有価証券報告書-第36期(2022/03/01-2023/02/28)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要は次の通りであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が残る中でも経済社会活動が徐々に正常化し、景気も緩やかに持ち直しの動きがみられました。しかしながら、国際情勢の悪化や円安の進行等により原材料やエネルギー価格は高騰し、物価上昇が続く中で、回復傾向にあった個人消費は節約志向が強まっており、景気の先行きは依然として不透明な状況にあります。
当社グループを取り巻く環境としても、昨年4月及び5月の2カ月間は、上海でのロックダウンにより一時的にサプライチェーンに混乱が生じ、物流機能が低下する等の難しい一面もありましたが、安定的に国際貨物の輸送が行えるよう尽力してまいりました。
また、当社グループの主軸となる海上輸送では、当連結会計年度において、北米や東南アジア航路で運賃水準が下落し、さらに取扱量の多い中国航路でも2022年の秋口頃から一部航路で下落傾向にあります。しかしながら、未だコロナ前の運賃水準よりも高く、また円安が続く中で多くの荷主は物流コストが重荷となっています。国際物流の提案型営業を行う当社グループは、この状況を収益拡大に向けての大きな好機と捉え、新規顧客の獲得と既存顧客の取引深耕に取り組み、一貫輸送の更なる受注獲得を目指して精力的に営業活動を展開してまいりました。そして、円安の環境が続く中で、日本からの輸出貨物の集荷にも注力してまいりました。
当連結会計年度では、序盤の上海でのロックダウンの影響と中盤以降は円安進行により一部の顧客で輸入を控える動きもあり、コンテナの取扱量並びに通関受注は前年同期と比較して減少しました。しかしながら、前連結会計年度と比較し、海上運賃が高い水準で推移したことに加え、円安進行が収益拡大の更なる追い風となり、物量等の減少による収益の低下要因を十分に補うことが出来ました。また、DXへの取組みにも継続して注力する等して業務の効率化を推進し、可能な限りの販売費及び一般管理費の抑制にも努め、利益の創出を図ってまいりました。
これらの結果、当連結会計年度における営業収益は69,463百万円(前年同期比15.9%増)と前年同期を大きく上回りました。また、営業収益が好調に推移したことにより、営業利益は5,288百万円(前年同期比47.7%増)、経常利益は5,605百万円(前年同期比46.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,684百万円(前年同期比55.7%増)といずれも前年同期を大幅に上回ることができました。
セグメント別の経営成績は次の通りであります。
なお、報告セグメントの「中国」では、当連結会計年度において「暖新国際貿易(上海)有限公司」が清算結了したため、連結の範囲から除外しております。
(日本)
当連結会計年度では、物価上昇や円安の進行により輸入品価格が上昇する中、個人消費を取り巻く環境も依然として厳しさが残る状況となっております。また、上海でのロックダウンは、一時的ではあるものの日中間の国際物流に混乱を招く事態となりました。
このような環境下で、当社グループは、国際貨物輸送のみならず通関や配送までを一貫して請け負える強みを活かし、営業活動に注力するとともに、海外拠点とも密に連携し、顧客へ物流に関連する情報を積極的に提供してまいりました。
当連結会計年度では、コンテナの積載スペースの逼迫状況は改善傾向にあるものの、上海でのロックダウンの影響と円安進行下で輸入貨物の荷動きが鈍化し、海上輸送の取扱コンテナ本数は、輸入で242,407TEU(前年同期比9.3%減)、輸出入合計では258,302TEU(前年同期比7.9%減)と前年同期を下回りました。通関受注件数においても、海上輸送の取扱いが減少したことにより、135,176件(前年同期比7.4%減)と前年同期を下回る推移となりました。
しかしながら、取扱量の最も多い中国航路の海上運賃が前連結会計年度に比べて高い水準で推移し、さらには円安による収益へのプラス効果もあり、営業収益、売上総利益は大きく伸長しました。また、販売費及び一般管理費においては、DXを活用し業務効率化に取り組むとともに、継続してコストの見直しを行い、利益の創出を図ってまいりました。
以上のことから、日本における営業収益は59,963百万円(前年同期比19.3%増)と前年同期を上回り、セグメント利益は、売上総利益が大幅に増加したことに加え、人件費や営業活動における費用の抑制に努めたこと等で4,519百万円(前年同期比45.6%増)となりました。
(中国)
アパレル関連の取扱いは徐々に回復してきているものの未だ力強さを欠く状況にあり、検品・検針等の付帯業務の受注は厳しい環境が続いております。このような中、昨年1月から3月までの累計期間では、日用品や雑貨等の取扱いが堅調であったことから日本向け貨物の取扱量は増加し、中国国内での輸送関連の収益機会も増しました。しかしながら、昨年4月及び5月は上海でのロックダウンの影響から貨物の取扱量が減少し、その後は急激な円安の進行等から日本向け貨物の取扱量が伸びず、中国での収益機会は減ることになりました。
この結果、中国における営業収益は7,957百万円(前年同期比4.7%減)となりましたが、セグメント利益は、収益性の改善効果もあり538百万円(前年同期比38.1%増)となりました。
(その他)
台湾子会社では、円安進行等が影響して日本向け貨物の取扱いが減少したことで、収益機会が減ることとなりましたが、ベトナム子会社では、貨物の取扱量及び収益が安定的に確保でき、またミャンマー子会社では、新型コロナウイルス感染症や政情不安等の影響が和らいだことで収益は回復傾向にあります。さらには、円安に伴う円貨換算額の増加も加わり、営業収益は1,542百万円(前年同期比17.8%増)となり、セグメント利益は230百万円(前年同期はセグメント利益88百万円)となりました。
