有価証券報告書-第61期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/30 14:25
【資料】
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【項目】
138項目

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
①自然保護と環境保全
当社の経営基盤である立山黒部一帯は、自然公園法による中部山岳国立公園の特別保護地区及び特別地域に含まれており、そのため、立山黒部アルペンルートの建設にあたっては、自然景観を損なわないよう、また自然に与える影響を最小限に抑えるよう細心の配慮のもと進められました。当社では、昭和46年の全線開業後においても、一貫して自然保護と環境保全を最優先課題に掲げ、立山の大自然を永久に守り伝えるため努力を続けております。
②安全保護と保守管理
立山黒部アルペンルートは、多くの観光客・登山客を迎えております。運輸機関が安全・快適であることは、観光地にとっての絶対必要要件であり、立山黒部の大景観を心ゆくまで満喫していただくために、保守管理体制を徹底・強化し、安全確保の維持に努めております。
③地域振興と国際観光
立山黒部地帯は、特異な風土(気候、気象、地形、景観等)が影響し、大自然、歴史と文化、電源開発、砂防事業等多くの魅力や資源にあふれており、富山県を代表する国際的山岳観光地として、確固たる地位を築いております。
海外からのお客様も近年増加し、近隣の東アジアをはじめ東南アジアや欧米といった様々な国からお越しいただくようになりました。今後も、グローバルな営業を展開し国際観光振興に貢献してまいります。
(2)経営環境
令和6年度は、緩やかな景気回復が進む一方、ウクライナ紛争が長期化しパレスチナでも軍事衝突が頻発し、このような不安定な国際情勢を背景にエネルギー価格、ひいては物価の高騰が続きました。また、観光業界においては、円安による訪日客の増加を中心に旅行需要の回復傾向が継続し、主要な観光地が賑わう一方で「オーバーツーリズム」が社会問題の一つとなりました。
このような事業環境の中、中期経営計画に基づき経営全般にわたる業務の効率化や要員体制の見直し等を引き続き行い、安定的かつ強力な収益基盤の構築を目指してまいります。今後、大規模な施設改修や投資等が控えており、これらの具体化を含む第二次中期経営計画の策定を進めてまいります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①持続可能な事業運営
将来的な事業の継続を見据え、令和7年度では室堂ターミナルビルのリニューアル工事に着手し、運輸インフラにおいても施設の改修や大規模修繕工事を計画しております。これらの設備投資には多額の資金が必要となることから、財務的にも充分耐え得る事業運営体制の構築を進めてまいります。
②人材の確保・育成
アルペンルート事業を長期的に支える人的基盤の強化を進めてまいります。年間を通じて、特に人材不足が懸念される運転手や技術・IT関連人材を中心に経験者採用を進めるとともに、雇用条件、処遇の改善、新たな人事評価制度の導入、若手社員へのサポート体制の強化、社内コミュニケーションの活性化により、社員間の信頼関係の強化、労働環境の改善を図ってまいります。
また、引き続き、DX推進により情報共有の効率化を進め、意思決定の迅速化や職場間での相互サポート体制を強化するとともに、事業の再編成や人件費の増加に対応し、効率的な要員の配置や、勤務体制の見直しに取り組んでまいります。
③安全・安心の確保
全線開通から50年を経て、世界に類のない山岳観光地で運輸事業を営む当社において安全・安心の確保は守るべき当然の責務であります。全職場において、継続的に安全・安心の管理と教育を徹底し、法令遵守とヒューマンエラー防止に取り組んでまいります。
乗り物施設の安全対策や弥陀ヶ原火山災害発生のリスクに対しては、行政及び関係機関と連携しながら、施設調査や対策の検討、災害対応体制の構築、避難確保計画の策定等を進めてまいります。また、令和7年度より導入の立山トンネル電気バスの運行における安全対策や運行指令管理体制についても、整備を進めてまいります。
今後とも、安全・安心の確保に対する取り組みを継続して行い、安全・安心な立山黒部アルペンルートの構築に役職員一丸となって邁進いたします。
④自然環境の保全
