有価証券報告書-第84期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、お客さまからの信頼を事業活動の原点に据え、お客さまに愛される会社であり続けることを目指して、他社グループにはない旅行事業のビジネスモデルを構築し、リスク管理を含めた内部統制の強化、CSR活動の充実を図ることにより、当社グループ全体の企業価値を高めてまいります。
(2)目標とする経営指標
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、当社グループを取り巻く経営環境は根底から覆りました。このような状況に対処し、さらにこれを機に中長期的な課題に取り組むため、当社グループでは令和2年11月にかねてより検討してきた事業構造改革を拡充の上、決定し、令和3年2月にこの事業構造改革を具体化した中期経営計画を公表いたしました。当社の経営指標として最も重要なものは営業利益と考えており、今般の事業構造改革と令和3年度を初年度とする中期経営計画の各施策を確実に実行することにより、早期に収支の改善を行い、営業利益の最大化を図ります。また、資本の積み上げも重要課題であることから、親会社株主に帰属する当期純利益の最大化を2つ目の経営指標としています。
本中期経営計画では、令和4年度を黒字化と位置付けており、令和7年度では130億円以上の営業利益の計上を指標としています。
(3)経営環境及び対処すべき課題
①新型コロナウイルスの感染拡大の影響について
令和2年2月以降新型コロナウイルスの感染拡大により国内外の旅行需要の大半が消失し、令和2年7月にGoToトラベルキャンペーンがスタートした後も第2波、第3波の影響を受け、期を通じて厳しい販売状況が続きました。令和3年度の第1四半期においても、第4波の影響を大きく受けており、依然として厳しい状況が継続しています。
この状況は、当社グループのサプライチェーンに当たる宿泊機関、輸送機関等の協力会社の経営にも引き続き厳しい影響を及ぼしています。
新型コロナウイルス禍のもとでは、今後当社グループは、感染リスクの少ない、より安全・安心な旅行の提供に注力してまいります。商品面ではさらに信頼性の高い交通機関・宿泊機関を選別して「密」の生じない旅程を組み、販売面ではWeb販売の拡大、「旅のコンシェルジュ」などオンラインを利用した接客など対策を講じてまいります。併せて、新しい経営環境に即したコスト構造の見直しを進めてまいります。
②その他の対処すべき課題
今後につきましては、変異ウイルスの感染拡大もあり、引き続き新型コロナウイルスの影響が懸念されますが、一方でワクチン接種が広がり、その効果が少しずつ表れてくることが期待されます。
このような状況の下、当社グループは、当面なお新型コロナウイルス感染拡大の影響を強く受けるものと予想されますが、当社といたしましては、早期に債務超過の解消を図るとともに、中長期的な課題に重点を置き、中期経営計画の目標達成に邁進してまいります。
まず、債務超過の解消につきましては、当社は、当連結会計年度末現在96億54百万円の債務超過となっておりますので、本年5月12日開催の取締役会において、親会社である近鉄グループホールディングス株式会社にA種種類株式(社債型優先株式)を、当社の主要取引銀行である株式会社三菱UFJ銀行および株式会社三井住友銀行がそれぞれ資金拠出する合同会社あかりおよび合同会社まつかぜにB種種類株式(社債型優先株式)をそれぞれ割り当てる第三者割当増資(払込金額の総額400億円)を決議し、本年6月16日開催の定時株主総会において承認可決されました。これに伴い当社は、本第三者割当増資の効力が発生する6月30日に債務超過を解消する見込みであります。
次に、中期経営計画の目標達成に向けた事業構造改革の推進につきましては、まず、クラブツーリズム株式会社において、昨年12月に開始した「新・クラブ 1000事業」を異業種との連携も視野に入れつつ深化してまいります。同事業では、人と人とが特定の趣味、嗜好で集う「クラブ」と呼ぶコミュニティを運営し、各クラブのメンバーに適合した価値ある講座や座談会、特別イベントを提供するコミュニティサービスを開始していますが、本年9月からさらに「クラブツーリズム・パス会員(仮称)」の募集を開始する予定であります。同会員は、会員限定ツアーや出発間際のツアー割引、バス旅行の座席エリア指定など様々なサブスクリプションサービスを受けることができますが、「新・クラブ 1000事業」では、このようなクラブを1000、「クラブツーリズム・パス
会員(仮称)」を100万人集めることを目標として、旅行業以外の新しい事業の確立を目指してまいります。同時に、この事業を通じて新しい顧客層を開拓し、旅行業のさらなる成長を図ってまいります。
