有価証券報告書-第74期(令和1年7月1日-令和2年6月30日)

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2020/09/30 9:13
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92項目
(1) 経営成績等の状況の概要
① 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、第2四半期連結累計期間まで緩やかな回復基調が続き、堅調な雇用と所得環境を受けて個人消費も改善しておりましたが、第3四半期連結累計期間以降は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、景気の下押し圧力が強い状況であり、かつ個人消費も弱い動きを見せており、先行き不透明な状況にあります。
国内の自動車市場におきましても、新車販売台数合計は前連結会計年度(以下、前年同期という)比で87.8%(日本自動車工業会統計データ)と減少いたしました。第1四半期連結会計期間は消費税増税前の駆け込み需要が発生したことに伴い前年同四半期連結会計期間比108.1%と増加したことに対して、第2四半期連結会計期間は駆け込み需要の反動や自然災害の影響により前年同四半期連結会計期間比83.7%と大幅な減少に転じ、第3四半期連結会計期間は新型車発売の効果があったものの増税による消費意欲減退の継続に加えて新型コロナウイルス感染症拡大の影響が出始めたことにより前年同四半期連結会計期間比89.8%と二桁減が続いた後、第4四半期連結会計期間は日本政府の緊急事態宣言発令による外出自粛及び消費抑制のため、前年同四半期連結会計期間比68.2%まで落ち込みました。中古車登録台数でも同様の動きが見られましたが、こちらは前年同期比で98.0%と微減に留まっております。
新型コロナウイルス感染症の影響が顕著であった第4四半期連結会計期間において、新車販売台数の不振を受けて車両輸送及び納車前整備点検の受託台数が落ち込んだことに加えて、中古車輸出事業の主力輸出先であるマレーシアにおいて、ロックダウンが発令された影響で輸出台数が抑制されました。またヒューマンリソース事業でも派遣先における雇い止めの影響を受けております。
それらの結果、当社グループの業績は、売上収益895億1百万円(前年同期比99.2%)、営業利益36億75百万円(前年同期比111.2%)となりました。また、税引前利益は36億79百万円(前年同期比111.7%)となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は23億74百万円(前年同期比143.2%)となりました。
[自動車の国内流通に関連する台数]単位:台
国内2018年7月~2019年6月2019年7月~2020年6月前年比
新車
国内メーカー*14,986,3984,384,76287.9%
(うち日産自動車)*1(592,778)(491,866)(83.0%)
海外メーカー*2306.612264,80986.4%
新車販売台数合計5,293,0104,649,57187.8%
中古車登録台数
登録車*33,831,4873,746,47297.8%
軽自動車*43,123,5333,067,76798.2%
中古車登録台数合計6,955,0206,814,23998.0%
永久抹消登録台数*3227,682229,924101.0%

輸出2018年7月~2019年6月2019年7月~2020年6月前年比
国内メーカー新車*14,841,4044,034,61083.3%
中古車(登録車)*51,462,5831,439,12398.4%

*1 日本自動車工業会統計より算出 *2 日本自動車輸入組合統計より算出 *3 日本自動車販売協会連合会統計より算出
*4 全国軽自動車協会連合会統計より算出 *5 日本自動車販売協会連合会統計の輸出抹消登録台数より試算
[燃料小売価格]単位:円/L
全国平均2018年7月~2019年6月2019年7月~2020年6月前年比
軽油*6129.9126.597.4%
レギュラーガソリン*6150.0146.197.4%

*6 資源エネルギー庁統計より算出 (当社が輸送に使用する燃料は主に軽油)
事業別セグメントの成績
《自動車関連事業》
主幹事業である車両輸送事業は、2019年8月中旬より三菱自動車工業株式会社の完成車輸送を開始したことに加えて、大手中古車専業者に対して積極的な営業活動を展開したことにより売上収益拡大に努めましたが、日産自動車株式会社の販売減少に伴い同社向けの売上収益が減少したことに加えて、第4四半期連結会計期間における新車販売台数減少の影響を受けて車両輸送受託台数も落ち込んだことから、減収となりました。また中古車輸出事業は第4四半期連結会計期間にマレーシアでロックダウンが発令されたことから輸出台数が抑制されましたが、第3四半期連結累計期間まで同国向けが好調に推移した結果、増収となりました。これらの結果、自動車関連事業全体では減収となりました。
車両輸送事業における地域ブロック化の完了を機に協力会社を含めた輸送体制の再編を加速させ、計画的な配車の実現や全国物流網の最適運営を目指すとともに、コスト管理の徹底に取り組んでおります。一方、働きがいのある会社作りと総労働時間の削減に向けた働き方改革の取り組み推進、ドライバー不足に対応するための労務費と採用費用の増加、輸送機材の増車と老朽化対応による車両費の増加という経営課題がある中で、2019年1月より輸送料金改定を実施したことに加えて、実際の耐用年数に合わせるべく輸送機材の減価償却期間を見直したことや燃料費単価が前年同期より下落したことなどにより、自動車関連事業全体は増益となりました。
