有価証券報告書-第75期(令和2年7月1日-令和3年6月30日)
(1) 経営成績等の状況の概要
① 業績
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、サービス消費を中心に
厳しい状態にあるものの、基調としては持ち直しております。
国内の自動車市場におきまして、新車販売台数合計は前連結会計年度(以下、前年同期という)比で104.4%(日本自動車工業会統計データ)と増加いたしました。第1四半期連結会計期間においては、前年にあった消費税増税前の駆け込み需要効果が剥落したことに加えて、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で需要が低迷した結果前年同四半期比85.4%と減少しましたが、第2四半期から第3四半期連結会計期間にかけては、前年は消費税増税後の反動を受けていることで本年は反転したこと、及び新型コロナウイルス感染症拡大の影響から回復傾向であることにより、前年同四半期比で増加いたしました。一方で、第4四半期連結会計期間も前年同四半期比では増加いたしましたが、前年は第一回目の緊急事態宣言下で新車販売が極めて低調であったことに加えて、本年は半導体の不足と東南アジアにおける新型コロナウイルス感染症再拡大に伴う、自動車部品の供給不足による自動車減産の影響を大きく受けております。中古車登録台数は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、公共交通機関から自家用車へ移動手段が一部シフトした結果、需要が増加したと推測しており、前年同期比で102.8%と増加いたしました。
売上収益は、自動車関連事業において、車両輸送の受託台数が前年を上回ったことに加えてマレーシア向けの中古車輸出が堅調に推移した結果増収となり、営業利益は新型コロナウイルス感染症拡大からの回復もあって、全てのセグメントで増益となりました。
これらの結果、当社グループの業績は、売上収益921億71百万円(前年同期比103.0%)、営業利益53億32百万円(前年同期比145.1%)となりました。また、税引前利益は53億73百万円(前年同期比146.0%)となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は36億26百万円(前年同期比152.7%)となりました。
*1 日本自動車工業会統計より算出 *2 日本自動車輸入組合統計より算出 *3 日本自動車販売協会連合会統計より算出
*4 全国軽自動車協会連合会統計より算出 *5 日本自動車販売協会連合会統計の輸出抹消登録台数より試算
*6 資源エネルギー庁統計より算出 (当社が輸送に使用する燃料は主に軽油)
報告セグメント別の成績
《自動車関連事業》
主幹事業である車両輸送事業においては、新車販売台数及び中古車登録台数の増加に伴い、車両輸送受託台数が増加したことから増収になりました。また、中古車輸出事業も堅調に推移した結果増収となり、自動車関連事業全体でも増収となりました。
車両輸送事業においては、働き甲斐のある会社作りと総労働時間の削減に向けた働き方改革の取り組み推進、潜在的なドライバー不足に対応するための労務費と採用費用の増加、輸送機材の増車と老朽化対応による車両費の増加という経営課題がある中で、計画的な配車の実現や全国物流網の最適運営を目指すとともに、コスト管理の徹底に取り組んでおります。セグメント利益は、車両輸送受託台数と中古車輸出台数が増加したこと、及び燃料費単価が前年同期より下落していることから、増益になりましたが、一方で、愛媛県今治沖の自動車運搬船海難事故に伴う損失を計上しております。
これらの結果、自動車関連事業全体の売上収益は680億39百万円(前年同期比105.2%)、セグメント利益は58億76百万円(前年同期比108.3%)となりました。
《ヒューマンリソース事業》
送迎事業は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から回復基調にあり、増収となりましたが、派遣事業及び空港関連人材事業は、新型コロナウイルス感染症拡大による派遣先における雇い止めの影響が継続していることから、減収になりました。セグメント利益は、販管費の削減に努めたことに加えて、雇用調整助成金が計上されたことから、増益となりました。
これらの結果、ヒューマンリソース事業全体の売上収益は179億46百万円(前年同期比96.5%)、セグメント利益は8億33百万円(前年同期比128.0%)となりました。
《一般貨物事業》
港湾荷役事業は、バイオマス発電プラント用資材及びバイオマス発電燃料の荷役を受託したことから増収となり、運輸・倉庫事業は、新規顧客の獲得により増収となりましたが、CKD事業は、顧客であるタイの自動車製造工場が一時稼動を停止していた影響で減収となった結果、一般貨物事業全体ではわずかに減収となりました。
港湾荷役事業は、バイオマス発電関連荷役が寄与して増益となり、運輸・倉庫事業は、料金改定及び不採算事業からの撤退に加えて、新規顧客獲得が奏功して増益となりました。またCKD事業は、固定費を削減したことに加えて、工場が一時稼動を停止していることに伴って費用が補填されたことから増益となり、一般貨物事業全体でもセグメント利益が増益となりました。
これらの結果、一般貨物事業全体の売上収益は61億85百万円(前年同期比99.4%)、セグメント利益は6億87百万円(前年同期は1億88百万円のセグメント損失)となりました。
なお、上記セグメント別損益に含まれていない全社費用(当社の管理部門に係る費用)等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に記載のとおり「調整額」の項目として計上しており、20億65百万円となります。
② 財政状態
当連結会計年度末における資産合計は前連結会計年度末に比べ64億20百万円(14.4%)増加し、509億35百万円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は前連結会計年度末に比べ30億16百万円(15.4%)増加し、226億36百万円となりました。
当連結会計年度末における資本合計は前連結会計年度末に比べ34億4百万円(13.7%)増加し、282億98百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ11億25百万円増加し、59億4百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、85億94百万円(前連結会計年度は65億38百万円の収入)となりました。
