訂正有価証券報告書-第58期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2019/02/14 14:07
【資料】
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【項目】
63項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものである。
(1) 経営の基本方針
日立物流グループは、経営理念である「広く未来をみつめ人と自然を大切にし良質なサービスを通じて豊かな社会づくりに貢献します」のもと、高度化・多様化・広範化しているグローバルサプライチェーンにおいて、お客様・株主・従業員などあらゆるステークホルダーから、最も選ばれるソリューションプロバイダとなることをめざし、さまざまな『協創』を通じた課題の解決と『価値』の創出に取り組み、持続的な成長を実現していく。
(2) 中長期的な経営戦略について
[基本方針]
日立物流グループは、2016年4月より2018年度を最終年度とする中期経営計画「価値協創2018-Value Creation2018-」をスタートした。当該中期経営計画においては、コア事業である「3PL事業の徹底強化とシェア拡大」「フォワーディング事業の拡大」「重量・機工事業の強化」を基本戦略とし、顧客やパートナーも含めた『協創』を活性化することで、新たな『価値』を創出するとともに、当社グループの「稼ぐ力」と「成長する力」、そしてこれらを「継承する力」を強化することにより、当社グループの企業価値の向上をめざす。
[重点施策]
「IoT」「AI(人工知能)」「ロボティクス」といった技術のブレイクスルーや、「フィンテック」「シェアリングエコノミー」といった社会におけるサービス・手段・価値観の多様化が進む中、“機能としての物流強化”を中核としながらも、事業・業界を超えた協創領域の拡大を図り、新たなイノベーションの実現に向けた施策を推進する。
① コア事業である3PLの強化
ⅰ. 国内3PL事業の強化
(a) デリバリーソリューションの強化(「BtoB」事業から「BtoBtoC」事業への拡張)
(b) 地域事業会社主導による地域密着型事業の展開加速
(c) スマートロジスティクス新技術導入による現場改善と差異化
(d) スタンダードモデル(汎用型3PL)の構築・導入による、産業別(メディカル・自動車・流通・
生活品他)プラットフォーム事業の拡大
ⅱ. 海外3PL事業の強化
[アジア] トラックネットワーク拡充(タイ発域内クロスボーダー物流拡大他)による、既存アカウント
事業拡大と新規グローバルアカウントの獲得
[北 米] NAFTA輸送ネットワーク拡充による自動車部品3PL事業の拡大とNon-Auto分野の拡大
[欧 州] 成長市場をベースとしたインターモーダル・クロスボーダーによる西欧・東欧への事業拡大と、欧州・中央アジアを結ぶ新規輸送事業の開拓
[中 国] 国内トラック輸送事業の拡大と消費財(要冷品等)物流の拡大
② フォワーディング事業の拡大
ⅰ. グローバル一体運営による収益力の向上とオフショア事業の強化
(a) 3PL補完型フォワーディングサービスの展開(フォワーディングシステムのブラッシュアップと
3PLとのコネクト)
(b) オフショアルートの絞り込みやキャリアの選択と集中による仕入競争力の強化
③ 重量・機工事業の強化
電力・エネルギー、交通、産業・生産設備等の社会インフラ関連事業の国内外での受注拡大に向けた、プロジェクトカーゴネットワークの拡充やアセット導入も含めた自家リソースの強化とパートナーとの協
創深化
④ シームレスな総合物流サービスの実現にむけた協創・協業の推進
ⅰ. SGホールディングスとの協創・協業の推進
ⅱ. 物流領域・サプライチェーン領域における水平・垂直連携の推進
⑤ 企業の社会的責任(CSR)の重視
ⅰ. 不断の働き方改革の実行
「制度標準化(処遇改善)」「物流センター等現場の環境改善」「ダイバーシティ」「全員教育」等の
施策を通じた“人財の確保・定着”と“生産性の向上”
ⅱ.「安全は全てに優先する」「歩き回って安全をつくる-Safety Management by Walking Around-」を
スローガンとした、予防保全への取り組み推進
ⅲ.「物流品質」「情報セキュリティ」「AEO・輸出管理」「グリーンロジスティクス」を柱とした
CSRの推進
ⅳ. 新興国・地域における物流人財の育成や当該地域の雇用確保等、事業活動を通じた社会貢献活動の推進
ⅴ. 基本と正道の徹底(コンプライアンス・ガバナンス強化)
[2018年度 中期経営計画値]
・売上収益 8,000億円
・調整後営業利益 340億円
・受取利息及び支払利息調整後税引前当期利益(EBIT) 400億円
・親会社株主持分当期利益率(ROE) 10.8%
なお、当社は、2016年3月にSGホールディングス株式会社及び同社の子会社である佐川急便株式会社(以下、当社並びにSGホールディングス株式会社及び佐川急便株式会社を合わせて「両社」という。)との間で資本業務提携契約(以下、「本資本業務提携」という。)を締結し、当社は本資本業務提携に基づき同年5月に佐川急便株式会社の株式の発行済株式総数比(自己株式除く)20%を66,318百万円で取得した。また、本資本業務提携の成果を踏まえ、両社の経営統合の可能性について協議・検討する。
本資本業務提携により、両社の3PL事業における強み、豊富なノウハウや顧客基盤、佐川急便株式会社の輸配送能力、当社グループのロジスティクス・テクノロジーとを最大限に活用することで、3PLとデリバリーがシームレスにつながる総合物流の提供が可能となり、当社グループの企業価値の最大化を図れると考えている。