機動的に自己株式取得を行う
<投資計画>総額3,600億円の投資を短期集中で実行
収益拡大投資(未来探索含む):最大2,100億円 安全・更新投資:最大1,500億円
<数値目標>
(※2)営業利益+減価償却費+のれん償却費
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「NANKAIグループ中期経営計画 2025-2027」においては、収益性指標として「営業利益」を、財務健全性指標として「純有利子負債残高/EBITDA倍率」を採用しているほか、資本コストや株価を意識した経営の実現に向け、資本効率性指標である「ROE」を採用しております。
「純有利子負債残高/EBITDA倍率」におけるEBITDAの算出方法は、M&Aを推進する方針に基づき、のれん償却費を含めた総額としており、算出方法は、以下のとおりです。
EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費
なお、当連結会計年度の客観的な指標等の進捗状況につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗状況」をご覧下さい。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、鉄道事業をはじめとする交通輸送サービスを基軸に、不動産、流通、レジャー・サービス等の生活に密着した事業を幅広く展開し、社会の信頼に応え、その発展に貢献することを通じて、当社グループの企業価値増大をはかることを基本方針としております。
また、当社グループの普遍的なテーマを、以下のとおり「NANKAIグループの社会的使命」「NANKAIグループの経営規範」及び「NANKAIグループサステナビリティ方針」として位置づけております。
| 私たちは、地域を起点に人々と向き合い、「しあわせなくらし」を育み、広げ、未来へとつなげます |
(※1)2026年4月1日制定
| ・安全・安心の徹底 鉄道をはじめとしたすべての事業において安全・安心を徹底します ・環境重視 「地球環境保全」を使命として認識、事業において環境に配慮します ・コンプライアンスの徹底 法令遵守、自らの社会的責任を認識、公正で健全な企業活動を行います ・顧客志向の追求 地域に密着した企業として、お客さま目線での行動を徹底します |
(※2)2026年4月1日改称
2026年3月31日までの名称は「グループ経営方針」
| NANKAIグループは、自らの「社会的使命」に基づき、事業活動を通じて地域社会やお客さまをはじめとするステークホルダーと共創・協働し、「持続的な企業価値の向上」と「持続可能な社会の実現」の両立をめざします。 |
(※3)2026年4月1日更新
2026年3月31日までの名称は「サステナビリティ方針」であり、内容は以下のとおり
沿線エリアを中心に、地域住民・自治体・企業等、さまざまなステークホルダーと共創・協働し、企業理念の実践を通じて、「持続的な企業価値の向上」と「持続可能な社会の実現」の両立をめざします。
(2)経営環境
当社グループは、大阪府南部や和歌山県を主たる営業基盤とし、運輸、不動産、流通、レジャー・サービス、建設等の事業を展開しております(当社グループの事業の内容については、「第1 企業の概況 3 事業の内容」 をご覧下さい。)。
当社グループをとりまく経営環境として、地震・台風等の自然災害の激甚化傾向や人口減少等、一層激しい変化に直面すると予想しており、これらに対して柔軟に対応していく必要があると考えております。一方、当社グループは、近年、インバウンド旅客の増加による空港関連輸送の活性化やなんば地区を中心とする不動産業の拡充等により大きな成長を遂げてきました。今後も、大阪・夢洲へのIR(統合型リゾート)の誘致計画といった関西におけるビジネスチャンスの拡大に加え、なにわ筋線開業(2031年春目標)により、沿線のさらなる利便性向上が期待されています。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループでは、「沿線への誇りを礎に、関西にダイバーシティ(※)を築く事業家集団」という“2050年の企業像”の実現に向け、現在「NANKAIグループ中期経営計画 2025-2027」に基づき、企業価値の大きな向上をめざして各施策を着実に推進しております。
本計画期間においては、事業エリアの人口減少が他のエリアと比較しても顕著に進展することが見込まれるなど、将来的な厳しい事業環境の変化を見据え、積極的な攻めの打ち手を矢継ぎ早に講じていくため、コア事業である不動産事業及び公共交通事業の強化に向けた集中的な投資を実行しております。
成長のエンジンである不動産事業においては、「大家業から総合不動産事業への脱却」に全力を傾注し、なんばエリアを中心とした沿線開発の推進や物流施設の高度化のほか、海外を含む事業エリアの拡大や回転型ビジネスの強化等により、事業の飛躍的な拡大をめざしてまいります。
