有価証券報告書-第94期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用している。
これに伴う売上高に対する影響は、軽微なものとなっている。そのため、当連結会計年度における経営成績に関する説明は、売上高について前連結会計年度と比較しての増減額及び前年同期比(%)を記載して説明している。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりである。
① 経営成績の状況
当連結会計年度の日本経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい状況が続く中、持ち直しの動きがみられるものの、緊迫するウクライナ情勢や原油・資源価格の高騰、円安の進行など先行きについては予断を許さない状況にある。
長野県経済も同様であり、一部に回復に向けた動きが見られるものの、先行きが不透明な状況にある。
こうした状況の中、創立70周年となる当連結会計年度は、放送関連事業において数々の記念事業やラジオ、テレビの特別番組を展開した。
放送関連事業においては、広告収入は前連結会計年度の大幅な減少から持ち直したものの、十分な回復とも言えず大変厳しい環境で推移した。ラジオ部門・テレビ部門共にタイム・スポット収入は前連結会計年度の新型コロナウイルス感染症の影響による、経済活動の抑制等大幅な減少から回復したため、放送関連事業売上高は、ラジオ部門は前期比4.9%増、テレビ部門は前期比2.0%増となり、事業部門は創立70周年事業の実施などにより、事業収入は前期比77.5%増となった。放送関連事業全体では、前期比5.6%増となった。
放送活動では、ラジオ部門では、SBCラジオスペシャル「Lost and Found~家族と故郷を失った父と娘の10年~」が第76回文化庁芸術祭ラジオ部門と日本民間放送連盟賞ラジオ報道番組部門で優秀賞を受賞した。テレビ部門では、「SBCスペシャル まぼろしのひかり~原発と故郷の山~」が、日本民間放送連盟賞のテレビ報道番組部門と、第41回「地方の時代」映像祭放送局部門でそれぞれ優秀賞に選ばれ、また「SBCスペシャル とうちゃんは茅葺師」が日本民間放送連盟賞のテレビエンターテイメント番組部門で優秀賞を、さらに民間放送教育協会の「日本のチカラ」で放送したリメイク版が文部科学大臣賞と第63回科学技術映像祭教育・教養部門の優秀賞を受賞した。このほか第37回民教協スペシャル「虐待を受けて育った姉妹の話(仮題)」が最優秀企画賞を受け、2023年2月の放送に向け鋭意制作を進めている。
創立70周年企画について、ラジオ部門では、年度を通じ「信州の音私の音」を実施、リスナーから寄せられた様々な「音」を放送した。3月21日から3月27日は「ありがとう70年 笑顔いっぱいweek」、21日は長野市芸術館で記念コンサート、平日のワイド番組は70周年にちなんだ企画を展開、信州松本を舞台にしたラジオドラマ「シンフォニー」には、アナウンサー、パーソナリティ、地元高校生なども声優として出演した。テレビ部門では、8月に国内外で活躍する県内出身者が子供たちに向けてメッセージを送る「未来はキミを待っている」を、10月に「レッツゴーSchool~夢テレビ名シーン大集合!~」を制作し、それぞれ2時間にわたって放送した。事業部門では、創立70周年記念映画「ペルセポネーの泪」の製作・劇場公開により県内外の話題を集めた。同じく70周年記念として美術展「東山魁夷・唐招提寺御影堂障壁画展」を長野県立美術館で開催し、目標を大きく上回る約6万1,000人のお客様にご来場いただいた。
不動産関連事業においては、ハウジング事業では引き続きコロナ禍の影響を大きく受け、企画催し物の実施が困難な状況が続いた。不動産管理事業では放送関連事業のバックアップのほか、効率的な不動産運用を行った。この結果、不動産関連事業売上高は、前期比4.6%減となった。
なお、持分法適用会社である情報処理事業の株式会社電算は、公共分野では、長野県次世代業務環境構築業務にかかる機器販売、新型コロナワクチン接種に関する案件の対応、介護保険等の法制度改正対応、基幹系・情報系システム及び共同利用型システムのリプレイス等で売上、利益を確保し、産業分野では、生産管理システム・販売管理システム・リース業務パッケージ等の導入及び医療福祉機関向けの病院総合情報システムや介護支援システムのリプレイス並びに機器販売等で売上、利益を確保したことにより増収増益となった。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高が6,950百万円と前連結会計年度に比べ285百万円(4.3%)の増収となり、利益については、営業利益は172百万円と前連結会計年度に比べ156百万円(955.4%)の増益、経常利益は690百万円と前連結会計年度に比べ295百万円(74.9%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は571百万円と前連結会計年度に比べ531百万円(1,328.4%)の増益となった。
なお、新型コロナウイルス感染症及びウクライナ情勢の収束時期は依然として不透明な状況で、イベントの開催条件の変更や企業の広告出稿の回復が一定程度に留まる見込みであり、新型コロナウイルス感染症及びウクライナ情勢の影響に関する仮定については、現時点では通年にわたって不安定な状況が続くという仮定のもと、当社グループは連結財務諸表作成時点で入手可能な情報に基づいて会計上の見積りを行っているが、新型コロナウイルス及びウクライナ情勢による経済活動への影響は不確実性が高いため、仮定に変化が生じた場合には、将来の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。