(注)TEU(Twenty-foot Equivalent Unit、20フィートコンテナ換算)とは、海上コンテナの数量を表す単位で、20フィートコンテナ1個分を1TEUと計算します。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ1,372百万円増加し24,888百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ1,812百万円増加し21,048百万円となりました。これは主に、現金及び預金が2,720百万円増加した一方で、営業債権が597百万円、立替金が366百万円減少したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ440百万円減少し3,840百万円となりました。これは主に、顧客関連資産が263百万円、のれんが108百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債総額は、前連結会計年度末に比べ1,096百万円減少し8,286百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ1,280百万円減少し6,594百万円となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が1,000百万円、買掛金が327百万円減少した一方で、未払法人税等が234百万円増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ184百万円増加し1,691百万円となりました。これは主に、繰延税金負債が38百万円、退職給付に係る負債が34百万円増加したことによるものです。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ2,468百万円増加し16,602百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益3,684百万円を計上した一方で、剰余金の配当により1,550百万円が減少したことによるものであります。また、為替換算調整勘定が246百万円増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,903百万円増加し、15,323百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの内訳は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は5,321百万円(前年同期比1,548百万円増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を5,609百万円計上したことのほか、売上債権の減少691百万円、減価償却費659百万円、立替金の減少366百万円、利息及び配当金の受取額232百万円等の資金の増加要因に対し、法人税等の支払額1,565百万円、仕入債務の減少390百万円等の資金の減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、獲得した資金は167百万円(前年同期比229百万円減)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入448百万円等の資金の増加要因に対し、定期預金の預入による支出246百万円等の資金の減少要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、支出した資金は2,809百万円(前年同期比612百万円増)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出2,700百万円、配当金の支払1,550百万円等の資金の減少要因に対し、長期借入れによる収入1,700百万円の資金の増加要因によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当社グループは、国際貨物輸送サービスの提供をしております。従って、サービスの性格上、生産実績を定義することが困難であるため生産実績の記載は省略しております。
b.受注実績
生産実績と同様の理由により、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な販売先については、総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありませんので、記載を省略しております。
3.「中国」では、「暖新国際貿易(上海)有限公司」が当連結会計年度において清算結了したため、連結の範囲から除外しております。
4.「その他」には、台湾、ベトナム及びミャンマーの現地法人を含めております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、貸倒引当金、賞与引当金等の各引当金や退職給付に係る負債の計上、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用しております重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。また、当社グループが連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、会計上の見積り及び仮定にあたっての新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
(営業収益)
当連結会計年度における営業収益の概況は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載しております。
(営業利益)
当連結会計年度は、海上運賃が2022年秋口頃まで非常に高い水準で推移し、営業収益と同様に営業原価も大幅に増加しました。一方で、仕入価格が上昇する中でも可能な限り販売価格への転嫁を行い、また、コスト圧縮等を図ることで、原価率は前年同期と同水準を維持しました。その結果、当連結会計年度における営業原価は58,221百万円(前年同期比15.9%増)となりました。
販売費及び一般管理費では、デジタル戦略の一環として、DXを活用し実務の効率化を図り、事業活動に掛かる費用や人件費の抑制等に努め、利益の創出に取り組んでまいりました。これらの結果、販売費及び一般管理費は、5,953百万円(前年同期比2.3%減)と前年同期を下回り、営業収益が大きく増加したことと販売費及び一般管理費の削減・抑制効果の双方により、営業利益は5,288百万円(前年同期比47.7%増)と前年同期を大幅に上回る結果となりました。
