有価証券報告書-第34期(令和2年3月1日-令和3年2月28日)

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2021/05/26 11:06
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要は次の通りであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から経済活動が制限され、景気が急速に悪化し、厳しい状況で推移しました。昨年5月の緊急事態宣言解除後は、感染拡大の防止策を講じつつ、経済活動が徐々に再開されたことで、企業の生産活動や個人消費は持ち直しの動きが見られたものの、未だ感染収束の見通しは立たず、先行き不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻く事業環境としても、第1四半期連結会計期間では、中国での春節休暇が延長されたことで一時的に物流に停滞が生じる等、感染症拡大の影響を受けました。また、日本でも緊急事態宣言が発出される等、経済活動が大きく制限され、個人消費の一層の落ち込みが懸念される状況となりました。
このような厳しい状況下でありましたが、当社グループでは、営業活動において、テレワークの継続実施やオンライン商談を活用し、主に中国や東南アジアから日本への輸入海上輸送の貨物集荷に注力してまいりました。また、これらに加え、通関や配送、検品・検針・加工業務といった輸出入の付帯業務の受注獲得に向けて、精力的に営業活動を展開してまいりました。
当連結会計年度では、感染症の拡大により外出機会が大きく減少し、個人消費も厳しさを増す中で、特にアパレル関連の取扱いは年度を通じて既存顧客を中心に低調な推移となりました。その反面、在宅時間が大幅に増加したことで、日常生活に欠かせない日用品や生活雑貨、生活家電品等の取扱いは堅調さを維持し、アパレル関連の取扱減少を補う形で推移しました。
さらに、第3四半期連結会計期間以降、国際貨物輸送の需要回復により世界的に海上コンテナが不足しており、当社グループの取り扱う一部の航路でも運賃が高騰し、収益を押し上げる要因の一つとなりました。また、販売費及び一般管理費では、人件費の抑制及びその他コストの見直しやテレワークの導入等により事業活動に掛かる費用の圧縮に努め、利益の創出を図ってまいりました。
これらの結果、当連結会計年度における営業収益は45,797百万円(前年同期比1.8%増)と前年同期を上回りました。また、利益の面では販売費及び一般管理費の削減効果等が寄与し、営業利益は2,304百万円(前年同期比46.3%増)、経常利益は2,545百万円(前年同期比30.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,732百万円(前年同期比30.7%増)といずれも前年同期を大幅に上回り、増収増益となりました。
セグメント別の経営成績は次の通りであります。
報告セグメントに含まれない事業セグメント「その他」では、米国の現地法人である「AIT International of America,Inc.」が2020年2月29日をもって営業を終了し、清算手続きを行っておりましたが、2021年3月16日付で清算結了しております。なお、当連結会計年度末現在では清算手続き中であり、連結の範囲に含めております。
(日本)
当連結会計年度は外出の自粛等の影響により、例年と比較して特にアパレル関連の荷動きが鈍い状況でありました。しかしながら、受注拡大を推し進めるべく、オンライン商談の積極的な活用やデジタル・トランスフォーメーション(DX)への取り組みとして、輸入業務における通関依頼から請求書発行までをクラウド上で完結する新たなサービスの提供を開始する等、サービスメニューの拡充も行い、営業強化を図ってまいりました。
その結果、海上輸送の取扱コンテナ本数は、輸入で260,249TEU(前年同期比3.3%増)、輸出入合計では274,170TEU(前年同期比2.3%増)と前年同期を上回り、一方で通関受注件数については、アパレル関連の取扱減少等が響き、140,317件(前年同期比3.9%減)と前年同期を下回る結果となりました。
以上のことから、日本における営業収益は36,961百万円(前年同期比4.3%増)と増収となり、セグメント利益は、人件費や営業活動における費用の圧縮に努めたこと等で1,607百万円(前年同期比49.9%増)となりました。
(中国)
新型コロナウイルス感染症拡大の影響から春節休暇が延長されたこと等で貨物の出荷や検品・検針等の付帯業務の受注が一時的に縮小し、加えてアパレル製品の取扱いが低調な推移であったことから、付帯業務の収益が伸び悩み、中国国内での収益機会が減少することとなりました。
春節休暇が明けて徐々に中国国内各地の製造工場は稼働を再開し、物流の停滞も解消されましたが、昨年2月の収益機会の減少が顕著となり、中国における営業収益は7,650百万円(前年同期比9.3%減)と前年同期を下回りました。一方でセグメント利益は、人件費や事業活動における費用の圧縮に努めたことで、619百万円(前年同期比50.9%増)となりました。
(その他)
米国子会社の清算開始及び感染症の影響等によるミャンマー子会社の収益低下といったマイナス要因はあったものの、台湾及びベトナム子会社にて安定した収益が確保出来たことで、営業収益は1,184百万円(前年同期比5.0%増)となり、セグメント利益は営業活動における費用が嵩んだ結果、77百万円(前年同期比16.2%減)となりました。