主な資金増加要因は、当期利益36億14百万円、非資金支出である減価償却費及び償却費45億81百万円であり、主な資金減少要因は、法人所得税の支払額14億41百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、31億4百万円(前連結会計年度は20億67百万円の支出)となりました。
支出の主な内訳は、有形固定資産及び投資不動産の取得による支出29億68百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、43億64百万円(前連結会計年度は31億57百万円の支出)となりました。
支出の主な内訳は、リース負債の返済による支出32億87百万円、配当金の支払額5億88百万円であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、当社グループの取り扱う主要な商品は車両輸送を中心としたサービスであるため、生産及び受注の状況は記載を省略しております。
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。なお、詳細につきましては、「② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 f.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ18億72百万円(10.3%)増加し、200億60百万円となりました。
これは主に、現金及び現金同等物が11億25百万円増加したこと、また棚卸資産が4億15百万円増加したことなどによります。
非流動資産は、前連結会計年度末に比べ45億48百万円(17.3%)増加し、308億75百万円となりました。
これは主に、のれん及び無形資産が3億5百万円減少したものの、有形固定資産が使用権資産の増加などにより47億49百万円増加したことによります。
これらの結果資産合計は、前連結会計年度末に比べ64億20百万円(14.4%)増加し、509億35百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べ2億46百万円(1.7%)増加し、148億19百万円となりました。
これは主に、その他の流動負債が1億53百万円減少したものの、営業債務及びその他の債務が4億7百万円増加したことによります。
非流動負債は、前連結会計年度末に比べ27億69百万円(54.9%)増加し、78億17百万円となりました。
これは主に、退職給付に係る負債が2億53百万円減少したものの、リース負債が28億95百万円増加したことによります。
これらの結果負債合計は、前連結会計年度末に比べ30億16百万円(15.4%)増加し、226億36百万円となりました。
(資本)
資本は、前連結会計年度末に比べ34億4百万円(13.7%)増加し、282億98百万円となりました。
これは主に、利益剰余金が当期利益の計上などにより31億18百万円増加したことによります。
2)経営成績
(売上収益)
売上収益は前連結会計年度に比べて26億70百万円増加し、921億71百万円となりました。自動車関連事業において、自動車周辺事業は主に日産自動車株式会社向けの納車前整備点検の受託が下落し、大型整備受注台数が減少したことで減収となりました。一方で、車両輸送事業は新車販売台数及び中古車登録台数の増加に伴い、車両輸送受託台数が増加したことから増収になりました。また、中古車輸出事業はマレーシアにおける前期の新型コロナウイルス感染拡大の影響から回復基調で推移したことから増収となり、自動車関連事業全体で33億64百万円の増収となりました。ヒューマンリソース事業において、送迎事業は通年契約が中心であり、堅調に推移したことから増収となったものの、派遣事業及び空港関連人材事業は、新型コロナウイルス感染症拡大による派遣先の雇い止めの影響が継続し減収になり、ヒューマンリソース事業全体では6億56百万円の減収となりました。一般貨物事業において、港湾荷役事業は、バイオマス発電プラント用資材及びバイオマス発電燃料の荷役を受託したことから増収となり、運輸・倉庫事業は、新規顧客の獲得により増収となりましたが、CKD事業は、顧客であるタイの自動車製造工場が一時稼動を停止していた影響で減収となった結果、一般貨物事業全体では37百万円の減収となりました。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、車両輸送受託台数の減少、派遣事業での雇い止め等、当社グループの売上収益にも影響が及んでおります。また、景気先行きが不透明であることに起因し、将来的にも当社グループの業績に影響をあたえます。当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響が、2022年6月期においても一定期間にわたり継続するものと想定しております。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、自動車関連事業においては、車両輸送受注台数と中古車輸出台数が増加したことや、燃料単価が前年同期比で減少したこと、及び輸送ブロック会社の原価低減が進み、また一般貨物事業においては、バイオマス発電事業荷役が奏功し、CKD事業が良化したことなどから、売上原価比率は86.1%から85.5%へ減少いたしました。これらの結果、売上総利益は前連結会計年度に比べて10億1百万円増加し134億2百万円となりました。
(販売費及び一般管理費、その他の収益、その他の費用、営業利益)
販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べて3億56百万円減少し87億49百万円、その他の収益は前連結会計年度に比べて5億9百万円増加し9億85百万円、その他の費用は前連結会計年度に比べて2億11百万円増加し、3億6百万円となりました。これらの結果、営業利益は前連結会計年度に比べて16億56百万円増加し53億32百万円となりました。