(経常利益)
営業外収益では、主に為替差益を62百万円計上した一方で、前連結会計年度に比べ、持分法による投資利益が11百万円減少しました。この結果、営業外収益は、前連結会計年度に比べ29百万円増加し、333百万円となりました。営業外費用では、主に為替差損の計上がなかったことで、前連結会計年度に比べ47百万円減少し、16百万円となりました
これらにより、経常利益は5,605百万円(前年同期比46.7%増)と前年同期を上回る結果となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益にて固定資産売却益41百万円等が発生し、特別損失にて事業構造改革費用25百万円、固定資産除却損24百万円等が発生しました。また、法人税、住民税及び事業税に法人税等調整額等を合わせた法人税等合計は1,816百万円となり、この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は3,684百万円(前年同期比55.7%増)と前年同期を上回る結果となりました。
b. 財政状態
当連結会計年度末の財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載の通りであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用および金融機関からの借入により資金調達を行っております。
主な資金需要につきましては、運転資金として、国際貨物輸送事業に係る営業原価、及び販売費及び一般管理費等であります。また、設備資金として、基幹システムの改修に係る費用等があります。
これら資金需要及び事業規模と業容の拡大を図るためのM&Aに係る資金等につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、必要に応じて金融機関からの借入等による資金調達にて対応してまいります。
株主還元につきましては、各期の連結業績や連結配当性向、将来の国内外での事業展開及び経営基盤の強化を図るための内部留保を総合的に勘案しながら、安定的且つ継続的に配当を実施することを基本方針としております。この方針の下、株主の皆様のご期待にお応えするべく、配当による更なる利益還元を推し進めていきたいと考えております。配当政策に関する詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりです。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、組織体制、法的規制等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要は次の通りであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が残る中でも経済社会活動が徐々に正常化し、景気も緩やかに持ち直しの動きがみられました。しかしながら、国際情勢の悪化や円安の進行等により原材料やエネルギー価格は高騰し、物価上昇が続く中で、回復傾向にあった個人消費は節約志向が強まっており、景気の先行きは依然として不透明な状況にあります。
当社グループを取り巻く環境としても、昨年4月及び5月の2カ月間は、上海でのロックダウンにより一時的にサプライチェーンに混乱が生じ、物流機能が低下する等の難しい一面もありましたが、安定的に国際貨物の輸送が行えるよう尽力してまいりました。
また、当社グループの主軸となる海上輸送では、当連結会計年度において、北米や東南アジア航路で運賃水準が下落し、さらに取扱量の多い中国航路でも2022年の秋口頃から一部航路で下落傾向にあります。しかしながら、未だコロナ前の運賃水準よりも高く、また円安が続く中で多くの荷主は物流コストが重荷となっています。国際物流の提案型営業を行う当社グループは、この状況を収益拡大に向けての大きな好機と捉え、新規顧客の獲得と既存顧客の取引深耕に取り組み、一貫輸送の更なる受注獲得を目指して精力的に営業活動を展開してまいりました。そして、円安の環境が続く中で、日本からの輸出貨物の集荷にも注力してまいりました。
当連結会計年度では、序盤の上海でのロックダウンの影響と中盤以降は円安進行により一部の顧客で輸入を控える動きもあり、コンテナの取扱量並びに通関受注は前年同期と比較して減少しました。しかしながら、前連結会計年度と比較し、海上運賃が高い水準で推移したことに加え、円安進行が収益拡大の更なる追い風となり、物量等の減少による収益の低下要因を十分に補うことが出来ました。また、DXへの取組みにも継続して注力する等して業務の効率化を推進し、可能な限りの販売費及び一般管理費の抑制にも努め、利益の創出を図ってまいりました。
これらの結果、当連結会計年度における営業収益は69,463百万円(前年同期比15.9%増)と前年同期を大きく上回りました。また、営業収益が好調に推移したことにより、営業利益は5,288百万円(前年同期比47.7%増)、経常利益は5,605百万円(前年同期比46.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,684百万円(前年同期比55.7%増)といずれも前年同期を大幅に上回ることができました。
セグメント別の経営成績は次の通りであります。
なお、報告セグメントの「中国」では、当連結会計年度において「暖新国際貿易(上海)有限公司」が清算結了したため、連結の範囲から除外しております。
(日本)
当連結会計年度では、物価上昇や円安の進行により輸入品価格が上昇する中、個人消費を取り巻く環境も依然として厳しさが残る状況となっております。また、上海でのロックダウンは、一時的ではあるものの日中間の国際物流に混乱を招く事態となりました。
このような環境下で、当社グループは、国際貨物輸送のみならず通関や配送までを一貫して請け負える強みを活かし、営業活動に注力するとともに、海外拠点とも密に連携し、顧客へ物流に関連する情報を積極的に提供してまいりました。