セグメントのごとの経営成績は、次のとおりである。
放送関連事業
放送関連事業においては、創立70周年となる当連結会計年度は、数々の記念事業やラジオ、テレビの特別番組を展開した。放送関連事業の各部門の当連結会計年度における活動は以下のとおりである。
(ラジオ部門)
平日の3つのワイド番組「ラジオJ」「坂ちゃんのずくだせえぶりでい」「ミックスプラス」、週末の2つのワイド番組「武田徹のつれづれ散歩道」「ともラジ」を柱に地域情報を発信した。4月改編では日曜日の「日曜音楽夢工房」を終了してJRN全国ネット番組「地方創生プログラム ONE-J」を編成、全国に向けて定期的に長野県の話題を発信している。
8月の県内を襲った大雨では、14日の未明から15日の夜にかけて、定時ニュースの他に随時特別枠を設けて最新の情報を発信し続け、災害時におけるラジオの役割を果たした。
SBCラジオは現在AMとワイドFMで放送しているが、2028年秋をめどにFM局への転換を目指すことを、キー局を含む全国のAM局44社とともに6月に発表した。今後さらにFMの聴取者数を増やすという課題への取り組みを強化し、合わせてradikoとそれに伴うスマートフォン、スマートスピーカーなどの聴取デバイスへの対応を推進する所存である。
(テレビ部門)
当連結会計年度は、終息が見えない新型コロナウイルスへの対策と経済再開のはざまで揺れた1年となったが、当社では、「SBCニュースワイド」と情報番組「ずくだせテレビ」を中心に県内の感染状況を伝えたほか、社会に拡がる影響について詳しく放送した。
政治では、解散から投票まで史上最短となった第49回衆議院議員総選挙が10月31日に行われ、投開票日に全国情勢を伝える特別番組内で県内情勢を伝えたほか、同日に行われた長野市長選挙の結果も速報した。「SBCニュースワイド」の年間平均視聴率は8.3%であった。「SBCスペシャル」は1992年のスタート以来、ドキュメンタリーや旅・グルメ情報まで幅広い情報を県民に伝えてきた。2021年度の平均視聴率は、14.0%と歴代最高を記録した。平日午後の情報ワイド「ずくだせテレビ」は6年目に入り、新型コロナウイルス関連の情報を迅速に伝えるとともに、SDGsに関わる特集などにも力を入れた。年間平均視聴率は番組歴代2位の4.9%となった。
スポーツでは、サッカーJリーグの松本山雅FC及びAC長野パルセイロ県内両クラブのホーム全試合の中継をJリーグから当社が受託し、ストリーミングサービス「DAZN」で配信された。実況などで3つの賞を得て、Jリーグから中継技術を高く評価された。
10月にスタートしたTBS系情報番組「THE TIME,」の目玉企画・列島中継では県内から3月までに8回発信した。
アナウンス部では、2021年度も民間放送教育協会が行う子供たちへの読み聞かせ事業を計4か所で実施した。
当社では、これからも、地域に正対し、県民の暮らしに寄り添った情報をお伝えする所存である。
事業活動はコロナ禍の影響を大きく受け、「SBCくらしフェア」「大人の文化祭」「信濃の国楽市楽座」など、これまで多数の来場者を動員してきた大型イベントが、いずれも2年続けて開催中止となった。
一方で創立70周年記念事業では、映画「ペルセポネーの泪」の製作・劇場公開により県内外の話題を集め、同じく70周年記念として美術展「東山魁夷・唐招提寺御影堂障壁画展」を長野県立美術館で開催し、目標を大きく上回る約6万1,000人のお客様にご来場いただいた。スポーツイベントでは感染症対策を徹底しながら「第30回長野県市町村対抗駅伝競走大会」を2年ぶりに松本市で開催し、一般35チーム、小学生43チームが参加した。
「Yes,ものづくりナガノキャンペーン」では12回目となる「ものづくり大賞NAGANO2021」で、ものづくり大賞3社などを選定し表彰した。また長野県学校科学教育奨励基金では、今年度22件の研究テーマに対して奨励金を交付し、うち4件をSBC学校科学大賞・優秀賞・奨励賞として表彰した。
(技術部門)
テレビでは、2021年5月にマスター・統合バンク・営放システムをJNN系列共通仕様で更新し、特番対応などの使い勝手や監視強化など機能や安定性が向上している。
ラジオでは、radikoとAM放送のCM2元化に対応し、2022年12月更新に向けて新ラジオマスターの仕様検討を進めた。
送信では、テレビ中継局の保守整備を県内放送局と共同で実施し、飯山と真田TV中継局の放送機を民放共同で更新するなど、信頼性の向上や事故防止に努めた。
番組制作では、長野県市町村対抗駅伝の制作を本社をセンターサブにしたリモート形式で実施した。サッカーJ2リーグ松本山雅FCとJ3リーグAC長野パルセイロのホーム戦全試合について、Jリーグの公式中継映像を制作し「DAZN」で配信、年間ベストゴール賞を受賞し高い評価を得た。
番組制作設備では、報道制作素材サーバ、小型中継車、SNG基地局および車載局の更新検討や工事を進めた。
以上の結果、放送関連事業全体では、売上高は6,134百万円と前連結会計年度に比べ324百万円(5.6%)の増収、営業利益は50百万円(前連結会計年度は営業損失122百万円)となった。
最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりである。
不動産関連事業