営業利益率は5.0%の目標に対して5.8%となりました。輸送ブロック会社の損益改善や、その他の原価低減活動を進め、営業利益率向上に努めてまいりました。また、CKD事業の立ち上げに関わる費用が一巡したことなどから、目標を上回る利益率となりました。2022年6月期は、新型コロナウイルス感染症の影響が引き続き残存し、その他の原価項目も上昇が予想され厳しい状況が続きますが、営業利益率の業績予想は目標の5.0%としております。
(金融収益、金融費用、持分法による投資損益、税引前利益)
金融収益は前連結会計年度に比べて21百万円増加し38百万円、金融費用は前連結会計年度に比べて30百万円減少し38百万円、持分法による投資損益は前連結会計年度に比べて14百万円減少し42百万円となりました。この結果、税引前利益は前連結会計年度に比べて16億94百万円増加し53億73百万円となりました。
(法人所得税費用、親会社の所有者に帰属する当期利益)
法人所得税費用は前連結会計年度に比べて4億66百万円増加し17億59百万円となりました。非支配持分は前連結会計年度に比べて24百万円減少し△11百万円となりました。これらの結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度に比べて12億51百万円増加し36億26百万円となりました。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
2015年度から2017年度にかけて三ヶ年計画を立案して、三つの成長戦略(車両輸送事業に伴う周辺事業の拡大、人材事業・一般貨物事業の拡大、アセアン事業の推進)と二つの事業基盤の再構築(輸送体制の地域ブロック化の推進、グループシナジーの創出)を掲げて推進してまいりました。三つの成長戦略に関しては、2016年12月に高栄運輸株式会社(現 株式会社ゼロ・プラスBHS)を買収してバイク輸送事業への本格参入、2017年6月に株式会社Aリリーフを商号変更して、空港ビジネスにおける人材派遣事業への新規参入、苅田港海陸運送株式会社にてバイオマス発電の燃料荷役事業への参入決定、日本とタイにおけるCKD事業への新規参入など、種蒔きとその成果が現れてまいりました。
二つの事業基盤の再構築に関しては、まず車両輸送事業において、2015年10月に株式会社ゼロ・プラス九州を商号変更・再編したことを皮切りに輸送体制の地域ブロック化を推進して、2016年7月には株式会社ゼロ・プラス関東を商号変更・再編いたしました。また、2017年4月に株式会社ゼロ・プラス西日本を設立し、10月に株式会社ゼロ・プラス中部を商号変更・再編しました。同時に協力会社6社の事業譲受を行い、11月には株式会社HIZロジスティクスを子会社化して、12月に株式会社ゼロ・プラス東日本と商号変更・再編したことで地域ブロック化が完了いたしました。結果としてゼロ、輸送子会社7社、協力会社6社の合計14社を全国5つのブロックへ再編いたしました。グループシナジーの創出については、類似事業の集約、グループ内インフラの共有化、グループ内における株式会社ジャパン・リリーフの人材リソース利用促進、グループ一丸となった新規事業の開拓を進めてまいりました。
また、2018年度から2020年度にかけての三ヶ年計画では、自動車業界の変化、アセアンの経済成長、少子高齢化に伴う労働力不足に対応すべく、異業種の自動車業界参入や次世代モビリティを見据えた新規事業の開拓、株式会社ジャパン・リリーフにおける人材事業の拡大、タンチョングループと協業した海外事業の拡大に努めると同時に、物流拠点や輸送戦力の最適化をはじめとする地域ブロック化の効果最大化、グループシナジー創出と効率化の推進をしてまいりました。
さらに、車両輸送事業において、積年の課題となっている乗務員の不足と高齢化、輸送機材の老朽化、繁閑差解消への取り組みも進め、働き方改革として総労働時間の管理や労働諸条件の改善を図ってまいります。
2018年度には、株式会社メルカリやKeePer技研株式会社との業務提携を実施して、異業種とのアライアンスを推進しており、また三菱自動車工業株式会社の完成車輸送を全面的に受託することが決定するなど事業領域の拡大を進めております。
2021年度から2023年度にかけての新たな三ヶ年計画においては、企業理念の基本に立ち返り「あらゆる品質(経営品質・人的品質・業務品質・輸送品質など)の向上」を実現することで、「成長し続ける会社」「お客様の期待を裏切らない会社」「安心して働ける会社」を目指してまいります。また、目標とする経営指標である売上収益1,000億円についても、三ヶ年で達成するよう掲げております。
c.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
1)財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、今後予想される様々な経営環境の変化に対応し、持続的な成長に伴うリスクに見合った資本水準と負債・資本構成の維持を基本方針としております。安定した財務体質のもと、企業価値の向上のための成長投資と利益還元を両立してまいります。
当社グループの掲げている新たな三ヶ年計画においては、企業理念の基本に立ち返り「あらゆる品質(経営品質・人的品質・業務品質・輸送品質など)の向上」を実現するための投資などに、当社グループの成長、企業価値の向上に必要な資金及び経常の運転資金を効率的に確保しております。さらに、グループ会社との間ではCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、グループ各社における余剰資金の有効活用に努めております。
2)財務基盤の安定
当社グループの持続的な成長を支え、景気変動の影響にも耐えうるには「財務基盤の安定維持」が前提となります。当社グループのキャッシュ創出力は堅調に推移し、財務基盤は安定しております。今後も、D/Eレシオを0.5倍程度に抑制し、自己資本比率を50%程度に保つことで、当社グループの財務安定性を確保してまいります。
3)安定的な利益還元
当社グループは株主の皆様に対する「安定的な利益還元」を経営方針の一つとし、基本的1株当たり当期利益が80円超の場合の配当性向を25%と設定しております。
4)資金調達
当社グループは現在、自己資金及び金融機関の借入れ等により資金調達することとしています。運転資金について借入れによる資金調達を行う場合、CMSでのグループ内調達を優先的に考え、不足する場合などには、一年以内の短期借入金で各連結会社が外部金融機関より調達することとしております。