次に、近畿日本ツーリストの個人旅行事業については、引き続き店舗の削減を進める一方で、全国約900社に及ぶ提携店との連携の下、近畿日本ツーリストダイナミックパッケージ等Web商品の販売に注力してまいります。販売に当たっては、従来店頭のTV電話システムを通じて行ってきた旅の専門家によるアドバイザリーサービス「旅のコンシェルジュ」を新たにWeb上で展開し、アバターによるリモート接客でOTA(オンライン専門旅行会社)等との差別化を図ってまいります。
近畿日本ツーリストの団体旅行事業につきましては、個人旅行事業と同様に事業のスリム化、効率化を図るかたわら、当社グループの強みである教育旅行事業、地域交流事業等の専門性の高い分野に注力してまいります。また、今後も成長の期待できる法人旅行事業につきましては、本年4月1日に株式会社近畿日本ツーリストコーポレートビジネスが株式会社KNT-CTグローバルトラベルを統合し、国内外のMICE(Meeting、Incentive、Convention、Event)需要にワンストップで対応できる体制を築きましたので、同社が中心となって、グループ全体の事業戦略を展開してまいります。
これらとともに、次のコスト構造の見直しにより、平成30年度比で、令和4年度には約200億円の経費削減効果を図り、令和7年度には営業利益ベースで100億円以上の改善を見込みます。
(a)組織の再編
令和4年4月までに近畿日本ツーリスト地域会社各社および株式会社KNT-CTウエブトラベルを合併し、本社部門等の後方部門の統合
(b)人員調整
本年1月に実施した希望退職の募集に加え、新規採用の抑制、定年退職等による自然減、グループ会社への出向等を実施し、令和6年度末までに令和2年3月末時点6,968名の在籍人員を約3分の2に縮小
(c)その他のコスト削減
旧来のシステムに関わるITコストを削減するほか、組織の見直し、働き方改革の推進等により事務所経費をはじめ諸経費のさらなる圧縮
当社におきましては、以上の施策を着実に遂行し、コロナ禍収束後大きく飛躍できるよう事業構造の改革を進めるとともに、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に関わる準備を確実に進めてまいります。加えて、コンプライアンスの徹底、情報セキュリティ等リスク管理の強化、SDGsをはじめとする社会課題への貢献を強化し、企業価値向上に努めてまいります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、お客さまからの信頼を事業活動の原点に据え、お客さまに愛される会社であり続けることを目指して、他社グループにはない旅行事業のビジネスモデルを構築し、リスク管理を含めた内部統制の強化、CSR活動の充実を図ることにより、当社グループ全体の企業価値を高めてまいります。
(2)目標とする経営指標
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、当社グループを取り巻く経営環境は根底から覆りました。このような状況に対処し、さらにこれを機に中長期的な課題に取り組むため、当社グループでは令和2年11月にかねてより検討してきた事業構造改革を拡充の上、決定し、令和3年2月にこの事業構造改革を具体化した中期経営計画を公表いたしました。当社の経営指標として最も重要なものは営業利益と考えており、今般の事業構造改革と令和3年度を初年度とする中期経営計画の各施策を確実に実行することにより、早期に収支の改善を行い、営業利益の最大化を図ります。また、資本の積み上げも重要課題であることから、親会社株主に帰属する当期純利益の最大化を2つ目の経営指標としています。
本中期経営計画では、令和4年度を黒字化と位置付けており、令和7年度では130億円以上の営業利益の計上を指標としています。
(3)経営環境及び対処すべき課題
①新型コロナウイルスの感染拡大の影響について
令和2年2月以降新型コロナウイルスの感染拡大により国内外の旅行需要の大半が消失し、令和2年7月にGoToトラベルキャンペーンがスタートした後も第2波、第3波の影響を受け、期を通じて厳しい販売状況が続きました。令和3年度の第1四半期においても、第4波の影響を大きく受けており、依然として厳しい状況が継続しています。
この状況は、当社グループのサプライチェーンに当たる宿泊機関、輸送機関等の協力会社の経営にも引き続き厳しい影響を及ぼしています。
新型コロナウイルス禍のもとでは、今後当社グループは、感染リスクの少ない、より安全・安心な旅行の提供に注力してまいります。商品面ではさらに信頼性の高い交通機関・宿泊機関を選別して「密」の生じない旅程を組み、販売面ではWeb販売の拡大、「旅のコンシェルジュ」などオンラインを利用した接客など対策を講じてまいります。併せて、新しい経営環境に即したコスト構造の見直しを進めてまいります。