不動産・不動産管理運営に関しては、主たる「TOiGO」関連の事業については、継続して効率化を図り、経費の削減に努めた。一方で、ハウジング事業については、コロナ禍の影響を大きく受け減収となった。
この結果、不動産関連事業の売上高は815百万円と前連結会計年度に比べ39百万円(4.6%)の減収、営業利益は121百万円と前連結会計年度に比べ16百万円(12.1%)の減益となった。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ341百万円増加し、30,461百万円となった。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ161百万円減少し、3,521百万円となった。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ502百万円増加し、26,939百万円となった。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益678百万円、減価償却費494百万円の計上等により、営業活動により得たキャッシュ・フローは、766百万円となり、固定資産の取得による支出等により、投資活動により使用した資金は318百万円となった。また、長期借入金及びリース債務の返済等により、財務活動により使用した資金は163百万円となり、これらにより資金は、前連結会計年度末に比べ283百万円増加し、当連結会計年度末には5,699百万円となった。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は766百万円(前連結会計年度比14.4%増)となった。
主なものは税金等調整前当期純利益が678百万円と前連結会計年度に比べ608百万円増加したこと及び減価償却費494百万円である。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は318百万円(前連結会計年度比35.8%減)となった。
これは主に有形固定資産の取得による支出326百万円等によるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は163百万円(前連結会計年度比91.8%増)となった。
主なものは、長期借入金の返済による支出85百万円、リース債務の返済による支出47百万円等である。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、テレビ及びラジオの一般放送、動産・不動産の売買及び不動産の管理・運営等その事業の性質上受注生産形態に馴染まない売上が多いため、生産規模及び受注規模を金額・数量で記載していない。
このため、生産、受注及び販売の実績は「①経営成績の状況」における各セグメントの業績にその概要を示している。
⑤ 次期の見通し
放送関連事業は、新型コロナウイルスの感染の継続により、番組のロケや収録の見合わせ、主催・共催イベントの延期・中止、自粛など、グループ全体の活動が制限されている。このような環境のもと、新型コロナウイルス感染症及びウクライナ情勢の収束時期が不透明なことによる企業活動の自粛による広告出稿の低下などの影響が、通年にわたって続き、全体として今後も不透明な状況が続くものと想定され、予断を許さない状況が続くと予想される。
当社グループは、県民に親しまれ必要とされる放送局として永続するため、引き続き競争力の強化を行うとともに経費削減等の実施により運転資金の効率化に努め、財務活動についても安定的で低コストの資金調達構造を構築し、また、事業に内在するリスクを分析・評価し、対応策を検討・実施することによって、課題を着実に解決し、当社グループの企業価値を高めていく所存である。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、判断したものである。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載している。
また、当社の連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析
a. 経営成績等
1) 財政状態
(流動資産) 当連結会計年度末における流動資産の残高は、8,154百万円(前連結会計年度末は7,924百万円)となり、230百万円増加した。主なものは、現金及び預金の増加によるものである。
(固定資産) 当連結会計年度末における固定資産の残高は、22,306百万円(前連結会計年度末は22,196百万円)と、110百万円増加した。主なものは、持分法による関係会社株式の増加によるものである。
(流動負債) 当連結会計年度末における流動負債の残高は、1,181百万円(前連結会計年度末は1,123百万円)となり、57百万円増加した。主なものは、買掛金及び未払金の増加である。
(固定負債) 当連結会計年度末における固定負債の残高は、2,340百万円(前連結会計年度末は2,558百万円)となり、218百万円減少した。主なものは、退職給付に係る負債の減少である。
(純資産) 当連結会計年度末における純資産の残高は、26,939百万円(前連結会計年度末は26,437百万円)となり、502百万円増加した。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加である。
