有価証券報告書-第91期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、当初の緊急事態宣言の解除後、内外需とも持ち直しが続いていましたが、新型コロナウイルスの感染再拡大を受けた外出自粛を背景に、個人消費を中心に景気が再度停滞する事態となりました。海外経済は、中国では、春節の帰省自粛による足踏みはあったものの、政府による消費刺激策や輸出入の拡大を背景に景気の回復傾向は持続しており、米国でも、追加経済対策や新型コロナウイルスワクチンの普及が追い風となり、回復ペースが加速しました。
海運市況は、大型原油船(VLCC)につきましては、原油価格の大幅な下落により原油取引のコンタンゴを狙ったストレージ需要が増えたことにより船腹需給が一時的に締まり、市況は期首から大幅に上昇し、WS200を超えるまでに至りました。しかしながら、OPECプラスによる大規模な減産や新型コロナウイルスの影響による石油需要の減退が輸送需要を低迷させ、既存隻数も800隻を超える一方、解撤がなく、船腹需給は緩み続け、夏場にはWS20台まで下落しました。その後も冬場の需要期に入っても全く石油の需要が盛り上がらず、市況は春まで低迷を極めました。
石油製品船(LR2やMR)も、石油製品のコンタンゴを狙ったストレージや、新型コロナウイルスの影響による石油製品の需要減から陸上の製品貯蔵タンクが満杯になり、カーゴを揚げることができない船が数多く滞船し、船腹需給を引き締め、5月上旬まで製品船市況は高騰しましたが、VLCCと同様、その後、滞船の解消と新型コロナウイルスによる石油製品需要の大幅な減退が重しとなり、市況は低迷しました。
大型LPG船(VLGC)は、コロナウイルス感染拡大により6月から7月に掛けてLPGの需要が一時期弱含んだものの、民生需要が底堅く推移したことや、中東の原油減産に伴い中東出しのカーゴが減少した一方で、米国からアジアへの荷動きが活発化しトンマイルが延びたこと、また、パナマ運河の混雑による滞船などが市況を上昇させました。年明け以降、米国出しの輸送需要の減少や春の不需要期に差し掛かったことなどから市況は下落しましたが、全般的に堅調な市況展開となりました。
ばら積船につきましては、期首から市況は低迷していましたが、中国やインドの経済活動が再開したことにより荷動きも徐々に戻り始め、少しずつボトムアップする市況展開となりました。年明け以降は北米や南米出し穀物の荷動きが活発となったことに加え、運賃先物価格の上昇も追い風となり、更に市況は上昇しました。
こうした経営環境の中、当社グループは大型タンカーを中心とする長期貸船契約を主体に安定した経営を目指しており、前期には高齢のVLCC“JIN-EI”を売却する一方、新たにVLCC“TENRYU”および“HOU-EI”を取得したほか、当期11月にもVLCC“TENZAN”を取得するなど、船隊構成の整備・拡充に取り組んでまいりました。このほか、海外での顧客開拓のため、6月及び9月にばら積船、10月に石油製品船を、それぞれパナマ子会社からシンガポール現地法人に移管いたしました。
また、各船の運航効率の向上と諸経費の節減にも全社を挙げて努めてまいりましたが、当社グループが保有する一部の船舶の帳簿価額を回収可能額まで減額したこともあり、当連結会計年度の経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
資産の部は、前連結会計年度末に比べて24億9千6百万円増加し688億6千9百万円となりました。流動資産は、海運業未収金が増加したことなどにより5億1千6百万円増加し31億4千2百万円となりました。固定資産は、ばら積船を売却および減損した一方で新造VLCCが1隻加わったことから19億7千9百万円増加し657億2千6百万円となりました。
負債の部は、借入金の増加などにより前連結会計年度末に比べ22億1千3百万円増加し549億6千8百万円となりました。
純資産の部は、繰延ヘッジ損益の増加などにより前連結会計年度末に比べ2億8千2百万円増加し139億円となりました。
b.経営成績
海運業収益は、運賃の計上額が減少したことや入渠船の増加に伴う不稼働期間の長期化による貸船料の減少もあり116億7千万円(前期比8億3千5百万円減)となりました。営業利益は海運業収益の減少のほか、船舶の増加や入渠船の増加により海運業費用が増加した一方、一般管理費が減少したこともあり、7億8千2百万円(前期比7億7千3百万円減)、経常利益は3億3百万円(前期比7億1千9百万円減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益に船舶1隻の売船益等を計上した一方、特別損失に「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき当社グループの保有する固定資産(船舶)の減損損失を計上したことから、1億6千1百万円(前期比19億3千8百万円減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金収支は、税金等調整前当期純利益の計上などにより、43億3千2百万円の収入となりました。(前期は60億9千8百万円の収入)
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金収支は、船舶等の固定資産の売却代金の収入はありましたが、船舶等の固定資産の取得による支出などにより71億7百万円の支出となりました。(前期は121億6千8百万円の支出)
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金収支は、船舶の建造に伴う長期借入による収入などにより29億9百万円の収入となりました。(前期は60億6千6百万円の収入)