公共交通事業においては、これまで培ってきた安全・安心を大前提としつつ、将来的な人財不足への対応を見据え、事業運営の高度化及び最適化を進めるため、必要な投資を集中的に実行してまいります。また、なにわ筋線事業につきましては、事業環境の変化を踏まえつつ、関係者と協議しながら、着実に前進させてまいります。
これら将来に向けた戦略の実行体制の強化と事業特性に応じた運営体制の最適化をはかるため、当社は、本年4月1日、鉄道事業を分社化し、商号を「株式会社NANKAI」と改め、新たなグループ経営体制に移行いたしました。当社は、事業持株会社として、不動産事業の業容拡大・競争力強化と新事業の創造(未来探索)に注力することにより、NANKAIグループ全体としての持続的な成長を牽引してまいるとともに、グループ各社の自律性を尊重しつつ、グループ経営の視点から実効性あるグループガバナンスの確立・運用を進めてまいります。
一方、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けては、ROE(自己資本利益率)とPER(株価収益率)双方の改善に資する施策を進めるとともに、ROIC(投下資本利益率)を活用した事業ポートフォリオマネジメントを通じ、各事業の定期的な評価と見直しを行っております。これにより成長性・収益性の高い事業へのシフトと最適なリソース配分を実現し、企業価値の向上をめざしてまいります。
また、当社グループの掲げる「サステナブル経営」の実践としては、7つのマテリアリティごとに定める取組指針に基づき、CO2排出量の削減や安全の徹底等の取組みを積極的に推進していくために、それぞれのKPI(重要業績評価指標)を設定し、その進捗を適時適切に把握・開示してまいります。
これら一連の施策を着実に実行し、変革と持続的成長を共に実現できる企業グループへと進化を果たしていくために、企業価値創造の源泉である「人」への投資をより一層強化すること等を通じて、役職員一人ひとりが自発的に目標への貢献意欲をもって主体的に行動する「エンゲージメント」の向上をはかり、組織全体としての力を最大化してまいります。
(※)「多様性」に代表される“Diversity”と、「多様性あふれる街」を意味する“Diverse City”=“DiverCity”(造語)の2つの想いを
表現している
「NANKAIグループ中期経営計画 2025-2027」の骨子
<基本方針>社会的使命を今後も果たし続けるため、利益を維持しながら、企業価値の大きな向上に向けた、コア事業(不動産事業、公共交通事業)の強化(集中投資)を最優先
<重点戦略(最優先事項)>・飛躍的な不動産事業の拡大
M&A等のインオーガニックな手法を選択肢に加え、飛躍的な成長を実現
大家業から総合不動産事業への脱却をはかる
・未来を拓く公共交通事業への変革
現状の延長線上では、事業の将来的な存続が困難であるという危機感の下、未来のために必要な投資を集中的に実行し、事業の存続と成長に挑戦
<基盤戦略>・新事業のスケールアップ実現と未来探索の継続
・「選ばれ続ける沿線づくり」の具現化
・コーポレート戦略(※1)と事業戦略との連動強化
(※1)人財戦略:人的資本経営の加速
DX戦略 :デジタル顧客接点の拡充
財務戦略:資本構成の最適化と投資資金の確保
<株主還元方針>安定配当を基本方針としつつ、連結配当性向を段階的に向上させ、2027年度には30%程度とすることを目標
とし、状況に応じて機動的に自己株式取得を行う
<投資計画>総額3,600億円の投資を短期集中で実行
収益拡大投資(未来探索含む):最大2,100億円 安全・更新投資:最大1,500億円
<数値目標>
| 目標指標 | 2027年度目標 | 将来的にめざす水準 |
| 営業利益 | 420億円以上 | 460億円以上 (2035年度までの早期に) |
| 純有利子負債残高/ EBITDA(※2)倍率 | 7倍台 | 6倍台 |
| ROE | 7%以上 | 8%以上 |
(※2)営業利益+減価償却費+のれん償却費
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「NANKAIグループ中期経営計画 2025-2027」においては、収益性指標として「営業利益」を、財務健全性指標として「純有利子負債残高/EBITDA倍率」を採用しているほか、資本コストや株価を意識した経営の実現に向け、資本効率性指標である「ROE」を採用しております。
「純有利子負債残高/EBITDA倍率」におけるEBITDAの算出方法は、M&Aを推進する方針に基づき、のれん償却費を含めた総額としており、算出方法は、以下のとおりです。
EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費
なお、当連結会計年度の客観的な指標等の進捗状況につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗状況」をご覧下さい。