(注)TEU(Twenty-foot Equivalent Unit、20フィートコンテナ換算)とは、海上コンテナの数量を表す単位で、20フィートコンテナ1個分を1TEUと計算します。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ986百万円増加し21,630百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ1,400百万円増加し16,853百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が1,497百万円、立替金が477百万円増加した一方で、現金及び預金が317百万円減少したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ414百万円減少し4,777百万円となりました。これは主に、顧客関連資産が263百万円、投資有価証券が147百万円、のれんが108百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債総額は、前連結会計年度末に比べ470百万円増加し9,399百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ373百万円増加し7,764百万円となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が3,700百万円、買掛金が631百万円、未払法人税等が183百万円、賞与引当金が101百万円増加した一方で、短期借入金が4,347百万円減少したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ97百万円増加し1,634百万円となりました。これは主に、退職給付に係る負債が49百万円増加したことによるものです。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ516百万円増加し12,231百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益1,732百万円を計上した一方で、剰余金の配当により852百万円が減少したことによるものであります。また、自己株式の取得により247百万円、非支配株主持分が164百万円減少したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ760百万円減少し、10,052百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの内訳は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は1,521百万円(前年同期比697百万円減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を2,546百万円計上したことのほか、仕入債務の増加627百万円、減価償却費506百万円、利息及び配当金の受取額282百万円、のれん償却額108百万円、賞与引当金の増加101百万円等の資金の増加要因に対し、売上債権の増加1,495百万円、法人税等の支払額726百万円、立替金の増加477百万円、持分法による投資利益166百万円等の資金の減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出した資金は300百万円(前年同期比140百万円増)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出1,390百万円等の資金の減少要因に対し、定期預金の払戻による収入949百万円、投資有価証券の売却による収入138百万円等の資金の増加要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、支出した資金は1,987百万円(前年同期比1,499百万円増)となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出4,443百万円、配当金の支払859百万円、自己株式の取得による支出247百万円等の資金の減少要因に対し、長期借入れによる収入3,700百万円、短期借入れによる収入95百万円の資金の増加要因によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当社グループは、国際貨物輸送サービスの提供をしております。従って、サービスの性格上、生産実績を定義することが困難であるため生産実績の記載は省略しております。
b.受注実績
生産実績と同様の理由により、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年3月1日
至 2021年2月28日)
金額(千円)前年同期比(%)
日本36,961,950+4.3
中国7,650,446△9.3
その他1,184,723+5.0
合計45,797,121+1.8

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な販売先については、総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありませんので、記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.「その他」には、米国、台湾、ベトナム及びミャンマーの現地法人を含めております。なお、米国の現地法人である「AIT International of America,Inc.」は、2020年2月29日をもって営業を終了し、清算手続きを行っておりましたが、2021年3月16日付で清算結了しております。当連結会計年度末現在では清算手続き中であり、連結の範囲に含めております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、貸倒引当金、賞与引当金等の各引当金や退職給付に係る負債の計上、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用しております重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、連結財務諸表等の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、特に重要なものは以下のとおりです。