この結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、期首に比べて6百万円増加し、14億3千8百万円(前連結会計年度比0.5%増)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、外航海運業の単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の実績につきましては、当社グループの区分別に記載しております。
a.運航船腹
b.海運業収益実績
(注) 記載金額に消費税等は含まれておりません。
c.主要な相手先に対する海運業収益
(注) 記載金額に消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(海運業収益)
当連結会計年度の海運業収益(売上高)は116億7千万円(前年同期比6.7%減)となりました。貸船料につきましては、保有船舶は増加しましたが、入渠による不稼働損失の増加に加え、コロナ禍に伴う石油製品船、ばら積船の市況悪化による用船料収入の減少などにより前連結会計年度に比べ1億6千5百万円減少しました。また、運賃につきましては、航海用船契約に前連結会計年度は高市況時のVLCCで1航海、今連結会計年度は低市況時の石油製品船で1航海夫々投入したことにより前連結会計年度に比べ6億6千9百万円減少しました。
(海運業費用)
当連結会計年度の海運業費用は100億5千9百万円(前年同期比0.2%増)となりました。船費は保有船舶が増加したことなどにより前連結会計年度に比べ2億6千8百万円増加しました。一方で、運航費は、航海用船契約がVLCCから石油製品に代わり、また運行距離も短かったことから燃料油費が減少したことなどにより前連結会計年度に比べ1億4千9百万円減少しました。また、借船料(損益配分)は、共有船で入渠があったことから前連結会計年度に比べ8千2百万円減少しました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、7億8千2百万円(前年同期比49.7%減)となりました。一般管理費はコロナ禍による行動制限などにより前連結会計年度に比べ8千5百万円減少しましたが、上記の通り海運業収益が減少し海運業費用が増加したことから、海運業利益が大幅に減少し、営業利益を減少させました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、3億3百万円(前年同期比70.3%減)となりました。営業外収益は、受取保険金などにより前連結会計年度に比べ7千6百万円増加しました。営業外費用は、支払利息の減少はありましたがデリバティブ解約損などにより前連結会計年度に比べ2千3百万円増加しました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、1億6千1百万円(前年同期比92.3%減)となりました。特別利益は、用船者の買取選択権行使による船舶1隻の売船益の計上はありましたが、前連結会計年度は高齢のVLCCを高市況時に売却し大きな売船益を計上できたことから、前連結会計年度に比べ17億5千7百万円減少しました。特別損失は、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき当社グループの保有する固定資産(船舶)の減損損失2億8千2百万円を計上しました。
法人税等合計は、税金等調整前当期純利益2億2千8百万円の29.2%に当たる6千6百万円を計上しました。
(新型コロナウイルスの影響について)
ばら積み船2隻、及び石油製品船1隻を数ヵ月から1年前後の短期貸船契約で用船しておりますが、ばら積み船では秋口まで、石油製品船では一時的に上昇したもののほぼ1年を通じてマーケットが低迷し、その影響により貸船料収入は減少しました。また船員の交代は、航空機の減便や各国の渡航制限や入国制限、隔離期間の設置などにより費用が増加しました。加えて船員交代に対応する為の船舶の不稼働により海運業収益を減少させました。
一方で、2021年3月期に8隻の入渠がありましたが、予め新型コロナウイルスの影響により入渠費用が増加することが見込まれたため、2020年3月期に特別修繕引当金を予想される最大値で見積もったこともあり、船舶修繕費は想定の範囲内に収めることが出来ました。ただし、2022年3月期には5隻の入渠を予定しており、当該5隻分につきましては、同様に費用の増加を加味し、引当額の見直し(船費の増加)を行いました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フローの収入や、長短借入による財務活動によるキャッシュ・フローの収入、及び船舶の売却による投資活動によるキャッシュ・フローの収入はありましたが、ほぼその合計分を当連結会計年度に竣工したVLCCや環境規制に対応する為のスクラバー、並びにバラスト水処理装置の設置費用、及び翌年度以降に竣工する船舶の取得に充てる為、投資活動に使用しており、前連結会計年度と同水準の14億3千8百万円(0.5%増)となっております。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、船舶修繕費をはじめとする船費並びに環境規制に対応するために必要なバラスト水処理装置等の購入、設置費用、及び一般管理費等であります。投資を目的とした資金需要は船舶の建造、購入等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの当座貸越契約の融資枠等による短期借入金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入金を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は506億1千7百万円となっております。
