有価証券報告書-第93期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調で推移してまいりました。しかしながら、通商問題を巡る緊張など海外経済の動向や金融資本市場の変動の影響などに加え、直近では新型コロナウイルス感染症が世界中に拡大し内外経済に大きな影響を与えた結果、急速に厳しい状況に転じ、依然として先行きの不透明な状態が続いております。
こうした環境下、「2019年日本の広告費」(暦年、㈱電通発表)によりますと、日本の総広告費は6兆9,381億円(前年比6.2%増)と8年連続のプラス成長となりましたが、そのうちの地上波テレビ広告費は1兆7,345億円(同2.8%減)、衛星メディア関連は1,267億円(同0.6%減)、ラジオ広告費は1,260億円(同1.4%減)となりました。インターネット広告費は、2兆円を超え、初めてテレビメディア広告費を上回りました。
また、テレビ広告市況はスポット広告費の関東地区投下量が前年比93.5%と大変厳しい状況で推移いたしました。
このような状況の下、当連結会計年度における当社グループの連結売上高は、関東地区投下量が低調に推移したスポット収入の減収、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う興行収入の減収、及びタイム収入の反動減などにより、3,567億9千6百万円(前年比2.6%減)となりました。
売上原価と販売費及び一般管理費を合わせた営業費用は、前年の大型スポーツ単発に係る制作費や放送権料の反動減などにより、3,436億9千2百万円(前年比1.2%減)となりました。
この結果、営業利益は131億3百万円(前年比29.4%減)となりました。また、経常利益は受取配当金の減少などにより212億7千4百万円(同26.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は特別利益に投資有価証券売却益が計上されたことなどにより301億7千4百万円(同19.7%増)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
当社は2019年5月14日開催の取締役会において、セグメント区分を変更することを決議いたしました。
前連結会計年度において「放送事業」、「映像・文化事業」、「不動産事業」としていたものを、当連結会計年度より「メディア・コンテンツ事業」、「ライフスタイル事業」、「不動産・その他事業」に変更いたしました。
報告セグメントの業績の状況は以下の通りであります。なお、前連結会計年度の数値については変更後の区分により作成したものを記載しております。
◇メディア・コンテンツ事業セグメント
メディア・コンテンツ事業セグメントの当連結会計年度の売上高は2,702億6千5百万円(前年比2.8%減)、営業利益は、24億9百万円(同69.5%減)となりました。
㈱TBSテレビのテレビ部門の当連結会計年度の売上高につきましては、41億6百万円減収の1,820億8千3百万円(前年比2.2%減)となりました。このうち、タイム収入が872億3千万円(同0.8%減)、スポット収入が792億7千5百万円(同5.2%減)、国内番販や無料動画配信での広告収入を含むコンテンツ収入が108億9千2百万円(同0.6%増)となりました。タイム収入については、レギュラー番組が堅調に推移した他、「世界陸上2019 ドーハ」など単発セールが寄与しましたが、前年の「アジア大会2018 ジャカルタ」や「2018 FIFA ワールドカップ ロシア」の売上をカバーするには至りませんでした。スポットセールスについては、広告主の関東地区投下量が前年比6.5%減と低調に推移する中、5局シェアは19.3%と前年比で0.2ポイント増加したものの、前年を割り込む結果となりました。コンテンツ収入については、無料動画配信の需要増などが貢献し、ワールドカップ広告収入があった前年を上回り増収となりました。
㈱TBSテレビの事業部門の当連結会計年度の売上高につきましては、29億2千6百万円減収の253億4百万円(前年比10.4%減)となりました。
催事では、10月に国立西洋美術館にて開催した「ハプスブルク展 600年にわたる帝国コレクションの歴史」が39.5万人を超える動員を記録し、また、11月に国立科学博物館にて開催した「特別展 ミイラ ~『永遠の命』を求めて」が46万人を超える動員を記録しました。興行では、アジア初の360度シアターである「IHIステージアラウンド東京」での「BOUM!BOUM!BOUM!香取慎吾NIPPON初個展」などが好調に推移しました。しかし、前年の「髑髏城の七人」シリーズや「スターズ・オン・アイス2018」の反動減や、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う公演中止などにより、催事・興行全体としては減収となりました。映画事業は、9月公開の映画「かぐや様は告らせたい 〜天才たちの恋愛頭脳戦〜」(出演:平野紫耀、橋本環奈ほか、監督:河合勇人)の大ヒットなどがありましたが、新作タイトル数が前年と比較して少なかったことや、2月以降の来場者数が減少したことなどから減収となりました。
メディアビジネス関連では、動画配信事業や映像コンテンツ事業が堅調に推移し増収となった一方で、海外事業における中国を中心とするアジア地域への番販の苦戦などによる減収や、ライセンス事業における商品化の不調などにより減収となりました。
