有価証券報告書-第31期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社は、第三種鉄道事業者として、JR東西線の鉄道施設を西日本旅客鉄道株式会社に貸付けるとともに、付帯する土地等の活用も行ってまいりました。また、2017年9月開催の第176回取締役会において新たに大阪都心を南北に貫く鉄道新線(なにわ筋線)の事業整備主体として意思決定をした後、2018年4月には企画推進部を設置、同年6月、大阪府、大阪市、西日本旅客鉄道株式会社及び南海電気鉄道株式会社より甲種種類株式による出資を受け、なにわ筋線の事業化に向けた業務を開始しました。
当事業年度の鉄道事業営業収益につきましては、鉄道線路使用料収入が大部分を占めておりますが、2017年10月に西日本旅客鉄道株式会社との間で2018年度以降の線路使用料の変更に関する契約を締結し、線路使用料が2,398百万円減少したことにより12,910百万円となりました(前年同期比15.7%減)。鉄道事業営業費につきましては、減価償却費が258百万円減少したこと等により7,228百万円(前年同期比3.4%減)となったものの、前述の鉄道事業営業収益の減少が大きく影響し、鉄道事業営業利益は5,682百万円(前年同期比27.4%減)となりました。
営業外収支について、営業外費用は、社債利息は181百万円減少し737百万円(前年同期比19.8%減)となりましたが、金融機関からの借入手数料が197百万円増加したこと等により58百万円増加し、1,160百万円(前年同期比5.3%増)でありました。
この結果、経常利益は4,522百万円(前年同期比32.8%減)となり、特別損失は12百万円(前年同期比132.6%増)であったため、当期純利益は3,128百万円(前年同期比32.7%減)となりました。
流動資産については、660百万円増加し816百万円(前事業年度末比423.7%増)となりました。固定資産については、5,783百万円減少し166,986百万円(前事業年度末比3.3%減)となりました。これは減価償却の進捗等により鉄道事業固定資産が6,198百万円減少し、また元利償還補助金返還引当金の損金認容等により繰延税金資産が461百万円減少したためであります。
流動負債については、764百万円減少し12,960百万円(前事業年度末比5.6%減)となりました。これは、短期借入金が200百万円増加、未払金がなにわ筋線事業の環境アセスメント関連業務等により562百万円増加しましたが、線路使用料の減少等により未払法人税等が787百万円減少、1年内償還予定の社債が500百万円減少したためであります。
固定負債については、2,576百万円減少し74,443百万円(前事業年度末比3.3%減)となりました。これは、長期借入金が10,600百万円増加しましたが、社債及び運輸機構長期未払金が11,801百万円減少したこと、2019年3月29日に元利償還補助金1,400百万円(大阪府630百万円、兵庫県112百万円、大阪市630百万円、尼崎市28百万円)を還付したことにより、元利償還補助金返還引当金が1,400百万円減少したためであります。
純資産の部については、純資産合計は1,782百万円減少し80,399百万円(前事業年度末比2.2%減)となりました。これは2018年4月2日開催の当社取締役会及び2018年4月26日開催の臨時株主総会において、第三者割当による甲種種類株式の発行を決議したことにより、2018年6月8日に払込みが完了し、資本金が202百万円増加したこと、また2018年6月22日開催の定時株主総会において、2018年6月22日開催の当社取締役会で承認された総額の範囲内で、1株につき50,000円で自己株式を取得する旨の決議を行い、5,113百万円(102,260株)の自己株式を取得したこと、及び当期純利益を3,128百万円計上したためであります。
なお、当社は鉄道事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末の現金及び現金同等物は、前年同期と比べ653百万円増加し801百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期と比べ2,044百万円収入が減少し8,263百万円(前年同期比19.8%減)となりました。これは線路使用料の減少等により税引前当期純利益が2,212百万円減少し4,509百万円(前年同期比32.9%減)となったことが主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは前年同期と比べ911百万円支出が増加し△915百万円(前年同期比18,378.5%減)となりました。これは主に建設仮勘定の増加によるものであります(前年同期は固定資産の取得による支出が4百万円ありました。)。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期と比べ3,471百万円支出が減少し△6,693百万円(前年同期比34.2%減)となりました。これは前年に比べ短期借入による収入が1,445百万円、長期借入による収入が900百万円それぞれ増加する一方で、社債償還による支出が3,500百万円増加、借入れに伴う支払手数料が301百万円増加、自己株式取得による支出が4,748百万円減少したためであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社は受注生産形態を取らない業態であります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
営業収益の大部分を占める鉄道線路使用料収入は前年と比べ2,398百万円減少の12,900百万円(前年同期比15.7%減)でありました。固定資産の減価償却費が償却の進捗により減少したことに加え、社債の償還により社債利息は減少しましたが、長期借入金の増加に伴い融資手数料が増加し、経常利益は2,205百万円減少し4,522百万円(前年同期比32.8%減)となりました。これに老朽資産の取替等に伴う固定資産除却損12百万円を特別損失に計上した結果、税引前当期純利益は2,212百万円減少して4,509百万円(前年同期比32.9%減)となり、当期純利益は3,128百万円(前年同期比32.7%減)となりました。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、特にJR東西線線路使用料の変更を行う場合には、当社の経営目標の達成(開業後30年目に累積資金不足を解消し、かつそれまでに累積損失を解消できること)を前提とした上で、関係当事者間で十分に協議を行い取締役会の場でも議論した後、国土交通大臣の認可を得ることとなります。
また、当社の資本の財源及び資金の流動性に係る情報として、JR東西線事業については、期中の運転資金の他、当社既発債の償還、及び自己株式の取得等、将来必要となる事業資金の調達を想定しております。また、なにわ筋線事業については、前述のとおり、今後の鉄道事業許可、工事施行認可に向けた関係者との協議を経て確定していくこととなりますが、将来必要となる事業資金については、出資金、補助金、及び借入金による調達を想定しております。
以上、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。