有価証券報告書-第35期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/24 15:00
【資料】
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【項目】
164項目
(会計方針の変更等)
1.収益認識に関する会計基準等の適用
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用し、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識することといたしました。これにより、主な取引として自社企画旅行商品に係る収益について、従来は、顧客から受け取る額から仕入先に支払う額を控除した純額で収益を認識しておりましたが、顧客への財又はサービスの提供における当社グループの役割が本人に該当する取引については、顧客から受け取る対価の総額で収益を認識することとしております。
また、消化仕入に係る収益について、従来は、顧客から受け取る対価の総額で収益を認識しておりましたが、顧客への財又はサービスの提供における当社グループの役割が代理人に該当する取引については、総額から仕入先に対する支払額を差し引いた純額で収益を認識する方法に変更しております。
会計方針の変更は、原則として遡及適用され、前連結会計年度については遡及適用後の連結財務諸表となっております。ただし、収益認識会計基準第85項に定める以下の方法を適用しております。
(1) 前連結会計年度の期首より前までに従前の取扱いに従ってほとんどすべての収益の額を認識した契約について、比較情報を遡及的に修正しないこと
(2) 当連結会計年度の期首より前までに従前の取扱いに従ってほとんどすべての収益の額を認識した契約に含まれる変動対価の額について、変動対価の額に関する不確実性が解消された時の金額を用いて比較情報を遡及的に修正すること
(3) 前連結会計年度の期首より前までに行われた契約変更について、すべての契約変更を反映した後の契約条件に基づき、会計処理を行い、比較情報を遡及的に修正すること
この結果、遡及適用を行う前と比べて、前連結会計年度の売上高は21,874百万円増加し、運輸業等営業費及び売上原価は22,429百万円増加し、販売費及び一般管理費は592百万円減少し、営業損失、経常損失及び税金等調整前当期純損失はそれぞれ37百万円改善しております。また、前連結会計年度の期首の純資産に累積的影響額が反映されたことにより、利益剰余金の前期首残高は91百万円増加しております。
収益認識会計基準等を適用したため、前連結会計年度の連結貸借対照表において、「流動負債」に表示していた「ポイント引当金」は、当連結会計年度より契約負債に該当するものを「前受金」に含めて表示することといたしました。
なお、収益認識会計基準第89-3項に定める経過的な取り扱いに従って、前連結会計年度に係る「収益認識関係」注記については記載しておりません。
2.時価の算定に関する会計基準等の適用
「時価の算定に関する会計基準」(企業会計基準第30号 2019年7月4日。以下「時価算定会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用し、時価算定会計基準第19項及び「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号 2019年7月4日)第44-2項に定める経過的な取扱いに従って、時価算定会計基準等が定める新たな会計方針を、将来にわたって適用することといたしました。
これによる連結財務諸表への影響はありません。
また、「金融商品関係」において、金融商品の時価の適切な区分ごとの内訳等に関する事項等の注記を行っております。
3.有形固定資産の減価償却方法の変更及び耐用年数の変更
有形固定資産のうち新幹線車両の減価償却方法については、従来、定率法を採用しておりましたが、当連結会計年度より定額法に変更しております。
当社は、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機としたお客様の行動変容による市場構造の変化を受けて、2020年10月に「JR西日本グループ中期経営計画2022」の見直しを公表し、当連結会計年度より、様々な施策の具体化を進めることとしております。
上記施策の基軸となる新幹線については、山陽新幹線の利便性向上に向け、ご利用に応じた列車運行体制の適正化や、最新車両「N700S」の導入により車両配備体制を確立し、新幹線車両を長期的かつ安定的に使用できる環境を整備していきます。
このような経営環境の変化及び経営方針の見直しを踏まえて減価償却方法を検討した結果、新幹線車両については、急激な価値の低下は想定されず、今後長期安定的に使用していくことから、償却方法を定額法に変更することが、費消パターンをより適切に反映すると判断しました。
また、減価償却方法の変更の検討を契機に、新幹線車両の使用実態の検討を行った結果、当連結会計年度から、より実態に即した経済的使用可能予測期間に基づく耐用年数に変更しております。
これにより、従来の方法と比べて、当連結会計年度の営業損失、経常損失及び税金等調整前当期純損失はそれぞれ12,708百万円改善しております。
4.線区整理損失引当金の見積りの変更
当社は、2018年4月1日に鉄道事業を廃止した三江線(江津~三次駅間)について、廃線後の橋梁及び電気設備の撤去等の支出に備えるため線区整理損失引当金を計上しておりましたが、近年の災害激甚化(豪雨等)による急激な環境変化を受け、河川流域内の構造物撤去に必要な工事計画の大幅な見直しが必要となることを認識し、精査を進めてまいりました。
その結果、当連結会計年度において、工事計画の見直しが完了したことから、見積りの変更を行い、工事費の増加額8,638百万円を線区整理損失引当金繰入額として特別損失に計上し、変更前の線区整理損失引当金残高に加算しております。
なお、この見積りの変更により、当連結会計年度の税金等調整前当期純損失は8,638百万円悪化しております。