これらの結果、自動車関連事業全体の売上収益は646億75百万円(前年同期比98.3%)、セグメント利益は54億26百万円(前年同期比110.9%)となりました。
《ヒューマンリソース事業》
景気の回復に伴い労働需給が逼迫している中で、大都市部における採用難と人件費高騰は深刻化していることから、当社グループは大都市部からの地域シフトと地域毎の営業体制強化を推進し、商品ポートフォリオを戦略的かつ継続的に見直してまいりました。第4四半期連結会計期間に雇い止めの影響を受けたものの、第3四半期連結累計期間まで既存事業である送迎請負とドライバー派遣が堅調に推移したことに加え、新規参入した空港ビジネスが売上増加に寄与したことから増収となりました。さらに昨年発生した一過性の求人広告費用がなくなったことに加えて、価格戦略の見直しが奏功して増益となりました。
これらの結果、ヒューマンリソース事業全体の売上収益は186億3百万円(前年同期比100.4%)、セグメント利益は6億50百万円(前年同期比207.6%)となりました。
《一般貨物事業》
運輸・倉庫事業は、第4四半期連結会計期間に一部顧客で荷量が減少したものの、住宅設備関係を取り扱っている顧客において、消費税増税の駆け込み需要があったことから増収となりましたが、港湾荷役事業は、石炭と自動車関連の荷役が減少したことによって減収となりました。一方で、CKD事業が立ち上がっており、売上増加に寄与していることから、一般貨物事業全体は増収となりました。
運輸・倉庫事業は増収に伴い増益となりましたが、港湾荷役事業は減収によって減益となりました。また、CKD事業は立ち上げに関わる費用が引き続き発生しており、一般貨物事業全体では大幅に減益となりました。
これらの結果、一般貨物事業全体の売上収益は62億22百万円(前年同期比104.9%)、セグメント損失は1億88百万円(前年同期は1億50百万円のセグメント利益)となりました。
なお、上記セグメント別損益に含まれていない全社費用(当社の管理部門に係る費用)等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に記載のとおり「調整額」の項目として計上しており、22億12百万円となります。
② 財政状態
当連結会計年度末における資産合計は前連結会計年度末に比べ49億60百万円(12.5%)増加し、445億14百万円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は前連結会計年度末に比べ31億38百万円(19.0%)増加し、196億20百万円となりました。
当連結会計年度末における資本合計は前連結会計年度末に比べ18億21百万円(7.9%)増加し、248億94百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ13億13百万円増加し、47億79百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、65億38百万円(前連結会計年度は10億33百万円の収入)となりました。
主な資金増加要因は、非資金支出である減価償却費及び償却費43億94百万円、当期利益23億87百万円であり、主な資金減少要因は、法人所得税の支払額12億55百万円、営業債務の減少額6億2百万円であります。
なお、前連結会計年度との比較では、IFRS第16号「リース」の適用等により減価償却費及び償却費が増加しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、20億67百万円(前連結会計年度は24億2百万円の支出)となりました。
支出の主な内訳は、有形固定資産及び投資不動産の取得による支出18億89百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、31億57百万円(前連結会計年度は4億38百万円の支出)となりました。
支出の主な内訳は、リース負債の返済による支出32億9百万円、配当金の支払額5億93百万円、長期借入金の返済による支出1億54百万円であります。
なお、前連結会計年度との比較では、IFRS第16号「リース」の適用等によりリース負債の返済による支出(前連結会計年度はファイナンス・リース債務の支払)が増加しております。
④ 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、当社グループの取り扱う主要な商品は車両輸送を中心としたサービスであるため、生産及び受注の状況は記載を省略しております。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年7月1日
至 2020年6月30日)
前年同期比(%)
自動車関連事業(百万円)64,67598.3
ヒューマンリソース事業(百万円)18,603100.4
一般貨物事業(百万円)6,222104.9
合計(百万円)89,50199.2

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2018年7月1日
至 2019年6月30日)
当連結会計年度
(自 2019年7月1日
至 2020年6月30日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
日産自動車株式会社13,77515.311,85413.2