なお、会計上の見積り及び仮定にあたっての新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際し、将来の課税所得を十分に検討し回収可能性があると判断した将来減算一時差異について、繰延税金資産を計上しております。このため、将来の経営環境の悪化等により課税所得の見積り額が減少した場合には、繰延税金資産が減少し税金費用が計上される可能性があります。繰延税金資産については、将来の利益計画に基づく課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断した上で計上しております。
(のれん及び顧客関連資産)
当社グループは、2019年3月に連結子会社化した日新運輸株式会社の株式取得の際に計上したのれん及び顧客関連資産について、経済的耐用年数(10年)を見積り、その期間に基づく定額法により償却しております。また、当該のれん及び顧客関連資産の計上に際しては、将来キャッシュ・フローや割引率など、多くの見積り及び仮定を用いており、将来の不確実な経済条件の変動等によりそれらの見直しが必要となった場合、減損損失が発生する可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
(営業収益)
当連結会計年度における営業収益の概況は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載しております。
(営業利益)
当連結会計年度における営業原価は、外注業務の一部内製化等も図りながら、圧縮に努めてまいりました。一方で営業収益の増加によるものに加え、国内外での輸送における仕入コストも上昇基調にあること、更には世界的なコンテナ不足による海上運賃の高騰もあり、原価率は0.2%上昇することとなりました。その結果、当連結会計年度における営業原価は37,593百万円(前年同期比2.0%増)となりました。
販売費及び一般管理費では、可能な限りのテレワークや時差出勤を取り入れ、新型コロナウイルス感染症の感染拡大への対策を講じつつ、テレワークの導入等で事業活動に掛かる費用の圧縮や人件費の抑制等に努め、利益の創出を図ってまいりました。これらの結果、販売費及び一般管理費は、5,898百万円(前年同期比10.2%減)と前年同期を下回ることとなり、感染症が拡大する中でも、安定した営業収益の確保と販売費及び一般管理費の削減・抑制効果により、営業利益は2,304百万円(前年同期比46.3%増)と前年同期を大幅に上回る結果となりました。
(経常利益)
営業外収益は、持分法による投資利益50百万円、為替差益34百万円、受取利息25百万円が減少したことで、前連結会計年度に比べ100百万円減少し、275百万円となりました。営業外費用は、為替差損28百万円を計上したこと等で、前連結会計年度に比べ29百万円増加し、34百万円となりました
この結果、経常利益は2,545百万円(前年同期比30.7%増)と前年同期を上回る結果となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益は、投資有価証券売却益22百万円等が発生し、特別損失では、関係会社清算損14百万円等が発生しました。法人税、住民税及び事業税に法人税等調整額等を合わせた法人税等合計は、782百万円となり、この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,732百万円(前年同期比30.7%増)と前年同期を上回る結果となりました。
b. 財政状態
当連結会計年度末の財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載の通りであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用および金融機関からの借入により資金調達を行っております。
主な資金需要につきましては、運転資金として、国際貨物輸送事業に係る営業原価、及び販売費及び一般管理費等であります。また、設備資金として、基幹システムの改修に係る費用等があります。
これら資金需要及び事業規模と業容の拡大を図るためのM&Aに係る資金等につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、必要に応じて金融機関からの借入等による資金調達にて対応してまいります。
株主還元につきましては、各期の連結業績や連結配当性向、将来の国内外での事業展開及び経営基盤の強化を図るための内部留保を総合的に勘案しながら、安定的且つ継続的に配当を実施することを基本方針としております。この方針の下、株主の皆様のご期待にお応えするべく、配当による更なる利益還元を推し進め、毎期継続しての連結配当性向60%の実現を目指していきたいと考えております。配当政策に関する詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりです。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、組織体制、法的規制等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。

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