㈱BS-TBSの当連結会計年度の売上高につきましては、タイムレギュラーが伸長したことや、ショッピング番組が堅調に推移したことにより、4億5千万円増収の168億4千9百万円(前年比2.7%増)となりました。
㈱TBSラジオの当連結会計年度の売上高につきましては、厳しいラジオ広告市況の中、2億1千7百万円減収の95億6千7百万円(前年比2.2%減)となりました。
費用面において、前年の大型スポーツ単発に係る制作費や放送権料反動減などがありましたが、同セグメントにおける営業利益は54億8千1百万円減益となる24億9百万円(前年比69.5%減)となりました。
◇ライフスタイル事業セグメント
ライフスタイル事業セグメントの当連結会計年度の売上高は、700億7百万円(前年比2.6%減)、営業利益は27億5千1百万円(同5.0%減)となりました。
㈱スタイリングライフ・ホールディングスで中核の小売事業「プラザスタイルカンパニー」は、化粧品の売上などは好調に推移していったものの、暖冬の影響もあり生活雑貨や衣料品は不調でした。化粧品事業「BCLカンパニー」では、中国などのアジア地域を中心に海外への販売が苦戦しました。また、消費税増税後に消費が落ち込んだことや、直近では新型コロナウイルス感染症拡大の営業活動への影響が甚大であったことなどにより、減収・減益となりました。
◇不動産・その他事業セグメント
不動産・その他事業セグメントの当連結会計年度の売上高は165億2千3百万円(前年比1.6%増)、営業利益79億4千2百万円(同2.0%増)となりました。
収入面では、赤坂Bizタワーが引き続き高い稼働を維持していることや、当社敷地に隣接するビル「ザ・へクサゴン」の収入が加わったことなどにより増収となりました。費用面においては、修繕費などの増加がありましたが、増益となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は850億5千9百万円で、前連結会計年度末に比べて130億2千6百万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、214億6百万円の収入になりました(前年同期は352億1千5百万円の収入)。主な増額要因は、税金等調整前当期純利益468億6千7百万円、減価償却費148億4千3百万円、売上債権の減少額15億2百万円など、一方、主な減額要因は、投資有価証券売却益273億3千9百万円、法人税等の支払額139億1千万円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、59億6千2百万円の収入となりました(前年同期は215億8千8百万円の支出)。主な内訳は、投資有価証券の売却による収入284億3千4百万円、有形固定資産の取得による支出155億5千万円、無形固定資産の取得による支出21億4千3百万円、投資有価証券の取得による支出23億2千万円、関係会社株式の取得による支出14億8千5百万円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、142億2百万円の支出となりました(前年同期は243億8千7百万円の支出)。主な内訳は、長期借入金の返済による支出12億円、自己株式取得による支出39億9千1百万円、配当金の支払額52億3千5百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出30億円などであります。
③ 販売の実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高及び営業利益
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」にて記載したとおりです。
b.経常利益
営業外収益は97億1千2百万円で、20億6千1百万円の減少となりました。受取配当金が16億6千7百万円減少したことが主な要因です。営業外費用は15億4千1百万円でほぼ前連結会計年度並みでしたが、支払利息が2億1百万円減少、持分法による投資損失が1億4千3百万円減少しております。
この結果、当連結会計年度における経常利益は212億7千4百万円で、75億6千万円、26.2%の減益となりました。
c.親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益は273億6千5百万円で、145億1千5百万円の増加となりました。投資有価証券売却益273億3千9百万円を計上しました。
特別損失は17億7千2百万円で、9千3百万円の増加となりました。減損損失8億3千5百万円、投資有価証券評価損8億2千1百万円、組織再編関連費用1億1千4百万円を計上しました。
この結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は301億7千4百万円で、49億6千9百万円、19.7%の増益となりました。
② 財政状態に関する分析
当連結会計年度末における資産合計は7,830億2千4百万円で、前連結会計年度末に比べて154億5千6百万円の減少となりました。現金及び預金が131億2千6百万円増加、有形固定資産が建設仮勘定の増加等により42億3千8百万円増加した一方、保有する株式の売却及び含み益の減少等により投資有価証券が316億3千3百万円減少したことなどによります。