②その他の対処すべき課題
今後につきましては、変異ウイルスの感染拡大もあり、引き続き新型コロナウイルスの影響が懸念されますが、一方でワクチン接種が広がり、その効果が少しずつ表れてくることが期待されます。
このような状況の下、当社グループは、当面なお新型コロナウイルス感染拡大の影響を強く受けるものと予想されますが、当社といたしましては、早期に債務超過の解消を図るとともに、中長期的な課題に重点を置き、中期経営計画の目標達成に邁進してまいります。
まず、債務超過の解消につきましては、当社は、当連結会計年度末現在96億54百万円の債務超過となっておりますので、本年5月12日開催の取締役会において、親会社である近鉄グループホールディングス株式会社にA種種類株式(社債型優先株式)を、当社の主要取引銀行である株式会社三菱UFJ銀行および株式会社三井住友銀行がそれぞれ資金拠出する合同会社あかりおよび合同会社まつかぜにB種種類株式(社債型優先株式)をそれぞれ割り当てる第三者割当増資(払込金額の総額400億円)を決議し、本年6月16日開催の定時株主総会において承認可決されました。これに伴い当社は、本第三者割当増資の効力が発生する6月30日に債務超過を解消する見込みであります。
次に、中期経営計画の目標達成に向けた事業構造改革の推進につきましては、まず、クラブツーリズム株式会社において、昨年12月に開始した「新・クラブ 1000事業」を異業種との連携も視野に入れつつ深化してまいります。同事業では、人と人とが特定の趣味、嗜好で集う「クラブ」と呼ぶコミュニティを運営し、各クラブのメンバーに適合した価値ある講座や座談会、特別イベントを提供するコミュニティサービスを開始していますが、本年9月からさらに「クラブツーリズム・パス会員(仮称)」の募集を開始する予定であります。同会員は、会員限定ツアーや出発間際のツアー割引、バス旅行の座席エリア指定など様々なサブスクリプションサービスを受けることができますが、「新・クラブ 1000事業」では、このようなクラブを1000、「クラブツーリズム・パス
会員(仮称)」を100万人集めることを目標として、旅行業以外の新しい事業の確立を目指してまいります。同時に、この事業を通じて新しい顧客層を開拓し、旅行業のさらなる成長を図ってまいります。
次に、近畿日本ツーリストの個人旅行事業については、引き続き店舗の削減を進める一方で、全国約900社に及ぶ提携店との連携の下、近畿日本ツーリストダイナミックパッケージ等Web商品の販売に注力してまいります。販売に当たっては、従来店頭のTV電話システムを通じて行ってきた旅の専門家によるアドバイザリーサービス「旅のコンシェルジュ」を新たにWeb上で展開し、アバターによるリモート接客でOTA(オンライン専門旅行会社)等との差別化を図ってまいります。
近畿日本ツーリストの団体旅行事業につきましては、個人旅行事業と同様に事業のスリム化、効率化を図るかたわら、当社グループの強みである教育旅行事業、地域交流事業等の専門性の高い分野に注力してまいります。また、今後も成長の期待できる法人旅行事業につきましては、本年4月1日に株式会社近畿日本ツーリストコーポレートビジネスが株式会社KNT-CTグローバルトラベルを統合し、国内外のMICE(Meeting、Incentive、Convention、Event)需要にワンストップで対応できる体制を築きましたので、同社が中心となって、グループ全体の事業戦略を展開してまいります。
これらとともに、次のコスト構造の見直しにより、平成30年度比で、令和4年度には約200億円の経費削減効果を図り、令和7年度には営業利益ベースで100億円以上の改善を見込みます。
(a)組織の再編
令和4年4月までに近畿日本ツーリスト地域会社各社および株式会社KNT-CTウエブトラベルを合併し、本社部門等の後方部門の統合
(b)人員調整
本年1月に実施した希望退職の募集に加え、新規採用の抑制、定年退職等による自然減、グループ会社への出向等を実施し、令和6年度末までに令和2年3月末時点6,968名の在籍人員を約3分の2に縮小
(c)その他のコスト削減
旧来のシステムに関わるITコストを削減するほか、組織の見直し、働き方改革の推進等により事務所経費をはじめ諸経費のさらなる圧縮
当社におきましては、以上の施策を着実に遂行し、コロナ禍収束後大きく飛躍できるよう事業構造の改革を進めるとともに、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に関わる準備を確実に進めてまいります。加えて、コンプライアンスの徹底、情報セキュリティ等リスク管理の強化、SDGsをはじめとする社会課題への貢献を強化し、企業価値向上に努めてまいります。