生産設備などの長期資金も、CMSでのグループ内調達を先ず考慮し、必要に応じて外部金融機関より長期借入金で調達しております。当社グループは、健全な財務状況、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力、金融機関との当座貸越契約などにより必要資金の確保と緊急時の流動性を確保してまいります。
新型コロナウイルス感染症の影響は、2022年6月期においても一定期間にわたり継続するシナリオを想定しております。当社グループは資金計画に基づき、投資時期の適切性を慎重に考慮するとともに、取引金融機関との当座貸越契約などにより十分な資金を確保することで、新型コロナウイルス感染症等の影響を受ける期間においても適切に事業を遂行し、計画を実現できるものと考えております。
5)資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、当社グループの輸送事業に関わる車両費、外注費、販売費及び一般管理費等があります。また、当社グループの設備投資需要としましては、営業用車両投資と不動産投資に加え、販売、業務管理・情報処理用の無形資産投資等があります。
6)財務状況
当連結会計年度の財政状態は次のとおりです。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは客観的な指標等について、グループ1,000億円の売上収益と5%以上の営業利益率の達成を中長期的な目標としており、2022年6月期には連結売上収益950億円、営業利益47億50百万円、営業利益率5.0%を業績予想としております。当連結会計年度における連結売上収益は921億71百万円であり、営業利益53億32百万円、営業利益率5.8%となりました。引き続き、これらの指標の達成に向けて取り組んでまいります。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のセグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については「(1) 経営成績等の状況の概要 ①業績」に記載のとおりであります。
f.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
1)有形固定資産、無形資産、使用権資産
当社グループでは、有形固定資産、無形資産及び使用権資産の簿価について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損テストを実施しております。この判定は、事業用資産についてはグルーピングした各事業単位の将来キャッシュ・フローの見積りに基づいて行っております。経営者は将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りは合理的であると考えておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。
新型コロナウイルス感染症拡大による影響は、当社グループの事業活動にも大きな影響を及ぼしています。当社グループは新型コロナウイルス感染症の影響を将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りに反映するに当たり、感染症の影響が2022年6月末までの一定期間にわたり継続するシナリオを想定しております。現在の状況及び入手可能な情報に基づき、合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、不確実性の極めて高い環境下にあり、新型コロナウイルス感染症の広がりや収束時期等の見積りには不確実性を伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
2)貸倒引当金の計上
当社グループの貸倒引当金は、債権の貸倒による損失に備えるため、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、全期間の予想信用損失と等しい金額で貸倒引当金を認識しております。重大な金融要素を含んでいない営業債権については、信用リスクの当初認識時点からの著しい増加の有無にかかわらず、常に全期間の予想信用損失と等しい金額で貸倒引当金を認識しております。
個別に回収不能見込額を見積るにあたっては、債権を有する相手先の過去の回収実績や支払能力等を総合的に判断しております。
回収不能見込額の見積りには経営者が管理不能な不確実性が含まれており、予測不能な前提条件の変化等により債権の評価が変動する可能性があり、この場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において貸倒引当金が増減する可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大による事業環境の悪化による営業債権の貸倒損失に備え、貸倒引当金を適切に見積っております。
① 業績
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、サービス消費を中心に
厳しい状態にあるものの、基調としては持ち直しております。
国内の自動車市場におきまして、新車販売台数合計は前連結会計年度(以下、前年同期という)比で104.4%(日本自動車工業会統計データ)と増加いたしました。第1四半期連結会計期間においては、前年にあった消費税増税前の駆け込み需要効果が剥落したことに加えて、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で需要が低迷した結果前年同四半期比85.4%と減少しましたが、第2四半期から第3四半期連結会計期間にかけては、前年は消費税増税後の反動を受けていることで本年は反転したこと、及び新型コロナウイルス感染症拡大の影響から回復傾向であることにより、前年同四半期比で増加いたしました。一方で、第4四半期連結会計期間も前年同四半期比では増加いたしましたが、前年は第一回目の緊急事態宣言下で新車販売が極めて低調であったことに加えて、本年は半導体の不足と東南アジアにおける新型コロナウイルス感染症再拡大に伴う、自動車部品の供給不足による自動車減産の影響を大きく受けております。中古車登録台数は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、公共交通機関から自家用車へ移動手段が一部シフトした結果、需要が増加したと推測しており、前年同期比で102.8%と増加いたしました。