負債合計は1,910億9千3百万円で、前連結会計年度末に比べて60億9千6百万円の減少となりました。支払手形及び買掛金が6億9千8百万円増加、未払金が11億2千2百万円増加、未払法人税等が11億7百万円増加した一方、長期借入金(1年内返済予定分含む)が返済により12億円減少、保有する株式の売却及び含み益の減少等により繰延税金負債が59億2千5百万円減少したことなどによります。
純資産合計は5,919億3千1百万円で、前連結会計年度末に比べて93億6千万円の減少となりました。親会社株主に帰属する当期純利益の計上や配当金の支払いにより、利益剰余金が差し引き247億7千8百万円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が276億3千4百万円減少したことなどによります。
この結果、自己資本比率は73.9%、1株当たりの純資産は3,356円30銭となっております。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」にて記載したとおりです。
b.資本の財源及び資金の流動性
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローは前年を138億円下回りましたが、投資有価証券の売却収入を284億円計上、また、前年より借入金の返済が少なかったため、手元資金は130億円増加しました。短期的な設備投資や戦略的投資は、現在のところ手元資金と通年の営業キャッシュ・フローで賄える見込みですが、新型コロナウイルスの感染拡大が当社のキャッシュ・フロー予想に影響を与える場合には、機動的な資金調達を検討してまいります。
④ 重要な会計の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に際し、見積り及び仮定設定が決算数値に大きく影響を与えることを考慮し、当社グループでは特に更生債権、投資、賞与、退職金、偶発債務や訴訟等に関する見積り及び判断に対して、継続して慎重に評価及び測定を行っております。経営陣は発生した事象に関して、過去の実績や状況等様々な要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果を決算数値に反映させております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があり、また今後の新型コロナウイルス感染症の拡大の如何によりましては、これらの見積りが異なる場合があります。
当社は、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a.貸倒引当金
当社グループは、債務者の支払不能時に発生する損失の見積額について貸倒引当金を計上しております。債務者の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当てが必要となる可能性があります。
b.投資の減損
当社グループは、所有する有価証券、投資有価証券及び出資金の投資価値が著しく下落し、回復の見込みがないと判断した場合、これらにつきまして評価損を計上しております。将来の株式市場の低迷または投資先の財政状態の悪化により、評価損の計上が必要となる可能性があります。
当連結会計年度におきましては、投資有価証券の評価損8億2千1百万円を計上しております。
c.繰延税金資産
当社グループでは、繰延税金資産の算定に当たって慎重な判断を行い、評価性引当額を計上することによって実現可能性の高い金額への修正を行っております。評価性引当額の必要性を評価するに当たっては、将来の課税所得と継続的な税務計画を慎重に判断しております。
d.退職給付債務及び費用
当社グループの従業員退職給付債務及び費用は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出し、また、一部の子会社については簡便法を採用して当社グループの連結財務諸表に計上しております。
割引率は、主として安全性の高い長期の債券の市場利回りを基準に算出しております。なお、年金資産の長期期待運用収益率は2.9%としております。
数理計算上の差異は主として発生年度の翌連結会計年度に償却しておりますが、スタイリングライフグループにおいては、数理計算上の差異及び過去勤務費用を従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(11~13年)で償却しております。
e.固定資産の減損
事業用資産の収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合、減損の計上が必要となる可能性があります。
当連結会計年度におきましては、固定資産の減損損失8億3千5百万円を計上しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調で推移してまいりました。しかしながら、通商問題を巡る緊張など海外経済の動向や金融資本市場の変動の影響などに加え、直近では新型コロナウイルス感染症が世界中に拡大し内外経済に大きな影響を与えた結果、急速に厳しい状況に転じ、依然として先行きの不透明な状態が続いております。
こうした環境下、「2019年日本の広告費」(暦年、㈱電通発表)によりますと、日本の総広告費は6兆9,381億円(前年比6.2%増)と8年連続のプラス成長となりましたが、そのうちの地上波テレビ広告費は1兆7,345億円(同2.8%減)、衛星メディア関連は1,267億円(同0.6%減)、ラジオ広告費は1,260億円(同1.4%減)となりました。インターネット広告費は、2兆円を超え、初めてテレビメディア広告費を上回りました。