なお、セグメント別の総資産は放送関連事業27,098百万円(前連結会計年度末は26,733百万円)、不動産関連事業3,363百万円(前連結会計年度末は3,386百万円)である。
2) 経営成績
(経営環境)
当連結会計年度の日本経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい状況が続く中、持ち直しの動きがみられるものの、緊迫するウクライナ情勢や原油・資源価格の高騰、円安の進行など先行きについては予断を許さない状況にある。
長野県経済も同様であり、一部に回復に向けた動きが見られるものの、先行きが不透明な状況にある。
当社グループの主たる事業活動である放送関連事業が属する放送業界においては、新型コロナウイルス感染症及びウクライナ情勢の影響により、経済活動の抑制に伴う広告出稿の低下、各種イベントの中止に加え、インターネット広告費が、テレビメディア広告費を超えその差が広がる懸念等、予断を許さない状況が続いている。
(売上高)
このような経営環境の中、当社グループの主力である広告収入において、視聴率・聴取率の改善を着実に進め、ラジオ部門・テレビ部門共にタイム・スポット収入が前連結会計年度の大幅に減少から回復したため、売上高は、6,950百万円と前連結会計年度に比べ285百万円(4.3%)の増収となった。
(売上原価)
売上原価は、前連結会計年度に比べ、2.9%増の3,329百万円となった。これは、主に放送関連事業における、新型コロナウイルス感染症によるイベントの中止等が前連結会計年度よりも緩和されたことに伴い、売上も増加し、原価が増加したためである。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ、1.0%増の3,448百万円となった。また、売上高販管費率は、49.6%(前連結会計年度比1.6ポイント減)となった。これは、主に放送関連事業において売上高の増加に対応したものである。
(営業利益)
以上の結果、営業利益は、前連結会計年度比955.4%増の172百万円となった。
(経常利益)
持分法適用関連会社の㈱電算の利益計上等により、持分法による投資利益371百万円(前連結会計年度比48.0%増)等により営業外収益は529百万円、営業外費用は11百万円となった。この結果、経常利益は、前連結会計年度比74.9%増の690百万円となった。
(税金等調整前当期純利益)
特別利益は、退職給付引当金戻入額等により103百万円を計上し、特別損失は、固定資産除却損及び投資有価証券評価損により115百万円となった。この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比859.2%増の678百万円となった。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等の負担額93百万円、非支配株主に帰属する当期純利益14百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は、571百万円(前連結会計年度比1,328.4%増)になった。
3) キャッシュ・フローの状況
当社グループの資金の状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載している。
b. 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
当社グループの収益は、主に広告収入であり、この広告収入に影響を与える主な直接的要因は、景気、技術革新、規制緩和及びメディア競争の激化等といった放送業界に影響を与える情勢による広告費の変動、当社グループの競争力の変動、広告主の媒体ニーズの変化等である。
これらの要因に対応しつつ、当社グループの事業活動を維持していくために、より良い番組作りへの取り組み、設備・人材育成への投資を行い、事業継続を可能たらしめる利益と資金を確保してゆく所存である。
c. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの当連結会計年度末における、総資産に占める有利子負債(リース債務は除く)は前連結会計年度と比べて0.3%減少し、0.8%となっている。今後とも、営業活動によるキャッシュ・フローにより有利子負債の削減を進めていく所存である。資金需要としては、主には設備投資資金として、放送関連事業における、デジタル放送設備の維持更新費、FM補完放送のための送信所建設及び送信機器購入費があるが、これらについては主に内部資金の活用により対応する予定である。
d. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、収益力の向上を図るため、売上高営業利益率と、キャッシュ・フローを重視している。当連結会計年度における、売上高営業利益率は2.5%となり、前連結会計年度と比べて2.2ポイント増加している。
また、キャッシュ・フローは、主に放送設備の新設・更新による支出、借入金及びリース債務の返済による支出を営業キャッシュ・フローにより補うことができ、前連結会計年度末に比べ283百万円増加し、現金及び現金同等物の期末残高は5,699百万円(前連結会計年度比5.2%増)となった。今後も、設備や人材育成への投資を進めつつ、売上高の拡大、コスト削減など利益率の向上を図り、売上高営業利益率及びキャッシュ・フローの更なる改善を目指す所存である。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用している。