売上収益は、自動車関連事業において、車両輸送の受託台数が前年を上回ったことに加えてマレーシア向けの中古車輸出が堅調に推移した結果増収となり、営業利益は新型コロナウイルス感染症拡大からの回復もあって、全てのセグメントで増益となりました。
これらの結果、当社グループの業績は、売上収益921億71百万円(前年同期比103.0%)、営業利益53億32百万円(前年同期比145.1%)となりました。また、税引前利益は53億73百万円(前年同期比146.0%)となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は36億26百万円(前年同期比152.7%)となりました。
| [自動車の国内流通に関連する台数] | 単位:台 | |||
| 国内販売 | 2019年7月~2020年6月 | 2020年7月~2021年6月 | 前年比 | |
| 新車販売台数 | ||||
| 国内メーカー | *1 | 4,384,762 | 4,577,218 | 104.4% |
| (うち日産自動車) | *1 | (491,866) | (483,552) | (98.3%) |
| 海外メーカー | *2 | 264,809 | 278,207 | 105.1% |
| 新車販売台数合計 | 4,649,571 | 4,855,425 | 104.4% | |
| 中古車登録台数 | ||||
| 登録車 | *3 | 3,746,472 | 3,909,258 | 104.3% |
| 軽自動車 | *4 | 3,067,767 | 3,094,802 | 100.9% |
| 中古車登録台数合計 | 6,814,239 | 7,004,060 | 102.8% | |
| 永久抹消登録台数 | *3 | 229,924 | 207,818 | 90.4% |
| 輸出 | 2019年7月~2020年6月 | 2020年7月~2021年6月 | 前年比 | |
| 国内メーカー新車 | *1 | 4,034,610 | 4,140,514 | 102.6% |
| 中古車乗用車 | *5 | 1,439,123 | 1,177,126 | 81.8% |
*1 日本自動車工業会統計より算出 *2 日本自動車輸入組合統計より算出 *3 日本自動車販売協会連合会統計より算出
*4 全国軽自動車協会連合会統計より算出 *5 日本自動車販売協会連合会統計の輸出抹消登録台数より試算
| [燃料小売価格] | 単位:円/L | |||
| 全国平均 | 2019年7月~2020年6月 | 2020年7月~2021年6月 | 前年比 | |
| 軽油 | *6 | 126.5 | 121.0 | 95.7% |
| レギュラーガソリン | *6 | 146.1 | 140.6 | 96.2% |
*6 資源エネルギー庁統計より算出 (当社が輸送に使用する燃料は主に軽油)
報告セグメント別の成績
《自動車関連事業》
主幹事業である車両輸送事業においては、新車販売台数及び中古車登録台数の増加に伴い、車両輸送受託台数が増加したことから増収になりました。また、中古車輸出事業も堅調に推移した結果増収となり、自動車関連事業全体でも増収となりました。
車両輸送事業においては、働き甲斐のある会社作りと総労働時間の削減に向けた働き方改革の取り組み推進、潜在的なドライバー不足に対応するための労務費と採用費用の増加、輸送機材の増車と老朽化対応による車両費の増加という経営課題がある中で、計画的な配車の実現や全国物流網の最適運営を目指すとともに、コスト管理の徹底に取り組んでおります。セグメント利益は、車両輸送受託台数と中古車輸出台数が増加したこと、及び燃料費単価が前年同期より下落していることから、増益になりましたが、一方で、愛媛県今治沖の自動車運搬船海難事故に伴う損失を計上しております。
これらの結果、自動車関連事業全体の売上収益は680億39百万円(前年同期比105.2%)、セグメント利益は58億76百万円(前年同期比108.3%)となりました。
《ヒューマンリソース事業》
送迎事業は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から回復基調にあり、増収となりましたが、派遣事業及び空港関連人材事業は、新型コロナウイルス感染症拡大による派遣先における雇い止めの影響が継続していることから、減収になりました。セグメント利益は、販管費の削減に努めたことに加えて、雇用調整助成金が計上されたことから、増益となりました。
これらの結果、ヒューマンリソース事業全体の売上収益は179億46百万円(前年同期比96.5%)、セグメント利益は8億33百万円(前年同期比128.0%)となりました。
《一般貨物事業》
港湾荷役事業は、バイオマス発電プラント用資材及びバイオマス発電燃料の荷役を受託したことから増収となり、運輸・倉庫事業は、新規顧客の獲得により増収となりましたが、CKD事業は、顧客であるタイの自動車製造工場が一時稼動を停止していた影響で減収となった結果、一般貨物事業全体ではわずかに減収となりました。
港湾荷役事業は、バイオマス発電関連荷役が寄与して増益となり、運輸・倉庫事業は、料金改定及び不採算事業からの撤退に加えて、新規顧客獲得が奏功して増益となりました。またCKD事業は、固定費を削減したことに加えて、工場が一時稼動を停止していることに伴って費用が補填されたことから増益となり、一般貨物事業全体でもセグメント利益が増益となりました。
これらの結果、一般貨物事業全体の売上収益は61億85百万円(前年同期比99.4%)、セグメント利益は6億87百万円(前年同期は1億88百万円のセグメント損失)となりました。
なお、上記セグメント別損益に含まれていない全社費用(当社の管理部門に係る費用)等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に記載のとおり「調整額」の項目として計上しており、20億65百万円となります。
② 財政状態
当連結会計年度末における資産合計は前連結会計年度末に比べ64億20百万円(14.4%)増加し、509億35百万円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は前連結会計年度末に比べ30億16百万円(15.4%)増加し、226億36百万円となりました。