また、テレビ広告市況はスポット広告費の関東地区投下量が前年比93.5%と大変厳しい状況で推移いたしました。
このような状況の下、当連結会計年度における当社グループの連結売上高は、関東地区投下量が低調に推移したスポット収入の減収、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う興行収入の減収、及びタイム収入の反動減などにより、3,567億9千6百万円(前年比2.6%減)となりました。
売上原価と販売費及び一般管理費を合わせた営業費用は、前年の大型スポーツ単発に係る制作費や放送権料の反動減などにより、3,436億9千2百万円(前年比1.2%減)となりました。
この結果、営業利益は131億3百万円(前年比29.4%減)となりました。また、経常利益は受取配当金の減少などにより212億7千4百万円(同26.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は特別利益に投資有価証券売却益が計上されたことなどにより301億7千4百万円(同19.7%増)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
当社は2019年5月14日開催の取締役会において、セグメント区分を変更することを決議いたしました。
前連結会計年度において「放送事業」、「映像・文化事業」、「不動産事業」としていたものを、当連結会計年度より「メディア・コンテンツ事業」、「ライフスタイル事業」、「不動産・その他事業」に変更いたしました。
報告セグメントの業績の状況は以下の通りであります。なお、前連結会計年度の数値については変更後の区分により作成したものを記載しております。
| 売上高 | セグメント利益 | |||||
| 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 増減 (%) | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 増減 (%) | |
| メディア・コンテンツ事業 | 278,188 | 270,265 | △2.8% | 7,890 | 2,409 | △69.5% |
| ライフスタイル事業 | 71,895 | 70,007 | △2.6% | 2,895 | 2,751 | △5.0% |
| 不動産・その他事業 | 16,268 | 16,523 | 1.6% | 7,787 | 7,942 | 2.0% |
| 調整額 | - | - | -% | △0 | 0 | -% |
| 合計 | 366,353 | 356,796 | △2.6% | 18,572 | 13,103 | △29.4% |
◇メディア・コンテンツ事業セグメント
メディア・コンテンツ事業セグメントの当連結会計年度の売上高は2,702億6千5百万円(前年比2.8%減)、営業利益は、24億9百万円(同69.5%減)となりました。
㈱TBSテレビのテレビ部門の当連結会計年度の売上高につきましては、41億6百万円減収の1,820億8千3百万円(前年比2.2%減)となりました。このうち、タイム収入が872億3千万円(同0.8%減)、スポット収入が792億7千5百万円(同5.2%減)、国内番販や無料動画配信での広告収入を含むコンテンツ収入が108億9千2百万円(同0.6%増)となりました。タイム収入については、レギュラー番組が堅調に推移した他、「世界陸上2019 ドーハ」など単発セールが寄与しましたが、前年の「アジア大会2018 ジャカルタ」や「2018 FIFA ワールドカップ ロシア」の売上をカバーするには至りませんでした。スポットセールスについては、広告主の関東地区投下量が前年比6.5%減と低調に推移する中、5局シェアは19.3%と前年比で0.2ポイント増加したものの、前年を割り込む結果となりました。コンテンツ収入については、無料動画配信の需要増などが貢献し、ワールドカップ広告収入があった前年を上回り増収となりました。
㈱TBSテレビの事業部門の当連結会計年度の売上高につきましては、29億2千6百万円減収の253億4百万円(前年比10.4%減)となりました。
催事では、10月に国立西洋美術館にて開催した「ハプスブルク展 600年にわたる帝国コレクションの歴史」が39.5万人を超える動員を記録し、また、11月に国立科学博物館にて開催した「特別展 ミイラ ~『永遠の命』を求めて」が46万人を超える動員を記録しました。興行では、アジア初の360度シアターである「IHIステージアラウンド東京」での「BOUM!BOUM!BOUM!香取慎吾NIPPON初個展」などが好調に推移しました。しかし、前年の「髑髏城の七人」シリーズや「スターズ・オン・アイス2018」の反動減や、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う公演中止などにより、催事・興行全体としては減収となりました。映画事業は、9月公開の映画「かぐや様は告らせたい 〜天才たちの恋愛頭脳戦〜」(出演:平野紫耀、橋本環奈ほか、監督:河合勇人)の大ヒットなどがありましたが、新作タイトル数が前年と比較して少なかったことや、2月以降の来場者数が減少したことなどから減収となりました。
メディアビジネス関連では、動画配信事業や映像コンテンツ事業が堅調に推移し増収となった一方で、海外事業における中国を中心とするアジア地域への番販の苦戦などによる減収や、ライセンス事業における商品化の不調などにより減収となりました。