これに伴う売上高に対する影響は、軽微なものとなっている。そのため、当連結会計年度における経営成績に関する説明は、売上高について前連結会計年度と比較しての増減額及び前年同期比(%)を記載して説明している。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりである。
① 経営成績の状況
当連結会計年度の日本経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい状況が続く中、持ち直しの動きがみられるものの、緊迫するウクライナ情勢や原油・資源価格の高騰、円安の進行など先行きについては予断を許さない状況にある。
長野県経済も同様であり、一部に回復に向けた動きが見られるものの、先行きが不透明な状況にある。
こうした状況の中、創立70周年となる当連結会計年度は、放送関連事業において数々の記念事業やラジオ、テレビの特別番組を展開した。
放送関連事業においては、広告収入は前連結会計年度の大幅な減少から持ち直したものの、十分な回復とも言えず大変厳しい環境で推移した。ラジオ部門・テレビ部門共にタイム・スポット収入は前連結会計年度の新型コロナウイルス感染症の影響による、経済活動の抑制等大幅な減少から回復したため、放送関連事業売上高は、ラジオ部門は前期比4.9%増、テレビ部門は前期比2.0%増となり、事業部門は創立70周年事業の実施などにより、事業収入は前期比77.5%増となった。放送関連事業全体では、前期比5.6%増となった。
放送活動では、ラジオ部門では、SBCラジオスペシャル「Lost and Found~家族と故郷を失った父と娘の10年~」が第76回文化庁芸術祭ラジオ部門と日本民間放送連盟賞ラジオ報道番組部門で優秀賞を受賞した。テレビ部門では、「SBCスペシャル まぼろしのひかり~原発と故郷の山~」が、日本民間放送連盟賞のテレビ報道番組部門と、第41回「地方の時代」映像祭放送局部門でそれぞれ優秀賞に選ばれ、また「SBCスペシャル とうちゃんは茅葺師」が日本民間放送連盟賞のテレビエンターテイメント番組部門で優秀賞を、さらに民間放送教育協会の「日本のチカラ」で放送したリメイク版が文部科学大臣賞と第63回科学技術映像祭教育・教養部門の優秀賞を受賞した。このほか第37回民教協スペシャル「虐待を受けて育った姉妹の話(仮題)」が最優秀企画賞を受け、2023年2月の放送に向け鋭意制作を進めている。
創立70周年企画について、ラジオ部門では、年度を通じ「信州の音私の音」を実施、リスナーから寄せられた様々な「音」を放送した。3月21日から3月27日は「ありがとう70年 笑顔いっぱいweek」、21日は長野市芸術館で記念コンサート、平日のワイド番組は70周年にちなんだ企画を展開、信州松本を舞台にしたラジオドラマ「シンフォニー」には、アナウンサー、パーソナリティ、地元高校生なども声優として出演した。テレビ部門では、8月に国内外で活躍する県内出身者が子供たちに向けてメッセージを送る「未来はキミを待っている」を、10月に「レッツゴーSchool~夢テレビ名シーン大集合!~」を制作し、それぞれ2時間にわたって放送した。事業部門では、創立70周年記念映画「ペルセポネーの泪」の製作・劇場公開により県内外の話題を集めた。同じく70周年記念として美術展「東山魁夷・唐招提寺御影堂障壁画展」を長野県立美術館で開催し、目標を大きく上回る約6万1,000人のお客様にご来場いただいた。
不動産関連事業においては、ハウジング事業では引き続きコロナ禍の影響を大きく受け、企画催し物の実施が困難な状況が続いた。不動産管理事業では放送関連事業のバックアップのほか、効率的な不動産運用を行った。この結果、不動産関連事業売上高は、前期比4.6%減となった。
なお、持分法適用会社である情報処理事業の株式会社電算は、公共分野では、長野県次世代業務環境構築業務にかかる機器販売、新型コロナワクチン接種に関する案件の対応、介護保険等の法制度改正対応、基幹系・情報系システム及び共同利用型システムのリプレイス等で売上、利益を確保し、産業分野では、生産管理システム・販売管理システム・リース業務パッケージ等の導入及び医療福祉機関向けの病院総合情報システムや介護支援システムのリプレイス並びに機器販売等で売上、利益を確保したことにより増収増益となった。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高が6,950百万円と前連結会計年度に比べ285百万円(4.3%)の増収となり、利益については、営業利益は172百万円と前連結会計年度に比べ156百万円(955.4%)の増益、経常利益は690百万円と前連結会計年度に比べ295百万円(74.9%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は571百万円と前連結会計年度に比べ531百万円(1,328.4%)の増益となった。
なお、新型コロナウイルス感染症及びウクライナ情勢の収束時期は依然として不透明な状況で、イベントの開催条件の変更や企業の広告出稿の回復が一定程度に留まる見込みであり、新型コロナウイルス感染症及びウクライナ情勢の影響に関する仮定については、現時点では通年にわたって不安定な状況が続くという仮定のもと、当社グループは連結財務諸表作成時点で入手可能な情報に基づいて会計上の見積りを行っているが、新型コロナウイルス及びウクライナ情勢による経済活動への影響は不確実性が高いため、仮定に変化が生じた場合には、将来の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。