当連結会計年度末における資本合計は前連結会計年度末に比べ34億4百万円(13.7%)増加し、282億98百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ11億25百万円増加し、59億4百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、85億94百万円(前連結会計年度は65億38百万円の収入)となりました。
主な資金増加要因は、当期利益36億14百万円、非資金支出である減価償却費及び償却費45億81百万円であり、主な資金減少要因は、法人所得税の支払額14億41百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、31億4百万円(前連結会計年度は20億67百万円の支出)となりました。
支出の主な内訳は、有形固定資産及び投資不動産の取得による支出29億68百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、43億64百万円(前連結会計年度は31億57百万円の支出)となりました。
支出の主な内訳は、リース負債の返済による支出32億87百万円、配当金の支払額5億88百万円であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、当社グループの取り扱う主要な商品は車両輸送を中心としたサービスであるため、生産及び受注の状況は記載を省略しております。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年7月1日 至 2021年6月30日) | 前年同期比(%) |
| 自動車関連事業(百万円) | 68,039 | 105.2 |
| ヒューマンリソース事業(百万円) | 17,946 | 96.5 |
| 一般貨物事業(百万円) | 6,185 | 99.4 |
| 合計(百万円) | 92,171 | 103.0 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2019年7月1日 至 2020年6月30日) | 当連結会計年度 (自 2020年7月1日 至 2021年6月30日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 日産自動車株式会社 | 11,854 | 13.2 | 13,054 | 14.2 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。なお、詳細につきましては、「② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 f.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ18億72百万円(10.3%)増加し、200億60百万円となりました。
これは主に、現金及び現金同等物が11億25百万円増加したこと、また棚卸資産が4億15百万円増加したことなどによります。
非流動資産は、前連結会計年度末に比べ45億48百万円(17.3%)増加し、308億75百万円となりました。
これは主に、のれん及び無形資産が3億5百万円減少したものの、有形固定資産が使用権資産の増加などにより47億49百万円増加したことによります。
これらの結果資産合計は、前連結会計年度末に比べ64億20百万円(14.4%)増加し、509億35百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べ2億46百万円(1.7%)増加し、148億19百万円となりました。
これは主に、その他の流動負債が1億53百万円減少したものの、営業債務及びその他の債務が4億7百万円増加したことによります。
非流動負債は、前連結会計年度末に比べ27億69百万円(54.9%)増加し、78億17百万円となりました。
これは主に、退職給付に係る負債が2億53百万円減少したものの、リース負債が28億95百万円増加したことによります。
これらの結果負債合計は、前連結会計年度末に比べ30億16百万円(15.4%)増加し、226億36百万円となりました。
(資本)
資本は、前連結会計年度末に比べ34億4百万円(13.7%)増加し、282億98百万円となりました。
これは主に、利益剰余金が当期利益の計上などにより31億18百万円増加したことによります。
2)経営成績
(売上収益)
売上収益は前連結会計年度に比べて26億70百万円増加し、921億71百万円となりました。自動車関連事業において、自動車周辺事業は主に日産自動車株式会社向けの納車前整備点検の受託が下落し、大型整備受注台数が減少したことで減収となりました。一方で、車両輸送事業は新車販売台数及び中古車登録台数の増加に伴い、車両輸送受託台数が増加したことから増収になりました。また、中古車輸出事業はマレーシアにおける前期の新型コロナウイルス感染拡大の影響から回復基調で推移したことから増収となり、自動車関連事業全体で33億64百万円の増収となりました。ヒューマンリソース事業において、送迎事業は通年契約が中心であり、堅調に推移したことから増収となったものの、派遣事業及び空港関連人材事業は、新型コロナウイルス感染症拡大による派遣先の雇い止めの影響が継続し減収になり、ヒューマンリソース事業全体では6億56百万円の減収となりました。一般貨物事業において、港湾荷役事業は、バイオマス発電プラント用資材及びバイオマス発電燃料の荷役を受託したことから増収となり、運輸・倉庫事業は、新規顧客の獲得により増収となりましたが、CKD事業は、顧客であるタイの自動車製造工場が一時稼動を停止していた影響で減収となった結果、一般貨物事業全体では37百万円の減収となりました。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、車両輸送受託台数の減少、派遣事業での雇い止め等、当社グループの売上収益にも影響が及んでおります。また、景気先行きが不透明であることに起因し、将来的にも当社グループの業績に影響をあたえます。当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響が、2022年6月期においても一定期間にわたり継続するものと想定しております。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、自動車関連事業においては、車両輸送受注台数と中古車輸出台数が増加したことや、燃料単価が前年同期比で減少したこと、及び輸送ブロック会社の原価低減が進み、また一般貨物事業においては、バイオマス発電事業荷役が奏功し、CKD事業が良化したことなどから、売上原価比率は86.1%から85.5%へ減少いたしました。これらの結果、売上総利益は前連結会計年度に比べて10億1百万円増加し134億2百万円となりました。