㈱BS-TBSの当連結会計年度の売上高につきましては、タイムレギュラーが伸長したことや、ショッピング番組が堅調に推移したことにより、4億5千万円増収の168億4千9百万円(前年比2.7%増)となりました。
㈱TBSラジオの当連結会計年度の売上高につきましては、厳しいラジオ広告市況の中、2億1千7百万円減収の95億6千7百万円(前年比2.2%減)となりました。
費用面において、前年の大型スポーツ単発に係る制作費や放送権料反動減などがありましたが、同セグメントにおける営業利益は54億8千1百万円減益となる24億9百万円(前年比69.5%減)となりました。
◇ライフスタイル事業セグメント
ライフスタイル事業セグメントの当連結会計年度の売上高は、700億7百万円(前年比2.6%減)、営業利益は27億5千1百万円(同5.0%減)となりました。
㈱スタイリングライフ・ホールディングスで中核の小売事業「プラザスタイルカンパニー」は、化粧品の売上などは好調に推移していったものの、暖冬の影響もあり生活雑貨や衣料品は不調でした。化粧品事業「BCLカンパニー」では、中国などのアジア地域を中心に海外への販売が苦戦しました。また、消費税増税後に消費が落ち込んだことや、直近では新型コロナウイルス感染症拡大の営業活動への影響が甚大であったことなどにより、減収・減益となりました。
◇不動産・その他事業セグメント
不動産・その他事業セグメントの当連結会計年度の売上高は165億2千3百万円(前年比1.6%増)、営業利益79億4千2百万円(同2.0%増)となりました。
収入面では、赤坂Bizタワーが引き続き高い稼働を維持していることや、当社敷地に隣接するビル「ザ・へクサゴン」の収入が加わったことなどにより増収となりました。費用面においては、修繕費などの増加がありましたが、増益となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は850億5千9百万円で、前連結会計年度末に比べて130億2千6百万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、214億6百万円の収入になりました(前年同期は352億1千5百万円の収入)。主な増額要因は、税金等調整前当期純利益468億6千7百万円、減価償却費148億4千3百万円、売上債権の減少額15億2百万円など、一方、主な減額要因は、投資有価証券売却益273億3千9百万円、法人税等の支払額139億1千万円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、59億6千2百万円の収入となりました(前年同期は215億8千8百万円の支出)。主な内訳は、投資有価証券の売却による収入284億3千4百万円、有形固定資産の取得による支出155億5千万円、無形固定資産の取得による支出21億4千3百万円、投資有価証券の取得による支出23億2千万円、関係会社株式の取得による支出14億8千5百万円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、142億2百万円の支出となりました(前年同期は243億8千7百万円の支出)。主な内訳は、長期借入金の返済による支出12億円、自己株式取得による支出39億9千1百万円、配当金の支払額52億3千5百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出30億円などであります。
③ 販売の実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| メディア・コンテンツ事業 | 270,265 | △2.8 |
| ライフスタイル事業 | 70,007 | △2.6 |
| 不動産・その他事業 | 16,523 | 1.6 |
| 合計 | 356,796 | △2.6 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| ㈱電通 | 104,309 | 28.5 | 100,030 | 28.0 |
| ㈱博報堂DYメディアパートナーズ | 53,749 | 14.7 | 51,948 | 14.6 |
3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高及び営業利益
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」にて記載したとおりです。
b.経常利益
営業外収益は97億1千2百万円で、20億6千1百万円の減少となりました。受取配当金が16億6千7百万円減少したことが主な要因です。営業外費用は15億4千1百万円でほぼ前連結会計年度並みでしたが、支払利息が2億1百万円減少、持分法による投資損失が1億4千3百万円減少しております。
この結果、当連結会計年度における経常利益は212億7千4百万円で、75億6千万円、26.2%の減益となりました。
c.親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益は273億6千5百万円で、145億1千5百万円の増加となりました。投資有価証券売却益273億3千9百万円を計上しました。
特別損失は17億7千2百万円で、9千3百万円の増加となりました。減損損失8億3千5百万円、投資有価証券評価損8億2千1百万円、組織再編関連費用1億1千4百万円を計上しました。