(契約債務)
2020年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
上記の表において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年以内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
(財政政策)
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については、長期借入金及び当座貸越契約の融資枠などによる金融機関からの借入金で調達しております。また、船舶などの設備投資資金につきましては、用船期間の残年数等から短期または長期借入金で調達しております。
当連結会計年度末において、借入金の残高は506億1千7百万円であります。また、当連結会計年度末において、取引金融機関との間で合計30億円の当座貸越契約を締結しております。(借入実行残高8億7千万円、借入未実行残高21億3千万円)
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的と判断される前提に基づいて実施しておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
特別修繕引当金の見積もりにつきましては、実施する検査や工事内容、対象船のコンディション、船齢、同船型の実績、各ヤードからの見積もり等を基に行っています。加えて、新型コロナウイルスの影響は今後1年間継続するとみなし、当該期間中に入渠を予定する5隻につき、引当額を見積もっております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項 及び(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、当初の緊急事態宣言の解除後、内外需とも持ち直しが続いていましたが、新型コロナウイルスの感染再拡大を受けた外出自粛を背景に、個人消費を中心に景気が再度停滞する事態となりました。海外経済は、中国では、春節の帰省自粛による足踏みはあったものの、政府による消費刺激策や輸出入の拡大を背景に景気の回復傾向は持続しており、米国でも、追加経済対策や新型コロナウイルスワクチンの普及が追い風となり、回復ペースが加速しました。
海運市況は、大型原油船(VLCC)につきましては、原油価格の大幅な下落により原油取引のコンタンゴを狙ったストレージ需要が増えたことにより船腹需給が一時的に締まり、市況は期首から大幅に上昇し、WS200を超えるまでに至りました。しかしながら、OPECプラスによる大規模な減産や新型コロナウイルスの影響による石油需要の減退が輸送需要を低迷させ、既存隻数も800隻を超える一方、解撤がなく、船腹需給は緩み続け、夏場にはWS20台まで下落しました。その後も冬場の需要期に入っても全く石油の需要が盛り上がらず、市況は春まで低迷を極めました。
石油製品船(LR2やMR)も、石油製品のコンタンゴを狙ったストレージや、新型コロナウイルスの影響による石油製品の需要減から陸上の製品貯蔵タンクが満杯になり、カーゴを揚げることができない船が数多く滞船し、船腹需給を引き締め、5月上旬まで製品船市況は高騰しましたが、VLCCと同様、その後、滞船の解消と新型コロナウイルスによる石油製品需要の大幅な減退が重しとなり、市況は低迷しました。
大型LPG船(VLGC)は、コロナウイルス感染拡大により6月から7月に掛けてLPGの需要が一時期弱含んだものの、民生需要が底堅く推移したことや、中東の原油減産に伴い中東出しのカーゴが減少した一方で、米国からアジアへの荷動きが活発化しトンマイルが延びたこと、また、パナマ運河の混雑による滞船などが市況を上昇させました。年明け以降、米国出しの輸送需要の減少や春の不需要期に差し掛かったことなどから市況は下落しましたが、全般的に堅調な市況展開となりました。
ばら積船につきましては、期首から市況は低迷していましたが、中国やインドの経済活動が再開したことにより荷動きも徐々に戻り始め、少しずつボトムアップする市況展開となりました。年明け以降は北米や南米出し穀物の荷動きが活発となったことに加え、運賃先物価格の上昇も追い風となり、更に市況は上昇しました。
こうした経営環境の中、当社グループは大型タンカーを中心とする長期貸船契約を主体に安定した経営を目指しており、前期には高齢のVLCC“JIN-EI”を売却する一方、新たにVLCC“TENRYU”および“HOU-EI”を取得したほか、当期11月にもVLCC“TENZAN”を取得するなど、船隊構成の整備・拡充に取り組んでまいりました。このほか、海外での顧客開拓のため、6月及び9月にばら積船、10月に石油製品船を、それぞれパナマ子会社からシンガポール現地法人に移管いたしました。
また、各船の運航効率の向上と諸経費の節減にも全社を挙げて努めてまいりましたが、当社グループが保有する一部の船舶の帳簿価額を回収可能額まで減額したこともあり、当連結会計年度の経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
資産の部は、前連結会計年度末に比べて24億9千6百万円増加し688億6千9百万円となりました。流動資産は、海運業未収金が増加したことなどにより5億1千6百万円増加し31億4千2百万円となりました。固定資産は、ばら積船を売却および減損した一方で新造VLCCが1隻加わったことから19億7千9百万円増加し657億2千6百万円となりました。
負債の部は、借入金の増加などにより前連結会計年度末に比べ22億1千3百万円増加し549億6千8百万円となりました。
純資産の部は、繰延ヘッジ損益の増加などにより前連結会計年度末に比べ2億8千2百万円増加し139億円となりました。