セグメントのごとの経営成績は、次のとおりである。
放送関連事業
放送関連事業においては、創立70周年となる当連結会計年度は、数々の記念事業やラジオ、テレビの特別番組を展開した。放送関連事業の各部門の当連結会計年度における活動は以下のとおりである。
(ラジオ部門)
平日の3つのワイド番組「ラジオJ」「坂ちゃんのずくだせえぶりでい」「ミックスプラス」、週末の2つのワイド番組「武田徹のつれづれ散歩道」「ともラジ」を柱に地域情報を発信した。4月改編では日曜日の「日曜音楽夢工房」を終了してJRN全国ネット番組「地方創生プログラム ONE-J」を編成、全国に向けて定期的に長野県の話題を発信している。
8月の県内を襲った大雨では、14日の未明から15日の夜にかけて、定時ニュースの他に随時特別枠を設けて最新の情報を発信し続け、災害時におけるラジオの役割を果たした。
SBCラジオは現在AMとワイドFMで放送しているが、2028年秋をめどにFM局への転換を目指すことを、キー局を含む全国のAM局44社とともに6月に発表した。今後さらにFMの聴取者数を増やすという課題への取り組みを強化し、合わせてradikoとそれに伴うスマートフォン、スマートスピーカーなどの聴取デバイスへの対応を推進する所存である。
(テレビ部門)
当連結会計年度は、終息が見えない新型コロナウイルスへの対策と経済再開のはざまで揺れた1年となったが、当社では、「SBCニュースワイド」と情報番組「ずくだせテレビ」を中心に県内の感染状況を伝えたほか、社会に拡がる影響について詳しく放送した。
政治では、解散から投票まで史上最短となった第49回衆議院議員総選挙が10月31日に行われ、投開票日に全国情勢を伝える特別番組内で県内情勢を伝えたほか、同日に行われた長野市長選挙の結果も速報した。「SBCニュースワイド」の年間平均視聴率は8.3%であった。「SBCスペシャル」は1992年のスタート以来、ドキュメンタリーや旅・グルメ情報まで幅広い情報を県民に伝えてきた。2021年度の平均視聴率は、14.0%と歴代最高を記録した。平日午後の情報ワイド「ずくだせテレビ」は6年目に入り、新型コロナウイルス関連の情報を迅速に伝えるとともに、SDGsに関わる特集などにも力を入れた。年間平均視聴率は番組歴代2位の4.9%となった。
スポーツでは、サッカーJリーグの松本山雅FC及びAC長野パルセイロ県内両クラブのホーム全試合の中継をJリーグから当社が受託し、ストリーミングサービス「DAZN」で配信された。実況などで3つの賞を得て、Jリーグから中継技術を高く評価された。
10月にスタートしたTBS系情報番組「THE TIME,」の目玉企画・列島中継では県内から3月までに8回発信した。
アナウンス部では、2021年度も民間放送教育協会が行う子供たちへの読み聞かせ事業を計4か所で実施した。
当社では、これからも、地域に正対し、県民の暮らしに寄り添った情報をお伝えする所存である。
事業活動はコロナ禍の影響を大きく受け、「SBCくらしフェア」「大人の文化祭」「信濃の国楽市楽座」など、これまで多数の来場者を動員してきた大型イベントが、いずれも2年続けて開催中止となった。
一方で創立70周年記念事業では、映画「ペルセポネーの泪」の製作・劇場公開により県内外の話題を集め、同じく70周年記念として美術展「東山魁夷・唐招提寺御影堂障壁画展」を長野県立美術館で開催し、目標を大きく上回る約6万1,000人のお客様にご来場いただいた。スポーツイベントでは感染症対策を徹底しながら「第30回長野県市町村対抗駅伝競走大会」を2年ぶりに松本市で開催し、一般35チーム、小学生43チームが参加した。
「Yes,ものづくりナガノキャンペーン」では12回目となる「ものづくり大賞NAGANO2021」で、ものづくり大賞3社などを選定し表彰した。また長野県学校科学教育奨励基金では、今年度22件の研究テーマに対して奨励金を交付し、うち4件をSBC学校科学大賞・優秀賞・奨励賞として表彰した。
(技術部門)
テレビでは、2021年5月にマスター・統合バンク・営放システムをJNN系列共通仕様で更新し、特番対応などの使い勝手や監視強化など機能や安定性が向上している。
ラジオでは、radikoとAM放送のCM2元化に対応し、2022年12月更新に向けて新ラジオマスターの仕様検討を進めた。
送信では、テレビ中継局の保守整備を県内放送局と共同で実施し、飯山と真田TV中継局の放送機を民放共同で更新するなど、信頼性の向上や事故防止に努めた。
番組制作では、長野県市町村対抗駅伝の制作を本社をセンターサブにしたリモート形式で実施した。サッカーJ2リーグ松本山雅FCとJ3リーグAC長野パルセイロのホーム戦全試合について、Jリーグの公式中継映像を制作し「DAZN」で配信、年間ベストゴール賞を受賞し高い評価を得た。
番組制作設備では、報道制作素材サーバ、小型中継車、SNG基地局および車載局の更新検討や工事を進めた。
以上の結果、放送関連事業全体では、売上高は6,134百万円と前連結会計年度に比べ324百万円(5.6%)の増収、営業利益は50百万円(前連結会計年度は営業損失122百万円)となった。
最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりである。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 株式会社TBSテレビ | 1,109 | 16.6 | 1,123 | 16.2 |