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。なお、詳細につきましては、「② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 f.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ9百万円(0.1%)増加し、181億87百万円となりました。
これは主に、営業債権及びその他の債権が6億74百万円減少したものの、現金及び現金同等物が13億13百万円増加したことによります。
非流動資産は、前連結会計年度末に比べ49億50百万円(23.2%)増加し、263億27百万円となりました。
これは主に、その他の金融資産が1億41百万円減少したものの、有形固定資産が使用権資産の増加などにより52億14百万円増加したことによります。
これらの結果資産合計は、前連結会計年度末に比べ49億60百万円(12.5%)増加し、445億14百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べ20億11百万円(16.0%)増加し、145億72百万円となりました。
これは主に、営業債務及びその他の債務が11億円減少したものの、借入金が7億45百万円増加したこと、またその他の金融負債がリース負債の増加などにより21億26百万円増加したことなどによります。
非流動負債は、前連結会計年度末に比べ11億27百万円(28.8%)増加し、50億48百万円となりました。
これは主に、その他の金融負債がリース負債の増加などにより16億29百万円増加したことなどによります。
これらの結果負債合計は、前連結会計年度末に比べ31億38百万円(19.0%)増加し、196億20百万円となりました。
(資本)
資本は、前連結会計年度末に比べ18億21百万円(7.9%)増加し、248億94百万円となりました。
これは主に、利益剰余金が当期利益の計上などにより19億36百万円増加したことによります。
2)経営成績
(売上収益)
売上収益は前連結会計年度に比べて7億26百万円減少し、895億1百万円となりました。自動車関連事業において、車両輸送事業では2019年8月中旬より三菱自動車工業株式会社の完成車輸送を開始したことに加えて、大手中古車専業者向けに積極的に営業活動を展開したことで受託台数が増加いたしましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で全方位的に受託台数が下落したことから3億10百万円の減収となりました。自動車周辺事業は主に日産自動車株式会社向けの納車前整備点検の受託台数が下落したことで、9億50百万円の減収となりました。中古車輸出事業は新型コロナウイルス感染症の影響が顕在化するまではマレーシア向けが好調であったことから1億70百万円の増収となりました。ヒューマンリソース事業において、送迎事業は通年契約が中心であり、堅調に推移したことから76百万円の増収となりました。一般貨物事業において、運輸・倉庫事業は消費税増税前の駆け込み需要により荷量が増えたことから30百万円の増収となりました。港湾荷役事業は九州電力向けの石炭荷役が減少したことと、自動車関連の荷役が減少したことから、80百万円の減収となりました。CKD事業は2019年3月から本格的に稼働しておりますが、売上収益が通年寄与したことから3億30百万円の増収となりました。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、新車販売台数の低迷、車両輸送受託台数の減少、中古車輸出台数の減少、派遣事業での雇い止め等、当社グループの売上収益にも影響が及んでおります。また、景気先行きが不透明であることに起因し、将来的にも当社グループの業績に影響をあたえます。当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響が、2021年6月期の一定期間にわたり継続するものと想定しております。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、車両輸送事業において、輸送ブロック会社の損益が改善したことに加えて燃料費単価が下落したことや輸送機材の減価償却期間を延長したことなどから、前連結会計年度に比べて9億98百万円減少し771億円となりました。この結果、売上総利益は前連結会計年度に比べて2億72百万円増加し124億1百万円となりました。
(販売費及び一般管理費、その他の収益、その他の費用、営業利益)
販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べて1億96百万円減少し91億6百万円、その他の収益は前連結会計年度に比べて1億30百万円減少し4億75百万円、その他の費用は前連結会計年度に比べて31百万円減少し、95百万円となりました。この結果、営業利益は前連結会計年度に比べて3億70百万円増加し36億75百万円となりました。
営業利益率は5%の目標に対して4.1%となりました。輸送ブロック会社の損益改善を進め、また輸送機材の減価償却期間を実態に合わせて延長することなどで、営業利益率向上に努めてまいりましたが、CKD事業の立ち上げに関わる費用が残存したことなどから、目標未達となりました。さらに2021年6月期も新型コロナウイルス感染症の影響が残存することから、営業利益率の業績予想は4.4%としております。
(金融収益、金融費用、持分法による投資損益、税引前利益)