この結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は301億7千4百万円で、49億6千9百万円、19.7%の増益となりました。
② 財政状態に関する分析
当連結会計年度末における資産合計は7,830億2千4百万円で、前連結会計年度末に比べて154億5千6百万円の減少となりました。現金及び預金が131億2千6百万円増加、有形固定資産が建設仮勘定の増加等により42億3千8百万円増加した一方、保有する株式の売却及び含み益の減少等により投資有価証券が316億3千3百万円減少したことなどによります。
負債合計は1,910億9千3百万円で、前連結会計年度末に比べて60億9千6百万円の減少となりました。支払手形及び買掛金が6億9千8百万円増加、未払金が11億2千2百万円増加、未払法人税等が11億7百万円増加した一方、長期借入金(1年内返済予定分含む)が返済により12億円減少、保有する株式の売却及び含み益の減少等により繰延税金負債が59億2千5百万円減少したことなどによります。
純資産合計は5,919億3千1百万円で、前連結会計年度末に比べて93億6千万円の減少となりました。親会社株主に帰属する当期純利益の計上や配当金の支払いにより、利益剰余金が差し引き247億7千8百万円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が276億3千4百万円減少したことなどによります。
この結果、自己資本比率は73.9%、1株当たりの純資産は3,356円30銭となっております。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」にて記載したとおりです。
b.資本の財源及び資金の流動性
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローは前年を138億円下回りましたが、投資有価証券の売却収入を284億円計上、また、前年より借入金の返済が少なかったため、手元資金は130億円増加しました。短期的な設備投資や戦略的投資は、現在のところ手元資金と通年の営業キャッシュ・フローで賄える見込みですが、新型コロナウイルスの感染拡大が当社のキャッシュ・フロー予想に影響を与える場合には、機動的な資金調達を検討してまいります。
④ 重要な会計の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に際し、見積り及び仮定設定が決算数値に大きく影響を与えることを考慮し、当社グループでは特に更生債権、投資、賞与、退職金、偶発債務や訴訟等に関する見積り及び判断に対して、継続して慎重に評価及び測定を行っております。経営陣は発生した事象に関して、過去の実績や状況等様々な要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果を決算数値に反映させております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があり、また今後の新型コロナウイルス感染症の拡大の如何によりましては、これらの見積りが異なる場合があります。
当社は、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a.貸倒引当金
当社グループは、債務者の支払不能時に発生する損失の見積額について貸倒引当金を計上しております。債務者の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当てが必要となる可能性があります。
b.投資の減損
当社グループは、所有する有価証券、投資有価証券及び出資金の投資価値が著しく下落し、回復の見込みがないと判断した場合、これらにつきまして評価損を計上しております。将来の株式市場の低迷または投資先の財政状態の悪化により、評価損の計上が必要となる可能性があります。
当連結会計年度におきましては、投資有価証券の評価損8億2千1百万円を計上しております。
c.繰延税金資産
当社グループでは、繰延税金資産の算定に当たって慎重な判断を行い、評価性引当額を計上することによって実現可能性の高い金額への修正を行っております。評価性引当額の必要性を評価するに当たっては、将来の課税所得と継続的な税務計画を慎重に判断しております。
d.退職給付債務及び費用
当社グループの従業員退職給付債務及び費用は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出し、また、一部の子会社については簡便法を採用して当社グループの連結財務諸表に計上しております。
割引率は、主として安全性の高い長期の債券の市場利回りを基準に算出しております。なお、年金資産の長期期待運用収益率は2.9%としております。
数理計算上の差異は主として発生年度の翌連結会計年度に償却しておりますが、スタイリングライフグループにおいては、数理計算上の差異及び過去勤務費用を従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(11~13年)で償却しております。
e.固定資産の減損
事業用資産の収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合、減損の計上が必要となる可能性があります。
当連結会計年度におきましては、固定資産の減損損失8億3千5百万円を計上しております。