有価証券報告書-第124期(平成30年12月1日-令和1年11月30日)

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2020/02/27 11:47
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「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」 (企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析をおこなっております。
1.経営成績等の状況の概要
(1) 経営成績に関する分析
当連結会計年度におけるわが国経済は、通商問題を巡る緊張に伴う海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響のほか、消費税率引き上げ後の消費動向等について留意を要する状況ながら、企業収益は高い水準で推移しており、設備投資にも増加の動きがみられたほか、雇用・所得環境も改善傾向にあり、各種政策の効果もあって、景気は緩やかに回復しました。
このような経済情勢にあって、物流業界におきましては、保管残高数量・金額とも前年を上回る水準にて推移する等、国内貨物の荷動きに回復傾向がみられるものの、競争の激化等もあり、厳しい状況が続いております。また、不動産賃貸業界におきましては、需給改善の兆しはあるものの賃料水準の本格的回復には至っておりません。
このような状況の下、当社グループは、内外の環境変化に的確に対応しながら、さらなる成長を果たしていくために新中期経営計画(2019-2023)を策定し、具体的各施策を展開してまいりました。物流事業における具体的施策として、2016年に竣工した千葉県八街市の新規倉庫の稼働率が順調に向上しつつあるほか、既存倉庫についても安定的に稼働しており、保管料収入等の増加に努めてまいりました。このほか、きめ細かなサービスを提供しながら、既存顧客との取引拡大や新規顧客の獲得に努めてまいりました。また、不動産事業における具体的施策として、賃貸マンションや賃貸オフィスビル等が安定的に稼働しており、収益基盤の増強が図られつつあります。
この結果、売上高は保管料収入や不動産賃貸料収入の増加により前期比42百万円(0.9%)増の5,037百万円となりました。また、営業利益は各種経費の削減効果により前期比100百万円(16.8%)増の701百万円となり、経常利益は支払利息等の減少により前期比96百万円(17.1%)増の658百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前期比55百万円(14.7%)増の437百万円となりました。
以上の結果、新中期経営計画(2019-2023)の初年度の利益計画を達成いたしております。
セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。
(物流事業)
物流事業の売上高は前期比99百万円減の4,417百万円となり、セグメント利益は前期比15百万円減の877百万円となりました。
(不動産事業)
不動産事業の売上高は前期比141百万円増の619百万円となり、セグメント利益は前期比73百万円増の255百万円となりました。
(2) 財政状態及びキャッシュ・フローに関する分析
① 資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末における総資産は、現預金の増加と減価償却の実施等により前期末比21百万円減少の16,005百万円となりました。負債は、長期借入金の減少により前期末比438百万円減少の6,433百万円となり、純資産は前期末比416百万円増加の9,572百万円となりました。
この結果、当連結会計年度末における自己資本比率は59.7%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローの増加、投資活動によるキャッシュ・フローの減少ならびに財務活動によるキャッシュ・フローの減少に伴い、現金及び現金同等物の期末残高は前期末比475百万円増加の1,305百万円となりました。
(ⅰ) 営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純利益655百万円や減価償却費461百万円等の資金留保等により、営業活動によるキャッシュ・フローは1,235百万円の増加(前期比768百万円増)となりました。
(ⅱ) 投資活動によるキャッシュ・フロー
有形固定資産の取得による支出182百万円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは209百万円の減少(前期比1,676百万円増)となりました。
(ⅲ) 財務活動によるキャッシュ・フロー
長期借入金の返済による支出546百万円等により、財務活動によるキャッシュ・フローは551百万円の減少(前期比1,814百万円減)となりました。
(3) 生産、受注及び販売の実績
当社グループの主たる事業は、物流事業及び不動産事業であり、役務の提供を主体とする事業の性格上、生産、受注及び販売の実績を区分として把握することは困難であります。
これに代えて、セグメント毎の営業収益を示すと次のとおりであります。
セグメントの名称前連結会計年度
(自 2017年12月1日
至 2018年11月30日)
当連結会計年度
(自 2018年12月1日
至 2019年11月30日)
前年比増減額
(百万円)
売上高
(百万円)
構成比
(%)
売上高
(百万円)
構成比
(%)
物流事業4,51790.44,41787.7△99
不動産事業4789.661912.3141
4,995100.05,037100.042