令和7年度も、関係機関のご協力ご配慮を得て、4月15日に立山黒部アルペンルート全線で営業を再開いたしました。営業再開にあたっては、早春の立山一帯における自然環境保全に対する理解の周知徹底に万全を期してまいりました。引き続き、環境にやさしい施設の維持管理、ごみ処理対策の徹底、美化清掃活動の推進等、立山の大自然を守り伝えるための取組みを続けてまいります。
また、令和7年度より導入の立山トンネル電気バスは、環境負荷低減に資するものであり、今後もカーボンニュートラルの実現に向けて、その知見を事業全般に活かしてまいります。今後とも自然公園法の目的に則り、自然とふれあい、その素晴らしさを多くの方に知っていただけるよう、観光と環境保全の調和を図り関係機関と連携して立山黒部の大自然を広く紹介してまいります。
(4)営業戦略
国内旅客においては、今後も旅行意欲を刺激する新たな楽しみ方の提案やサービスの情報発信等を重点に、関係各所と連携したマーケティングを強化し、誘客の取り組みを進めてまいります。
今年度、立山トンネルトロリーバスに替わり、立山トンネル電気バスの運行を開始しました。この車体には次世代の立山黒部アルペンルートの到来を感じていただけるように、立山の四季の風景やスタジオ地図とのコラボレーションによるアニメーション映画「おおかみこどもの雨と雪」のラッピングを施し、新たな楽しみを提供いたします。
人気の高い春の「雪の大谷ウォーク」に始まり、初夏から紅葉、新雪期まで、メインビジュアルである「みくりが池」を中心に、各種イベントを実施し、四季折々の立山黒部アルペンルートの魅力や楽しみ方を発信してまいります。富山県・近隣県・関係市町村・関係機関等のご協力をいただきながら、当社の強みである旅行会社や運輸機関との幅広いネットワークや注目度の高いメディアを活用し、シーズンを通じてより多くのお客様にお越しいただけるよう努めてまいります。
また、お客様の利便性向上を目的とした個人旅客向けWEBきっぷについては、事前に予約ができ、待ち時間の解消や旅の安心感につながることから、主力商品の「予約WEBきっぷ」のほか、早期予約型の「早割10」や「先行販売」等も好調に推移しており、お客様により快適に楽しんでいただけるよう魅力ある商品展開や更なる利便性向上に努めてまいります。
海外旅客においては、東アジアの台湾、韓国、香港からの誘致を継続し、認知度が高まっている東南アジア各国へ旅行嗜好に合った季節ごとの魅力を積極的に発信し、各国航空会社や旅行会社と連携し、誘致活動を強化いたします。近年増加する訪日個人旅客へ向けた情報発信も積極的に行ってまいります。
また、前年に引き続き、国内旅客同様、「夏・秋」への誘致に積極的に取り組み、営業シーズンを通じ、より多くのお客様にお越しいただけるよう努めてまいります。アルペンルートの営業期間中に実施される大阪・関西万博によりインバウンド観光需要の拡大が期待されますので、アジア圏のほか、欧米や広く世界のお客様の周遊観光の立ち寄り先として販売強化や露出拡大に努めてまいります。
その他の取り組みとして、各駅施設内でのお客様の視認性を高めスムーズな移動が可能となるよう案内誘導サイン類を一新いたしました。Wi-Fi環境の整備強化も継続的に進めており、各駅でのデジタルサイネージでの運行情報やライブ映像等の安定的な情報提供を引き続き行ってまいります。
また、旅の楽しみのひとつである食事について、お客様の旅行形態や嗜好に応じたメニューの開発を行うほか、旅客の利便性向上のため、幅広い決済手段に対応しレジでの待ち時間軽減が図られるクラウド型POSレジを導入し運用を進めてまいります。
次世代に向けて、幾多の先人の方々が築き上げてきた「立山黒部」ブランドを持続可能な観光地へとさらに進化させるため、選ばれる観光地であり続けるべく、高品質な観光コンテンツの造成、持続可能な企業であるための事業収益力の確保、安全・安心な運行体制の構築、そして大自然立山の自然環境保全に、役職員一同全力を傾注してまいります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は営業利益であります。
当連結会計年度は、旅行需要の回復基調に加え、北陸新幹線敦賀延伸効果や立山トンネルトロリーバスのラストイヤーが追い風となり、黒字転換した前連結会計年度に引き続き、増収増益となりました。今後も、継続的な黒字の計上に一層努めてまいります。

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