有価証券報告書-第167期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/29 12:30
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当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) 経営成績
⦅経済環境⦆
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により大きな影響を受け、世界経済の成長率はマイナス3.3%となりました。
米国・欧州・我が国経済ともに、4~6月期の実質GDP成長率は統計始まって以来最大の落ち込みとなり、経済がコロナ禍前の活動水準を取り戻す道のりは困難と予測されました。しかし、ワクチンの登場、ニューノーマルへの適応、未曾有の財政出動や金融緩和の継続により、下半期の成長率は予想を上回りました。
中国経済は、早くから経済活動の再開が本格化し、2020年中にコロナ禍前の水準に戻りました。
当連結会計年度の為替は、108円台で始まり、その後はドル安・円高基調が続き、2020年12月末には103円台となりました。年明けからは米国長期金利の上昇を背景に2021年3月末には110円台に戻しました。
⦅外航海運業⦆
大型タンカー市況は、2020年年明けより堅調に始まったものの、1月中旬には新型コロナウイルス感染拡大による需要減によって急落する局面が見られました。3月にはOPECプラスの減産協議の決裂に伴うサウジアラビアの原油増産により傭船活動が活発化し、一時的に市況の高騰が見られましたが、一方で5月にはOPECプラスによる協調減産が再開されたことにより、輸送需要が減退しその後の下落に繋がりました。7月頃からは損益分岐点とされる日建傭船料30,000ドルを下回り、9月末には同10,000ドルを割る水準まで低下し、北半球の冬季需要による回復の兆しも見られず、低位で推移しました。石油製品船は、新型コロナウイルス感染拡大防止のための移動制限によりジェット燃料需要が減少、そのため製油所の稼働が大きく低下したことが影響し、4~7月に一部で原油船の洋上備蓄需要に連動した市況回復があったものの、年間を通して低位で推移しました。
バラ積船市況は、大型船を筆頭に2019年末からの下落基調に年明けからの新型コロナウイルス感染拡大の影響が加わり、市況低迷に拍車がかかりました。5月にはケープサイズ主要5航路の平均日建傭船料は一時2,000ドルを割り、2016年に記録した過去最安値とほぼ並びました。一方で、6月以降は経済活動をいち早く再開した中国向けの荷動きが回復し、ケープサイズ市況も急回復しました。結果として、下期のケープサイズ主要5航路の平均日建傭船料は、上期から倍増し18,000ドル台となりました。中小型船については、大型船ほどの市況の乱高下は見られませんでしたが、同様に上半期は低位で推移し、下半期に回復をする値動きとなり、2021年年明け以降は一段の上昇を見せ堅調に推移しました。
自動車船市況は、新型コロナウイルス感染拡大の影響による自動車の販売・生産停止を受けて、4月以降の荷動きはほぼ半減しました。これを受けて日本と欧州のオペレーターは解撤と早期返船による船隊縮小を断行し、欧州オペレーターにおいては一部係船も実施しました。一方で、6月以降は各国の経済活動再開により完成車の荷動きは回復基調で推移し、年末には北米向けの荷動きは前年並みに回復し、資源国向けの荷動きは出遅れているものの、全体では新型コロナウイルス感染拡大前の8~9割程度まで回復しました。
コンテナ船市況は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け2020年年明けから荷動きの低迷を見たものの、年央よりその反動と特に先進国における巣ごもり需要増により急回復を見せ、北米などにおける港湾施設の稼働率低下による滞船の増加も相まって、大型船において引き続き高水準で推移しました。
このような状況のもと、当連結会計年度の外航海運業部門は、前連結会計年度に竣工・取得した船舶の稼働増に加えて、タンカー9隻、バルカー5隻、自動車船1隻の新規稼働もあり、売上高は34,506百万円(前年同期比9.7%増)となり、外航海運業利益は入渠費用の増加もあり3,540百万円(前年同期比8.6%減)となりました。また、特別損益として、当社の連結子会社が所有する船舶4隻の船舶売却益1,062百万円、船舶3隻の減損損失1,528百万円、および当社の持分法適用関連会社を連結子会社としたことによる負ののれん発生益582百万円、段階取得に係る差損455百万円を計上しています。
⦅ホテル関連事業⦆
ホテル関連事業部門では、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、国内客の旅行自粛の動きが広がり、また入国制限によるインバウンド需要の急激な消滅もあり、過去に例を見ないホテルの低稼働を余儀なくされる状況に陥りました。この結果、ホテル関連事業部門の売上高は5,141百万円(前年同期比56.9%減)となり、ホテル関連事業損失は1,753百万円(前年同期はホテル関連事業利益1,266百万円)となりました。
⦅不動産賃貸業⦆
不動産賃貸業部門では、売上高は505百万円(前年同期比1.1%減)となり、不動産賃貸業利益は294百万円(前年同期比3.8%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度において売上高は40,153百万円(前年同期比8.5%減)、営業利益は2,081百万円(前年同期比61.8%減)、経常利益は、営業外収益としてホテル関連事業部門における雇用調整助成金、および傭船解約金を計上し、2,623百万円(前年同期比38.4%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は1,246百万円(前年同期比27.5%減)になりました。
(2) 財政状態
当連結会計年度における資産の部は、前連結会計年度末より34,505百万円増加し、205,099百万円となりました。これは主に船舶など有形固定資産の増加によるものです。