b.経営成績
海運業収益は、運賃の計上額が減少したことや入渠船の増加に伴う不稼働期間の長期化による貸船料の減少もあり116億7千万円(前期比8億3千5百万円減)となりました。営業利益は海運業収益の減少のほか、船舶の増加や入渠船の増加により海運業費用が増加した一方、一般管理費が減少したこともあり、7億8千2百万円(前期比7億7千3百万円減)、経常利益は3億3百万円(前期比7億1千9百万円減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益に船舶1隻の売船益等を計上した一方、特別損失に「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき当社グループの保有する固定資産(船舶)の減損損失を計上したことから、1億6千1百万円(前期比19億3千8百万円減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金収支は、税金等調整前当期純利益の計上などにより、43億3千2百万円の収入となりました。(前期は60億9千8百万円の収入)
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金収支は、船舶等の固定資産の売却代金の収入はありましたが、船舶等の固定資産の取得による支出などにより71億7百万円の支出となりました。(前期は121億6千8百万円の支出)
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金収支は、船舶の建造に伴う長期借入による収入などにより29億9百万円の収入となりました。(前期は60億6千6百万円の収入)
この結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、期首に比べて6百万円増加し、14億3千8百万円(前連結会計年度比0.5%増)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、外航海運業の単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の実績につきましては、当社グループの区分別に記載しております。
a.運航船腹
| 区分 | 2020年3月末 | 2021年3月末 | |||
| 隻数 | 載貨重量屯数(M/T) | 隻数 | 載貨重量屯数(M/T) | ||
| 所有船 | 油槽船 当社持分 | 10 | 1,741,165 | 11 | 2,053,528 |
| (他社持分) | (187,304) | (187,235) | |||
| ばら積船 | 5 | 393,101 | 4 | 302,320 | |
| 合計 | 15 | 2,134,266 | 15 | 2,355,848 | |
b.海運業収益実績
| 区分 | 第90期 | 自 2019年4月1日 至 2020年3月31日 | 第91期 | 自 2020年4月1日 至 2021年3月31日 | ||
| 千円 | % | 千円 | % | |||
| 貸船料 | 11,793,307 | 94.3 | 11,628,085 | 99.6 | ||
| その他海運業収益 | 711,875 | 5.7 | 42,062 | 0.4 | ||
| 合計 | 12,505,182 | 100.0 | 11,670,148 | 100.0 | ||
(注) 記載金額に消費税等は含まれておりません。
c.主要な相手先に対する海運業収益
| 相手先 | 第90期 | 自 2019年4月1日 至 2020年3月31日 | 第91期 | 自 2020年4月1日 至 2021年3月31日 | ||
| 千円 | % | 千円 | % | |||
| 日本郵船㈱ | 6,465,669 | 51.7 | 6,245,581 | 53.5 | ||
| コスモ石油㈱ | 3,402,095 | 27.2 | 3,779,745 | 32.4 | ||
(注) 記載金額に消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(海運業収益)
当連結会計年度の海運業収益(売上高)は116億7千万円(前年同期比6.7%減)となりました。貸船料につきましては、保有船舶は増加しましたが、入渠による不稼働損失の増加に加え、コロナ禍に伴う石油製品船、ばら積船の市況悪化による用船料収入の減少などにより前連結会計年度に比べ1億6千5百万円減少しました。また、運賃につきましては、航海用船契約に前連結会計年度は高市況時のVLCCで1航海、今連結会計年度は低市況時の石油製品船で1航海夫々投入したことにより前連結会計年度に比べ6億6千9百万円減少しました。
(海運業費用)
当連結会計年度の海運業費用は100億5千9百万円(前年同期比0.2%増)となりました。船費は保有船舶が増加したことなどにより前連結会計年度に比べ2億6千8百万円増加しました。一方で、運航費は、航海用船契約がVLCCから石油製品に代わり、また運行距離も短かったことから燃料油費が減少したことなどにより前連結会計年度に比べ1億4千9百万円減少しました。また、借船料(損益配分)は、共有船で入渠があったことから前連結会計年度に比べ8千2百万円減少しました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、7億8千2百万円(前年同期比49.7%減)となりました。一般管理費はコロナ禍による行動制限などにより前連結会計年度に比べ8千5百万円減少しましたが、上記の通り海運業収益が減少し海運業費用が増加したことから、海運業利益が大幅に減少し、営業利益を減少させました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、3億3百万円(前年同期比70.3%減)となりました。