当連結会計年度では、コンテナの積載スペースの逼迫状況は改善傾向にあるものの、上海でのロックダウンの影響と円安進行下で輸入貨物の荷動きが鈍化し、海上輸送の取扱コンテナ本数は、輸入で242,407TEU(前年同期比9.3%減)、輸出入合計では258,302TEU(前年同期比7.9%減)と前年同期を下回りました。通関受注件数においても、海上輸送の取扱いが減少したことにより、135,176件(前年同期比7.4%減)と前年同期を下回る推移となりました。
しかしながら、取扱量の最も多い中国航路の海上運賃が前連結会計年度に比べて高い水準で推移し、さらには円安による収益へのプラス効果もあり、営業収益、売上総利益は大きく伸長しました。また、販売費及び一般管理費においては、DXを活用し業務効率化に取り組むとともに、継続してコストの見直しを行い、利益の創出を図ってまいりました。
以上のことから、日本における営業収益は59,963百万円(前年同期比19.3%増)と前年同期を上回り、セグメント利益は、売上総利益が大幅に増加したことに加え、人件費や営業活動における費用の抑制に努めたこと等で4,519百万円(前年同期比45.6%増)となりました。
(中国)
アパレル関連の取扱いは徐々に回復してきているものの未だ力強さを欠く状況にあり、検品・検針等の付帯業務の受注は厳しい環境が続いております。このような中、昨年1月から3月までの累計期間では、日用品や雑貨等の取扱いが堅調であったことから日本向け貨物の取扱量は増加し、中国国内での輸送関連の収益機会も増しました。しかしながら、昨年4月及び5月は上海でのロックダウンの影響から貨物の取扱量が減少し、その後は急激な円安の進行等から日本向け貨物の取扱量が伸びず、中国での収益機会は減ることになりました。
この結果、中国における営業収益は7,957百万円(前年同期比4.7%減)となりましたが、セグメント利益は、収益性の改善効果もあり538百万円(前年同期比38.1%増)となりました。
(その他)
台湾子会社では、円安進行等が影響して日本向け貨物の取扱いが減少したことで、収益機会が減ることとなりましたが、ベトナム子会社では、貨物の取扱量及び収益が安定的に確保でき、またミャンマー子会社では、新型コロナウイルス感染症や政情不安等の影響が和らいだことで収益は回復傾向にあります。さらには、円安に伴う円貨換算額の増加も加わり、営業収益は1,542百万円(前年同期比17.8%増)となり、セグメント利益は230百万円(前年同期はセグメント利益88百万円)となりました。
(注)TEU(Twenty-foot Equivalent Unit、20フィートコンテナ換算)とは、海上コンテナの数量を表す単位で、20フィートコンテナ1個分を1TEUと計算します。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ1,372百万円増加し24,888百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ1,812百万円増加し21,048百万円となりました。これは主に、現金及び預金が2,720百万円増加した一方で、営業債権が597百万円、立替金が366百万円減少したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ440百万円減少し3,840百万円となりました。これは主に、顧客関連資産が263百万円、のれんが108百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債総額は、前連結会計年度末に比べ1,096百万円減少し8,286百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ1,280百万円減少し6,594百万円となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が1,000百万円、買掛金が327百万円減少した一方で、未払法人税等が234百万円増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ184百万円増加し1,691百万円となりました。これは主に、繰延税金負債が38百万円、退職給付に係る負債が34百万円増加したことによるものです。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ2,468百万円増加し16,602百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益3,684百万円を計上した一方で、剰余金の配当により1,550百万円が減少したことによるものであります。また、為替換算調整勘定が246百万円増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,903百万円増加し、15,323百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの内訳は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は5,321百万円(前年同期比1,548百万円増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を5,609百万円計上したことのほか、売上債権の減少691百万円、減価償却費659百万円、立替金の減少366百万円、利息及び配当金の受取額232百万円等の資金の増加要因に対し、法人税等の支払額1,565百万円、仕入債務の減少390百万円等の資金の減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、獲得した資金は167百万円(前年同期比229百万円減)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入448百万円等の資金の増加要因に対し、定期預金の預入による支出246百万円等の資金の減少要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、支出した資金は2,809百万円(前年同期比612百万円増)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出2,700百万円、配当金の支払1,550百万円等の資金の減少要因に対し、長期借入れによる収入1,700百万円の資金の増加要因によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当社グループは、国際貨物輸送サービスの提供をしております。従って、サービスの性格上、生産実績を定義することが困難であるため生産実績の記載は省略しております。