| 株式会社電通 | 787 | 11.8 | 920 | 13.2 |
不動産関連事業
不動産・不動産管理運営に関しては、主たる「TOiGO」関連の事業については、継続して効率化を図り、経費の削減に努めた。一方で、ハウジング事業については、コロナ禍の影響を大きく受け減収となった。
この結果、不動産関連事業の売上高は815百万円と前連結会計年度に比べ39百万円(4.6%)の減収、営業利益は121百万円と前連結会計年度に比べ16百万円(12.1%)の減益となった。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ341百万円増加し、30,461百万円となった。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ161百万円減少し、3,521百万円となった。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ502百万円増加し、26,939百万円となった。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益678百万円、減価償却費494百万円の計上等により、営業活動により得たキャッシュ・フローは、766百万円となり、固定資産の取得による支出等により、投資活動により使用した資金は318百万円となった。また、長期借入金及びリース債務の返済等により、財務活動により使用した資金は163百万円となり、これらにより資金は、前連結会計年度末に比べ283百万円増加し、当連結会計年度末には5,699百万円となった。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は766百万円(前連結会計年度比14.4%増)となった。
主なものは税金等調整前当期純利益が678百万円と前連結会計年度に比べ608百万円増加したこと及び減価償却費494百万円である。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は318百万円(前連結会計年度比35.8%減)となった。
これは主に有形固定資産の取得による支出326百万円等によるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は163百万円(前連結会計年度比91.8%増)となった。
主なものは、長期借入金の返済による支出85百万円、リース債務の返済による支出47百万円等である。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、テレビ及びラジオの一般放送、動産・不動産の売買及び不動産の管理・運営等その事業の性質上受注生産形態に馴染まない売上が多いため、生産規模及び受注規模を金額・数量で記載していない。
このため、生産、受注及び販売の実績は「①経営成績の状況」における各セグメントの業績にその概要を示している。
⑤ 次期の見通し
放送関連事業は、新型コロナウイルスの感染の継続により、番組のロケや収録の見合わせ、主催・共催イベントの延期・中止、自粛など、グループ全体の活動が制限されている。このような環境のもと、新型コロナウイルス感染症及びウクライナ情勢の収束時期が不透明なことによる企業活動の自粛による広告出稿の低下などの影響が、通年にわたって続き、全体として今後も不透明な状況が続くものと想定され、予断を許さない状況が続くと予想される。
当社グループは、県民に親しまれ必要とされる放送局として永続するため、引き続き競争力の強化を行うとともに経費削減等の実施により運転資金の効率化に努め、財務活動についても安定的で低コストの資金調達構造を構築し、また、事業に内在するリスクを分析・評価し、対応策を検討・実施することによって、課題を着実に解決し、当社グループの企業価値を高めていく所存である。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、判断したものである。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載している。
また、当社の連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析
a. 経営成績等
1) 財政状態
(流動資産) 当連結会計年度末における流動資産の残高は、8,154百万円(前連結会計年度末は7,924百万円)となり、230百万円増加した。主なものは、現金及び預金の増加によるものである。
(固定資産) 当連結会計年度末における固定資産の残高は、22,306百万円(前連結会計年度末は22,196百万円)と、110百万円増加した。主なものは、持分法による関係会社株式の増加によるものである。
(流動負債) 当連結会計年度末における流動負債の残高は、1,181百万円(前連結会計年度末は1,123百万円)となり、57百万円増加した。主なものは、買掛金及び未払金の増加である。
(固定負債) 当連結会計年度末における固定負債の残高は、2,340百万円(前連結会計年度末は2,558百万円)となり、218百万円減少した。主なものは、退職給付に係る負債の減少である。
(純資産) 当連結会計年度末における純資産の残高は、26,939百万円(前連結会計年度末は26,437百万円)となり、502百万円増加した。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加である。