負債の部は、前連結会計年度末より32,426百万円増加し、166,359百万円になりました。これは主に借入金の増加によるものです。また、純資産の部は、前連結会計年度末より2,079百万円増加し、38,739百万円となりました。これは主に、利益剰余金および非支配株主持分の増加によるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて1,528百万円増加し、21,029百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動によって得られた資金は、13,144百万円(前年同期比1,332百万円減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益2,420百万円に、減価償却費12,763百万円等を加減算した結果です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動に使用した資金は、40,569百万円(前年同期比22,200百万円増)となりました。これは主に新造船建造費等の支払い49,943百万円と、有形固定資産の売却による収入6,670百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動によって得られた資金は、29,474百万円(前年同期比22,279百万円増)となりました。これは主に長期借入れによる収入の56,858百万円と、長期借入金の返済、社債償還およびリース債務の返済による支出の合計26,723百万円との差額30,135百万円によるものです。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりです。
(資金需要)
当社グループの運転資金需要の主なものとして、外航海運業においては海運業費用で、船員費・船舶修繕費等の船費、船舶管理業務に係る労務費やシステム関連費用が含まれます。ホテル関連事業においては原材料仕入や労務費等のホテル運営費、不動産賃貸業においては保有不動産の維持管理費です。その他、各事業における人件費、物件費等の一般管理費があります。
また設備資金需要の主なものとして、外航海運業においては船舶投資、ホテル関連事業や不動産賃貸業においては設備の拡充・更新投資があります。当連結会計年度中に総額50,819百万円の設備投資を実施しました。
(財務政策)
当社グループの事業維持拡大には、低コストで、安定的な資金確保が重要と認識しています。
設備資金需要に対しては、金融機関からの長期借入を中心に調達し、一部の船舶についてはリースの活用も行っています。また運転資金需要に対しては、営業活動から得た資金や内部留保資金、金融機関からの借入および社債発行により賄っています。
流動性確保の観点から、金融機関との当座貸越契約による借入枠を有しているほか、国内外の関係会社の余剰資金について、グループ内金融による資本効率の向上を図っています。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産の回収可能性の判断にあたっては、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針(企業会計基準適用指針第26号)」に基づいて企業の分類を行い、将来の課税所得見込額やタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。将来の課税所得見込額については、過去の業績や将来の業績予測、市況等を勘案して見積もっています。また、新型コロナウイルス感染症の影響については、今後の広がり方や収束時期等を正確に予測することは困難ですが、当連結会計年度末で入手可能な情報等を踏まえ、2022年から徐々に回復すると仮定して見積りを行っています。
当該見積りや仮定について、その時の業績や将来の経済環境の変化等により課税所得の見積りの見直しが生じた場合、繰延税金資産や法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(固定資産の減損)
固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたって、主に各セグメントの個別物件ごとに資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下している資産について帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしています。なお、回収可能価額は、正味売却価額と使用価値のいずれか高い方としています。減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、期末現在の使用状況や事業計画、市況等を勘案して見積もっています。また、新型コロナウイルス感染症の影響については、今後の広がり方や収束時期等を正確に予測することは困難ですが、当連結会計年度末で入手可能な情報等を踏まえ、2022年から徐々に回復すると仮定して見積りを行っています。
当該見積りや仮定について、事業計画の変更や市況の変化等により変更が生じた場合、減損損失が発生する可能性があります。
なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※2減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失1,528,856千円を計上しました。

(生産、受注及び販売の状況)
(1) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)
外航海運業34,506,059+9.7
ホテル関連事業5,141,387△56.9
不動産賃貸業505,639△1.1
合計40,153,086△8.5

(注) 1 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
相手先前連結会計年度
(2019年4月1日
2020年3月31日)
当連結会計年度
(2020年4月1日
2021年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
日本郵船株式会社8,440,08019.28,509,73821.2
SEARIVER MARITIME LLC679,5591.53,029,2537.5
MAERSK LINE A/S2,593,7255.92,591,5026.5
株式会社商船三井2,676,7226.12,494,4136.2

2 本表の金額には、消費税等は含まれていません。

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