有価証券報告書-第33期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社は、第三種鉄道事業者として、JR東西線の鉄道施設を西日本旅客鉄道株式会社に貸付けるとともに、付帯する土地等の活用も行ってまいりました。
また、なにわ筋線の事業整備主体として、2019年7月の鉄道事業許可、2020年2月の工事施行認可および都市計画決定を経て、2020年8月に鉄道部分の都市計画事業認可、2021年1月に道路部分の都市計画事業認可を取得し、用地取得や工事着手等に向けた取り組みを着実に進めてまいりました。当事業年度の鉄道事業営業収益につきましては、鉄道線路使用料収入が大部分を占め、前年とほぼ同額の12,923百万円となりました。鉄道事業営業費につきましては、用地取得にかかる委託業務等が増加したものの減価償却費が238百万円減少したことなどにより7,034百万円(前年同期比1.3%減)となり、鉄道事業営業利益は5,889百万円(前年同期比1.8%増)となりました。営業外収支について、営業外費用は、社債利息が128百万円減少し407百万円(前年同期比24.0%減)、金融機関からの借入手数料等が20百万円減少し35百万円(前年同期比36.0%減)になるなど157百万円減少し、581百万円(前年同期比21.3%減)となりました。
この結果、経常利益は5,307百万円(前年同期比5.1%増)となり、特別損失が5百万円(前年同期比30.7%増)であったため、当期純利益は3,676百万円(前年同期比5.0%増)となりました。
流動資産については、116,373百万円増加し116,925百万円(前事業年度末は551百万円)となりました。これは国からの要請を受けた財政投融資資金114,774百万円の融資が2021年3月に実行されたためであります。
固定資産については、3,999百万円減少し157,520百万円(前事業年度末比2.5%減)となりました。これは減価償却の進捗等により鉄道事業固定資産が5,756百万円減少し、また元利償還補助金返還引当金の損金認容等により繰延税金資産が465百万円減少する一方で、なにわ筋線事業の調査設計等により建設仮勘定が2,225百万円(前年同期比125.9%増)増加したためであります。
流動負債については、153百万円増加し12,604百万円(前事業年度末比1.2%増)となりました。これは、社債及び運輸機構未払金の償還が1,403百万円減少、未払法人税等が118百万円減少しましたが、短期借入金が819百万円増加、未払金がなにわ筋線事業の調査設計業務等により915百万円増加したためであります。
固定負債については、105,875百万円増加し172,917百万円(前事業年度末比157.9%増)となりました。これは、社債及び運輸機構長期未払金が8,417百万円減少、2021年3月31日に元利償還補助金1,466百万円(大阪府659百万円、兵庫県117百万円、大阪市659百万円、尼崎市29百万円)を還付したことにより、元利償還補助金返還引当金が1,466百万円減少しましたが、財政投融資資金を活用した長期借入金が114,774百万円増加したためであります。元利償還補助金の還付は2020年度で終了しました。
純資産の部については、純資産合計は6,344百万円増加し88,924百万円(前事業年度末比7.7%増)となりました。これは、2020年6月25日開催の種類株主総会並びに定時株主総会にて、第三者割当による甲種種類株式の発行を決議したことにより、資本金が2,668百万円増加したこと、及び当期純利益を3,676百万円計上したためであります。
なお、当社は鉄道事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末の現金及び現金同等物は、前年同期と比べ116,072百万円増加し116,492百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期と比べ1,101百万円収入が減少し8,287百万円(前年同期比11.7%減)となりました。これは主に法人税等の支払額が712百万円増加したためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは前年同期と比べ120百万円支出が増加し△636百万円(前年同期比23.3%増)となりました。これは主になにわ筋線事業の補助金収入が474百万円増加しましたが、有形固定資産等の取得が596百万円増加したためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期と比べ117,676百万円収入が増加し108,421百万円(前年同期は△9,254百万円)となりました。これは当事業年度に財政投融資を活用した114,774百万円の長期借入を行ったためであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社は受注生産形態を取らない業態であります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
営業収益の大部分を占める鉄道線路使用料収入は前年と同額の12,900百万円でありました。固定資産の減価償却費が償却の進捗により減少、社債の償還により社債利息が減少、また長期借入に伴う融資手数料が減少したことに伴い経常利益は259百万円増加し5,307百万円(前年同期比5.1%増)となりました。これに老朽資産の取替等に伴う固定資産除却損5百万円を特別損失に計上した結果、税引前当期純利益は257百万円増加して5,302百万円(前年同期比5.1%増)となり、当期純利益は3,676百万円(前年同期比5.0%増)となりました。
当社の資本の財源及び資金の流動性に係る情報として、JR東西線事業については、期中の運転資金の他、当社既発債の償還、将来必要となる事業資金の調達を想定しております。また、なにわ筋線事業については、前述のとおり、今後も関係者との協議調整を進め事業を推進してまいりますが、将来必要となる事業資金については、出資金、補助金、及び借入金による調達を想定しております。
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成に当たり採用している重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項(重要な会計方針)」に記載しています。
当社の財務諸表の作成において、経営成績及び財政状態に影響を与える見積りは、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づき合理的と考えられるさまざまな要因を考慮したものでありますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、期末日以降財務諸表作成時までに入手可能な情報を考慮し、当社への影響は限定的であり、会計上の見積りに大きな影響を与えるものではないと判断しています。