金融収益は前連結会計年度に比べて3百万円増加し17百万円、金融費用は前連結会計年度に比べて12百万円増加し69百万円、持分法による投資損益は前連結会計年度に比べて23百万円増加し56百万円となりました。この結果、税引前利益は前連結会計年度に比べて3億85百万円増加し36億79百万円となりました。
(法人所得税費用、親会社の所有者に帰属する当期利益)
法人所得税費用は前連結会計年度に比べて3億38百万円減少し12億92百万円となりました。非支配持分は前連結会計年度に比べて7百万円増加し12百万円となりました。これらの結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度に比べて7億16百万円増加し23億74百万円となりました。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
2015年度から2017年度にかけて三ヶ年計画を立案して、三つの成長戦略(車両輸送事業に伴う周辺事業の拡大、人材事業・一般貨物事業の拡大、アセアン事業の推進)と二つの事業基盤の再構築(輸送体制の地域ブロック化の推進、グループシナジーの創出)を掲げて推進してまいりました。三つの成長戦略に関しては、2016年12月に高栄運輸株式会社(現 株式会社ゼロ・プラスBHS)を買収してバイク輸送事業への本格参入、2017年6月に株式会社Aリリーフを商号変更して、空港ビジネスにおける人材派遣事業への新規参入、苅田港海陸運送株式会社にてバイオマス発電の燃料荷役事業への参入決定、日本とタイにおけるCKD事業への新規参入など、種蒔きとその成果が現れてまいりました。
二つの事業基盤の再構築に関しては、まず車両輸送事業において、2015年10月に株式会社ゼロ・プラス九州を商号変更・再編したことを皮切りに輸送体制の地域ブロック化を推進して、2016年7月には株式会社ゼロ・プラス関東を商号変更・再編いたしました。また、2017年4月に株式会社ゼロ・プラス西日本を設立し、10月に株式会社ゼロ・プラス中部を商号変更・再編しました。同時に協力会社6社の事業譲受を行い、11月には株式会社HIZロジスティクスを子会社化して、12月に株式会社ゼロ・プラス東日本と商号変更・再編したことで地域ブロック化が完了いたしました。結果としてゼロ、輸送子会社7社、協力会社6社の合計14社を全国5つのブロックへ再編いたしました。グループシナジーの創出については、類似事業の集約、グループ内インフラの共有化、グループ内における株式会社ジャパン・リリーフの人材リソース利用促進、グループ一丸となった新規事業の開拓を進めてまいりました。
また、2018年度から2020年度にかけて新たな三ヶ年計画を立案して、自動車業界の変化、アセアンの経済成長と訪日外国人の増加、少子高齢化に伴う労働力不足に対応すべく、異業種の自動車業界参入や次世代モビリティを見据えた新規事業の開拓、株式会社ジャパン・リリーフにおける人材事業の拡大、タンチョングループと協業した海外事業の拡大に努めると同時に、物流拠点や輸送戦力の最適化をはじめとする地域ブロック化の効果最大化、グループシナジー創出と効率化の推進をしてまいります。
さらに、車両輸送事業において、積年の課題となっている乗務員の不足と高齢化、輸送機材の老朽化、繁閑差解消への取り組みも進め、働き方改革として総労働時間の管理や労働諸条件の改善を図ってまいります。
2018年度には、株式会社メルカリやKeePer技研株式会社との業務提携を実施して、異業種とのアライアンスを推進しており、また三菱自動車工業株式会社の完成車輸送を全面的に受託することが決定するなど事業領域の拡大を進めております。
c.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
1)財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、今後予想される様々な経営環境の変化に対応し、持続的な成長に伴うリスクに見合った資本水準と負債・資本構成の維持を基本方針としております。安定した財務体質のもと、企業価値の向上のための成長投資と利益還元を両立してまいります。
当社グループの重点戦略として掲げている三つの成長戦略(車両輸送事業に伴う周辺事業の拡大、人材事業・一般貨物事業の拡大、アセアン事業の推進)と二つの事業基盤の再構築(輸送体制の地域ブロック化の推進、グループシナジーの創出)のための投資など、当社グループの成長、企業価値の向上に必要な資金及び経常の運転資金を効率的に確保しております。さらに、グループ会社との間ではCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、グループ各社における余剰資金の有効活用に努めております。
2)財務基盤の安定
当社グループの持続的な成長を支え、景気変動の影響にも耐えうるには「財務基盤の安定維持」が前提となります。当社グループのキャッシュ創出力は堅調に推移し、財務基盤は安定しております。今後も、D/Eレシオを0.5倍程度に抑制し、自己資本比率を50%程度に保つことで、当社グループの財務安定性を確保してまいります。
3)安定的な利益還元
当社グループは株主の皆様に対する「安定的な利益還元」を経営方針の一つとし、基本的1株当たり当期利益が80円超の場合の配当性向を25%と設定しております。
4)資金調達
当社グループは現在、自己資金及び金融機関の借入れ等により資金調達することとしています。運転資金について借入れによる資金調達を行う場合、CMSでのグループ内調達を優先的に考え、不足する場合などには、一年以内の短期借入金で各連結会社が外部金融機関より調達することとしております。