なお、セグメント別の総資産は放送関連事業27,098百万円(前連結会計年度末は26,733百万円)、不動産関連事業3,363百万円(前連結会計年度末は3,386百万円)である。
2) 経営成績
(経営環境)
当連結会計年度の日本経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい状況が続く中、持ち直しの動きがみられるものの、緊迫するウクライナ情勢や原油・資源価格の高騰、円安の進行など先行きについては予断を許さない状況にある。
長野県経済も同様であり、一部に回復に向けた動きが見られるものの、先行きが不透明な状況にある。
当社グループの主たる事業活動である放送関連事業が属する放送業界においては、新型コロナウイルス感染症及びウクライナ情勢の影響により、経済活動の抑制に伴う広告出稿の低下、各種イベントの中止に加え、インターネット広告費が、テレビメディア広告費を超えその差が広がる懸念等、予断を許さない状況が続いている。
(売上高)
このような経営環境の中、当社グループの主力である広告収入において、視聴率・聴取率の改善を着実に進め、ラジオ部門・テレビ部門共にタイム・スポット収入が前連結会計年度の大幅に減少から回復したため、売上高は、6,950百万円と前連結会計年度に比べ285百万円(4.3%)の増収となった。
(売上原価)
売上原価は、前連結会計年度に比べ、2.9%増の3,329百万円となった。これは、主に放送関連事業における、新型コロナウイルス感染症によるイベントの中止等が前連結会計年度よりも緩和されたことに伴い、売上も増加し、原価が増加したためである。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ、1.0%増の3,448百万円となった。また、売上高販管費率は、49.6%(前連結会計年度比1.6ポイント減)となった。これは、主に放送関連事業において売上高の増加に対応したものである。
(営業利益)
以上の結果、営業利益は、前連結会計年度比955.4%増の172百万円となった。
(経常利益)
持分法適用関連会社の㈱電算の利益計上等により、持分法による投資利益371百万円(前連結会計年度比48.0%増)等により営業外収益は529百万円、営業外費用は11百万円となった。この結果、経常利益は、前連結会計年度比74.9%増の690百万円となった。
(税金等調整前当期純利益)
特別利益は、退職給付引当金戻入額等により103百万円を計上し、特別損失は、固定資産除却損及び投資有価証券評価損により115百万円となった。この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比859.2%増の678百万円となった。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等の負担額93百万円、非支配株主に帰属する当期純利益14百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は、571百万円(前連結会計年度比1,328.4%増)になった。
3) キャッシュ・フローの状況
当社グループの資金の状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載している。
b. 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
当社グループの収益は、主に広告収入であり、この広告収入に影響を与える主な直接的要因は、景気、技術革新、規制緩和及びメディア競争の激化等といった放送業界に影響を与える情勢による広告費の変動、当社グループの競争力の変動、広告主の媒体ニーズの変化等である。
これらの要因に対応しつつ、当社グループの事業活動を維持していくために、より良い番組作りへの取り組み、設備・人材育成への投資を行い、事業継続を可能たらしめる利益と資金を確保してゆく所存である。
c. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの当連結会計年度末における、総資産に占める有利子負債(リース債務は除く)は前連結会計年度と比べて0.3%減少し、0.8%となっている。今後とも、営業活動によるキャッシュ・フローにより有利子負債の削減を進めていく所存である。資金需要としては、主には設備投資資金として、放送関連事業における、デジタル放送設備の維持更新費、FM補完放送のための送信所建設及び送信機器購入費があるが、これらについては主に内部資金の活用により対応する予定である。
d. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、収益力の向上を図るため、売上高営業利益率と、キャッシュ・フローを重視している。当連結会計年度における、売上高営業利益率は2.5%となり、前連結会計年度と比べて2.2ポイント増加している。
また、キャッシュ・フローは、主に放送設備の新設・更新による支出、借入金及びリース債務の返済による支出を営業キャッシュ・フローにより補うことができ、前連結会計年度末に比べ283百万円増加し、現金及び現金同等物の期末残高は5,699百万円(前連結会計年度比5.2%増)となった。今後も、設備や人材育成への投資を進めつつ、売上高の拡大、コスト削減など利益率の向上を図り、売上高営業利益率及びキャッシュ・フローの更なる改善を目指す所存である。