(販売費及び一般管理費、その他の収益、その他の費用、営業利益)
販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べて3億56百万円減少し87億49百万円、その他の収益は前連結会計年度に比べて5億9百万円増加し9億85百万円、その他の費用は前連結会計年度に比べて2億11百万円増加し、3億6百万円となりました。これらの結果、営業利益は前連結会計年度に比べて16億56百万円増加し53億32百万円となりました。
営業利益率は5.0%の目標に対して5.8%となりました。輸送ブロック会社の損益改善や、その他の原価低減活動を進め、営業利益率向上に努めてまいりました。また、CKD事業の立ち上げに関わる費用が一巡したことなどから、目標を上回る利益率となりました。2022年6月期は、新型コロナウイルス感染症の影響が引き続き残存し、その他の原価項目も上昇が予想され厳しい状況が続きますが、営業利益率の業績予想は目標の5.0%としております。
(金融収益、金融費用、持分法による投資損益、税引前利益)
金融収益は前連結会計年度に比べて21百万円増加し38百万円、金融費用は前連結会計年度に比べて30百万円減少し38百万円、持分法による投資損益は前連結会計年度に比べて14百万円減少し42百万円となりました。この結果、税引前利益は前連結会計年度に比べて16億94百万円増加し53億73百万円となりました。
(法人所得税費用、親会社の所有者に帰属する当期利益)
法人所得税費用は前連結会計年度に比べて4億66百万円増加し17億59百万円となりました。非支配持分は前連結会計年度に比べて24百万円減少し△11百万円となりました。これらの結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度に比べて12億51百万円増加し36億26百万円となりました。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
2015年度から2017年度にかけて三ヶ年計画を立案して、三つの成長戦略(車両輸送事業に伴う周辺事業の拡大、人材事業・一般貨物事業の拡大、アセアン事業の推進)と二つの事業基盤の再構築(輸送体制の地域ブロック化の推進、グループシナジーの創出)を掲げて推進してまいりました。三つの成長戦略に関しては、2016年12月に高栄運輸株式会社(現 株式会社ゼロ・プラスBHS)を買収してバイク輸送事業への本格参入、2017年6月に株式会社Aリリーフを商号変更して、空港ビジネスにおける人材派遣事業への新規参入、苅田港海陸運送株式会社にてバイオマス発電の燃料荷役事業への参入決定、日本とタイにおけるCKD事業への新規参入など、種蒔きとその成果が現れてまいりました。
二つの事業基盤の再構築に関しては、まず車両輸送事業において、2015年10月に株式会社ゼロ・プラス九州を商号変更・再編したことを皮切りに輸送体制の地域ブロック化を推進して、2016年7月には株式会社ゼロ・プラス関東を商号変更・再編いたしました。また、2017年4月に株式会社ゼロ・プラス西日本を設立し、10月に株式会社ゼロ・プラス中部を商号変更・再編しました。同時に協力会社6社の事業譲受を行い、11月には株式会社HIZロジスティクスを子会社化して、12月に株式会社ゼロ・プラス東日本と商号変更・再編したことで地域ブロック化が完了いたしました。結果としてゼロ、輸送子会社7社、協力会社6社の合計14社を全国5つのブロックへ再編いたしました。グループシナジーの創出については、類似事業の集約、グループ内インフラの共有化、グループ内における株式会社ジャパン・リリーフの人材リソース利用促進、グループ一丸となった新規事業の開拓を進めてまいりました。
また、2018年度から2020年度にかけての三ヶ年計画では、自動車業界の変化、アセアンの経済成長、少子高齢化に伴う労働力不足に対応すべく、異業種の自動車業界参入や次世代モビリティを見据えた新規事業の開拓、株式会社ジャパン・リリーフにおける人材事業の拡大、タンチョングループと協業した海外事業の拡大に努めると同時に、物流拠点や輸送戦力の最適化をはじめとする地域ブロック化の効果最大化、グループシナジー創出と効率化の推進をしてまいりました。
さらに、車両輸送事業において、積年の課題となっている乗務員の不足と高齢化、輸送機材の老朽化、繁閑差解消への取り組みも進め、働き方改革として総労働時間の管理や労働諸条件の改善を図ってまいります。
2018年度には、株式会社メルカリやKeePer技研株式会社との業務提携を実施して、異業種とのアライアンスを推進しており、また三菱自動車工業株式会社の完成車輸送を全面的に受託することが決定するなど事業領域の拡大を進めております。
2021年度から2023年度にかけての新たな三ヶ年計画においては、企業理念の基本に立ち返り「あらゆる品質(経営品質・人的品質・業務品質・輸送品質など)の向上」を実現することで、「成長し続ける会社」「お客様の期待を裏切らない会社」「安心して働ける会社」を目指してまいります。また、目標とする経営指標である売上収益1,000億円についても、三ヶ年で達成するよう掲げております。
c.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
1)財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、今後予想される様々な経営環境の変化に対応し、持続的な成長に伴うリスクに見合った資本水準と負債・資本構成の維持を基本方針としております。安定した財務体質のもと、企業価値の向上のための成長投資と利益還元を両立してまいります。
当社グループの掲げている新たな三ヶ年計画においては、企業理念の基本に立ち返り「あらゆる品質(経営品質・人的品質・業務品質・輸送品質など)の向上」を実現するための投資などに、当社グループの成長、企業価値の向上に必要な資金及び経常の運転資金を効率的に確保しております。さらに、グループ会社との間ではCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、グループ各社における余剰資金の有効活用に努めております。
