有価証券報告書-第106期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/25 10:35
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119項目

業績等の概要

(1) 業績
当期における世界経済は、米国では着実な経済成長が続き、欧州も緩やかながらも回復基調が続きましたが、中国・アジア新興国の一部において成長率が鈍化しました。日本では、消費税率引き上げによる需要減などの影響も見られましたが、円安・原油安により企業収益の回復が進むなど、景気はおおむね回復基調をたどりました。
このような状況下、当社グループは、海外24ヶ国に及ぶネットワークとIT対応力を活かし、顧客のグローバル調達やSCM(サプライチェーン・マネジメント)に応えるグローバル・ロジスティクス・サービスの深化に注力しました。
海外では、インドネシアにおいて倉庫保管サービスを提供する同国2社目となる現地法人を設立し、連結子会社化したのをはじめ、カンボジアに駐在員事務所を開設し、大メコン圏広域物流網の拡大を進めるなど、東南アジアの拠点整備を進めました。国内においては、医薬品製造業(包装・表示・保管)の許可取得をはじめ、世界有数のISOタンクオペレーターであるオランダ・デンハート社との総代理店契約締結や、当社独自開発のIT技術を活用したクラウドサービス「Nissin Logi-System Park」の販売開始など、新たなサービスメニューの拡大に努めました。
当期は、物流事業において、アジアでの好調が継続したことに加え、日本での回復と中国の堅調が収益に寄与しました。旅行事業では、日中間の業務渡航が回復基調で推移したほか、大型団体旅行が順調に推移しました。
これらの結果、当期における売上高は、前期比5.6%増の204,461百万円となりました。利益につきましては、営業利益は前期比15.4%増の4,664百万円、経常利益は前期比9.7%増の5,135百万円となりましたが、特別損失の計上などで、当期純利益は前期比6.7%減の2,447百万円となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
① 物流事業
日本では、輸出海上貨物は、自動車の現地生産拡大に伴い北米・アジア向けを中心に自動車関連部品や機械設備の取扱いが順調でしたが、11月以降は北米西岸港混雑の影響を受けました。また、危険品の取扱いが好調に推移しました。輸入海上貨物は、アパレル、雑貨などは堅調に推移しましたが、製材・合板関係は消費増税の影響を受け伸び悩みました。
輸出航空貨物は、アジア・北米向け自動車関連部品や中国向けアパレル関連素材の取扱いが順調だったことに加え、電子部材の取扱いが回復傾向となりました。更に、1月以降は北米西岸港混雑により取扱いが伸長しました。輸入航空貨物は、球根・花卉など園芸関連の取扱いが落ち込んだほか、アパレルや医薬品関連貨物が伸び悩むなど、全般的に低調に推移しました。
倉庫・港湾運送では、倉庫事業は取扱貨物の増加と高稼働に加え、施設の集約化が収益に寄与しました。ターミナル事業は、コンテナ船業務は、一部船社の航路再編の影響を受けたものの、内航船業務は順調に推移しました。
海外では、米州においては、自動車関連部品の輸出入に加え、メキシコ及び米国での倉庫業務が好調だったほか、食品関係の輸出が堅調に推移しました。欧州では、厳しい事業環境の中、更なる業務効率化と新規顧客開拓に取組み収益を確保しました。アジアは、引き続き自動車関連部品の取扱いを中心に航空・海上輸出入がともに順調に推移したことに加え、タイ・マレーシア間のクロスボーダートラック輸送及び海上輸出入が収益に貢献し、マレーシアの新倉庫本稼働も寄与しました。中国では、米国向け自動車関連貨物の取扱いが増加し、電子部品・部材の航空輸出入及び倉庫業務が順調に推移したことに加え、倉庫保管料収受が増加し、前年度連結化した子会社も寄与しました。
この結果、売上高は前期比7.0%増の148,140百万円、セグメント利益(営業利益)は前期比22.9%増の3,571百万円となりました。
② 旅行事業
北米・中米・アジア向け業務渡航・大型団体旅行の取扱いが順調だったことに加え、中国向け旅行の取扱いが回復基調で推移しました。
この結果、売上高は前期比1.7%増の55,220百万円、セグメント利益(営業利益)は前期比0.3%減の522百万円となりました。
③ 不動産事業
京浜地区などで展開する商業ビル、商業用地の不動産賃貸事業は引き続き安定した収益を確保しましたが、駐車場事業は再開発工事の影響もあり稼働率が伸び悩みました。
この結果、売上高は前期比12.3%増の1,099百万円、セグメント利益(営業利益)は前期比8.3%減の559百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益3,974百万円、減価償却費による資金留保2,881百万円等の資金の増加と、法人税等の支払額1,819百万円及び独禁法関連損失の支払額893百万円等の資金の減少により、3,934百万円の収入(前連結会計年度は5,970百万円の収入)となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出1,749百万円、無形固定資産の取得による支出278百万円等の資金の減少と、投資有価証券の売却による収入540百万円等の資金の増加により、1,118百万円の支出(前連結会計年度は3,807百万円の支出)となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入4,600百万円等の資金の増加と、長期借入金の返済による支出4,460百万円、短期借入金の純増減額2,003百万円等の資金の減少により、1,965百万円の支出(前連結会計年度は1,595百万円の支出)となりました。
この結果、当連結会計年度の連結キャッシュ・フローは、これらに現金及び現金同等物に係る換算差額及び新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額を加え、前連結会計年度末に比べ1,677百万円の資金の増加となり、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は14,272百万円となりました。