b.受注実績
生産実績と同様の理由により、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2022年3月1日 至 2023年2月28日) | |
| 金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
| 日本 | 59,963 | +19.3 |
| 中国 | 7,957 | △4.7 |
| その他 | 1,542 | +17.8 |
| 合計 | 69,463 | +15.9 |
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な販売先については、総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありませんので、記載を省略しております。
3.「中国」では、「暖新国際貿易(上海)有限公司」が当連結会計年度において清算結了したため、連結の範囲から除外しております。
4.「その他」には、台湾、ベトナム及びミャンマーの現地法人を含めております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、貸倒引当金、賞与引当金等の各引当金や退職給付に係る負債の計上、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用しております重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。また、当社グループが連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、会計上の見積り及び仮定にあたっての新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
(営業収益)
当連結会計年度における営業収益の概況は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載しております。
(営業利益)
当連結会計年度は、海上運賃が2022年秋口頃まで非常に高い水準で推移し、営業収益と同様に営業原価も大幅に増加しました。一方で、仕入価格が上昇する中でも可能な限り販売価格への転嫁を行い、また、コスト圧縮等を図ることで、原価率は前年同期と同水準を維持しました。その結果、当連結会計年度における営業原価は58,221百万円(前年同期比15.9%増)となりました。
販売費及び一般管理費では、デジタル戦略の一環として、DXを活用し実務の効率化を図り、事業活動に掛かる費用や人件費の抑制等に努め、利益の創出に取り組んでまいりました。これらの結果、販売費及び一般管理費は、5,953百万円(前年同期比2.3%減)と前年同期を下回り、営業収益が大きく増加したことと販売費及び一般管理費の削減・抑制効果の双方により、営業利益は5,288百万円(前年同期比47.7%増)と前年同期を大幅に上回る結果となりました。
(経常利益)
営業外収益では、主に為替差益を62百万円計上した一方で、前連結会計年度に比べ、持分法による投資利益が11百万円減少しました。この結果、営業外収益は、前連結会計年度に比べ29百万円増加し、333百万円となりました。営業外費用では、主に為替差損の計上がなかったことで、前連結会計年度に比べ47百万円減少し、16百万円となりました
これらにより、経常利益は5,605百万円(前年同期比46.7%増)と前年同期を上回る結果となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益にて固定資産売却益41百万円等が発生し、特別損失にて事業構造改革費用25百万円、固定資産除却損24百万円等が発生しました。また、法人税、住民税及び事業税に法人税等調整額等を合わせた法人税等合計は1,816百万円となり、この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は3,684百万円(前年同期比55.7%増)と前年同期を上回る結果となりました。
b. 財政状態
当連結会計年度末の財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載の通りであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用および金融機関からの借入により資金調達を行っております。
主な資金需要につきましては、運転資金として、国際貨物輸送事業に係る営業原価、及び販売費及び一般管理費等であります。また、設備資金として、基幹システムの改修に係る費用等があります。
これら資金需要及び事業規模と業容の拡大を図るためのM&Aに係る資金等につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、必要に応じて金融機関からの借入等による資金調達にて対応してまいります。
株主還元につきましては、各期の連結業績や連結配当性向、将来の国内外での事業展開及び経営基盤の強化を図るための内部留保を総合的に勘案しながら、安定的且つ継続的に配当を実施することを基本方針としております。この方針の下、株主の皆様のご期待にお応えするべく、配当による更なる利益還元を推し進めていきたいと考えております。配当政策に関する詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりです。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、組織体制、法的規制等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。