2)財務基盤の安定
当社グループの持続的な成長を支え、景気変動の影響にも耐えうるには「財務基盤の安定維持」が前提となります。当社グループのキャッシュ創出力は堅調に推移し、財務基盤は安定しております。今後も、D/Eレシオを0.5倍程度に抑制し、自己資本比率を50%程度に保つことで、当社グループの財務安定性を確保してまいります。
3)安定的な利益還元
当社グループは株主の皆様に対する「安定的な利益還元」を経営方針の一つとし、基本的1株当たり当期利益が80円超の場合の配当性向を25%と設定しております。
4)資金調達
当社グループは現在、自己資金及び金融機関の借入れ等により資金調達することとしています。運転資金について借入れによる資金調達を行う場合、CMSでのグループ内調達を優先的に考え、不足する場合などには、一年以内の短期借入金で各連結会社が外部金融機関より調達することとしております。
生産設備などの長期資金も、CMSでのグループ内調達を先ず考慮し、必要に応じて外部金融機関より長期借入金で調達しております。当社グループは、健全な財務状況、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力、金融機関との当座貸越契約などにより必要資金の確保と緊急時の流動性を確保してまいります。
新型コロナウイルス感染症の影響は、2022年6月期においても一定期間にわたり継続するシナリオを想定しております。当社グループは資金計画に基づき、投資時期の適切性を慎重に考慮するとともに、取引金融機関との当座貸越契約などにより十分な資金を確保することで、新型コロナウイルス感染症等の影響を受ける期間においても適切に事業を遂行し、計画を実現できるものと考えております。
5)資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、当社グループの輸送事業に関わる車両費、外注費、販売費及び一般管理費等があります。また、当社グループの設備投資需要としましては、営業用車両投資と不動産投資に加え、販売、業務管理・情報処理用の無形資産投資等があります。
6)財務状況
当連結会計年度の財政状態は次のとおりです。
| 財務戦略の基本方針 | 経営指標 | 2020年6月期 実績 | 2021年6月期 実績 | ||
| (a)財務基盤の安定維持 | D/Eレシオ | 0.32倍 | 0.38倍 | ||
| 自己資本比率 | 55.9% | 55.5% | |||
| (b)収益を伴う成長 | ROE | 9.9% | 13.6% | ||
| (c)安定的な利益還元 | 配当性向 | 25.0% | 25.0% |
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは客観的な指標等について、グループ1,000億円の売上収益と5%以上の営業利益率の達成を中長期的な目標としており、2022年6月期には連結売上収益950億円、営業利益47億50百万円、営業利益率5.0%を業績予想としております。当連結会計年度における連結売上収益は921億71百万円であり、営業利益53億32百万円、営業利益率5.8%となりました。引き続き、これらの指標の達成に向けて取り組んでまいります。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のセグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については「(1) 経営成績等の状況の概要 ①業績」に記載のとおりであります。
f.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
1)有形固定資産、無形資産、使用権資産
当社グループでは、有形固定資産、無形資産及び使用権資産の簿価について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損テストを実施しております。この判定は、事業用資産についてはグルーピングした各事業単位の将来キャッシュ・フローの見積りに基づいて行っております。経営者は将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りは合理的であると考えておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。
新型コロナウイルス感染症拡大による影響は、当社グループの事業活動にも大きな影響を及ぼしています。当社グループは新型コロナウイルス感染症の影響を将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りに反映するに当たり、感染症の影響が2022年6月末までの一定期間にわたり継続するシナリオを想定しております。現在の状況及び入手可能な情報に基づき、合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、不確実性の極めて高い環境下にあり、新型コロナウイルス感染症の広がりや収束時期等の見積りには不確実性を伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
2)貸倒引当金の計上
当社グループの貸倒引当金は、債権の貸倒による損失に備えるため、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、全期間の予想信用損失と等しい金額で貸倒引当金を認識しております。重大な金融要素を含んでいない営業債権については、信用リスクの当初認識時点からの著しい増加の有無にかかわらず、常に全期間の予想信用損失と等しい金額で貸倒引当金を認識しております。
個別に回収不能見込額を見積るにあたっては、債権を有する相手先の過去の回収実績や支払能力等を総合的に判断しております。
回収不能見込額の見積りには経営者が管理不能な不確実性が含まれており、予測不能な前提条件の変化等により債権の評価が変動する可能性があり、この場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において貸倒引当金が増減する可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大による事業環境の悪化による営業債権の貸倒損失に備え、貸倒引当金を適切に見積っております。