2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。作成方針及び見積りについては「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等][注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載したとおりです。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績の分析
(ⅰ) 当連結会計年度の分析
当連結会計年度の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に関する分析につきましては、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]1.経営成績等の状況の概要(2)財政状態及びキャッシュ・フローに関する分析」に記載のとおりです。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2[事業の状況]2[事業等のリスク]」に記載したとおりです。
当社グループは、内外の環境変化に的確に対応しながら、さらなる成長を果たすため、5ヶ年の新中期経営計画(2019-2023)を策定しております。
本計画期間の初年度である当連結会計年度において、当社グループは物流事業及び不動産事業の収益基盤強化に努めてきた結果、利益計画を達成しております。
(ⅱ) 次期見通しについて
今後の経済動向につきましては、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響等に留意する必要があるものの、雇用・所得環境の改善をはじめとして、国内景気は緩やかな回復傾向が続くものと思われます。
このような状況の下、当社グループは、新中期経営計画(2019-2023)の各施策を推進し、物流事業セグメントならびに不動産事業セグメントにおける収益基盤の増強を図りながら、企業価値の向上に努めてまいります。
次期の業務環境として物流事業ならびに不動産事業ともに安定的に稼働させていく計画としており、次期業績については当連結会計年度と同程度での推移が見込まれており、売上高は前期比62百万円増の5,100百万円、営業利益は同1百万円減の700百万円、経常利益は同8百万円減の650百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同17百万円減の420百万円と予想しております。
② 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、新中期経営計画(2019-2023)を策定し、最終年度の売上高、営業利益、経常利益、自己資本比率、ROEの目標を定めております。
具体的な最終年度目標及び実績推移は次のとおりです。
2018年11月期
実績
2019年11月期
実績
[中計初年度]
2023年11月期
計画
[中計最終年度]
売上高(百万円)4,9955,0375,500
営業利益(百万円)600701920
経常利益(百万円)562658900
自己資本比率57.0%59.7%55.0%
ROE4.2%4.7%5.5%

中期経営計画の初年度である当連結会計年度において、当社グループは物流事業及び不動産事業の収益基盤強化に努めたことにより利益計画を達成したほか、いずれの主要指標についても前年度実績を上回る結果となりました。
主要な財務指標のほか、次の非財務項目についても重要な指標として位置付けております。
(ⅰ) 各営業所の稼働率向上
(ⅱ) 各営業所の適切な修繕実施による収益力の安定化
(ⅲ) 資金調達の際の借入金利の固定化による金利上昇リスク抑制
このほか、新規倉庫設備として、埼玉県所沢市と千葉県八街市に倉庫用地を取得しており、将来の収益基盤強化の具体的施策を着実に推進しており引き続き、中期経営計画最終年度目標の達成に向けて努めてまいります。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの設備資金及び運転資金は、営業キャッシュ・フロー及び金融機関からの借入により調達しております。
なお、キャッシュ・フローにつきましては、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](2)財政状態及びキャッシュ・フローに関する分析」に記載したとおりです。
また、資金の調達に際しては、設備投資計画等に基づく資金需要、金利動向等を考慮し調達しており、一部の借入については将来の金利上昇リスクを回避し支払利息の固定化を図り調達コストの低減に努めております。
④ セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
物流事業では、保管料収入等が増加したものの貸倉庫料収入が減少したことにより、売上高は前期比99百万円減の4,417百万円となり、セグメント利益は前期比15百万円減の877百万円となりました。セグメント資産は、減価償却費289百万円等により前期末比120百万円減の7,040百万円となりました。
不動産事業では、不動産賃貸料収入が増加したことにより、売上高は前期比141百万円増の619百万円となり、セグメント利益は前期比73百万円増の255百万円となりました。セグメント資産は、減価償却費169百万円等により前期末比162百万円減の6,168百万円となりました。