有価証券報告書-第30期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/23 15:05
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【項目】
143項目
当社グループは平成25年3月に策定し、同27年4月に環境の変化等をふまえてアップデートした「JR西日本グループ中期経営計画2017」に基づいて各施策に取り組んでまいりました。
中期経営計画では、基本戦略として「安全」「CS」「技術」の3つを掲げ、4つの事業分野である「新幹線」「近畿エリア」「西日本各エリア」「事業創造」について、それぞれの戦略を推進するとともに、持続的で健全な事業運営を行っていくための「基盤づくり」を進め、社会の一員としての責任を果たすことで、長期持続的な成長をめざしております。
基本戦略のうち最優先で取り組むべき「安全」については、「安全考動計画2017」で数値目標として掲げている「ホームにおける鉄道人身障害事故」「踏切障害事故」「部内原因による輸送障害」の減少に努めるとともに、激甚化する自然災害への対処、リスク管理の強化等に取り組んでまいりました。
これらの結果、目標として掲げている「お客様が死傷する列車事故ゼロ」は初年度から継続しており、「踏切障害事故」をはじめ各指標ともおおむね着実に進捗しております。
しかしながら、同じく目標に掲げる「死亡に至る鉄道労災ゼロ」については、本計画推進中に2件の死亡労災を発生させております。これまでの取り組みを再確認し、さらに充実を図ることで、グループ一丸となって防止に努めてまいります。
「CS」については、「お客様満足度調査4.0以上(=お客様の8割が好感をもってご利用されている状態)」を数値目標として掲げ、輸送品質の向上、駅、車内の美化や美観の維持、異常時における情報提供の充実等、具体的な取り組みを進めてまいりました。その結果、お客様満足度は、平成24年度以降継続して上昇し、目標に近付いております。一方、お客様への迅速かつ確実な情報提供については、お客様からの評価はまだ低く、重要な課題となっております。引き続き「すべての仕事の先にお客様がいらっしゃる」をキーフレーズに、お客様を意識する事業活動が企業文化として定着した状態をめざして取り組んでまいります。
「技術」については、技術による「安全」と「CS」の向上に向け、車上主体列車制御システム(無線式)など鉄道オペレーションのシステムチェンジをめざした技術開発を推進するとともに、技術・技能の継承や技術者の育成にも取り組んでまいりました。また、技術力向上に向けた他社との提携も進めており、昨年8月には、日本信号株式会社の株式の一部を取得するなどして業務提携を行い、新たな信号システム装置の開発、設計、製造等に取り組むこととしております。
今後、労働力人口の減少が見込まれる中、安全性を維持・向上していくためにも、技術による変革や抜本的なシステムチェンジで鉄道システムを進化させていく取り組みを進めてまいります。
4つの事業戦略のうち、山陽新幹線では新型車両N700Aの追加投入やATCの全面更新等により、安全性と信頼性のさらなる向上と競争力のある輸送サービスの提供に努め、山陽新幹線ブランドの向上を図るとともに、シニア層や訪日観光客向けサービスを拡充する等、新たな需要を創造してまいります。北陸新幹線では2022年度末には金沢・敦賀間の開業、その先には大阪までの全線開業が予定されております。地域経済にとって、新幹線の延伸がもたらす地域活性化効果は大きく、事業者の立場から地域とともに実現に向けて努力してまいります。
「近畿エリア」については、お客様に繰り返しご利用いただけるよう鉄道の輸送品質向上を図るとともに、線区価値向上に取り組んでまいりました。
今後、2019年におおさか東線の新大阪までの延伸開業、2023年に大阪駅北側のうめきた地下新駅の開業が予定されており、鉄道ネットワークの一層の充実に取り組んでまいります。
「西日本各エリア」については、地域と連携し、鉄道の強みを活かした、駅を中心としたまちづくりと観光の振興に向けてデスティネーションキャンペーンや広域にわたる地域との推進体制の構築等に努めてまいりました。また、新たな寝台列車である「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」の運行を本年6月より開始し、地域とともに西日本エリア沿線の魅力の発信を図ってまいります。
また、持続可能な地域交通の実現に向けても、引き続き地域との対話を推進してまいります。
「事業創造」については、今後の経営環境を見据えると、鉄道事業以外の分野でいかに成長を実現できるかが、当社グループの大きな課題であると認識して推進しております。
平成28年度には、不動産事業の強化、拡大に向けて「菱重プロパティーズ株式会社」の株式取得やお客様の幅広いご宿泊ニーズへの対応に向けて新たなハイクラス宿泊主体型ホテルや上質カプセルホテルの展開、ベンチャー企業への出資を専門的に手掛ける新会社の設立等を行っております。既存事業の強化に加え、こうした新たな事業分野の開拓と育成を進め、連結営業収益に占める非鉄道事業の割合を、現在の約36%から2022年度には40%まで高めることをめざしてまいります。
以上の戦略を達成するために、企業として健全に経営・運営するための「基盤づくり」の取り組みについても具体化してまいります。
特に、労働力人口が減少する中、社会の変化や要請に対応するため「働き方改革」を進め、グループ全体での人材の確保、育成や社員が働きがいをもって活躍できるように、引き続き取り組んでまいります。
また、リスクの多様化に伴い、当社グループ経営に重大な影響を及ぼす重要リスクを当社社長以下、責任ある立場のものが適切に把握し、一元的なリスクの管理と低減に努めるリスクマネジメントスタイルの定着を図るため、本年4月に「リスクマネジメント委員会」を新たに設置し、従来のリスクマネジメント体制を強化いたしました。
当社を取り巻く経営環境は、人口減少、少子高齢化の進展による国内需要の減少や労働力の減少、対抗輸送機関等との競合等厳しい状況下にありますが、一方で、訪日観光客の増加やアクティブシニアの活発化、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催、さらには万国博覧会や統合型リゾートを大阪に誘致する動きが活発化するなど、追い風にできる成長の機会もあります。こうした環境の変化、成長の機会を敏感に捉え、中長期的な視点による「安全性の向上」と「企業価値の向上」に、引き続きグループ全体で取り組んでまいります。
なお、文中における将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日において当社グループが判断したものであります。

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