有価証券報告書-第20期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/25 13:29
【資料】
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【項目】
134項目

対処すべき課題

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 当社の経営の基本方針
当社は、2004年4月1日、新東京国際空港公団の一切の権利及び義務を承継し、早期の株式上場・完全民営化を目指す全額政府出資の特殊会社として設立されました。
会社設立にあたって、以下の経営理念と経営ビジョンを策定し、世界トップレベルの空港を目指すとともに、企業価値の最大化を図り、当社のステークホルダーに利益還元することを基本方針としております。
(経営理念)
NAAは、国際拠点空港としての役割を果たし、グローバルな航空ネットワークの発展に貢献する、世界トップレベルの空港を目指します。
(経営ビジョン)
1.安全を徹底して追求し、信頼される空港を目指します
2.お客様の満足を追求し、期待を超えるサービスの提供を目指します
3.環境に配慮し、地域と共生する空港を目指します
4.効率的で透明性のある企業活動を通じ、健全経営と更なる成長を目指します
5.鋭敏な感性を持ち、柔軟かつ迅速な行動で、社会の期待に応えます
(2) 目標とする経営指標
中期経営計画(2022~2024年度)においては、2024年度末時点における財務目標を定めており、その具体的な内容は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「3 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 (5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況」に記載しております。
(3) 経営環境ならびに対処すべき課題
我が国のインバウンド需要は活況を取り戻し、今後も回復が見込まれますが、アウトバウンド需要は円安の影響等によりコロナ禍からの回復が遅れております。また、全国的な人手不足による供給制約懸念や諸物価の高騰によるコスト上昇圧力もあり、今後も不透明な経営環境が継続すると予想されます。
他方、中長期的な航空需要はアジアを中心に強い伸びが見込まれ、成田国際空港は、我が国の航空・観光産業を支える重要インフラとして、政府の掲げる観光立国の実現に大きな貢献を果たしていくことが求められております。
このような環境認識の下、当社グループは、中長期的な環境変化に対応しながら、ステークホルダーの皆様に創造すべき価値を最大化するため、2022~2024年度の3ヶ年中期経営計画「Restart NRT (リスタート・ナリタ)」に掲げた以下12テーマの施策に、引き続き全社一丸となって取り組んでまいります。
<クリエイション:「需要対応空港」から「価値創造空港」への進化>1. コロナ禍からの需要回復への即応
2. 世界最高水準の安全・安心・安定の追求
3. パートナーとの共創によるネットワーク強化(旅客・貨物)
4. 需要拡大に対応する空港機能の強化
5. 「成田ならでは」の次世代型旅客体験の創出
<サステナビリティ:次世代に向けた持続可能な空港づくり>6. 積極的貢献による地域の持続的発展
7. 職場環境及び生活環境でのES向上
8. アジアトップ水準での気候変動対応
<レジリエンス:柔軟で強靭な企業グループへの変革>9. 無駄なく柔軟なコスト構造への改革
10. 価値創造の最大化に向けた業務改革
11. 収益多角化に向けた海外・グループ事業の開拓
12. 顧客志向・脱自前主義でのイノベーションの推進
特に、「1. コロナ禍からの需要回復への即応」「9. 無駄なく柔軟なコスト構造への改革」「10. 価値創造の最大化に向けた業務改革」の3つのテーマは、新時代の成田空港への変革に向け、「稼ぐ力」を回復・強化するための基盤強化を図るべく、本中計期間において重点的に推進してまいります。
また、株式上場につきましては、引き続き、国における検討を見守りつつ、上場に向けた準備を進めてまいります。