有価証券報告書-第53期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
(1)経営環境
北陸新幹線開業から2年目のシーズンを8%の減少で終えましたが、これからが、今後お客様を継続的に迎え入れていくための大きな正念場になると捉えております。折しも、昨年11月、富山県では有識者による「『立山黒部』の保全と利用を考える検討会」が発足し、立山黒部の世界ブランド化に向けた取り組みが始まり、また当社においても、アルペンルートの今後の方向性を探る「魅力向上プロジェクト検討委員会」を立ち上げ、立山黒部の未来像を描いてまいりました。立山黒部の持つポテンシャルに大きな期待が寄せられており、これらの要請に応え、「立山黒部」ブランドを確立するために、積極的な誘客促進および受け入れ態勢の整備に努め、強固な経営基盤の構築に繋げてまいりたいと存じます。
(2)対処すべき課題
① 営業施策
訪日外国人客の急増、個人化、オンライン旅行市場の拡大等、近年、旅行形態の変化がますます顕著になる中、こうした変化に的確に対応していくことが求められております。そこで、これまで難しかった台湾個人客への誘致活動や、台湾のほか香港・中国等にきめ細かなアプローチを進めるべく、今年3月から、最重要国の台湾に初めて会社から営業担当者を1名長期派遣いたしました。
個人化、WEB化への対応としましては、昨年12月、営業推進部内にWEB・PRセンターを新たに設置いたしました。リアルタイムで多彩な情報の発信やWEB商品の造成、販売を進めてまいりますが、本年度は新たにインターネット利用限定の前売り平日割引きっぷを発売し、誘客促進を図ってまいりたいと存じます。
また、減少傾向が続く国内団体においては、自由度が高い個人旅行の長所を取り入れたアルペンルート内自由行動型商品を提案することで、多様化するニーズに応えてまいります。
② 安全・安心の確保
立山黒部アルペンルートは、全線開業してから45年以上が経過し、施設維持のための設備投資が喫緊の課題であり、黒部ケーブルカー、立山ロープウェイの施設更新等、複数年度に亘る大規模な工事を積極的に実施しているところでございます。
引き続き、事業遂行の大前提である、安全、安心を確保するため、安全運行管理体制を構築し、全役職員一丸となって、法令遵守と安全最優先を徹底し、その継続的な改善に取り組んでまいります。
③ 自然環境の保全
平成29年度は、関係機関のご協力ご配慮を得て、これまでで最も早い4月15日に全線で営業を再開いたしました。営業再開にあたっては、これまで同様、早春の立山一帯における自然環境保全に対する理解の周知徹底を行い、万全を期してまいりました。
引き続き、環境にやさしい輸送手段の維持更新、ごみ処理対策の徹底、美化清掃活動の推進、外来植物繁殖等への対策等、引き続き、立山の大自然を守り伝えるための努力を続けてまいります。
今後とも自然公園法の目的に添い、「自然にふれあい、自然のすばらしさを知ってもらえるよう」観光と環境保全の調和をはかり、関係機関と連携して立山黒部の大自然を広く紹介してまいります。