有価証券報告書-第56期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
①自然保護と環境保全
当社の経営基盤である立山黒部一帯は、自然公園法による中部山岳国立公園の特別保護地区及び特別地域に含まれており、そのため、立山黒部アルペンルートの建設にあたっては、自然景観を損なわないよう、また自然に与える影響を最小限に抑えるよう細心の配慮のもと進められました。当社では、昭和46年の全線開業後においても、一貫して自然保護と環境保全を最優先課題に掲げ、立山の大自然を永久に守り伝えるため努力を続けています。
②安全保護と保守管理
立山黒部アルペンルートは、年間約100万人の観光客・登山客を迎えています。運輸機関が安全・快適であることは、観光地にとっての絶対必要要件であり、立山黒部の大景観を心ゆくまで満喫していただくために、保守管理体制を徹底・強化し、安全確保の維持に努めています。
③地域振興と国際観光
立山黒部地帯は、特異な風土(気候、気象、地形、景観など)が影響し、大自然、歴史と文化、電源開発、砂防事業など多くの魅力や資源にあふれており、国際的山岳観光地として、確固たる地位を築いています。
年間約100万人の観光客のうち、近年は海外からのお客様が年々増加し、20万人を超えるようになりました。
今後も、グローバルな営業を展開し国際観光振興に貢献していきます。
(2)経営環境
近年、局地的な大雨が発生するなど地球温暖化による気候変動の影響により、航空機の欠航や鉄道の運休といった交通傷害の被害が発生し、立山黒部アルペンルートも多大な影響をうけております。
加えて、今般の国内外における新型コロナウイルス感染拡大によって人の移動が制限され、観光業全体が深刻な事態に陥りました。当社グループでは春の「雪の大谷ウォークイベント」を中止、さらに国内全域を対象とした緊急事態宣言が発令されたことを踏まえて、4月15日の全線開通後間もない4月18日から、立山駅~黒部湖間の営業を期間を限定して休止することといたしました。
当面予断を許さない状況が続くことが予想されますが、終息後を見据え効率的な事業運営に取り組み、経営基盤の安定を図ってまいります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①効率的な運営
新型コロナウイルス感染が拡大し、終息時期の見通しが立たない中、当社グループは、社長を本部長とし、新型コロナウイルス感染症対策本部を設置いたしました。設置の目的はグループ全体の事業運営の管理強化と役職員の感染予防対策などに対応する体制づくりを目指しております。
令和2年度の春期営業におきましては、売上高の大幅な減少が見込まれております。そうした中、業務の省力化やコスト削減などの事業運営の効率化に努めてまいります。
具体的には旅客の減少に伴い構内販売店舗を縮小し、美女平駅と大観峰駅の構内売店並びにレストラン黒部平につきまして令和2年度の営業を休止することといたしました。また、当社グループ会社の立山貫光ターミナル㈱が運営する弥陀ヶ原ホテルと宇奈月国際ホテル、立山黒部サービス㈱の手荷物回送サービスにつきましても令和2年度の営業を休止することといたしました。当社グループといたしましては、当面の間は、運輸事業に集中することとし、効率的な事業運営を目指してまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症の終息後につきましては、富山県、関係市町村、関係機関と共同にてJR各社や各地区の旅行会社のご協力をいただきながら、誘客に努めてまいります。
②安全・安心の確保
運輸事業を営む当社グループにとりまして、安全の確保は当然かつ絶対の責務であります。
全職場に安全管理と安全教育のあり方を浸透させ、法令遵守とヒューマンエラー防止の徹底と、その継続的な改善に取り組んでまいります。また、弥陀ヶ原火山災害発生のリスクに対しても、関係機関と連携しながら、災害対応体制の構築と避難確保計画の策定を進めてまいります。
また、今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、お客様用のアルコール消毒液の設置や、換気対策を講じた各乗り物の運行、お客様間の距離を確保するための案内誘導、従業員のマスク着用と検温・手指消毒の徹底などの対策を講じてまいります。
今後とも、安全確保に対する取り組みを継続して行い、安全・安心な立山黒部アルペンルートの構築に役職員一丸となって邁進いたします。
③自然環境の保全
令和2年度は、関係機関のご協力ご配慮を得て、4月15日に全線で営業を再開いたしましたが、営業再開にあたっては早春の立山一帯における自然環境保全に対する理解の周知徹底に万全を期してまいりました。
引き続き環境にやさしい施設の維持管理、ごみ処理対策の徹底、美化清掃活動の推進等、立山の大自然を守り伝えるための努力を続けてまいります。
今後とも自然公園法の目的に添い、自然にふれあうことでそのすばらしさを知っていただけるよう、観光と環境保全の調和を図り、関係機関と連携して立山黒部の大自然を広く紹介してまいります。
(4)営業戦略
「立山黒部アルペンルート」は令和3年に全線開業50周年を迎えますが、これからも佐伯宗義初代社長を始めとする幾多の先人の方々の、アルペンルート創業にかけた理想と理念を受け継ぎ、次の50年も多くの皆様に喜ばれますよう、積極的な営業活動と、安全・安心な立山黒部アルペンルートの構築と、自然環境保全を役職員一同全力を傾注してまいります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は営業利益です。
令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響で厳しい状況が予想されますが。令和3年度以降はグループとして営業利益3億円台を目標としております。