営業外収益は、受取保険金などにより前連結会計年度に比べ7千6百万円増加しました。営業外費用は、支払利息の減少はありましたがデリバティブ解約損などにより前連結会計年度に比べ2千3百万円増加しました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、1億6千1百万円(前年同期比92.3%減)となりました。特別利益は、用船者の買取選択権行使による船舶1隻の売船益の計上はありましたが、前連結会計年度は高齢のVLCCを高市況時に売却し大きな売船益を計上できたことから、前連結会計年度に比べ17億5千7百万円減少しました。特別損失は、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき当社グループの保有する固定資産(船舶)の減損損失2億8千2百万円を計上しました。
法人税等合計は、税金等調整前当期純利益2億2千8百万円の29.2%に当たる6千6百万円を計上しました。
(新型コロナウイルスの影響について)
ばら積み船2隻、及び石油製品船1隻を数ヵ月から1年前後の短期貸船契約で用船しておりますが、ばら積み船では秋口まで、石油製品船では一時的に上昇したもののほぼ1年を通じてマーケットが低迷し、その影響により貸船料収入は減少しました。また船員の交代は、航空機の減便や各国の渡航制限や入国制限、隔離期間の設置などにより費用が増加しました。加えて船員交代に対応する為の船舶の不稼働により海運業収益を減少させました。
一方で、2021年3月期に8隻の入渠がありましたが、予め新型コロナウイルスの影響により入渠費用が増加することが見込まれたため、2020年3月期に特別修繕引当金を予想される最大値で見積もったこともあり、船舶修繕費は想定の範囲内に収めることが出来ました。ただし、2022年3月期には5隻の入渠を予定しており、当該5隻分につきましては、同様に費用の増加を加味し、引当額の見直し(船費の増加)を行いました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フローの収入や、長短借入による財務活動によるキャッシュ・フローの収入、及び船舶の売却による投資活動によるキャッシュ・フローの収入はありましたが、ほぼその合計分を当連結会計年度に竣工したVLCCや環境規制に対応する為のスクラバー、並びにバラスト水処理装置の設置費用、及び翌年度以降に竣工する船舶の取得に充てる為、投資活動に使用しており、前連結会計年度と同水準の14億3千8百万円(0.5%増)となっております。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、船舶修繕費をはじめとする船費並びに環境規制に対応するために必要なバラスト水処理装置等の購入、設置費用、及び一般管理費等であります。投資を目的とした資金需要は船舶の建造、購入等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの当座貸越契約の融資枠等による短期借入金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入金を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は506億1千7百万円となっております。
(契約債務)
2020年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
| 年度別要支払額(千円) | |||||
| 契約債務 | 合計 | 1年以内 | 1年超3年以内 | 3年超5年以内 | 5年超 |
| 短期借入金 | 6,723,140 | 6,723,140 | - | - | - |
| 長期借入金 | 43,894,145 | 3,927,068 | 11,366,936 | 12,326,941 | 16,273,200 |
上記の表において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年以内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
(財政政策)
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については、長期借入金及び当座貸越契約の融資枠などによる金融機関からの借入金で調達しております。また、船舶などの設備投資資金につきましては、用船期間の残年数等から短期または長期借入金で調達しております。
当連結会計年度末において、借入金の残高は506億1千7百万円であります。また、当連結会計年度末において、取引金融機関との間で合計30億円の当座貸越契約を締結しております。(借入実行残高8億7千万円、借入未実行残高21億3千万円)
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的と判断される前提に基づいて実施しておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
特別修繕引当金の見積もりにつきましては、実施する検査や工事内容、対象船のコンディション、船齢、同船型の実績、各ヤードからの見積もり等を基に行っています。加えて、新型コロナウイルスの影響は今後1年間継続するとみなし、当該期間中に入渠を予定する5隻につき、引当額を見積もっております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項 及び(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。