生産設備などの長期資金も、CMSでのグループ内調達を先ず考慮し、必要に応じて外部金融機関より長期借入金で調達しております。当社グループは、健全な財務状況、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力、金融機関との当座貸越契約などにより必要資金の確保と緊急時の流動性を確保してまいります。
新型コロナウイルス感染症の影響は、2021年6月末までの一定期間にわたり継続するシナリオを想定しております。当社グループは資金計画に基づき、投資時期の適切性を慎重に考慮するとともに、取引金融機関との当座貸越契約などにより十分な資金を確保することで、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける期間においても適切に事業を遂行し、計画を実現できるものと考えております。
5)資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、当社グループの輸送事業に関わる車両費、外注費、販売費及び一般管理費等があります。また、当社グループの設備投資需要としましては、営業用車両投資と不動産投資に加え、販売、業務管理・情報処理用の無形資産投資等があります。
6)財務状況
当連結会計年度の財政状態は次のとおりです。
財務戦略の基本方針経営指標2019年6月期
実績
2020年6月期
実績
(a)財務基盤の安定維持D/Eレシオ0.16倍0.32倍
自己資本比率58.3%55.9%
(b)収益を伴う成長ROE7.3%9.9%
(c)安定的な利益還元配当性向25.0%25.0%

d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは客観的な指標等について、グループ1,000億円の売上収益と5%以上の営業利益率の達成を中長期的な目標としており、2021年6月期には連結売上収益810億円、営業利益36億円、営業利益率4.4%を業績予想としております。当連結会計年度における連結売上収益は895億1百万円であり、営業利益36億75百万円、営業利益率4.1%となりました。引き続き、これらの指標の達成に向けて取り組んでまいります。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のセグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については「(1) 経営成績等の状況の概要 ①業績」に記載のとおりであります。
f.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
1)有形固定資産、無形資産、使用権資産
当社グループでは、有形固定資産、無形資産及び使用権資産の簿価について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損テストを実施しております。この判定は、事業用資産についてはグルーピングした各事業単位の将来キャッシュ・フローの見積りに基づいて行っております。経営者は将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りは合理的であると考えておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。
新型コロナウイルス感染症拡大による影響は、当社グループの事業活動にも大きな影響を及ぼしています。当社グループは新型コロナウイルス感染症の影響を将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りに反映するにあたり、感染症の影響が2021年6月末までの一定期間にわたり継続するシナリオを想定しております。現在の状況及び入手可能な情報に基づき、合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、不確実性の極めて高い環境下にあり、新型コロナウイルス感染症の広がりや収束時期等の見積りには不確実性を伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
2)貸倒引当金の計上
当社グループの貸倒引当金は、債権の貸倒による損失に備えるため、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、全期間の予想信用損失と等しい金額で貸倒引当金を認識しております。重大な金融要素を含んでいない営業債権については、信用リスクの当初認識時点からの著しい増加の有無にかかわらず、常に全期間の予想信用損失と等しい金額で貸倒引当金を認識しております。
個別に回収不能見込額を見積るにあたっては、債権を有する相手先の過去の回収実績や支払能力等を総合的に判断しております。
回収不能見込額の見積りには経営者が管理不能な不確実性が含まれており、予測不能な前提条件の変化等により債権の評価が変動する可能性があり、この場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において貸倒引当金が増減する可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大による事業環境の悪化による売上債権の貸倒損失に備え、貸倒引当金を適切に見積っております。

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